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2023年度 第5回
視聴者のみなさまと語る会(水戸)開催報告書
(2023年11月18日(土)開催)

 

<名称>

視聴者のみなさまと語る会(水戸)

 

<日時>

2023年11月18日(土)午後1時〜2時45分

 

<実施方法>

参集方式

 

<出席者>

〔参 加 者〕

茨城県にお住まいのみなさまを対象に29人が参加

〔経営委員〕

前田 香織 委員(広島市立大学最高デジタル責任者・特任教授)

 

水尾 衣里 委員(名城大学人間学部教授)

〔執 行 部〕

根本 拓也 理事

 

山内 昌彦 理事

 

宮本 愛子 水戸放送局局長

〔 司 会 〕

小松 宏司 アナウンサー

 

<実施概要>

 冒頭、経営委員から協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について説明し、「NHKの放送や経営全般、NHKプラスなどのインターネットサービスについて」「地域放送・サービスについて」をテーマに意見や提言を募った。

 

 ミーティング終了後、「地域の人を主人公に〜あの時の水戸局、そして今」と題して、小田切 千 アナウンサーによる講演会を開催した。

 

<内容詳細>

(司会)
 経営委員から、NHKや経営委員会の役割などについて簡単にご説明します。

 

 

◆協会の基本方針・重要事項の説明

(前田委員)
 はじめに、NHKの経営委員会についてご説明します。
 NHKの経営委員は国会の同意を得て、内閣総理大臣から任命されています。経営委員会は、さまざまな分野や地域から選ばれた12人の委員で構成されています。
 経営委員会では、中期経営計画や予算・事業計画など経営の重要な事項について議決するほか、会長や副会長、理事らが決められた方針に沿ってNHKの運営ができているかどうかを監督しています。また、NHK会長を任命するのも、経営委員会の重要な役割です。
 私たち経営委員は、NHKの経営にあたって、視聴者のご意見を踏まえ適切な判断や検討を行うことが求められています。そこで今回のような「視聴者のみなさまと語る会」を毎年6回以上開催しています。
 NHKの役割の一つは、災害や新型コロナウイルスなどから命や暮らしを守る「安全・安心」に関する情報をお届けすることです。また、“NHKだからできる放送”に力を注ぎ、多様で質の高い番組や情報をお届けしています。
 NHKが受信料で運営されていることはご存じの方が多いと思います。NHKは税金で成り立つ国営放送ではありません。受信料で成り立っている公共放送です。特定の利益や意向に左右されない、公正で質の高い番組をつくり、視聴率にとらわれずに社会に必要な教育・福祉番組などをお届けできるのは、受信料によって財政面での自主性が保障されているからです。
 続いて、NHKの「インターネットを活用した取り組み」についてご紹介します。放送を中心としながらインターネットも活用して、公共性の高いコンテンツや情報を「いつでも、どこでも」受け取れる環境を整え、視聴の機会を増やすことは重要な取り組みと考えています。
 その取り組みの一つが、スマホやタブレットなどで番組をご覧いただくNHKプラスです。NHKプラスには、総合テレビとEテレの番組をインターネットで放送と同時に配信する「常時同時配信」と、それらの番組を1週間程度いつでも見ることができる「見逃し番組配信」のサービスがあります。NHKと受信契約をしている方と、その方と生計を同一にする方は、追加のご負担なくご利用いただけます。また、去年からテレビ向けのアプリサービスが始まり、テレビの大きな画面で見逃し番組配信をお楽しみいただけるようになっています。
 続いて、「NHK経営計画」についてご説明します。この計画は2021年度から3か年のNHKの具体的な経営目標や重点方針を掲げています。経営委員会で視聴者の皆さまから広くご意見を募集して、議論し議決しました。
 NHKは、公共メディアとして皆さまの信頼に応え、合理的なコストでの運営に努めます。経営資源を多様で質の高いコンテンツに集中させ、正確、公平公正で豊かな放送・サービスを、いつでもどこでも最適な媒体を通じてお届けし続ける「新しいNHKらしさの追求」を進めます。そのために、経費を削減する一方、「安全・安心を支える」、「新時代へのチャレンジ」、「あまねく伝える」、「社会への貢献」、「人事制度改革」の5つの項目に重点的に取り組み、スリムで強靱な「新しいNHK」を目指します。
 ことし1月に経営計画の修正を行い、「5つの重点項目」については、「安全・安心を支える」、「あまねく伝える」の内容を強化することにしました。
 また、衛星波は2Kのうち1波を削減します。来月12月から、BS1、BSプレミアムは「NHK BS」に、BS4Kは「NHK BSプレミアム 4K」として、新しく生まれ変わります。視聴者のみなさまがBS1とBSプレミアムでお楽しみいただいている番組の多くは、引き続きご覧いただけるようにします。4Kは、見応えたっぷりな特集番組や超高精細映像ドラマなど、プレミアムなラインナップでお届けします。
 受信料は、先月から、地上契約、衛星契約ともに1割値下げします。また、学生を対象とする免除を拡大し、親元等から離れて暮らす学生は原則免除としました。
 また、2024年度からの次の3か年の中期経営計画については、約1か月にわたり、みなさまからご意見をいただきました。
 本日、皆さまからいただく貴重なご意見は、今後の経営委員会の活動の参考にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

(司会)
 きょうは、大きく2つのテーマについて皆さまから意見を伺ってまいります。まず、1つ目のテーマは、「NHKの放送や経営全般、NHKプラスなどのインターネットサービスについて」です。NHKのニュースや番組について、NHK経営計画や受信料制度について、またNHKプラスなどのインターネットサービスについて、NHKへのご意見、ご要望などについて伺います。2つ目のテーマ「地域放送・サービスについて」は、後半で伺います。
 それでは、まず1つ目のテーマについて伺っていきます。

【参加者】
 理事のお二人が茨城県にゆかりの方で、非常に心強い気持ちです。
 茨城県は47都道府県で唯一、民放のテレビ局のない県です。それだけに映像の情報は水戸放送局に頼らざるを得ません。水戸放送局には、ニュース番組、「いば6」、「いばっちゃお」、気象情報などがありますが、他県では民放が補ってくれるのです。NHKはメインチャンネルと、野球中継が延長になると使われるサブチャンネルがあります。そのサブチャンネルをもう少し有効に使って、県民向けの放送をできないものでしょうか。伝送速度やデータ量、あるいは画質の低下など技術的なことは分かりませんが、少しご検討願えませんでしょうか。

(司会)
 ありがとうございます。本当によくご覧いただいていて、うれしいです。「いば6」だけでなく「いばっちゃお」まで出てきました。金曜昼前にやっていますので、ぜひご覧ください。サブチャンネルの活用はどうかというご要望でした。

【参加者】
 最初の説明に3か年計画でやっていることや、経営委員が監督をするというお話がありましたが、具体的に監督をするというのはどのようなことをするのでしょうか。国際規格で経営をマネジメントするとか、規格を適用して理事を監督するのか、大学にお勤めされているというお話もあったので、法律関係の方たちを委員として招いて経営を監視するのでしょうか。どのようなやり方なのか、成果についても少し気になりました。

