足のひび割れ・手のあかぎれ 予防法、対処法、角質ケア、保湿クリーム

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セルフケア・対処できものがある皮膚

かかとのひび割れの対処法

手のあかぎれ、かかとのひび割れ

かかとのひび割れの対処法の基本は保湿です。保湿クリームをたっぷり塗ったり、保湿成分の入っている靴下を履いたりするようにしましょう。また、対処の基本は保湿ですが、専用のやすりを用いて行う角質ケアは、かかとのひび割れを改善することができ、新しい皮膚が作られやすくなるという利点があります。しかし、間違った角質ケアは症状を悪化させるため、正しく行うことが大切です。

角質ケアの方法

角質ケア専用のやすりを準備

まず、角質ケア専用のやすりを準備します。

やすりのかけ方のポイント

やすりは足の側面から中心に向かって一定方向にかけます。強くこすったり、削り過ぎたりすると、かえって“ガサガサかかと”が悪化してしまうので注意しましょう。まだ少し硬いなと思うくらいでやめておくのがポイントです。

保湿クリーム

続いて保湿クリームを塗ります。クリームの量は片足に対して「指の第一関節分」くらいにします。やさしく包み込むように塗ることがポイントです。
角質ケアは入浴後に行いましょう。皮膚が水分を含んで柔らかくなっている状態で行うのがよいでしょう。かかとのひび割れが強くてガサガサしているなら週に1回程度、そうでなければ月に1~2回程度行うのがおすすめです。保湿クリームは毎日塗るようにしましょう。

かかとのひび割れ原因

角質ケアは、かかとのひび割れの根本的な解決にはなっていません。根本的な原因を知ることが大切です。その原因は、乾燥や新陳代謝の衰えなどもあげられますが、“かかと荷重”も原因の1つです。

足裏の体重のかかり方

かかと荷重とは、かかとに体重がかかり過ぎている状態のことです。上記の図は、正常な足の人とガサガサかかとの人の体重のかかり方を比べたものです。赤い色ほど体重がかかっていることを示しています。ガサガサかかとの人は、足指に体重がかかっておらず、かかとに過度な体重がかかっています。このように、かかとに過度な圧力が繰り返しかかることで角質が過剰に厚くなり、かかとがガサガサになってしまうと考えられています。

姿勢や歩き方でひび割れは改善できる

かかと荷重には姿勢や歩き方が関係しています。そり腰や足指を使わないペタペタと音がするような歩き方だと、足指で地面を押し出すことができていないことが多いため、足指が地面から浮き上がってかかと荷重になりがちです。かかと荷重によるひび割れを改善するためには、足指をきちんと使った正しい歩き方を身につけることが大切です。

“ガサガサかかと”を防ぐおすすめの歩き方

まず、頭を上から引き上げられるようなイメージで姿勢を正し、まっすぐ前を見ます。出した足にのることを意識して、かかとから着地しましょう。そして、以下の順番で重心を移動させ、最後は足の親指で地面を押し出しましょう。

“ガサガサかかと”を防ぐおすすめの歩き方

①かかとのやや外側から着地する。
②重心をかかとから小指側に移動させる。
③反対側の足が前に出て行くときに小指側から親指側に重心を移動させる。
④最後は親指をしっかり押し出す。

手のあかぎれの予防と治療

手のあかぎれを防ぐには、保湿が大切です。保湿クリームをしっかりと塗るようにしましょう。
あかぎれが起こってしまった場合には、皮膚を合わせるようにしてハイドロコロイド素材のばんそうこうを貼り、その周りにクリームを塗ります。このような対処をして2週間たっても改善しない場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

保湿クリームの疑問を解決!!

手のあかぎれや足のひび割れを予防するために大切なのは、保湿です。しかし、保湿クリームを塗るとベタベタしてしまうのが苦手な人や、水仕事が多く水仕事のたびに保湿クリームを塗ることができないといった困りごとをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうした、保湿クリームに関する疑問を解決します。

保湿クリームの疑問

保湿クリームを使っているのに皮膚がカサカサしているのはなぜ?

保湿クリームの使う量が少ないということが原因として考えられます。一回で使用する保湿クリームの量の目安は、「指先から第一関節までの長さ」です。この量を使って片方の手のひらと手の甲に塗ります。手のひらだけであれば、この量で両手に使います。

たくさんの保湿クリームのなかからどれを選べばよいかわからない

ひび割れやあかぎれの症状が重い人は、ビタミンE配合の保湿クリームがおすすめです。ビタミンEは血流をよくする働きがありため、冷えなどの血行不良が原因でひび割れやあかぎれが生じている人に効果があります。また、尿素配合のクリームは角質が硬い人に向いています。かたくなった角質やガサガサに乾燥した角質をなめらかにする効果があります。しかし、ひび割れなど皮膚に亀裂があると使用時にしみることがあるため、注意が必要です。予防として使うのであれば、使い心地や香りなど好みの保湿クリームを選ぶとよいでしょう。長く日常的に使うことが大切です。

保湿クリームをたっぷり塗ると手がベタベタして不快

保湿クリームを使い分けることがおすすめです。例えば、昼間はローションタイプ、寝る前はクリームや軟こうタイプを使うなどといったものです。また、塗る方向にもポイントがあります。縦(手首から指先のライン)にゴシゴシと塗る人がいるのですが、横方向にやさしく塗るようにしましょう。手指の皮膚は、横方向にシワがあります。シワの溝に入れるように保湿クリームを塗ると、すぐに浸透するのでベタつきも少なくなります。

水仕事のたびに保湿クリームがとれてしまうため水仕事の前は保湿できない

保湿クリームの有効成分は、皮膚の表面にある角層にすぐに浸透するため、水やお湯を使っても完全にとれてしまうことはありません。そのため、塗らないよりも塗った方がよいでしょう。また、水仕事が多い人に向けた、皮膚を保護するベールをつくってくれるような保湿クリームや、ぬれた手に使うことができる保湿クリームもあります。水仕事の多い人ほど、手のあかぎれや手荒れが起こりやすいため、保湿クリームを塗ることが大切です。習慣化させるためにも、洗面所や台所に保湿クリームを置いておくとよいでしょう。

保湿クリームの以外のあかぎれ対処法

水仕事をするときは、ゴム手袋をして洗剤や水に直接触れないようにします。また、水仕事や手洗いなどによって手がぬれてしまった場合は、しっかりと拭き取りましょう。水滴が肌に残っていると、蒸発するときに一緒に肌の水分も奪ってしまいます。特に、指先、指の間、指関節のしわの部分は、あかぎれが起こりやすい部分でもあるので、意識してよく拭くようにしましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2023年11月 号に掲載されています。

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