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2023年度 第4回
視聴者のみなさまと語る会(鳥取)開催報告書
(2023年10月21日(土)開催)

 

<名称>

視聴者のみなさまと語る会(鳥取)

 

<日時>

2023年10月21日(土)午後1時〜2時45分

 

<実施方法>

参集方式

 

<出席者>

〔参 加 者〕

鳥取県にお住まいのみなさまを対象に33人が参加

〔経営委員〕

原 一夫 委員(弁護士 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業)

 

水尾 衣里 委員(名城大学人間学部教授)

〔執 行 部〕

小池 英夫 専務理事

 

熊埜御堂 朋子 理事

 

鳥谷部 寛巳 鳥取放送局局長

〔 司 会 〕

村上 真吾 アナウンサー

 

<実施概要>

 冒頭、経営委員から協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について説明し、「NHKの放送や経営全般、NHKプラスなどのインターネットサービスについて」「地域放送・サービスについて」をテーマに意見や提言を募った。

 

 ミーティング終了後、「大河ドラマ・連続テレビ小説 制作の舞台裏〜『鎌倉殿の13人』から『虎に翼』〜」と題して、尾ア 裕和 制作統括による講演会を開催した。

 

<内容詳細>

(司会)
 経営委員から、NHKや経営委員会の役割などについて簡単にご説明します。

 

 

◆協会の基本方針・重要事項の説明

(水尾委員)
 はじめに、NHKの経営委員会についてご説明します。
 NHKの経営委員は国会の同意を得て、内閣総理大臣から任命されています。経営委員会は、さまざまな分野や地域から選ばれた12人の委員で構成されています。
 経営委員会では、中期経営計画や予算・事業計画など経営の重要な事項について議決するほか、会長や副会長、理事らが決められた方針に沿ってNHKの運営ができているかどうかを監督しています。また、NHK会長を任命するのも、経営委員会の重要な役割です。
 私たち経営委員は、NHKの経営にあたって、視聴者のご意見を踏まえ適切な判断や検討を行うことが求められています。そこで今回のような「視聴者のみなさまと語る会」を毎年6回以上開催しています。
 NHKの役割の一つは、災害や新型コロナウイルスなどから命や暮らしを守る「安全・安心」に関する情報をお届けすることです。また、“NHKだからできる放送”に力を注ぎ、多様で質の高い番組や情報をお届けしています。
 NHKが受信料で運営されていることはご存じの方が多いと思います。NHKは税金で成り立つ国営放送ではありません。受信料で成り立っている公共放送です。特定の利益や意向に左右されない、公正で質の高い番組をつくり、視聴率にとらわれずに社会に必要な教育・福祉番組などをお届けできるのは、受信料によって財政面での自主性が保障されているからです。
 続いて、NHKの「インターネットを活用した取り組み」についてご紹介します。放送を中心としながらインターネットも活用して、公共性の高いコンテンツや情報を「いつでも、どこでも」受け取れる環境を整え、視聴の機会を増やすことは重要な取り組みと考えています。
 その取り組みの一つが、スマホやタブレットなどで番組をご覧いただくNHKプラスです。NHKプラスには、総合テレビとEテレの番組をインターネットで放送と同時に配信する「常時同時配信」と、それらの番組を1週間程度いつでも見ることができる「見逃し番組配信」のサービスがあります。NHKと受信契約をしている方と、その方と生計を同一にする方は、追加のご負担なくご利用いただけます。また、去年からテレビ向けのアプリサービスが始まり、テレビの大きな画面で見逃し番組配信をお楽しみいただけるようになっています。
 続いて、「NHK経営計画」についてご説明します。この計画は2021年度から3か年のNHKの具体的な経営目標や重点方針を掲げています。経営委員会で視聴者の皆さまから広くご意見を募集して、議論し議決しました。
 NHKは、公共メディアとして皆さまの信頼に応え、合理的なコストでの運営に努めます。経営資源を多様で質の高いコンテンツに集中させ、正確、公平公正で豊かな放送・サービスを、いつでもどこでも最適な媒体を通じてお届けし続ける「新しいNHKらしさの追求」を進めます。そのために、経費を削減する一方、「安全・安心を支える」、「新時代へのチャレンジ」、「あまねく伝える」、「社会への貢献」、「人事制度改革」の5つの項目に重点的に取り組み、スリムで強靱な「新しいNHK」を目指します。
 ことし1月に経営計画の修正を行い、「5つの重点項目」については、「安全・安心を支える」、「あまねく伝える」の内容を強化することにしました。
 また、衛星波は2Kのうち1波を削減します。ことし12月から、BS1、BSプレミアムは「NHK BS」に、BS4Kは「NHK BSプレミアム 4K」として、新しく生まれ変わります。視聴者のみなさまがBS1とBSプレミアムでお楽しみいただいている番組の多くは、引き続きご覧いただけるようにします。4Kは、見応えたっぷりな特集番組や超高精細映像ドラマなど、プレミアムなラインナップでお届けします。
 受信料は、今月から、地上契約、衛星契約ともに1割値下げします。また、学生を対象とする免除を拡大し、親元等から離れて暮らす学生は原則免除としました。
 また、2024年度からの次の3か年の中期経営計画については、今、みなさまからのご意見を募集しています。
 本日、皆さまからいただく貴重なご意見は、今後の経営委員会の活動の参考にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

(司会)
 きょうは、大きく2つのテーマについて皆さまから意見を伺ってまいります。
 まず、1つ目のテーマは、「NHKの放送や経営全般、NHKプラスなどのインターネットサービスについて」です。NHKのニュースや番組について、NHK経営計画や受信料制度について、またNHKプラスなどのインターネットサービスについて、NHKへのご意見、ご要望などについて伺います。2つ目のテーマ「地域放送・サービスについて」は、後半で伺います。
 それでは、まず1つ目のテーマについて伺っていきます。

【参加者】
 NHKへの意見や要望になるのかもしれませんが、放送局の建替えの話があるとお聞きしています。この建替えにあたっては、この町が、非常に寂しくなっていることは感じておられると思いますが、にぎわいを生み出すような局舎の改築をお願いしたいと思っています。よろしくお願いします。

【参加者】
 NHKの天気予報についてですが、私は中国の鳥取県で生まれ育ちました。また、豊臣秀吉は中国攻めの最中に起きた本能寺の変の後、岡山県の備中高松城から中国大返しを行いました。このように「中国」ということばは昔から日本人に広く浸透しています。
 ところが、民間放送は違いますが、NHKでは天気予報で中国に「中国地方」と、「地方」をつけており、とても仲間外れ、あるいは中国5県が差別されているように感じています。
 中国にだけ「地方」をつけるのはやめて、ほかの近畿、東海などと同じように、「地方」をつけずに放送をしてもらうことを強く要望します。
 例えば、うがった見方をすれば、中華人民共和国に配慮したということを思うのですが、日本の天気予報で「中国」といって、中国5県のこと以外だと感じる、思う人はいないわけです。天気予報で中国に「地方」をつけて、長ったらしく、字が小さくなってしまうのをやめて、元どおり「中国」として、仲間外れ、差別することはやめてください。