(司会)
 ありがとうございます。経営委員の役割についてのご質問でした。

【参加者】
 経営計画の関係で、AMのラジオを1波にするということですが、第1と第2でかなり違った放送をしていますので、英語教育、高校の通信教育などが大きく削減されるのではないかという懸念があります。これからどういう形になっていくのでしょうか。
 「らじる★らじる」の聴き逃し配信を結構活用していますが、すべての番組でこのサービスができてはいないと思うので、できればもう少し範囲を広くやっていただければと思います。
 「ラジオ深夜便」など権利の関係もあると思いますが、できればそれもやっていただきたいと思います。

(司会)
 ありがとうございます。ラジオ波の教育コンテンツなどの活用、そして、インターネット活用についてのご質問でした。

(山内理事)
 最初のご質問で、本当にきちんと放送を見ていただいているということがこちらに伝わってきます。技術的なところも十分実は分かっていらっしゃって質問されているということが分かりました。
 メインチャンネルとサブチャンネルで言いますと、確かにサブチャンネルのほうを使うと画質が悪くなったりするというところがあり、技術的な課題ではあるのですが、一番の課題は、メインチャンネルでも放送しながら、サブチャンネル向けの取材制作をするパワーをいかに効率よく導き出せるかということです。いただいた受信料を最大限に使いながら放送していくということになったときに、サブチャンネル分のパワーとお金をどうやって生み出していくのかということが、取材制作側にとっては一番の課題だと思っています。
 ご指摘のように、高校野球などの場合は他の番組等とかぶったりすると、ローカルについてはサブチャンネルを使うということもあると思います。
 災害時など、エリアに特化したサービスのときにサブチャンネルを活用するという意味で、もっとローカル目線といいますか地域目線で活用していくことが、これからは必要だろうと思っています。
 一方で、放送というのは24時間という限りがありますが、デジタルサービスに関しては、その24時間の時間的な制約から外れてくる部分もあります。放送とデジタルを組み合わせながら、サブチャンネル分のサービスをどうやって地域の皆さんにお届けしていくのか、もう一つ手としては考えなければいけないと思っています。
 3つ目の手は、ローカルのニュース番組も大事ですが、「ブラタモリ」、「家族に乾杯」、「NHKのど自慢」などの全国放送の中でいかに茨城の番組を伝えていくのか。この3つをきちんとうまく回していくことによって、唯一の放送事業者であるNHKが茨城の中で存在感を示していくことになるのかなと思っています。
 今のサブチャンネルの活用については、持ち帰ってどういうことができるのか編成部門とも考えたいと思っています。

(水尾委員)
 私たち経営委員は12人います。これは、国民の代表である国会の同意を得て内閣総理大臣から任命されていますので、私たちは国民的立場から、NHKという放送局の運営や仕事を見ていくという立場にあるわけです。
 ご質問いただきました監督ということですが、放送法に従ってきちんと仕事をしているか、役員が職務の執行を果たせているかなどを監督しながら、国民的立場から今、国民また視聴者はどのようにNHKのいろいろなコンテンツを見ているかということを踏まえながら議論し、経営計画や基本方針を決めていくという最高意思決定機関として存在しています。
 そういう立場ですので、こちらの執行部の理事たちとは、ある意味、よい緊張感の中でいろいろと議論をしたりしています。

(根本理事)
 われわれ役員は、経営委員会ならびに監査委員会から定期的にヒアリングを受けることや、日々の業務について説明を求められるケースもあります。
 放送や制度にきちんと則してやっているかをしっかり見られている立場にありますので、しっかり仕事をしていくということで応えていく役割だと思っています。
 そういう意味では、最高意思決定機関は経営委員会ですので、大方針に従って仕事をしていくことが大きな筋だと考えています。

(司会)
 ありがとうございました。ラジオ波について、根本理事からです。

(根本理事)
 ありがとうございます。
 ご指摘があった1波削減の部分ですが、今のR1とR2では内容はかなり違いますが、R2でやっています教育系のコンテンツや語学学習などについては、FMの活用やネット展開でしっかりとやっていこうと思っています。
 特に、ネット展開を考えた場合、好きな時間に何度も聴くことができるというメリットもあり、このような活用をしっかりとしていくことが大事かと思っています。
 実際にラジオの波の数が減るのは26年度からになります。あと、2年半ぐらいは現状でいきますが、その間もリスナーの皆さんのご不便にならないような形で編成も考えていこうと思っているところです。
 それから、すべてのコンテンツの聴き逃しができないかという点ですが、これも大きな課題だと思います。ただ、現状は技術的な面もあり実現できていませんが、しっかりと検討すべきと思っています。

(司会)
 宮本局長からはいかがでしょうか。

(宮本水戸放送局局長)
 お話のように権利系の処理が一番の課題です。深夜便の音楽の時間帯については、著作権を保持されている方の権利をいかに侵さないかということもとても大切な視点で、業界団体などと権利関係で、毎年、話し合いをしています。
 利便性を高くすることと、権利を持っている方をどう保護していくかということとの兼ね合いかなと思っています。引き続き、ぜひ深夜の時間帯ですが、本放送で聞いていただければうれしく思います。ありがとうございました。

(司会)
 ありがとうございます。引き続き、どうぞラジオもご愛顧ください。

【参加者】
 茨城県は日本で唯一、県域の民放テレビ局を持っていません。ですから、そのような事情からも、サブチャンネルの有効活用は、そのとおりだと思います。
 いろいろな意味でリソースとしての経費は、やはり全国の他府県と同一の扱いではなくて、茨城県特有の県域テレビ放送局がないという状況を踏まえたうえで予算配分をしてもらえれば、まさに宮本局長がこれから苦労しなくてもよい状況になると思います。
 厳しい状況では、いろいろな人の手当て、機器、運用をするうえではお金がないと解決しません。
 そのようなことを経営委員や理事に認識してお帰りになってほしいと茨城県民として思いました。

(司会)
 予算配分について、それぞれの放送局、県域ごと、そして、県の持つメディア特性によってできないかという要望でした。ありがとうございます。

【参加者】
 私はテレビを1日朝1時間ぐらいしか見ません。ほとんどラジオの聴き逃しや、インターネットを使って聴き逃しで聴いています。聴き逃しは非常に便利だと思いました。
 NHKプラスでテレビが見られるというのも分かります。ただ、今はテレビを見ているのはお年寄りぐらいかなと思います。
 そのお年寄りがインターネットにつなぐとか、パソコンなどを本当に利用できるのでしょうか。テレビを買ったときに設定してもらって、それでおしまいです。インターネットはどうつなぐのか、よいものがあってもつなぎ方が分からないという状況だと思います。
 私も年を取ったら「IT介護」は息子にしてもらうような感じもあるのです。年を取った人たちにどのようにして教えるかという方針だけでも教えてもらいたいと思います。

