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2023年度 第3回
視聴者のみなさまと語る会(青森)開催報告書
(2023年9月9日(土)開催)

 

<名称>

視聴者のみなさまと語る会(青森)

 

<日時>

2023年9月9日(土)午後1時〜2時50分

 

<実施方法>

参集方式

 

<出席者>

〔参 加 者〕

青森県にお住まいのみなさまを対象に30人が参加

〔経営委員〕

森下 俊三 委員長(一般財団法人関西情報センター会長)

 

不破 泰  委員(信州大学理事・副学長)

〔執 行 部〕

井上 樹彦 副会長

 

安保 華子 理事

 

中村 円香 青森放送局局長

〔 司 会 〕

杉嶋 亮作 アナウンサー

 

<実施概要>

 冒頭、経営委員から協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について説明し、「NHKの放送や経営全般、NHKプラスなどのインターネットサービスについて」「地域放送・サービスについて」をテーマに意見や提言を募った。

 

 ミーティング終了後、「『あっぷるワイド』青森の気象情報よもやま話」と題して、長谷川 史佳アナウンサーと阿見 武寛気象予報士による講演会を開催した。

 

<内容詳細>

(司会)
 経営委員から、NHKや経営委員会の役割などについて簡単にご説明します。

 

 

◆協会の基本方針・重要事項の説明

(不破委員)
 はじめに、NHKの経営委員会についてご説明します。
 NHKの経営委員は国会の同意を得て、内閣総理大臣から任命されています。経営委員会は、さまざまな分野や地域から選ばれた12人の委員で構成されています。
 経営委員会では、中期経営計画や予算・事業計画など経営の重要な事項について議決するほか、会長や副会長、理事らが決められた方針に沿ってNHKの運営ができているかどうかを監督しています。また、NHK会長を任命するのも、経営委員会の重要な役割です。
 私たち経営委員は、NHKの経営にあたって、視聴者のご意見を踏まえ適切な判断や検討を行うことが求められています。そこで今回のような「視聴者のみなさまと語る会」を毎年6回以上開催しています。
 NHKの役割の一つは、災害や新型コロナウイルスなどから命や暮らしを守る「安全・安心」に関する情報をお届けすることです。また、“NHKだからできる放送”に力を注ぎ、多様で質の高い番組や情報をお届けしています。
 NHKが受信料で運営されていることはご存じの方が多いと思います。NHKは税金で成り立つ国営放送ではありません。受信料で成り立っている公共放送です。特定の利益や意向に左右されない、公正で質の高い番組をつくり、視聴率にとらわれずに社会に必要な教育・福祉番組などをお届けできるのは、受信料によって財政面での自主性が保障されているからです。
 続いて、NHKの「インターネットを活用した取り組み」についてご紹介します。放送を中心としながらインターネットも活用して、公共性の高いコンテンツや情報を「いつでも、どこでも」受け取れる環境を整え、視聴の機会を増やすことは重要な取り組みと考えています。
 その取り組みの一つが、スマホやタブレットなどで番組をご覧いただくNHKプラスです。NHKプラスには、総合テレビとEテレの番組をインターネットで放送と同時に配信する「常時同時配信」と、それらの番組を1週間程度いつでも見ることができる「見逃し番組配信」のサービスがあります。
 NHKと受信契約をしている方と、その方と生計を同一にする方は、追加のご負担なくご利用いただけます。また、去年からテレビ向けのアプリサービスが始まり、テレビの大きな画面で見逃し番組配信をお楽しみいただけるようになっています。
 続いて、「NHK経営計画」についてご説明します。この計画は2021年度から3か年のNHKの具体的な経営目標や重点方針を掲げています。経営委員会で視聴者の皆さまから広くご意見を募集して、議論し議決しました。
 NHKは、公共メディアとして皆さまの信頼に応え、合理的なコストでの運営に努めます。経営資源を多様で質の高いコンテンツに集中させ、正確、公平公正で豊かな放送・サービスを、いつでもどこでも最適な媒体を通じてお届けし続ける「新しいNHKらしさの追求」を進めます。そのために、経費を削減する一方、「安全・安心を支える」、「新時代へのチャレンジ」、「あまねく伝える」、「社会への貢献」、「人事制度改革」の5つの項目に重点的に取り組み、スリムで強靭な「新しいNHK」を目指します。
 ことし1月に経営計画の修正を行い、「5つの重点項目」については、「安全・安心を支える」、「あまねく伝える」の内容を強化することにしました。
 また、衛星波は2Kのうち1波を削減します。ことし12月から、BS1、BSプレミアムは「NHK BS」に、BS4Kは「NHK BSプレミアム 4K」として、新しく生まれ変わります。視聴者のみなさまがBS1とBSプレミアムでお楽しみいただいている番組の多くは、引き続きご覧いただけるようにします。4Kは、見応えたっぷりな特集番組や超高精細映像ドラマなど、プレミアムなラインナップでお届けします。
 受信料は、来月10月から、地上契約、衛星契約ともに1割値下げします。また、来月から学生を対象とする免除を拡大し、親元等から離れて暮らす学生は原則免除とするよう、経営委員会で意見募集を行いました。
 本日、皆さまからいただく貴重なご意見は、今後の経営委員会の活動の参考にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