【参加者】
 先ほど水尾委員からお話があったように、NHKは昨今、いろいろな意見を頂戴されているとは思うのですが、字幕放送の拡充や手話放送の拡充といった、社会にとって比較的少数の方々に対しての質の高い番組の制作もされているかと思います。いろいろな意見を見てみると、そのようなNHKにとって非常に公共性の高い部分の意義が、なかなか視聴者に伝わっていないのではないかと感じています。
 その点、今後どのように視聴者に、「NHKはこのようなことをやっています」、「このような活動をしています」、「このような意義があるのです」といったことを伝えていくのかについて、意見をお伺いできればと思っています。

(司会)
 ありがとうございます。今、お三方からお話を伺えました。
 まずは建替え、にぎわいを創出できる改築はどうでしょうかとご意見をいただきました。また、気象情報のときに「中国地方」という言い方はどうにかならないものかというご意見もいただきました。そして、NHKの公共性の意義は正しく伝わっていないのではないだろうかということで、どのようにこれからアピールしていくのかというご意見がありました。これらの件についていかがでしょうか。

(鳥谷部鳥取放送局局長)
 最初の質問について、鳥取放送局の局長をしています鳥谷部から説明します。ご存じかと思いますが、地元の新聞でもことしの5月初めにNHK鳥取放送局の建替え場所として、今の放送局が建っている隣の土地を購入したことが報じられました。これは問われれば答えるという状態になっていましたので、質問を受けてお答えした次第です。
 これまでいろいろな経緯がありまして、ほかの候補地も取り沙汰されていましたが、なかなか条件の折り合いがつかない中で、ようやく隣の、元NTTの駐車場だったところを確保することができました。そこに今後計画を立てて、新しい放送局を建設していくという予定です。
 それがどれぐらいの時間がかかるのかは、今、建設業界のいろいろな苦境もあったりして、少し見通しが立ちにくくなっておりますが、いずれ隣接地に新しい放送局を建てる予定です。
 また、現在の放送局が建っている場所も含めて、もちろん地元鳥取市の中心部に近いところにありますので、今後の鳥取市の街のにぎわい創出に貢献できるように、いろいろと考えていきたいと思っています。皆さんからのいろいろなご意見もいただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
 2つ目も私からお答えします。NHKの天気予報で「中国」ではなく、「中国地方」と言っていることについて、ご指摘のとおり、以前はおそらく「中国」とだけ伝えていたと思うのですが、やはり「中国」という国と混同するとの問合せが絶えずあったと聞いています。そこで、やはり明確に違いを受け取ってもらうためには、「地方」とつけたほうが誤解がないのではないかという判断の下に、現在の形になっていると認識しています。

【参加者】
 しかし、住んでいる人が、特別扱い、差別を受けていると不愉快に感じているわけです。それから、日本の放送なので間違えることはないと常識的に考えて思います。民放はそのままです。ですので両方の考え方があると思うのです。

(鳥谷部鳥取放送局局長)
 そうですね。全国の天気予報などで、例えば東北、北海道など、こちらから遠い地方の方たちからすると、国内の天気予報ではあるのですが、国の中国かというような問い合わせが、なかなかなくならないと聞いています。
 今回いただいたご意見は、今後の天気予報の伝え方について見直す機会があれば、ぜひ参考にさせていただきたいと思います。

【参加者】
 私は中国人の友達がいます。東北と聞くと、吉林省に友達がいるので満州だと思ってしまいます。私からすると東北というと満州だと感じるところがあります。

(鳥谷部鳥取放送局局長)
 わかりました。どのような形があるのか考えていかなければいけないと思っています。貴重なご意見として今後の参考にさせていただきます。

(小池専務理事)
 ユニバーサルサービスの国民への周知の方法ですが、確かにNHKの場合、アピールすることが、どちらかといえば苦手といいますか、やり方が少しうまくないということで、伝わっていない点もあるのかと思います。
 しかし、ことし4月の統一地方選挙のときも、総合テレビでは通常の開票速報をやり、ETVでは、手話を取り入れた開票速報という放送をしました。
 やはりユニバーサルサービスは、NHKの使命のひとつだと考えていますので、これからもそのようなユニバーサルサービスの拡充をしていくとともに、これを国民の皆さん、視聴者の皆さんにできるだけ知ってもらうための努力は続けていきたいと思います。

【参加者】
 要望なのですが、私は昔から深夜11時5分からの「ラジオ深夜便」を聞いています。阪神・淡路大震災のときも聞いていました。NHK第1は、鳥取地方の出力が弱いのでしょうが、私が住んでいる気高町の辺りは、屋外では入るのですが、室内に入るとなかなか入りが悪いので、FM化をしていただきたいです。
 なぜそう思うかというと、BSS山陰放送はAM放送を、FMでも同じ内容で放送しています。民間ができるのに、なぜNHKはしないのかと常日ごろから思っています。ぜひ「ラジオ深夜便」をFMで流していただけないかと思っています。

【参加者】
 私は年末に「紅白歌合戦」を聞いているのですが、最近の「紅白歌合戦」は、横文字の音楽が多いです。民放は裏番組で歌謡曲をやっています。ところがNHKは横文字です。いろいろあるのだから2部構成にして、前半は若者の音楽、後半は年寄り向けの演歌など昔の歌を歌ってほしいです。
 BSなどもそうです。BSはほとんど、例えばリバイバルでいろいろな人が歌っています。フランク永井なども若い人が歌っていますが、ああいうふうにしてほしいです。
 もう一点、私は何十年と紅白歌合戦の観覧応募を出しているのですが、一向に当たらないのです。ですので人口割りにして、例えば東京は1,000万人でも鳥取は人口少ない。その割り振りをきちんとやって、当選をできるようにしてほしいです。