(司会)
 インターネット、また、スマホを使った情報を受け取る場合、年齢を召した、人生の大先輩はどうしていくのかということでした。

【参加者】
 毎日「いば6」を見ています。いろいろな情報がありまして、イベントなどたくさん報道されていますが、イベントや「いば6」のインタビュー、三島キャスターの出る報道など、時間を延ばして放送してほしいと思っています。

【参加者】
 「NHKのど自慢」を毎回見ているのですが、小田切さんが司会の予選会に出たことがあります。残念ながら落選してしまったので、「NHKのど自慢」の放送時間を拡大してもらいたいと思っています。
 NHKニュースと気象情報が11時55分から始まるので、その時間を短縮して「のど自慢」を拡大してほしいです。また、市民会館ができましたので、そこでもぜひやってもらいたいと思っています。

(根本理事)
 ありがとうございます。
 私は、経営計画の担当をしています。水戸に限らずなのですが、地域事情はそれぞれみんな違います。放送の時間の長さも違いますし、職員の数も違い、いろいろな事情があります。ご指摘のように茨城県は民放がないので、NHKの役割も大きいと思います。しっかりと配分について考えるように伝えたいと思います。
 事情はよく分かりますが、一方で、同じような要望を持っている県もたくさんありますので、全体の中でどうするかということは十分考える必要があると思います。お気持ちはありがたく受け止めさせていただきます。

(司会)
 予算配分についてのお答えでした。インターネット活用などについて、山内理事からお願いします。

(山内理事)
 インターネットのつなぎ方の問題は、決してお年を召した方だけの課題ではなくて、テレビとネットが接合されたなかで、機器が高度化して、みんな同じように困っていたり、分からなかったりするということだと思うのです。
 確かに画面上は、QRコードを見ていただければつなぎ方が分かりますという話をするのですが、QRコードの使い方が分からないという方もたくさんいるというのが実態で、手取り足取りどうやって伝えていくのかということが、現場レベルでは必要になってくると思っています。
 そういったご要望にすべてNHKの現場が答え切れるほど、リソースとして人・物・金が全部あるわけではないのですが、これを見てやってください、ここにマニュアルがありますという冷たい突き放し方ではない伝え方を考えていかなければいけないと思います。われわれも日常的に課題としてこうした話をしておりますので、きょういただいた意見も今後の検討に生かしていきたいと思っています。ありがとうございます。
 「NHKのど自慢」の時間を延ばしてほしいという非常にアグレッシブなご要望ですが、いろいろなタイプの「のど自慢」を増やしていくということを今は考えています。
 小田切アナウンサーが卒業して、今年度から2人の新しい男女の司会者にしながら、セットも統一して行っています。実は大きな会場、箱物がないような市町村にもきちんと行って、「のど自慢」ができるような仕組みを考えながらやっている部分もあるのです。
 時間が延びるのではなくて、行ける場所が増えてくる。行ける場所が増えてくると、今まで参加できなかった人たちが参加しやすくなる。何か大きな災害などがあったときに、その地域を励ますために会場が平場のところでも行うといったことができるようにしたいと思って、今年度からそのような形を取っています。
 時間を長くするだけが答えではなくて、タッチポイントを増やしていく、そういったことを今後考えていきたいと思っているところです。
 予選会を通るかどうかは、実力次第というところがありますので、ことしからはカラオケに変えました。生演奏ではないカラオケのよさは何度でも練習できることです。何度でも練習して予選会を突破していただくというところでは、まさに努力した分が報われると思っています。

(司会)
 それでは、2つ目のテーマです。地域放送、サービスについてご意見を伺っていきたいと思います。
 水戸放送局で行っている地域放送やサービスについて、宮本局長からご紹介したいと思います。

(宮本水戸放送局局長)
 皆さま、「いば6」をふだんからご覧いただいていますでしょうか。ご覧くださっている方は、手をあげていただけますでしょうか。

(司会)
 挙手をいただき、ありがとうございます。

(宮本水戸放送局局長)
 これだけ多くの方にご覧いただいて、本当にうれしく思っています。私のほうから簡単に、水戸放送局のご案内をさせていただきます。
 まず、水戸放送局の歩みということで年表をまとめました。そもそもは1942年、戦争中に水戸出張所という形で開設されていますので、2022年の去年がちょうど開局80周年となります。去年は、イベントや放送を通じて若い視聴者の方とつながるような番組もつくってきました。
 1970年にFM放送を始めて、長らくラジオの放送局でしたが、2004年に地上デジタル放送開始ということで県域のテレビ放送を始めました。2004年にスタートしましたので、来年はちょうど県域のテレビ放送を始めて20周年になります。
 実は、本日、講演会を担当する小田切千アナウンサーも開局当時のメンバーでして、本日の司会の小松宏司アナウンサーも、後ろにいる竹内副局長もその当時、立ち上げに加わったメンバーであり、そのころのことをよく知る者がちょうど水戸放送局に戻ってきています。
 また、2022年の10月からNHKプラスで「いば6」を毎日ご覧いただけるようになりました。「茨城スペシャル」という特集番組なども放送から2週間ご覧いただくことができるようになっており、茨城にゆかりがあり、遠方にお住まいで県域放送がご覧になれないという方も、茨城の情報を取っていただけるようになりました。
 多くの方に番組をご覧いただいて大変うれしいです。「いば6」という月曜日から金曜日の番組を中心に、このような県域放送をつくっています。
 水戸放送局としての取り組みも少しご紹介させていただきます。放送に携わる者はもちろんなのですが、ふだん営業活動をしている者、管理系の業務をしている者、技術の業務をしている者も含めて、今、茨城をPRするためのコンテンツ、県内各市町村をできるだけ幅広くご紹介したいということでさまざまな取り組みを行っています。
 旅の企画や、自転車に乗って県内を散歩するという企画、SNSのXも使っています。営業や技術の者は外での仕事が多いのですが、その訪問先にわれわれのキャラクターのなっとうどーもくんの小さい人形を連れていき、例えば牛久大仏のそばを通ったときに、なっとうどーもくんと牛久大仏を撮って、SNSで発信するなど、茨城のよいところ、名所や、季節的なことなどをお知らせするような取り組みもこつこつですがやっていまして、少ないマンパワーですが、常に44の市町村をなるべく満遍なく取り上げていくことを目標にしています。
 もう一点、力を注いでいることがありまして、日ごろお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。実は茨城県ではNHKのドラマの撮影が数多く行われています。前期まで放送していました朝ドラの「らんまん」は、水戸市内でロケが行われまして、その折に出演者の方のインタビューをショート動画で全国の皆さんにご覧いただけるようにしたりしています。今、放送中の「大奥」シーズン2は弘道館でロケが行われまして、そうしたこともあり、徳川ゆかりの地でもございますので、来月12月5日から17日には、この「大奥」の衣装や小道具を展示する展覧会も予定しています。県立歴史館で行いますので、もしお近くでしたらぜひお越しください。入場は無料です。
 それ以外も、歴史にゆかりのあるところでもありますし、こうしてドラマロケも多いので、こうした機会を通じて、茨城県内にこのようなすてきなところがあるのですということをご紹介できればと力を入れています。
 県内唯一のテレビ放送局ということで、テレビ番組そのものをつくることももちろんなのですが、このような取り組みを行って、この茨城の魅力、茨城の情報を少しでも外に向けても発信したいと思っています。県内の皆さまへの情報発信とともに、全国に向けてのPR大使のような役割を果たせればよいなということで取り組んでいるところです。