(司会)
 きょうは、大きく2つのテーマについて皆さまから意見を伺ってまいります。まず、1つ目のテーマは、「NHKの放送や経営全般、NHKプラスなどのインターネットサービスについて」です。NHKのニュースや番組について、NHK経営計画や受信料制度について、またNHKプラスなどのインターネットサービスについて、NHKへのご意見、ご要望などについて伺います。2つ目のテーマ「地域放送・サービスについて」は、後半で伺います。
 それでは、まず1つ目のテーマについて伺っていきます。

【参加者】
 1年くらい前のNHKの番組で、出演者の方が絶えず過去の自身の暴力的な部分を自慢したりする番組があり、自分は本当に強かったんだとかという感じの話題だけでした。
 そのときは、出演者の俳優が、人生一度きりだから何やってもよいというような、肯定をするような感じの話をして終わっていました。NHKがこういう暴力を肯定する方を番組で出してよいのかなと疑問に感じました。
 子どもたちや若者が見たときにどのように思うのか、民放でも同じ方が出たときに、同じようなことを言って、周りの方もかっこいいですねと言っていて、何かとてもがっかりしました。暴力などを肯定している人の番組はどうなのかなと思いました。

(司会)
 暴力を肯定している番組はいかがなものかというご意見ですね。

【参加者】
 NHKの予算は国会の承認が必要だと聞きましたが、国営放送ではなく公共放送なのにどうして国の関与があるのかと疑問を持っています。

(司会)
 公共放送なのに国の関与を受けるのはどういうことかというご質問ですね。

【参加者】
 「ラジオ深夜便」を365日聞いているのですがとてもよい番組だと思います、頑張ってください。

(司会)
 励みになることばをありがとうございます。

(井上副会長)
 番組の趣旨は、暴力的なことを肯定するものではなく、その出演者の人生の話だと思いますので、その中で過去のことについて少しアクセントが強いような表現があったのかもしれません。
 NHKの番組に限らず放送番組には、かなり厳しい一定の基準があります。間違った内容だけではなくて、品位を汚すとか、あまりにも残酷だというようなことは、NHK、民放問わず相当厳しく見られています。この基準は以前よりも厳しくなっています。世の中全体で非常にモラルが向上しているということもあって、今は視聴者が許容できる範囲で、過激なシーンについても見ている側の感覚や感情に相当配慮しながら作るようになっています。
 ご指摘のように、出演者が昔はやんちゃだったというような話は多少したと思うのですが、それがあまりのりを越えないように、NHKの場合は番組制作から放送に至るまでのかなりのチェック段階がありますので、そこはチェックしていると思います。