【参加者】
 保育士をやっています。NHKの感染症の報道について意見があります。最近、「あれ」と思ったのが、プール熱がはやっているということが大きなニュースになっていて、私も20年以上保育園に勤めていますが、プール熱ってそんなにニュースになるようなことだったかなと思いました。インフルエンザがどれだけ流行しても、保育園は学級閉鎖にならないという時代があったのです。コロナ禍の後なので、感染症の報道も不安をあおっていないかなと思います。
 本当の問題は、病気にかかったときに、看病するために仕事を休みにくい、病院の対応が間に合っていないという状況のほうが問題ではないかと思います。
 それから、いまだにマスクが外せないお年寄り、公務員やお店の人、先生たちがとても鳥取は多いなと感じていて、なぜこのような子どもたちが大人の顔が見られないような世の中になってしまったのだろうということがとても心配です。感染症予防だけではなくて、世の中全体が対人恐怖症に陥っているのではないかと感じます。
 また、お年寄りであれば、ダンスのおばあさんたちのチームが、いまだに顔を見せるのが恥ずかしいという理由でマスクを外さない、どんな暑いときでも外さないのだという話を聞くと、何かきれいなものしか見せたくない感覚や、汚いものに触れたくない感覚が、とても世の中にまん延しているのではないかと思っています。
 そのような世の中で、福祉や教育に携わろうと思える若い人が、これからもどんどん減っていくのではないかという不安を感じていて、子どもたちにとってものすごく生きにくい、息苦しい世の中だと感じています。
 ですので、報道、感染症の不安というのは確かにあるのですが、それだけではない、何か明るい、偏りのない報道、不安をあおらないような報道のしかたは、まだいろいろと余地があるのではないかと思います。出す情報と出さなくてよい情報と、もう少し選択があるのではないかと感じるのです。
 行政からの意図もいろいろとあると思うので、人の行動を制限したいということも分かるのですが、何とか子どもたちのために、大人がいろいろと考えてもらえるような報道をしていただけたらと思います。今までもしてくださっていると思うのですが、これからもいろいろと世の中に投げかけてほしいなと思っています。

(司会)
 ありがとうございます。今、お三方から伺いました。
 「ラジオ深夜便」のヘビーリスナーということでありがとうございます。R1をFM化できないかというご意見をいただきました。
 それから、紅白の時間帯を、前半後半に分けたらよいのではないか。また、当選の確率の一票の格差についてもお話を伺いました。
 それから、社会のために不安をあおらない報道のしかたがあるのではないかというご意見も頂戴しました。
 これらの意見についてはいかがでしょうか。

(熊埜御堂理事)
 最初の2つに関して私からお答えします。「ラジオ深夜便」については、まずは出力が弱いということで、もしかしたら送受信の技術担当者などで、気高町辺りの調査をしてもよいかなと思いました。FM化に関しては、民放は全国的にAMを廃止してFMにというような流れもあります。
 NHKが、来年度からの3か年経営計画の案としてAM2波、FM1波を、AM1波、FM1波の2波に再統合するということで、その中で、「ラジオ深夜便」の編成をどちらでどうするのかということも、改めてしっかりと議論したいと思います。

【参加者】
 途中で切れたりしてしまっているので、2系統ぐらいにしていただいて、天気予報のときはもう1系統を使うなどしていただけると助かるのですが。

(熊埜御堂理事)
 R1は安全・安心波として、災害情報なども出しているので、深夜に限らずR1が入りにくいというのは、私たちとしても災害情報が届かないという意味でとても重要なことだと思っております。

(熊埜御堂理事)
 続いて紅白について、本当にどこに行っても、いつも横文字が多い、知らない歌手が多いというお声は各地域でいただいています。私もそう思うときもあるのですが、実はいつもご説明しているとおり、かなりきちんとしたデータに基づいて選んでいるのです。しかし、そうすると、今は音楽の好みが非常に細分化しているので、どうしてもある一定以上の方々からすると、ふだん全然知らない、聞かないということで、歌番組も今は地上波にはあまりありませんし、おそらくそのような印象を、多くの方がお持ちになってしまうと思います。
 大みそかに多くの人に紅白を見ていただきたいという思いは変わりませんので、そこのところを考えたうえで、出演者を公平に選んでいきたいと担当者はいつも思っております。

【参加者】
 しかし8割ぐらいが横文字ですよね。それで、民間のほうに行くのです。

(熊埜御堂理事)
 テレビ東京が本当に、演歌の方をたくさん出していらっしゃいます。NHKでいうと「BS日本のうた」はそのような方も歌っていらっしゃいます。

【参加者】
 そうすると、みんな若い人たちになるのですよ。

(熊埜御堂理事)
 そうですね。歌で世代間格差を逆になくして、いろいろな世代の方がいろいろな歌を聞けるような機会をNHKとしては提供していければと思っています。
 抽選は、都道府県別ではなく、全国の方を一緒にした中での抽選になっておりますので、格差ということはないです。

【参加者】
 鳥取県では何人ぐらい当たるのか。毎年、10年ぐらい応募している。

(熊埜御堂理事)
 どうなのでしょうか。県別の当選者の把握は全くしておりません。

【参加者】
 人口割りにしてほしい。

(熊埜御堂理事)
 アイディアとしてお聞きしますが、おそらく日本全体としての抽選にはなってしまうと思います。ことしもぜひ応募いただけたらと思います。

(小池専務理事)
 感染症報道についてのご質問、ご要望については私がお答えします。今回、このコロナ禍の状況というのは、われわれNHKだけではなくて、メディア全体にとってもこれまで経験してきていないような状況の中で、非常に手探りで、試行錯誤で、視聴者の皆さんに本当に資するような、また不安をあおらないような、そのような報道を心がけてきたことは間違いないのですが、なかなかそれが視聴者の方々にとっては、いろいろな思いもあって、受け入れられなかった部分もあるのではないかと思います。
 今ご指摘があったように、ソーシャルワーカーに進む若者たちが少なくなるような事態になったり、あるいは、子どもたちが対人不安症、恐怖症になって、なかなかコミュニケーションが不足するような事態というのがあってはならないので、そうしたいろいろな状況を見極めながら、適切に報道していく。そのようなことがNHKに求められていることだと思いますので、その辺りは現場のほうで、このコロナ禍というのは、5類に指定されたから終わったということではなく、これからもずっとわれわれが注意していく、見続けていかなければならない問題だと思っておりますので、ご要望については十分に承っていきたいと思います。

【参加者】
 私は子どものころからNHKをいつも拝見していますが、やはりNHKといえばニュースといいますか、私も朝起きたときから、民放ではなくNHKのニュースで起きるような人間で、それだけ信頼しているということです。
 一方で最近、新聞・テレビ離れが進んでいて、私の身近なところにもそのような方々がいるのですが、なかなかそのような方々は、今、世界で何が起きているのか、社会で何が起きているのかを意外と知らず、「え、そんなニュースも知らないの」と驚くことがあります。
 私は、NHKには災害報道などもそうですが、ニュースを頑張っていただきたいということと、インターネットなども含めて、いろいろな場面で今、起きている事象などと触れられる機会をもっと増やしていただきたい。
 いろいろな方々が自分から見に行けばよいのでしょうが、自分から見に行かない方々にも、例えばネットを開けばニュースが流れるような形で、全般的に放送を活用していただきたい。テレビだけではなく、インターネットも含めて活用していただきたいと思います。