(司会)
 2つ目のテーマです。地域放送、サービスについてお話を伺いたいと思います。ご意見、ご感想のある方、どうぞお手をお挙げください。

【参加者】
 皆さん方の先ほどからのご質問に、私も非常に同感することがありました。それと一緒に、やはり茨城県を愛していることから、ニュースや「いばっちゃお」など、非常に関心を持って見ています。
 今、茨城県がランキングで全国最低の線をいっています。後ろから2番目などです。私はずっと他市に住んでいまして、そのころは水戸というのは非常に輝いて見えたのですが、こちらに帰ってきて、いかにその水戸が質の低い観光都市、文化都市になっていたのかということを実感して、寂しく感じています。放送にも、やはり責任の一端があるのではないかと思っています。
 先ほどから予算の問題が非常に出ておりましたが、どのように予算が組まれているのか、質問したいと思います。
 また、例えば番組をつくるときの県に対するアイデンティティーは、どのようなものなのでしょうか。
 私は「プライムニュース」のファンで、他局で申し訳ないのですが、あのような質感もNHKで取り上げてもらえたら、その番組のファンになるのではないかなと思ったりしています。

【参加者】
 去年のことです。SNSのX(旧ツイッター)をよく見てフォローさせていただいているのですが、「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(以下ロッキン)」について、NHK水戸放送局で、ロッキンが帰ってくるという報道を見ましたが、あの報道は、実はロッキン側では最終日の最後に発表して、会場が盛り上がって、それを民放でも一斉に報道して盛り上げたいという意図があったらしいのです。NHK水戸放送局で、その情報を先に出してしまって、ロッキン運営としては本意ではなかったということを旧ツイッターで読んだり、ホームページで見たりしました。水戸放送局としてはうれしい情報なので最新情報を出したかったのだろうなとは思うのですが、少しロッキン側のことも考えて報道していただけたらよかったかなと思います。
 また、以前、震度4の地震が2回ほど起きたときのことです。2017年8月2日、金子アナウンサーが、深夜2時に震度4の地震が起きて30分しないうちにスーツを着てネクタイを締めて放送に出ました。2021年10月28日は中村慶子アナウンサーが、日中だったのですが、黒のパーカーのふだん着で出ていたということが、旧ツイッターでも好感を持たれていましたが、報道姿勢に真摯な感じで、見た目を優先せず、夜中でもすぐに対応してとてもよい印象を周りに持たれていてよかったです。アナウンサーや制作の皆さんも、寝たり食べたり健康も大事ですので、いつもそれをやってくれというわけではありません。しかし、冒頭で、小松アナウンサーから、地震があったら全力で報道してくれるという安心できるお話があったので、これからも頑張っていただきたいですし、見ている私もそういうことを忘れないようにしていきたいと思います。

(司会)
 温かいおことばをありがとうございます。

【参加者】
 デジタル放送が始まって来年で20周年ということですが、私は最初から見ています。民放がないことから、非常に期待していました。小松さんや他の皆さんが登場して、毎日本当にたくさんのニュースや、いろいろなことをされていたのですが、放送時間はその当時から相当減っています。午前11時半から毎日放送していたものが、今は金曜日だけになりましたし、今は毎日6時10分からのものも昔は5時10分から2時間やっていました。時間がかなり少なくなってきているということに加えて、もう一つ、内容が本当にニュース中心になっています。当時は小田切さんをはじめ、小松さんも、結構はちゃめちゃなことをしていて、よくこれをNHKでできるなと心配するぐらいおもしろかったのです。
 特に「わいわいスタジオ」は、毎週のように各高校の名物校長や先生を呼んだり、学生に預けて毎日のように高校ごとにやったりと、すごかったです。あれがいつの間にかなくなってしまったのです。少しおとなし過ぎるかなと思います。「いば6」に苗字研究家の信幸男さんが出たり、きのうも茨城漁連の小野瀬聡さんが出たり、新しいコーナーができて、それはよいのですが、前はもっとすごかったなという気がします。
 同じことができないのであれば、その当時のすばらしくおもしろかったことを、月に一度、2か月に一度でも、アーカイブスで特集としてやってほしいと思います。この中で、分かっているのはきっと小松さんと小田切さんぐらいかと思います。あとは、参加者で当時を知っている人ぐらいだと思います。あのころ、民放が無い県でNHKがやった実験的なことはすごかったなと今でも思っています。ぜひそのようなわくわくするようなことを、もう一回見たいと思いますし、たまにはそのような番組ができるのではないでしょうか。お願いしたいと思います。

(司会)
 ありがとうございました。県域放送を持つ県として魅力度ランキングが低い茨城にNHKとして何かできることはないか。NHKがもっとすべきことはないかという話。そして、局の取材をするときの予算配分などについてもご質問いただきました。
 NHKの報道の基準、さらには、われわれの緊急報道への姿勢についてご意見がありました。
 当時20年前の放送時間、放送内容と現在の放送についてということでお話がありました。いかがでしょうか。