(森下委員長)
 先ほど国の関与の話がありましたが、今の時代は、本当はもっと自由にやるべきだと思うのですが、もともと公共放送は戦後の仕組みの中で、あまねく全国に放送をきちんと伝えていくということと、もう一つは、よい番組をきちんと流してほしいということを規定しています。国民にきちんと伝えるべきものは伝える。国会中継みたいなものは、きちんと、全国の人に伝える。その代わり、テレビを持っている方には受信料を払っていただくという制度になっているわけです。
 だから、その分だけきちんとNHKはしっかりと管理してやるべきです。ですから、予算も国会の承認を得てやらないといけないという制約がついているんですね。
 公共放送というものをしっかりと国民の皆さんに広めていくための仕組みとしてやっているので、その分だけ国も関与してきますよという仕組みなのです。
 NHKとしては、業務を執行する会長以下がいて、経営委員会がある意味で視聴者の代表という形でそれを経営の面からチェックしていくという立場で入っているということなのです。
 そういった意味で、少し普通の企業とは違う仕組みになっているということです。

【参加者】
 国の関与がなければ、担保はされないのですか。国の関与がなくても、いわゆる自律的にできないのでしょうか。

(森下委員長)
 今の時代は、自主的にきちんとやろうと思ったらできると思いますが、放送というのは民間放送と二元体制でやっています。民放からするとNHKはきちんとやっているか、監視するという意味で一定の規制をかけてくれということがあるんですよね。バランスを取ると言いますか、基本的にはきちんと国が関与して担保していきます。
 企業の形態で言えば、できるだけ自由にやりたいということがあると思うので、今の枠組みはこのようになっています。

(不破委員)
 少し補足させていただくと、国の関与と言いましても、ここでは国会の同意を得る、国会の承認を得るというプロセスを取っています。視聴者の皆さまの受信料で成り立っている組織ですので、国民の皆さまの代表である国会の同意をそのつど得ていくということで、国からこういう番組つくるようにと言われる関係になってはいません。
 国会の議員を決めるのは国民の皆さまなので、私たちは間接的に国民の皆さまの承認をいただきながら運用していく。一方で、今回のような直接ご意見をいただく場もとても大事にしながら運営をさせていただいているということをご理解いただければと思います。

【参加者】
 国会中継を見ると、NHKの予算を審議する模様が総合テレビとラジオ第1で、深夜にあります。国会中継は、生放送されているのに、予算の審議のところだけが深夜だと見られません。リアルタイムで見たいと思いますが、なぜ、NHKの予算審議だけ深夜に放送されているのかお聞きしたいです。

(井上副会長)
 国会の放送について、NHKの場合は、本会議も全部放送をするわけではありませんが、基本的に国の本予算と言われる年度当初の予算で、それに関する予算委員会はリアルタイムで中継をしています。また、予算委員会での集中審議や、そのときの非常に重要な審議を中継でやるという、大体の基準を決めています。
 国民の知る権利を踏まえ、ネットの発達に伴って、国会のホームページから入れば、有権者はすべての委員会をリアルタイムで、インターネットで見ることができます。非常に開かれた国会になったと思っているのですが、NHKの場合は、ある程度の枠を決め、重要な審議を中心に国会中継を行っています。
 NHKの予算については、これは皆さまから頂いた受信料をどう使っているのかというところの議論にもなりますので、NHKの現状を知ってもらうためにも何とかやろうということで、衆議院・参議院、多いときは何日かにまたがるのですが、録画して深夜から早朝にかけ放送しています。熱心な方には深夜帯であっても、録画して見ていただいています。
 NHKの予算は衆参両院で承認されて執行されるのですが、この内容については毎回詳しくニュースで放送することにしています。

【参加者】
 文化財の技術の継承についてNHKに関わってもらい、さらに伸ばしてもらいたいと思っています。NHKではいろいろなジャンルのものが放送されていますが、先日、BSで若者が北海道の離島での技術を学ぶ番組や、各会社がチームをつくって失敗しながらいろいろなことにチャレンジしていく工業系の番組もありました。
 私は造園業なので、文化財庭園の修復に関わることもあります。外国から来た観光客の方が古いお庭や建造物に対してとても興味を持っています。しかし、今の現状では後を継いでくれる若い人が非常に少ないです。みんな大学は目指しますが、大学を終わったときに、その先何を目指していくのかが決まっていない子どもが多くいます。勉強の嫌いな子どももいます。
 NHKでは、多くの人の生きる道を示した放送をされていますが、これをもう少し若い人の間に染み込ませていただけないものでしょうか。若い人は楽しい番組にチャンネルを合わせればずっと変えないで見ると思います。