【参加者】
 以前、選挙報道を中心に、かなり政治的なプレスが強かった時期があったかと思います。これはNHKに限ったことではなく、民放もそうだったと思うのですが、実際に、明らかに報道の姿勢が変わって、萎縮と見られるような、あるいはそんたくとみられるような報道姿勢に変わったなということが、いっときありました。例えば、接戦選挙区の個別の追跡、選挙の追跡報道などが姿を消したことなどです。
 先ほども冒頭にご説明がありましたように、特にNHKの場合は、国営放送ではなく公共放送ですので、そうした政治的なプレスに対してはきぜんとして対応していただいて、あくまでも公正中立な立場での報道として当たっていただくべきかと思います。当時の報道は、そのような意味では、非常に残念に見ていました。
 今後のNHKの、そのような政治との関係性について、どのようにお考えになっているのかお聞かせいただければと思います。

【参加者】
 私など高齢者や一定の年齢以上の方は新聞、テレビを見ています。しかし、若い方は、今は、新聞は取らない、テレビもあまり見ない、スマホですよね。割と私たちの年齢、テレビや新聞を見ている人はそれなりの情報を得ている。民放も含めて、NHKも、それなりの裏を取ったりした情報を流していて、ミスがあればその後訂正されます。ほとんどの新聞もそうなので信頼できるのですが、そのようなものがなくなってしまって、フェイクニュースや詐欺もそうですが、精巧になってきており、見分けにくくなっています。世の中が変わるのはよいのですが、特に、これからの時代の人たちがそれを信じ込んでしまうと、とても大変なことになるのではないかと思います。
 ですので、スマホのほうにも、NHKだけではなく、良識ある新聞や民放も含めて、そのようなところが、フェイクニュースに導かれることのないような仕組み、スマホにきちんと提供できるような仕組みを考えてほしいと強く思っています。
 私は年で、新聞もまだ取っていますし、見ていますが、若い世代の人をとても心配しています。よろしくお願いします。

(司会)
 ありがとうございます。同じようなジャンルのお話を伺うことができました。公共メディアとして報道・放送の姿勢をどうしていったらよいのかということについてですが、小池専務理事、お願いします。

(小池専務理事)
 テレビを活用してほしいというのは、本当にわれわれと同じ、われわれの立場になって代弁していただき、ありがとうございます。
 今、やはり新聞・テレビ離れということでいろいろと言われています。NHKは今月から、学生の皆さんに対する受信料の免除を拡大するということで、ぜひ学生の皆さん、若い人たちに加入いただき、テレビを見ていただいて、スマホだけの情報に頼るのではなく、判断の根拠として、一つの選択肢として、NHKも活用してほしいと考えています。
 できるだけ多くの人たちに見ていただいて、その人たちに資するような情報にするためには、われわれも常に正確で良質な情報・コンテンツを届けなければいけないと考えていますので、その辺りは努力していきたいと思います。
 また、フェイクニュースの時代だからこそ、正確な情報をということで、10月10日に案としてまとめた2024年度からの3か年計画の中でも、NHKの使命は、放送法で定められている「民主主義の発展に資する」を目的として、情報空間の中で「参照点」を提供する。「参照点」というと少し分かりにくいのですが、われわれは、道しるべとして、常に正しい情報・コンテンツを届けることを計画で定めて、これから取り組んでいこうと思っています。
 フェイクニュースの時代だからこそ、いろいろなNHKのコンテンツを利用してもらい、それによって判断の根拠にしてもらえるように、常に正しい情報を送り届けることができるよう体制なども組んでいきたいと思っています。
 それから質問の中で、何が残念でしたか、少し質問の後半の部分を教えていただけますか。

【参加者】
 特に選挙報道等で、報道のしかたがそれまでと変わったなと思われるところがありまして、それが少し残念だったなと思っています。その具体例として、1つは接戦選挙区での候補者の動向の取材が、いっとき姿を消したことがあったように感じています。

(小池専務理事)
 基本、われわれのところは、放送法の冒頭の第1条で、放送の不偏不党、真実及び自律を保障するという、放送の表現の自由を確保することが定められていて、それに基づいて、放送番組基準、国内番組基準を定めています。
 それによって政治上の諸課題などは公正に取り扱う、意見が対立している公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにして公正に取り扱うなど、いろいろな基準を定めていて、それに基づいて放送しています。
 選挙の報道については特に神経を使っています。接戦のリポートも、おそらくおっしゃられているのは接戦の選挙区リポートのことではないかと思うのですが、これは今までも取りやめたこともありませんし、ずっと継続している状況ですので、そこはご確認いただければと思います。
 われわれも、とにかくこの放送番組基準が最大のよりどころではありますので、番組、構成、それから編成、さらには討論番組の出演者の選定なども、非常に気を遣いながら慎重に行っています。そのようなことが基本的にありますので、ぜひご理解をいただければと思います。

【参加者】
 土日の山陰のニュースで、松江放送局と交代でニュース番組を放送されていると思いますが、松江放送局のアナウンサー、キャスターの方が時折、キャスターから見て右下のほうをちらちらと見られるのです。とてもそれが不快に感じていて、そこに何があるのか、時計があるのか、ディレクターさんが何か指示を出しているのか。最後の「間もなく7時になります」という、言い切ってしまえばよいときまで、ちらっと最後に見られていて、「あ、また見た」と思ってしまいます。
 松江放送局も建て替えられて新しくなったので、今度こそよくなるかなと思っていたら、目線が左から右に行っただけで、相変わらずキョロキョロされるので、とてもそれが気になってしかたがありません。

(司会)
 いろいろな方のご意見を伺おうと思いますが、どうでしょうか。この中では比較的若い世代の皆さんも、もし何かあればどうぞ。

【参加者】
 私は、小学生ぐらいのころに、Eテレで土曜日にやっていた「地球ドラマチック」という番組をよく見ていたのですが、内容もおもしろい番組で、海外の話とかも多いのです。しかし、「地球ドラマチック」で過去に放送された番組は、再放送があまりありません。特に、10年前ぐらいのものなど、もし可能であれば、当時の情報になってしまうので内容が古いということを付け加えたりでもよいので再放送していただけないでしょうか。

【参加者】
 ネットニュース関係についての話題なのですが、昨今では論文の話題をニュースで取り上げることが多くなってきたと思います。しかしその原典になる論文のリンクなどが貼られていないところが多くて、ニュースの配信元によっては貼られているところもあるのですが、せっかく学術的な報道をするのであれば、そういったところのリンクが必ずあるぐらいのレベルであれば、情報としてもしっかりしていますし、よいのかなと思っています。

