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「匠」
Takumi

第23回 ステンドグラス

光を浴びて、さまざまな色に美しく輝くステンドグラス。
手がけるのは、ステンドグラス工芸作家 村岡靖泰さん。

卓越した技が認められ、2015年、ステンドグラス工として初めて、「現代の名工」に国から選ばれ、2017年には黄綬褒章を受章しました。

村岡さんがステンドグラスと出会ったのが27歳のとき。
旅の途中、パリのノートルダム大聖堂に立ち寄った時、聖堂の中の、壁一面に広がるステンドグラスの美しさに魅了され、ステンドグラス工芸作家を目指しました。

「あまりの美しさに鳥肌が立ち、感動を通り越してしばらく立ち尽くしてしまいました」

イギリスのウェストミンスター寺院や国会議事堂のステンドグラスを手がけた、名門の工房「ジョン・ハードマン スタジオ」で修行を積み、本場ヨーロッパの技術を手に帰国した村岡さん。1982年に自らのアトリエを構え、いまも神戸・北野で、ステンドグラスの制作を続けています。

「色ガラスを組み上げるだけがステンドグラスではない」と話す村岡さん。
こだわりは、色ガラスひとひとつに筆で立体的に施した絵付けや、ガラスの表面を溶かして作り上げるグラデーション。ヨーロッパの伝統的な制作方法です。

村岡さんの作品は、神戸市内をはじめ、県内各地に置かれています。
こちらは、神戸市東灘区の高台に建つ、神戸薬科大学の5号館に設置された作品。

そしてこちらは、神戸・北野でいまは結婚式場として使われるハンター迎賓館のチャペルに設置された作品。
(今回、村岡さんの作品の多くは、ハンター迎賓館にご協力いただき、風情ある異人館で撮影しました)

光のさす角度や強さといった少しの加減で、さまざまに輝きを変えるステンドグラス。

村岡さんは、「朝・昼・夜と、時間の移ろいとともに変わるステンドグラスの表情を楽しんでほしい」と話していました。
作品については、村岡さんのアトリエHPに掲載されています。
村岡さんのアトリエHP: https://www.gls-m.com/index.html

左から: 前田拓哉(照明)
吉ヶ江真貴子さん(アトリエスタッフ)
福田あかり(音声)
村岡靖泰さん
松村健司(撮影・筆者)
山本知歩(ディレクター)