(宮本水戸放送局局長)
 皆さまが温かく、そして、期待を持って見てくださっているのだなということを改めて感じています。
 実は、私も「プライムニュース」が好きなのです。NHKでより魅力的なニュース番組をということはご意見として承りたいと思います。
 魅力度ランキングについても、皆さんどのぐらい本当にランキングを気にされていますか。よいほうがよいに決まっているのですが、私は茨城に来まして3年目になります。本当にここは、地元ですべてが完結していて、農漁業だけではなくて、工業も科学技術も優れていますし、あらゆるものがそろっていて、皆さんの暮らしが非常によい。高いレベルで維持されているところなのですが、外から見ると分からないのではないかなと思っています。
 しかし、そのようなところであるということを、私たちはもっと全国に向けての広報活動をしたいと思っていますので、引き続き応援をしていただければと思います。
 ロッキンの報道については、水戸放送局としては茨城の経済にとって非常に大きなニュースで、ニュースバリューが高いということで報道をさせていただいたものですが、運営側との調整がきちんとうまく行き届き切らなかった点を、私たちとしても受け止めているところです。意図したこととは違う形で伝わってしまったということについては、私も非常に残念だと思っているので、取材を進めていくときに先方との調整というのは、今までも配慮はしておりますが、一層丁寧に行いたいと思っています。
 また、アナウンサーの努力について評価していただき、ありがとうございます。アナウンサーもきちんと食べて寝ていますので大丈夫ですが、われわれNHKにとって、皆さまの安心と安全を守るということを、放送局として一番大切にしていて、何をおいてもそれに尽力をするというところが、私たちがここに存在する理由だと思っています。
 私がこちらに来てから震度4から5ぐらいの地震が多いところだなというのは実感しています。そのためにふだんから日常的に訓練も行っていて、いち早く放送を出せるように、カメラマンや技術の者、あるいは、放送にふだん携わっていない者も、もし何か見かけたらスマホで撮影して、それぞれがリポートするという訓練も行っています。これからも皆さまのご期待にそえるように訓練を重ねていきます。
 次に、昔のほうが勢いのある放送だったのではないかというご意見について、放送時間が減ったということについては、全国の地域放送局の枠に準じて水戸放送局も放送を行っているということでご理解ください。
 この20年の間に放送を取り巻く環境も非常に変わりまして、もちろんテレビで放送するということはテレビ局なのでとても大切なのですが、同時に、デジタルのサービスなども出てきまして、放送以外にも情報を届ける手段が増えてきたことで、相対的にテレビそのものの時間数としては減っているかもしれません。しかし、愛が減っているわけでもありません。少しおもしろみが足りないということについては、今、後ろで放送の責任者もずっとうなずきながら聞いていましたので、もしかしたら少しずつ、時々はっちゃけた放送なども出てくるかもしれません。
 勢いがない、おとなしくなったのではないかということについては、本当に真摯に受け止めなければならないと思います。ニュースだけではなくて、もう少しバラエティーに富んだものをということであれば、担当者が責任を持って考えます。ご意見をいただきありがとうございました。引き続き、おもしろいねと言っていただける番組を作っていきたいなと思っています。

(司会)
 あの当時は、県内各地のお風呂を回って中継をさせていただきました。

(宮本水戸放送局局長)
 そういう中継をやっていた小松アナウンサーも、20年たつと管理職という立場になり、人を統べる側になりましたので、次の世代をつくりながらということです。

(司会)
 しっかりおもしろい中継をやっていきますので、よろしくお願いいたします。

(根本理事)
 魅力度ランキングが低いことについては、私も非常に悔しい思いをしています。しかし、先ほど宮本局長が申しましたように、茨城県は、ほかに頼る必要があまりない県だと思います。恐らく茨城県はまだそんなにインバウンドは来ていないでしょうし、自己完結型の県なので、あまり気にしなくてもよいのかなと思います。
 同時に、例えば茨城県が日本で一番つくっているものはいろいろあります。メロンもそうですし、いろいろなものがありますが、実はあまり知られていないのです。メロンも実は茨城県が生産量1位なのです。野菜もそうです。他にもいろいろあります。そのように実は恵まれた県なので、堂々と王道を歩むのも一つの手だと私は思っています。
 一方で、NHKの役割として、そういった魅力をもっと伝えるということは、当然もっと考える必要はあると思います。それは、別にローカル放送だからではなく、今のNHKは国際放送もやっていますが、そうした場でも取り上げるチャンスはあるでしょうし、いろいろな意味で茨城県のよさというものを発信する機会は多々あると考えていますので、それについては、水戸放送局でもしっかりと考えていきたいと思っています。
 それから、予算の件ですが、これも非常に悩ましい部分があります。地域の予算は、ある程度決められてしまっていますので、さきほど宮本局長が申しましたように、そんなに大きな金額を使える自由度があるわけでは決してないのです。
 しかし、それをどう配分するかということは、一方で考えどころです。東京でもそうなのですが、どこに重点的に予算をつけるかは、その年々によって、一番の重点項目があればそこにいくでしょうし、災害強化が進んだらそこにつけるでしょうし、そこの優先順位をどうつけるかということをしっかり考えていくことに尽きるのではないかと思っています。
 これはNHK側の事情ですが、放送サービスが唯一の商品でありますので、そこはほかに負けないようにしっかりと対応したいと思っています。

(司会)
 今回、多くの方に申し込みをいただきました。残念ながら落選となってしまった方からも、今いただいたようなご質問やご意見に近い声をいただきました。
 例えば、茨城県には世界をリードする最先端の研究機関が集まり、世界に展開し、日本を代表する企業や技術がある。農業や水産業が盛んであるばかりでなく、最先端の情報を発信していることをNHK水戸放送局から広く全国に伝えてほしい。また、茨城の魅力度ランキングが低いのはどうしてだろうというようなご意見もありました。
 では、引き続き、地域放送、サービスについてご意見を聞いていきたいと思います。

【参加者】
 NHKのサービスに関することで、NHKで公開番組があったときに、視覚障害者の立場でお話ししますと、応募するときに、最近ホームページを開いて応募してくださいという形になりましたので、私たちにとっては非常に難しいのです。例えばパソコンの中に、書面の書き方でしたらこうですよということを下の画面にでも書いてあれば、ヘルパーさんに代筆してもらうことも可能なのですが、そういうことができないというのが私たちにとっては非常に残念なことなので、書面の応募の方法を取ってほしいと思います。

(司会)
 ありがとうございます、水戸放送局の前の道が非常に段差があってなかなか移動しにくいところを、本当にようこそお越しくださいました。
 そのほか、いかがでしょうか。

【参加者】
 災害報道にあたると思うのですが、私は医療従事者で医療業務に従事しています。コロナのときは事細かにその日の人数などを放送していただいて本当に感謝しています。
 周りの一緒に働いている者は、やはり遅くまで仕事していますので全然放送を見られないのです。テレビは見ない。何から情報を得るのかというと、大体Xです。あとはユーチューブを見ています。そのような感じが多くて、本当に空き時間で時間があるときにXを見て、ああ、茨城でこのようなことが今起きているのだなということを確認している状況なのです。
 ですので、そのようなXで、きのうであればピーマンを収穫していますみたいな投稿で、すてきだと思っていたのですが、そこから詳しい情報に飛べたらよいなと思います。
 結局、NHKプラスのほうにいかないと放送は見られないような状態になっているのかと思うのですが、最新の例えばインフルエンザが増えてきている、コロナがまた増えてきているといった放送をもししているのであれば、その内容がすぐ見られたらよいなと思います。
 また、薬局で薬が今、少し足りなくなったりしているのですが、そのような密着した情報なども取り上げていただけたら、これ幸いかと存じます。
 地デジが始まったときからの20年来の地デジフリークで、水戸放送局、NHKが大好きです。2005年に梅大使で初めてテレビで梅まつりを中継していただいたときに、小田切さんと一緒に全国放送に出演をさせていただきました。あのような盛り上がりもほしいなと思っています。

(司会)
 ありがとうございます。
 もう少しアクセスしやすい情報、そして、放送とネットの連動、さらには、医療従事者の皆さんの現場の声として、今で言うと、せき止めの薬が足りなくなっているといった情報を挙げていただけないかということでした。