(司会)
 ありがとうございます。今お三方から伺いました。松江放送局に関する問題は、私がアナウンサーサイドからお答えさせていただきますと、恐らくあれは、カメラのすぐ近くではなく、少し離れたところに時計があって、放送で全国天気に移るタイミングなどに放送が切れてはいけないという使命感から、ついつい時計を気にしているのではないかと思います。おそらくそのようなことだと思いますので、松江放送局にも声をかけておこうと思っています。
 それから、Eテレ「地球ドラマチック」について、もっと再放送ということをきちんと明示したうえで何かできないかということ、ネットニュースなどでリンク先をつけられないかといったご意見がありました。

(熊埜御堂理事)
 「地球ドラマチック」は、過去のものを見たいというご要望ですね。

【参加者】
 BBCなど、外国の放送局でつくったものを放送している関係もあって、難しいとは思うのですが。

(熊埜御堂理事)
 そうなのです。「地球ドラマチック」は、海外がつくった番組を購入して放送をしているので、おそらくその購入のときの契約の条件などでなかなか本当に古いものを再放送ということが難しい番組枠になっていると思います。そこはいかんともしがたいので、申し訳ありません。

(司会)
 あとは、ネットのニュースの場合にリンク先はつけられないのでしょうかといったご質問があったのですが、どうでしょうか。

(小池専務理事)
 確かに論文のニュースを扱うケースは、その論文が画期的な内容であったり、これまで世の中に出ていないような問題を明らかにしたりといったときに論文のニュースは使います。できるだけリンクをつけたりしていることもあるとは思うのですが、もしかしたらつけない場合に、いろいろな著作権などの制約があるのかもしれません。少しその辺りはまた確かめさせてください。

(司会)
 2つ目の「地域放送・サービス」についてご意見を伺っていこうと思います。まず初めに、鳥取放送局で行っている地域放送やサービスについて、鳥谷部鳥取放送局長から簡単にご紹介します。

(鳥谷部鳥取放送局局長)
 鳥取放送局の取り組みにつきまして、ご説明します。
 鳥取放送局は1936年に開局して、1959年からテレビ放送を開始しております。ことしの春にはNHKプラスでローカルのニュース番組、毎日6時10分から放送している夕方の「いろ★ドリ」という番組も配信を始めております。
 それから、米子には支局があります。もともと1954年に独立した放送局として開局したのですが、1988年に米子支局となりました。かなりの機能をこちらの鳥取放送局のほうに集約している形です。ただ現在も支局にもスタジオがありまして、そこから適宜放送を発信しております。
 会館の施設概要ということでいきますと、鳥取放送局は2階建ての施設です。テレビのスタジオは2つあります。そのうちの1つの大きいほうが今現在こちらの会場になっているスタジオです。
 鳥取放送局で、よくみなさんに天気予報などで見ていただいているお天気カメラの映像は、県内11か所に設置していまして、鳥取会館、これはこの放送局です。鳥取放送局の放送会館の屋上に設置してあるお天気カメラ、それから米子支局のお天気カメラは眺望がすばらしいです。中部の倉吉市の映像としては、倉吉駅に設置してあるお天気カメラを使っています。そのほか、空港ですとか港に設置をしてありまして、適宜、話題に即した使い方をしております。
 鳥取放送局の主な番組は、毎日平日夕方6時10分から放送している「いろ★ドリ」というニュース情報番組です。いろいろと人気のコーナーもありますが、「おじゃまシマス」というミニキャラバンのコーナー、これは隔月で1週間、若い職員が1つの地域に滞在して魅力を発信しているというコーナーです。それから「とっとり深ボリ」、これはいろんな地域の課題を深く掘り下げて取材して、いろいろ検証している企画です。それから「おしえて!みんなのゆめ」、これは県内の幼稚園、保育園にお邪魔しまして、園児の皆さんに将来の夢を語っていただいている人気コーナーです。それから「精鋭」というのは県内のいろんな分野で、一線で活躍している人などを取り上げる、人物紹介の企画です。それから「きょうココ!」というのは毎週末金曜日に、旬の話題ですとか、話題になっている現場などを中継でお伝えしているコーナーです。
 去年の4月からは支局のスタジオを使いまして、米子支局専属のキャスターが県西部のニュースを中心に、必ず2つか3つは話題をお伝えしていくというコーナーになっています。
 引き続きまして鳥取放送局の主な番組ですが、「さんいんスペシャル」、これは毎週金曜日の午後7時30分から、ほぼ毎週のペースで放送しております。鳥取放送局がつくる内容と松江放送局がつくる内容、いずれも2県で共有して放送していることがほとんどです。時によっては鳥取県の視聴者にしかなかなか見てもらえない内容かなというときには、鳥取県だけで放送することもありますが、ラインナップ、主な事例がありますように、地域課題を検証するもの、ヒューマンドキュメンタリー、それからスポーツドキュメンタリーなど、多様な分野にわたって番組を出しています。
 「とっとりラジオハイスクール!」というのはことしの4月から始まった新しいラジオ番組で、年間6回ほどの回数なので頻繁に放送しているわけではないのですが、この4月から始めて県内の各高校生と、鳥取市出身のシンガーソングライターの杏沙子さんが青春のあれこれをおしゃべりするという楽しい番組を届けています。
 最後に、その他の視聴者サービスとして、地元の方々にむけて、「考える鳥取」というものを今ちょうど始めたところです。これは小学校4年生の地域学習向けの教育コンテンツとして、鳥取県は一体どのような県なのか、どのような産業があるのかといったテーマで10本のラインナップをそろえて、放送しつつ、直後から配信でもいつでも見られるようにするという、学校の現場でも利用していただけるようなつくりにしています。今年度中に10本全部そろう予定です。
 それから、ご存じの方もいらっしゃるかと思うのですが、「砂の美術館」でことしの2月に「砂上のコンサート」を行いました。「砂の美術館」の展示テーマに合致した音楽コンサートを開くというものでして、来年はフランスというテーマになっていますので、またフランスをテーマにした砂像群をバックに、合致した音楽コンサートできないか追求していきます。
 サッカーフェスですが、11月12日に鳥取市のバードスタジアムで行われる「ガイナーレ鳥取」の試合を生中継して、これを米子市でパブリックビューイングを開いて、どちらでも楽しんでいただけるという、イベントと連動した形でお届けしていきたいと思っています。
 会館見学は、昔から行っていますが、コロナ禍の最中は実際に来ていただくことを控えていましたので、リモートの形で見学を行っていました。コロナが5類に移行したことに伴いまして、実際に来ていただく見学もまた始めています。それとあわせてリモート見学も並行して行っていまして、西部や中部、遠隔地に住んでいる小・中学生にも多様な形で見学やサービスを提供していきたいと思っています。鳥取に寄り添って、盛り立てて、守り続ける公共メディアになっていこうという心持ちで、鳥取放送局は事業を運営しています。

