小さな旅のしおり

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高嶺の街 きらきらし ~静岡県 富士市~

投稿時間:2017年1月15日 08:24 | 投稿者: | 

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静岡県富士市は、富士山の湧水に恵まれた全国有数の「紙のまち」。町には、豊かな水を使った製紙工場が立ち並びます。夕暮れとともに、町はその姿を一変、暗闇に浮かび上がる富士を背景に工場郡の夜景が浮かび上がります。工場夜景に少年時代の思い出を重ねる男性、その灯りのもと夜通し働く労働者。さらに、工場夜景を見つめながら半世紀にわたり名産のしらす漁を続ける漁師。工場夜景に思いを寄せる人々に出会う旅です。


今回の放送内容

fuji1.jpg空気が澄む12月。富士市では、工場の前で観光客がカメラを構える姿を頻繁に目にします。お目当ては、富士山と光輝く工場が一緒に映る写真を撮ること。『富士独自の工場夜景』としてここ最近、全国から注目されています。そのきっかけを作ったのが、5年前から夜の工場を撮影し続けている鷲見隆秀さん。富士市内の旅行会社に勤め、自ら夜景ツアーを企画しています。


fuji2.jpg幻想的な夜景を作り出す工場の明かり。その明かりを「欠かせないもの」として日々頼っているのが、工場で働く人たちです。製紙工場で保守・点検を担当する庄展秀さんは、24時間3交代制で、設備が正常に動いているか確認しています。県外から、縁もゆかりもない富士市にやってきた庄さんにとって、当初、工場の明かりは無機質なものでした。それがあることをきっかけに、明かりの見え方が変わったといいます。


fuji3.jpgかつて万葉の歌にも詠まれるほど美しかった雪の富士と田子の浦。大気や海の汚染が進んだ昭和40年代、田子の浦のしらすの漁獲高は激減し、富士山も工場の明かりもかすんで見えなくなりました。82歳の外山廣文さんは、田子の浦で、幼い頃から父の船に乗り、しらす漁を営んできました。船の上から明かりを見続けてきた外山さんにとって、富士と街を照らす工場の明かりが見えることこそがきれいな海の証であり、ふるさとの海です。


旅人・山本哲也アナウンサーより

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冬の富士の高嶺のクッキリ感は目の前で見るとまた格別。しかも夜にこんな楽しみ方があろうとは。富士山と工場夜景とのコントラストはなんとも言えません。静岡局に勤務していましたが、こんなにじっくり夜の富士を眺めたのは初めてでした。そして田子の浦の港で食べた「漁協食堂のシラス丼」、まさに富士を代表するにふさわしく、美味。旅の途中2回も食べてしまいました。夜景にシラス、富士の恵みは広がります。


 田子の浦へのアクセス

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〈電車〉
東海道本線「静岡」駅→「吉原」駅(約40分)→徒歩(約30分)

もしくは、JR東海道新幹線「新富士」駅からタクシーで約7分

〈車〉
東名高速道路「富士」IC→国道1号線を田子の浦方面へ(約10分)


 問い合わせ先

▼工場夜景の観光全般について
富士市観光課 0545-55-2958

▼田子の浦のしらすについて
田子の浦漁業協同組合 0545-61-1004

 

 

 


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