(司会)
 文化財ですとか古いものを、技術を継承していく番組があったらよいのではないかというご意見でした。ありがとうございます。

【参加者】
 私の願いは、時代劇の灯を消さないでいただきたいということです。
 時代劇には好き嫌いがあると思いますが、かつては民放でもかなり時代劇をやっていました。NHKは大河ドラマもありますが、個人的には「雲霧仁左衛門」が大好きで、これは続けてほしいと思います。これが一つの日本の文化だと思いますし、役者さんも演じられる方が世代交代の中で減っているなかで、これを続けていただけるのはNHKしかないと思います。費用もかかる制作だと思いますが、ぜひとも火を消さずに続けていただきたいというお願いです。

【参加者】
 いよいよあしたから大相撲中継が始まりますが、非常にうれしく思っています。私は、大学で相撲部を初めてつくったのですが、地域で頑張る若者の取り組みや、生の声をテレビでもっと取り上げてほしいと思います。
 スマホでNHKが見られるようになっても、二十歳の若者の目線から言いますと、若者はNHKは見ないと思います。ゲームとかSNSとかに夢中になってしまうと思うので、あまり意味がないと思います。この若者の目線というのも聞いてほしいです。

(安保理事)
 日本の伝統文化、技術を受け継ぐ大切さをNHKに期待してくださっているということに胸がいっぱいになりました。
 時代劇について、NHKでは定時番組として継続して放送してきています。BSプレミアムとBS4Kで毎週金曜日の夜7時半から放送しているBS時代劇という枠で、まさに気に入っているとおっしゃっていた中井貴一さんが主演を務める「雲霧仁左衛門6」を現在放送しています。
 2022年度からは、総合テレビで名作時代劇の放送枠というのを設けまして、日曜日、朝6時10分から「特選!時代劇」という枠で「雲霧仁左衛門5」をやっています、BSでは、「雲霧仁左衛門6」をやっているのでどちらもお楽しみいただけたらなと思います。
 総合テレビでやっている番組はNHKプラスでもご覧いただけますので、オンエアの時間、もしご覧いただけない場合は、見逃し配信で見ていただければなと思います。
 お正月に放送する時代劇のような特集番組も毎年やっていますので、あわせてお楽しみいただければと思います。
 若者がやはり伝統、技術をどう受け継いでいくのか、そういうことをきちんと伝える、必要性を伝える番組をもっとできないかということをいただきました。ご意見は現場に伝えようと思っていますが、今のところ、特定の番組ということではないのですが、個々の番組やニュースの中で日本の古い技術、伝統技術、文化を継承する若者について取り上げる機会がしばしばあります。
 全国各地という観点で言いますと、日曜日の朝8時25分から放送している地域発のドキュメンタリー「Dearにっぽん」という番組で若者の姿をご紹介することもあります、こちらも見ていただければありがたいなと思います。
 若者が、スマホでネットやNHKのコンテンツを見られるようになっても見ないのではないかというご意見ですが、来月から値下げがありますというお話をさせていただきました。親元を離れて暮らしている大学生の免除が始まります。
 この免除というところで、少し見ていただくとこんな番組があったんだという発見があるかもしれません。

(司会)
 ちなみに、どのような番組だったら見てみたいなと思われますか。

【参加者】
 昨日、NHKを見る機会があって、スポーツとかプロテインに関する番組で、石原さとみさんや市村正親さんが出ていました。若者がスポーツに熱中しているところや、一から部をつくり上げて一生懸命活動しているところがとてもおもしろかったです。これからの時代、若い人に焦点を当ててつくっていけば見る機会も増えると思います。

【参加者】
 ニュース・防災アプリを台風などが来た時に見て、細かくとても見やすいと思っているのですが、若い人から高齢の方まで全員が使えるのかという疑問があります。実際にそうなったときにみんなが声をかけれるのか、アパートに住んでいても隣の人を知らないことが多いです。挨拶はするけれどもというなかで、助け合いにきちんとつなげれるのか、命を守れるのかなと思います。