(司会)
 では鳥取放送局からお送りします地域放送、それからサービスについて伺います。

【参加者】
 私は佐治町に住んでいます。10月12日の「いろ★ドリ」を、モニターの応募をしようと思って見せていただきました。50分の番組でも、深く掘り下げて取材をしていて、大変見応えのある番組だと感心しました。
 山陰のコラボということで、松江放送局と鳥取放送局が一緒に、境港の市場を回り、釣り体験までして、娯楽教養番組としても、大変おもしろくてよくできていると思いました。分かりやすく絵も描かれて、時間をかけて経費もかけていると思います。
 以前、「いろ★ドリ」に取材されたときは、継ぎはぎみたいな感じでしたが、今は力が入っていると大変感心しています。松江、境港という土地柄、島根県にも鳥取県にも配慮した、両方の県民が楽しく見ることのできる番組だと思っています。このようなおもしろい試みを全県に広げていただくと島根県のこともよく分りますし、うまくつないでいただけることで非常によくできた番組だと思いました。
 ほかの町村でも、このような両県の話題が合うような試みを島根県にこだわらず津山や、岡山県、但馬を含めて、やっていただけるとよいと強く思いました。

【参加者】
 公共放送は、出演する人物の選考、発言の責任性をしっかり持っていただきたいと思います。
 また、ウクライナのワインの紹介が「いろ★ドリ」でありました。お店の紹介まではよいと思いますが、キャスターが「これを買ってください」と言っていましたが、公共放送ではいけないと思います。このようなチェックはしっかりしていただききたいと思います。
 私は米子市に住んでいますが、松江放送局の、北野アナウンサーは、非常に落ち着いている感じがします。キャスターの、発言のミスや、内容が聞き取れない時があれば、その場で正すような、NHKの姿勢を見せていただきたいと思います。

【参加者】
 地域放送、特に鳥取放送局発のニュース情報番組について、若干、不満を持っています。10年ほど前、鳥取放送局の壁に懸垂幕で「地域密着」と大きく掲げていましたが、土日の朝の鳥取放送局発のニュースや土日祝日のお昼のニュースが広島に集約されてしまいました。平日の朝のニュース、土日祝日の夕方のニュースも、松江放送局との交代になったニュースもあり、鳥取県発のニュースの本数は半減しています。平日のお昼前にあった情報番組も、いつの間にか広島放送局発に集約されてしまっています。
 ゴールデンウイークや、お盆の期間など年末年始のニュース番組も、いつの間にか鳥取放送局発の番組はなくなって、広島放送局に集約されてしまっています。この時期は、鳥取に帰省をして、地元のニュースを見たいと思っている方も大変多いと思うので、広島に集約されてしまうと、家族団らんで地元のニュースを見ようと思ってもやっていないことになので、本末転倒ではないかなと感じています。背景には、NHKの中で働き方改革などの事情もあると思うのですが、それは内向きの理由で、受信料を払っている私どもを向いた判断ではないと感じています。
 鳥取県発のニュース情報番組をもっと充実をしてほしいと思いますが、その辺の見解をお伺いしたいと思います。

(司会)
 「いろ★ドリ」について、今月のコラボウイークに関して、非常によい番組だったと意見いただきました。一方で報道の姿勢、伝え方についても伺いました。地域密着の放送のしかたについてのご意見もありました。

(鳥谷部鳥取放送局局長)
 1つ目のご意見につきましては、非常にありがたく受け止めました。松江放送局と合同で「さんいんコラボウイーク」と銘打ちまして、夕方のニュースで、これまでなかった形のコラボで、相互に鳥取県の西部と島根県の東部の県境の周辺、主要な地域から、両県の視聴者に話題を提供するという、両県の視聴者に関心の高そうな話題を抽出してお伝えしました。モニターの方々からもご好評いただきましたので、今後も「さんいんコラボウイーク」という形で、年1回ぐらいかもしれませんが、同じような企画の継続について検討したいと思っています。
 以前に詐欺まがいのことで問題になった人が番組に出演していたというご指摘ですが、事実関係を、詳細に把握できていないのですが、以前にそういうことを起こした人が出演すべきなのかといったことはご指摘のとおりですので、出演者の選定や、どういうことを伝えるかについてはくれぐれも慎重に、事前にきちんと調べていきたいと注意してまいりたいと思います。
 また、かなり前に比べますと、鳥取放送局発の県域ニュースの枠は減ってきています。働き方改革も背景にあるのですが、やはり職員の健康確保というのは、今日非常に大きい課題にもなっていますので、量は減ってはいるものの、質は落とさないという心積もりでやっていこうと常日ごろ、意識してやっているつもりです。
 土日祝日の夕方のニュース番組は、3年前まではしばらく広島から出ていたのを、山陰ブロック2県に絞って、地域密着度を戻したところですが、平日朝のニュースについては、ご指摘のとおり、1週交代で鳥取と松江が、それぞれのニュースをまとめて出しています。何とか私どもの地域密着という姿勢を少しでも堅持して、薄めずに、鳥取発で出していきたいと思っています。世帯数も減って、受信料が減っていくことが確実な局面の中でどのように質を確保していくのかは大きなテーマとして、考えなければいけないと思っています。ぜひ私どもの検討を見ていただき、随時ご指摘いただければと思います。

【参加者】
 私はとても魚が好きで、「ダーウィンが来た!」をとても楽しく拝見しています。テレビや新聞はほぼ見ていないので、若者でも見たいと思えるような番組や企画を推していただけると、もう少し見てみようという気持ちになれると思います。

【参加者】
 小さいころから科学や歴史などの教育番組や、最近では「魔改造の夜」や、「ブラタモリ」などの教育系の番組をよく拝見しています。
 これらに共通するNHKの特色は、少しニッチで、万人には受けなくても、限られた人がずっと見てくれるような番組だと思います。今後ともこのような番組を増やしていくと、最近は見ないような若者も興味を持ってくれる分野が増えると思います。

(司会)
 若者2人から、「若者でも見たくなるような番組をつくってくれないか」、「NHKの特色というのは、限られた人にでも、見てもらえる番組を出すことではないか」というご意見でした。

(熊埜御堂理事)
 私もEテレの番組をつくってきたので非常にうれしいコメントだと受け取りました。
 今、人々の関心が非常に細分化しているなかで、狭い領域で深く届けることによって、多くの方のニーズとか期待に応えられるような番組を今後も提供していきたいと思っています。「ブラタモリ」は総合のゴールデンなので、多くの年齢層の方々にまさにその土地の歴史と地形と地学的興味という点で多くの方にご覧いただけていると思っています。
 若者でも見たいと思える番組も常に意識はしていますが、なかなかうまくいかないところです。説明にもありましたNHKプラスは、スマホで1週間見逃し配信も見られます。外にいてもスポーツ中継をスマホでご覧いただけるので、どのような番組がNHKにあるのか少し触れていただくような機会にもしていただければと思います。

