大学卒業まで故郷の長野県を離れたことがなかったという傳田さんが選んだ就職先は、茨城県つくば市の研究施設。そこでの初めての仕事は、霞ヶ浦でオオヨシキリという鳥を研究する博士の調査の補助でした。
慣れない英語でのやりとりのうえ、野鳥の生態を観察するために早朝４時から湖の中を歩き回らなければなりません。悪戦苦闘の生活にも慣れ始めてまわりを見る余裕ができた頃、ふと見上げた「朝日に染まる霞ヶ浦の湖面の美しさ、その朝日を背景に餌をとるオオヨシキリの飛翔姿の美しさ」に、しばし仕事の手を止めたと言います。
朝日に染まる霞ヶ浦を見るために、正平さんは２日がかりの旅に出ます。朝靄立ちこめる湖の向こうに、まん丸の太陽が昇ってきました・・・。