【参加者】
 災害報道についてです。この間の台風13号では日立市で大きな被害があったのですが、あのときも画面の左側と上に災害に関する情報が出ました。全国放送だからしかたがないかとは思うのですが、私はデータ放送でずっと雨雲を見ていたのですが、これだったら「いば6」にばっと切り替えて、呼びかけかなどできないのかなと思いました。茂原市からずっと雨雲が上がっていく様子を見ていて、あれが線状降水帯だったのかと後から思ったのですが、あの状態で、地震のときのように呼びかけをしてくれないものでしょうか。日立市に住んでいるので、余計にそう思いました。

(司会)
 大変でしたね。ご自宅は大丈夫だったのでしょうか。

【参加者】
 日立市役所は北のほうだったので。家はずっと南のほうで大丈夫でした。私はうちから出ませんでしたが、やはり靴が濡れるぐらいにはなりました。

(司会)
 そうですね。危険を感じるほどの雨でしたからね。ありがとうございました。
 テレビ画面に映る文字情報、地域ごとへのサービス、さらには呼びかけについてでした。
 お三方からご意見、ご要望、ご質問をいただきましたが、いかがでしょうか。

(宮本水戸放送局局長)
 まず、公開番組の応募方法については、本当に重要なご提起だと思い、今後、ホームページに記載する方法などについては、本部も含めて検討していきたいと思っています。
 今回、「BS日本のうた」につきましては、水戸放送局ではまだ日が浅い、応募を完全に書面からインターネット申し込みに切り替えたケースでしたので、水戸市役所にご協力をいただいて、入力補助をさせていただきました。時代の流れでなかなか書面でのお申し込みには戻らないかもしれませんが、補助の方に入力していただく際に入力しやすいように、あるいは、NHKなり自治体なりで入力サポートができるような体制が整っている場合は、その旨を記載して皆さまの利便性が損じられることがないよう、これからも注力していきたいと思っています。お申し込みをいただいたのに、ご不便をおかけして大変申し訳ございません。こういうお声で改善をしていけますので、本日お聞かせいただいて大変ありがたく思っております。
 情報収集については、XでNHKプラスに誘導するものと、NHKニュースウェブというニュースサイトにご案内するものと、2通りあります。基本的に水戸放送局から取材して出しているニュースについては、すべてX経由でそうしたデジタルのサイトにご案内できるような形を取っています。
 テレビを見る時間がなかなかないという方や、あるいは、少し遠方にお住まいの方にも、できるだけ茨城のニュースを見ていただきたいと思って取り組んでいますのでご活用いただければと思います。
 あと、薬不足などの情報をきめ細かくということについては、放送制作の責任者も一緒にお話を聞いていますので、来週から「いば6」が何か変わるかもしれません。
 皆さんにとって生活の中で知りたいことというのは、私たちもこういう場を通じてでないとなかなか直接伺うことができませんので、この機会にお聞かせいただけてありがたく思っております。
 災害報道については、日立市の件は、かなり被害が大きくなるという予測がありました。L字の枠は、全国版でやっているものもあるのですが、あのときはローカルの茨城版として、担当が一生懸命、何十時間にもわたって作業を行いました。ただ、確かに、文字情報でいくら出していても、見たいときに自分のほしい情報にならないという難しさがあります。皆さんに細かい情報まで行き届かないかもしれませんが、これから茨城で雨の心配がありますよということを認識していただいて、あとはデータ放送で雨雲を見ていただくなど、警戒を出す形の取り組みを進めています。
 本当はテレビ放送もなるべく早くから切り替えられて、すぐ「いば6」が始まるとよいなと私も思うのですが、毎回必ずすぐにそうしたローカルニュースにするというのも、なかなか難しいところがあります。でも、私たちが準備できる限りなるべく早く、なるべく手厚く、放送を通じてお届けしたいと思っています。まだまだ足りないというところだと思いますが、優先課題として一番大事にそれを取り組んでいるということをご理解いただければと思います。
 本当に日立市は、市役所の方も想像しなかったほどの出来事でした。あのときは、市役所にはわれわれの日立報道室のクルーが行っていまして、市役所が水没した映像は、記者が撮影して、たぶん全国で一番早くお届けすることができたかと思いますが、被害が起きる前も含めてできるだけ早く情報を発信できるように努めてまいります。ありがとうございます。

(山内理事)
 ありがとうございます。皆さまのお話は、全部、根は一緒だと思います。私たちとしては、大体これぐらいだったら届いているな、分かってもらっているなと思っていますが、恐らく皆さんが求めているのは、もっと深い、もっと自分に寄った情報ということなのだと思います。そこに、まだまだわれわれが努力し切れていない、あるいは、自分たちが持っている技術などを生かし切れていないところがきっとあると思いますので、今のお三方のご質問、ご意見は本当に大変貴重だと思っています。
 例えば、災害と先ほどの視覚障害の方のお話ですと、例えばドラマには解説放送というものがあって、ここではこうしたシーンが流れていますよということを解説するものがありますが、まだドラマにとどまっています。それを今、NHKの放送技術研究所では、AIなどを使って生放送でも解説ができないかといった研究もしています。だんだん実用化されれば、場合によっては災害時にも使えるかもしれないということになると思います。
 感染症の話も、災害の話もやはり一緒で、全国状況を知りたいのではなく、近くに今何が来ているかを知りたいということですね。
 一方、その動きを知るためにはやはり全国状況も知っていなければいけないということで、全国の状況も知りつつ、ピンポイントの情報も知るということを、放送とデジタルとを融合させながら伝えていくということが、これからのNHKの大事なサービスになると思います。
 とりわけ、災害時はテレビの前にずっと座っていると逃げられなくなりますので、ある時点で危険だと思ったら避難行動に移すためにも、移動しながらでも見られるNHKプラスを活用しながら、災害時にも生かしていただくようなことを、今後また放送サービスを通じながらお伝えしていきたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。

(司会)
 NHKのアナウンス室のホームページを見ていただきますと、災害ごとにどういう準備をしたらよいかという呼びかけを載せていますので、きょうお越しの皆さんは、ぜひご覧いただき、ご近所の方にもお知らせもしていただけると、いち早く自分の身を守ることにつながるかと思います。ぜひいろいろなNHKの行っていることをご利用いただければと思います。
 今は、地域放送、サービスについて聞いていますが、1つ目の項目についても質問、意見が足りなかったなという方もいらっしゃるかと思いますので、1、2のテーマを織り交ぜた形でお話しいただこうかと思います。