(司会)
 放送本体ではなくて、ネットでもNHK全体を知ることができるということですね。

(熊埜御堂理事)
 そうですね。テレビの前に座らなくても、手の中にあるスマホでNHKが、どのようなニュースや番組をやっているのか、接していただくチャンスはあると思います。

(司会)
 もしかしたら知らない番組でよい番組があるかもしれませんので、探していただければと思います。

(熊埜御堂理事)
 NHKプラスを、スマホに入れている方はいらっしゃいますか。

(司会)
 女性の方から手があがりましたね。ありがとうございます。

(熊埜御堂理事)
 少し手間がかかって面倒という声もいただいておりますが、少しずつ分かりやすく登録できるように努力していますので、よろしくお願いします。

【参加者】
 ドラマが大好きでよく見ています。ホームページでどのような新しいドラマがあるのかチェックもしています。
 好きなドラマのファンミーティングがあるときにはよく応募しています。鳥取でも、ゆかりがなくてもファンミーティングをしてもらえたらうれしいです。

【参加者】
 夕方のローカルニュースですが、この4月から流れが変わったと思います。番組の立ち上がりでラインナップのような形で放送されてから、米子支局に変わったりするのですが、そこがよく分かりません、前のほうが見やすかった感じがします。
 関連ニュースが流れて、天気予報、そしてニュースという形に慣れていましたので、NHKのローカルニュースが、見にくくなりましたので、途中で民放のローカルニュースに変えてしまうこともあります。時間の流れが、分かりにくくなったというのが実情です。
 何か改善する方法はありますでしょうか。

(司会)
 ファンミーティングなど、地域に限らずいろいろなところで、鳥取でもできないかというご意見です。「いろ★ドリ」のラインナップについて、もう少し見やすくならないかといったご意見でした。

(熊埜御堂理事)
 今、放送している朝ドラですが、倉吉市出身の脚本家の方ということで、イベントもあったと聞いています。きょうの講演会ではドラマのプロデューサーが話をしますので、ぜひそこでもリクエストしていただければと思います。
 来年4月からの朝ドラ「虎に翼」は、日本初の女性弁護士3人を合わせたようなキャラクターで、鳥取とも少しゆかりがあるとも聞いています。ファンの方にゆかりあるなしにかかわらずとも言っていただきましたので、そのような機会を提供できるように努力したいと思います。

(鳥谷部鳥取放送局局長)
 「いろ★ドリ」をご覧いただきありがとうございます。よくご覧いただいていることが分かりました。実はどのような流れにしたらよいのかと、試行錯誤していまして、この春からその流れを少し変えています。
 6時半を過ぎてから、多くの方が見てくださっていることはデータで分かっていますので、6時半からを本番のような形にして、それより前の部分はニュースラインナップを出してそれぞれの概要を伝え、加えて少し企画ものをお伝えしています。6時半から改めて、ラインナップで紹介したニュースを詳しく伝えるという形で成功している他県の放送局もありますので、1回それを試してみようと試行錯誤してやってきています。
 成果が出ているかどうか、これから検証して、従来の形を取り入れるのか、今の形を継続していくのかと検討段階に入っています。いただきましたご意見も、判断していくうえでの貴重なご意見として聞き止めたいと思います。
 これからもさらに見やすい形を追求していきたいと思います。

【参加者】
 最近の新人アナウンサーに共通しているところですが、はっきりとした日本語を発音、発声できる人をきちんと選考して採用して、研修や教育をしてほしいと思います。近年の新人アナウンサーは声が細く、早口でとても聞き取りにくいです。
 日本はますます高齢化社会になって、聞き取りにくい人が多くなっていくなかで、分かりやすく話すアナウンサーを採用、選考してほしいと思います。

【参加者】
 BSで、7時15分から「まんぷく」を見て、7時半から「ブギウギ」を見るのですが、この間に、間があるとよいと思っています。
 もう1点、野球中継を見ていると広告がとても目に入ってきますが、大相撲では見ることがありません。大相撲の広告を楽しみにしている視聴者もいると思います。今から40年前はあったのですが、それがなくなりました。伝統行事を愛するファンとしては、どのようなスポンサーが広告を出しているか見たいと思っています。

(司会)
 少し耳が痛い話ですが、アナウンサーの発声、発音、教育、それから研修に関して伺いました。
 番組自体の編成のしかた、あるいは番組の構成、それから野球中継に関する話もありました。

(熊埜御堂理事)
 ドラマが連続しているから、NHKはトイレに行く間もないということを聞きますが、番宣が多いとまたお叱りも受けまして、難しいところです。
 なかなか変えにくいところだと思いますが、「スポット」というほかの番組やNHKの取り組みを紹介するような1、2分のミニ番組をどこに入れると一番よいのか、引き続ききちんと考えていきたいと思います。

【参加者】
 「猫のしっぽ カエルの手」が大好きで、繰り返し見ていました。その番組がきっかけで植物に興味を持って、もっと勉強したいと思って、農業高校に進学しました。今思い返してみると、その幼少期のときに見たNHKの番組によい影響をもらっているなと感じます。
 番組に起用されている女性や、フランスの女性の生活を公開する番組もあったと思うのですが、すごくすてきな方を見つけられていると思います。
 これからも誰かの人生をより豊かにするような、すてきな番組をつくってほしいと思います。

【参加者】
 最近始まった「キボウノチカラ〜オトナプリキュア’23」は、本当に世代だったので見ようと思っています。
 NHKのテレビはあまり見ないのですが、プリキュアをきっかけに見るようになったので、これからも若者が見て楽しめるような番組をつくっていただけたらよいと思います。

(司会)
 水尾委員は、ふだん学生と一緒にいると思いますが、最近の学生はどうでしょうか。

(水尾委員)
 本当に今の学生はテレビを見ていないということをひしひしと感じています。独り暮らしの学生はテレビを持っていないことも多くなってきていて、必要家電製品の一番がテレビではないと私も実感します。
 10月から学生は受信料が免除になるので、見てほしいと言いやすい環境は整ってきました。ニッチな番組や、科学や歴史、「ダーウィンが来た!」が好きだという方もいました。
 若者が見るような番組をつくってほしいと、私の大学の学生も同じことを言いますが、NHKにはEテレや、総合、BSと、今度1波減るとはいってもいくつも波があって、番組の数はとても多いと思うのです。
 けれども、そのような番組を見てみるとおもしろかったけれど、知らなかったという声が多くて、学生にいろいろな番組を勧めると、それをきっかけに長く見てくれるようになってくれることもあります。やはり課題は情報が届いていなくて、NHKにどのようなプログラムがあるのかを知るきっかけがないところだと思います。
 皆さんはスマホを上手に使われていると思いますが、「ダーウィンが来た!」とキーワードを入れると、あなたのお勧め番組と出てくるようなシステムがあったらどう思いますか。

