【患者体験談】声がかすれる 声帯結節の原因と治療法

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のどがおかしいのど
かすれ声になった女性のイメージ写真

突然、かすれ声に

学習塾を経営するAさん(62歳・女性)。授業は週に3回、1日9時間もしゃべりっぱなしの生活です。そんなAさんが「声のかすれ」を経験したのは5年前のことでした。

「ある日突然声がまったく出なくなって困った。今すぐ言わなきゃいけないことが言えない。職場での会話が一番大変だった」

会話がままならないことから、買い物をするときには筆談で注文するなど、日常生活にも大きな影響が出ました。

原因は声の使いすぎ

Aさんは耳鼻咽喉科を受診。検査で「声帯結節」と診断されました。

声帯結節とは?

声帯がぴったりと閉じているイラスト
声帯に隙間が生じると、声がかすれる

声帯は気管の入り口にあります。
声帯がぴったりと閉じ、肺から送り出される空気で振動することで、声が出ます。
しかし、声を使いすぎると、声帯がぶつかり合う中央の部分が炎症を起こし「むくみ」ができることがあります。これが「声帯結節」です。
このむくみによって声帯に隙間が生じると、声がかすれてしまうのです。

再発しやすい声帯結節

Aさんは、手術で声帯結節を除去することにしました。その結果、
「ちゃんと声が出るようになり、声帯もきれいになったと診断されて、普通に仕事ができるようになった」といいます。

ところが手術から5年後。またも、声がかすれて出しづらい状態に。
声帯結節が再発してしまったのです。
Aさんのように普段から声をよく使っている人は、声帯結節が再発しやすいのです。

再発後に受けた2つの治療法

Aさんは、まず薬での治療をおこないました。
使ったのは、声帯結節の炎症を抑え小さくする「ステロイドののみ薬」。
また、胃酸が上がってくると声帯がダメージを受けることがあるため、胃酸を抑える「PPI(プロトンポンプ阻害薬)」という薬も使いました。

声帯の保湿する専用の器具

もうひとつは「声帯の保湿」です。
Aさんの場合は専用の器具を使って、霧状にした生理食塩水を1日5回吸入。
さらに毎日1.5〜2リットルの水分を摂取し、声帯に潤いを与える生活を心がけ、のどのケアを徹底しました。

すると1か月後、見事Aさんの声帯からむくみが消え隙間がなくなったのです。

「今は声が正常に戻りました。油断するとまた元に戻ってしまうかもしれないので気をつけています」

のどの不安が解消されたAさん。最近は大好きなK-POPダンスに打ち込むなど、仕事と趣味を両立させ、充実した毎日を送っています。

この記事は以下の番組から作成しています

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