【参加者】
 私は小学生の孫がいます。ことしの夏休みに、気象予報士の福嶋アダムさんが地域に出かけて小学生向けにお天気の話をされましたが、そうしたことがあると、ふだんテレビを見ない小学生でも、あの福嶋アダムさんが私たちのところに来てくれたと思うので、やはり地域密着はとても大事です。これからも続けてほしいと思います。
 東京にいらっしゃるアナウンサー、例えば小松宏司さんや森花子さんがまた帰ってきたり、水戸出身のアナウンサーの寺門亜衣子さんが東京に出ていたりするのは、とてもよいなと思います。やはり水戸に来るということは、都落ちと思ってしまうのかなと思っていたのですが、水戸局の堀さんがスイスのアルプスから報道したときは、スイスがとても身近に感じました。
 NHKはニュースがうるさくなくてよいです。AIで淡々とニュースを報道していますし、わが家では、朝はコマーシャルの入らない静かなNHKのニュースを毎朝聞いています。どうぞ、国営放送ではないということで、これからもどんどん頑張ってください。
 水戸放送局も頑張っていますね。努力がよく見えます。ただ、ビデオレターに関しては、いつも同じ人が出ているので、お願いをしているのかなと最近思っているのですが、いかがでしょうか。

【参加者】
 神栖から来ました。その関係で災害報道のことで聞きたいのですが、災害報道になるといつも気象庁の情報が優先となります。目の前で雨が降っているのでしかたがないとは思いますが、河川情報は国土交通省の管轄ですよね。きちんと両方を見ているのかなと思います。
 以前、台風が来たときは、八ッ場ダムが出来上がっていて空っぽだったので、関東は水浸しにならなくて済んだのです。本当は1か月ぐらいで八ッ場ダムを満水にしようと思ったら3日ぐらいで満水になってしまったのです。あれがそのまま流れていたら、関東地方は相当の水浸しになっています。
 だから、国土交通省の情報と気象庁の情報をしっかりと把握して、きちんと災害情報を流してほしいと思うのです。その辺りをどのように気にしているのか聞きたいと思います。

【参加者】
 放送のことばづかいについて、私はNHKが正しいことばづかいの総本山だと思っています。一時は「ら抜きことば」などもありましたが、字幕では必ず「ら抜き」でないように訂正されています。ところが、タレントのことばを聞いていると、先日は「難しい」というのを「むずい」と言うのがそのまま字幕で流れていて、がっかりしました。
 NHKのタレントのことばづかいに関する教育はどうなっているのでしょうか。共存共栄と言いますが、タレントに乗っ取られているような感じがしてなりません。私はNHKとしてもタレントの教育は必要だと思っています。

【参加者】
 8時から8時15分の総合テレビの朝ドラについて、その前後の7時のニュース、8時15分からの「あさイチ」で、朝ドラ送り、朝ドラ受けが行われています。1、2分続くこともあります。私は、それぞれの番組はニュース番組であれ、情報番組であれ、番組に集中して全力で取り組んでほしいと思います。わざわざ前の番組のことを話題にして、場つなぎ的なことをするのはどうかと思います。
 時々、「あさイチ」の鈴木アナウンサーが目をしょぼしょぼさせるぐらい感情が入って番組スタートすることがあります。冷静に見ると、自分の番組が始まる前によその番組を集中して見ていて心まで動かされている。そこで自分の番組を始めることでよいのでしょうか。やはり1分1秒、それぞれの番組に力を入れて本気で取り組まなければいけないのではないかという気がします。
 例えば、この場で、小松さんが皆さんが入ってくる直前までテレビ番組を見ていて、ぱっと入ってきてこの会を催したとなったら、少し残念ですよね。この場はこの場で全力投球すべきだろうと。1秒を削り出して頑張ろうという、その精神が番組づくりに必要なのではないか。
 うちの家内なども、「あさイチ」のやり取りを見て喜んでいるようなので、何となく市民権を得て定着しそうな時代背景になっている気がするのですが、僕は、少し違う、番組それぞれに全力投球してほしいと思います。
 最後に、今の「いば6」は最高です。私は長い間ずっと「いば6」を見ています。もちろん橋康輔さんもよかったのですが、今の保里小百合さん、特に三島早織さんがすばらしいです。気象キャスターの福嶋アダムさんもいます。向笠康二郎さんもよくて大変応援していましたが、もう全国放送に出ています。民間会社の方ですが、キャスターとして7時のニュースを担当するようになりました。今の「いば6」は最高にすばらしいです。
 ほかのキャスターももちろんですが、三島さんの力はすごい。彼女をアナウンサーにしてくださいとは言いませんが、契約延長してでも彼女は続けるべきです。今の「いば6」はすばらしい。制作人もすばらしいのだと思います。

(司会)
 ありがとうございます。さまざまな貴重なご意見、ご質問をいただきましたが、いかがでしょうか。

(山内理事)
 災害系について、私は記者として災害担当でもあったのでお答えしたいと思います。
 先ほどのご指摘ですが、まさに気象庁情報や国土交通省情報、各自治体が持っているいろいろな測候所や計測データなども織り交ぜながら伝えています。とりわけ最近の河川情報に関しては、線状降水帯が至るところで同時発生的に出来る感じがありますので、できるだけ解説画面にも、氾濫のおそれがあるところは何色だとか、これからそうなりそうなところは何色だとか、視覚化しながら見せていくような工夫も始めています。
 ただ、まだまだスピード感からすると、データの入り具合や画面のつくり具合に多少差があるというのが今回のご指摘だと思っておりますので、どんどんブラッシュアップして、技術的にも進歩させていきたいと思っています。
 ことばについては、放送用語委員会というものをつくって、今の時代に合った放送用語として、これはよい、これはだめということを、常に委員会を開いて専門の方々の意見も聞きながら決めて、それを全国に周知して、NHKのアナウンサーの教育を進めています。
 ただ、それをタレントさんにまで進められるかどうかは、なかなか難しいところもあります。そのタレントさんの味を損なってしまうリスクもあるかもしれません。当然のことながら、このことばは使ってはいけないという線引きはしっかりしなければいけないと思いますが、そのタレントさんの持ち味をなくすことにならないよう、線引きを考えていきたいと思っています。
 朝ドラについては、公共の電波を使っていて、1秒を大切にしなくて何ができるのだ、そういうことをやっていなければ災害時もだめなのではないかというご指摘なのだろうと思います。
 一方で、キャスターと自分の見ている感覚がシンクロして、同じことをこの人も思ったのかとか、私は少し考えが違うななどと思いながら、朝ドラ送りと朝ドラ受けを見ている方がいらっしゃるのも事実で、どこに落としどころを持っていくのかというのは難しいところです。確かにアナウンサーがあまりにも泣きじゃくってしまうと、視聴者を戸惑わせる部分もあるかもしれないので、そこは少しみずからを律する部分は必要なのかなという感じです。アナウンサーの先輩として、どうですか。