【参加者】
 よいシステムだと思います。

(水尾委員)
 そうですよね。熊埜御堂さん、よいということですので、ぜひ。

(熊埜御堂理事)
 今は多くの配信サービスや、買物のネットサービスでもリコメンドやお勧めが来ると思いますが、今、NHKはシステム上そうなっていません。興味関心があるところだけがリコメンドされてしまうと、一層ニッチになっていくことも考えられます。
 NHKとしては、NHKなりのやり方で、興味関心がなくても、こんなにおもしろいものもありますというリコメンドや、興味範囲も広げてもらえるようなNHKらしいリコメンドを将来的にはやっていき、多くの方に見ていただけるようなサービスにしたいと思っています。

(水尾委員)
 「笑わない数学」も大相撲も好きという方も多くいると思うので、シャッフルした形であなたにというような、サービスもあったらよいと思っていますので、そのようなご意見も届けていただければと思います。

【参加者】
 大変ありがたいと思っているのは、「進撃の巨人」のラストをやっていただけることです。期待しています。
 「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、初めて人間以外のアニメの主人公「エレン」が取り上げられることには感動しました。
 「シン・仮面ライダー」の制作ドキュメントも、とても良かったです。やはりこういうことができるNHKがすばらしいと思います。受信料を払っていてよかったと思っています。録画もたくさんしています。
 「いろ★ドリ」については、さきほど意見も出ていましたが、鳥取県民が見てよかったなと思える番組にしていただきたいと思います。
 村上アナウンサーが、夏に番組の中で、飛び上がっていたことがありました。NHKのアナウンサーはこのようなパフォーマンスもすることがあるのだと思って感動しました。若いアナウンサーも前に出てよいのだと言っていただける職場の環境づくりをお願いしたいと思います。

(司会)
 夏に「いろ★ドリ」のなかで、おもしろい演出ができると思い、飛び上がったことがありました。
 私も長くアナウンサーをやっていますが、今は後進を育てるための仕事をしていることが多く、若手には失敗しても視聴者の皆さんに叱咤激励されることが糧になると言っています。これからもよろしくお願いします。

(熊埜御堂理事)
 本当によく見ていただき、ありがとうございます。アニメは今、日本が世界に誇れる一つの文化だと思うので、NHKは日本全体の映像文化を支えるという意味でも、多くの方に見ていただける機会を提供していけるように頑張りたいと思っています。
 「猫のしっぽ カエルの手」をみて、自分の人生を決めるような影響があったと聞きますと、とてもうれしい思いと同時に責任が重いということを改めて感じました。

(鳥谷部鳥取放送局局長)
 「いろ★ドリ」への厳しいご意見とともに、期待もいただき非常にうれしく思います。スタッフ一同これからも精進いたします。ありがとうございました。

(司会)
 本日は皆さまのおかげでいろいろなご意見を伺うことができました。本当にありがとうございました。
 経営委員から全体を通してひと言申し上げます。原委員、お願いします。

原委員)
 私自身は若い人たちの仕事ぶりについて温かく見守る立場で今までやってきていますので、おおらかに見ていますが、公共放送としてはうまい下手ではなくて、きちんと伝えていく訓練をしていかなければならないということをお伝えし、コメントを締めくくらせていただきたいと思っています。
 NHKの場合は、不偏不党、公正中立ということで放送基準にのっとり放送しているところですが、これは非常に難しいことです。客観的な評価は非常に難しく、常に現場でも同じような視点でやっていると思うのですが、どう見えるかということも重要な指針です。皆さまからどのように見えたかということをご指摘いただくことで、NHKとして反省し、検証しながら、さらによいものへと発展していくと思います。機会を通じて、貴重な意見を聞いて改善していく努力をしていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 また公共放送としての価値へのPRが足りないのではないかという叱咤激励をいただきました。公共放送として自己PRについては非常に謙抑的にならざるを得ないのかと思いますが、激励をいただくことが精神的な後押しにもなり、よりよいものにしていくことへのPRにつながりますので、激励のおことばをいただくことは非常に大事だと感じました。

(司会)
 水尾委員、よろしくお願いします。

(水尾委員)
 本当にたくさんの貴重なご意見、ありがとうございました。いずれもよく見てくださっているからこその評価や厳しいご意見を持って、ファンでいてくださっているのだと感じました。
 われわれの課題のひとつは、テレビ離れの話も出ましたが、若い世代にもNHKのファンを多くつくっていくことだと思っています。私は、大学の教員でもあるので、若い方たちに期待しているのですが、ぜひよいと思ったことや意見を、情報共有できるように発信していただき、NHKを応援していただければ、ますます職員もよい番組をつくろうと努力すると思うので、よろしくお願いします。
 これまでずっと長くファンでいてくださった皆さまには、引き続き叱咤激励などをお願いしたいと思います。ありがとうございました。

(司会)
 では最後に、鳥取放送局局長からごあいさつ申し上げます。

(鳥谷部鳥取放送局局長)
 きょうは本当に貴重なご意見をありがとうございました。
 ふだんは番組モニターの方の報告や、電話、メールなどで随時、番組への感想・ご批評などをいただいているのですが、直接に視聴者の皆さまからご意見を伺うと、非常に重みをもって響いてくることを感じました。
 きょういただいた数々のご意見を鳥取放送局の職員全員と共有して、これからの鳥取県民の皆さまへの放送サービス、その他のサービスも、今以上を目指して頑張っていきたいと思います。
 これからもいろいろとご意見を提供くださいますよう、よろしくお願いいたします。

(司会)
 皆さま、本日は本当に貴重なご意見ありがとうございました。視聴者のみなさまと語る会(鳥取)は、これで終了とさせていただきます。

 

 

 

<視聴者のみなさまと語る会(鳥取)> 参加者事後アンケート

※単位は回答人数

質問1:性別

男性 女性 その他 無回答
12 5 0 0

質問2:年代

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代〜
0 5 0 1 2 6 3 0

質問3:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 ふつう 不満 大変不満 無回答
6 7 3 0 0 1

質問4:NHKの放送・サービスについて理解や関心が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
8 5 3 0 0 1

質問5:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 少し知っていた あまり知らなかった ほとんど知らなかった 無回答
2 4 4 6 1

質問6:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
2 9 3 2 0 1