(宮本水戸放送局局長)
 そうですね。番組の性質にもよるのかもしれないと思っています。「あさイチ」という番組が、出演者も含めて、比較的カジュアルに、気の置けない形でわいわいと進める番組だということもあって、親和性が高いので、みんなで見て少し感想も述べて、視聴者の方と共感するような形で少し場を和ませてから番組の本題に入りましょうという仕掛け、演出としてやっているところはあると思います。
 ただ、おっしゃるように、この番組はこの番組で集中してくれという気持ちも分かります。やはりそのさじ加減というか、共感や親しみと本筋を大切にするところのバランスというのは、常にやってみてやり過ぎと怒られて少し引っ込めて、それではあまりにつまらないではないか、といった揺らぎの中にあるのかなと思っています。
 さまざまお感じになる方がいらっしゃるということは、番組のほうにも届いていると思います。少し定型化してきてしまっているので、そろそろなにか違う形でもよいのではないかと、私も個人的には思っています。
 みな大事に番組をつくっていますが、どう大事にするか。私たちが1秒をとても大事にしなければいけないということだと、お話を改めて伺って、本当に心が引き締まる思いでした。
 最後に、「いば6」を褒めていただいたことが大変うれしく、キャスターに伝えておきます。できるだけキャスターが外に赴いて、皆さんの中に入って取材をさせていただいて、より親しみを持っていただくような仕掛けを考えたいと思っていますし、それを喜んでいただけたことは大変うれしく、心強く思っています。アナウンサーの責任者もここにいますので、よかった話は持ち帰り、ことばづかいについて注意などがあったということも伝えて、引き締めてもらいたいと思います。おことばをいただいて励みになります。ありがとうございました。
 ビデオレターが同じ人だというのは、応募が少ないのかもしれません。今、実は「ビデオレター」という名前がもう時代に合わないのではないかと検討をしているところです。
 放送を20年出している間に、皆さんが使うものも変わってきましたし、ご年配の方も含めて、もう皆さんここにいらっしゃる方は恐らく全員スマートフォンなり携帯なりを持っていらして、カメラを持たずに写真を撮る時代になっています。もしかしたら、時代に追いつかず、いにしえの「ビデオレター」という名前を残してしまっているので応募が少ないのかもしれないという話もしています。今の若い人にとっては、「ビデオレターとは何ぞや?」という感じだと思うので、動画投稿のような感じで、もう少し若い方が参加しやすい仕組みができないかという話をしているところでしたので、ご期待ください。どこかのタイミングで変わっているかもしれません。
 いろいろとご意見を賜り、ありがとうございました。

(司会)
 ありがとうございました。
 本日は、皆さまのご協力のおかげで、さまざまなご意見を伺うことができました。それでは、経営委員から全体を通してひと言申し上げます。
 まずは、前田委員お願いいたします。

(前田委員)
 きょう最初に、経営委員会がどんなことをしているのかとご質問がありました。まさにきょうなぜ経営委員が来ているのかと思われた方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。
 水尾委員から、国民を代表しているということをお話ししたとおりです。私は、去年の12月に経営委員になってまだ1年がたっていませんが、ここに来て皆さんのお話を聞いて、県内に民放が全くないといったことを知る機会になりました。
 西日本からすると、水戸は少し遠く感じるのですが、水戸で、茨城でこういうことが起きている。放送に対してどのように感じていらっしゃるということを、全く別のところから見るために、きょうここへ来てよかったと思います。
 また、ここにNHKの応援団がたくさんいらっしゃるということも強く感じました。広島で開催するときもこのように応援団が多いのかなと、少しどきどきしましたが、皆さんのお気持ちがとてもよく分かりました。
 それから、皆さんもやはりデジタルの活用、それからインターネットの活用がいろいろなことでメリットになると感じているということを強く感じました。もちろん、利用に関してハードルが上がるといったこともあるのですが、放送というのは広いところに同時に同じものを伝えるということに関してはすばらしい技術なのですが、個別に双方向で何かができる技術というのが、デジタルだったりインターネットだったりします。
 NHKでもそちらのほうにいろいろとかじを切っていかないといけないところですし、放送技術研究所でもそういう取り組みを進めています。私も情報通信を専門としているので、皆さんの声が現実のものになるように、しっかりと私の立場でサポートしていきたいなと思いました。
 きょうはありがとうございました。

(司会)
 水尾委員、お願いします。

(水尾委員)
 本日は本当にありがとうございました。具体的でかつ建設的なご意見もたくさん伺いました。
 私は、経営委員になってことしで4年目になります。この組織は、皆さんの建設的な一つの意見で新しい技術が開発されたり、放送の中でそれを取り入れて変革したりということのできる組織であるということも、だんだん分かってきているところです。きょうの皆さまのご意見も必ずや反映されるものと思っています。本当に貴重な意見をありがたく思います。
 私の専門は建築学や都市計画です。きょう、水戸市を1時間以上にわたって散策させていただいたのですが、誤解をおそれず申し上げれば、魅力度ランキングは、茨城県にとってあまり関係なく、前向きに捉えればよいと思います。あまり低いということは気にしなくてよいと思います。
 また、私は専門上、いろいろなところに行きますが、1時間散歩をしている間に、これほど初めてすれ違う小学生、中学生、高校生が、声に出して「おはようございます」と言ってくれて、頭を下げ合いながら散策するという経験は、いまだかつてしたことがありません。今の日本の中で、最も必要とされる礼節が残っているところの魅力度ランキングが低いなどということは絶対にないので、ぜひ自信を持ってください。そして水戸局は、県内唯一のテレビ放送局ですので、ぜひ皆さんが応援していただけるとよいと思います。
 これからも、XなどいろいろなSNSも含めて、NHKの背中を押していただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

【参加者】
 それでは、最後に水戸放送局の宮本局長からごあいさつ申し上げます。

(宮本水戸放送局局長)
 本日は長い時間、本当にさまざまなご意見を聞かせてくださってありがとうございました。何よりもうれしかったのは、本当に皆さまが、厳しい面も持ちつつ、水戸放送局を20年来応援してくださり、期待してくださっていることで、期待があるからこそ叱咤もいただいている、ということなのだと思います。
 いろいろとやりたいことはありまして、まだ胸の内に秘めているものもたくさんあります。
 来年は県域放送開始20周年なので、何か催し物など皆さまに楽しんでいただけるようなことをしたいと思っていますし、皆さまの声で番組をつくっていくのが水戸放送局ですので、引き続きさまざまな声をお寄せいただければと思います。
 きょうは本当にありがとうございました。

(司会)
 皆さま、本日は本当に貴重なご意見ありがとうございました。視聴者のみなさまと語る会(水戸)は、これで終了とさせていただきます。

 

 

 

<視聴者のみなさまと語る会(水戸)> 参加者事後アンケート

※単位は回答人数

質問1:性別

男性 女性 その他 無回答
16 4 0 0

質問2:年代

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代〜
0 0 0 2 2 7 5 4

質問3:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 ふつう 不満 大変不満 無回答
8 11 1 0 0 0

質問4:NHKの放送・サービスについて理解や関心が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
11 9 0 0 0 0

質問5:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 少し知っていた あまり知らなかった ほとんど知らなかった 無回答
1 3 10 6 0

質問6:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
7 11 1 1 0 0