(司会)
 ニュース・防災アプリの使い方についてのご意見をいただきました。

【参加者】
 受信料の値下げもさることながら、もっとお金を取れるところから取るべきでないかと思います。
 年末の「紅白歌合戦」は、入場料がかからないと聞きました。入場料などをいただいて、もっと収入を増やすべきではないでしょうか。受信料の値下げは、そんなに必要だと思いません。その受信料に見合った分の番組編成をしてほしいなと思います。ナレーションに俳優を使っていますが、アナウンサーもたくさんいるので自前でできると思います。費用もかかっていると思うので、節約してもっともっと経営の立て直しを考えるべきではないかと思います。以上です。

【参加者】
 秋田のほうで大雨があったときに、30分おきに仙台放送局のスタジオから随時情報を伝えていたのですが、青森県内で岩木川が氾濫したときには、定時のニュースで触れるだけで、あまり手厚く伝えていなかったので、不平等に感じました。NHKの災害報道に関しては、定評があって、地震が発生したときには見ているのですが、全国のニュースでもこのような感じがしたので、意見とさせていだきます。

【参加者】
 放送時間の変更や、放送の中止があったときに、いつ再放送されるのだろうと思い、NHKのデータ放送やウェブサイトを見るのですが、放送のお知らせに関するページになかなかたどり着けなくて、知らないうちに見逃してしまったり、NHKプラスでも配信が終わっていたということがありました。NHKのウェブサイトや、アプリ、データ放送でもよいのですが、放送時間の変更に特化したページを設けていただければうれしいと思います。

(井上副会長)
 ニュース・防災アプリの件ですが、今では若い人だけではなくて年配の人もスマホでアプリを使えるようになっています。NHKでもこの辺りの充実を目指しているのですが、まだスマホがそこまで使えないという方もいるので、テレビ、ラジオ、いわゆる旧来のメディアを使って、ありとあらゆるツールで命と暮らしを守ろうという形にしています。ニュース・防災アプリの使い勝手についても、情報がきちんと捉えられるようなやり方をこれからも考えていきたいと思っています。
 10月から受信料の値下げを行いますが、物の値段が上がっている中での値下げというのはNHKにとっては非常に厳しく、向こう3年間で1,000億円規模の経費の削減が必要になっていきます。
 それでも約束したことを守りながら、より効率的で、質を落とさない放送をやっていきます。ご指摘にあったように、私もNHKスペシャルのナレーションを著名な俳優がやっていて、エンディングロールをみて驚くこともあります。NHKにもアナウンサーなど人材は多くいますので、そういったところもこれから考えていくと思います。
 災害報道についてですが、最近の災害では、雨の量も多くて、何百年に一度というような言い方が日常的になっています。秋田のときもそうですが、いろいろなところで川が氾濫してしまうと、すべては追えません。その代わりに、国土交通省の河川カメラ等を活用してできるだけ防災に役立てようという、報道のやり方を変えてきています。河川カメラだけではなく、各防災機関のいろいろな情報をそのまま画面に流して、多角的な報道をネットと併せてやっていきます。災害報道というのは、民主主義の基本である選挙報道と並んで、報道の二本柱だと思っています。今後も堅持していくという姿勢でやっていきたいと思っています。
 放送休止についてのご意見は確かにそうだと思います。休止したあと、どこでやるのかをサイトなどに載せるということは視聴者のサービスにとって大事なことと思います。
 ただ、番組を見逃しても、テレビのタイムシフト、あるいはNHKプラスで放送から1週間であれば見られます。そういったことも含め、いろいろな形でサービスを拡充していますので、ぜひ利用していただければと思っています。
 再放送がすぐに決まらないときもあります。数日間災害報道をやった時など、膨大な量の番組が積み残しになります。これをもう一回編成し直すことになると、なかなか決まらないということもありますが、決まればすぐにそれを周知するようにやっていければと思っています。

(司会)
 続きまして、2つ目のテーマ、地域放送、サービスについてご意見を伺っていきたいと思います。青森放送局で行っている地域放送やサービスにつきまして、中村局長から簡単にご紹介したいと思います。

(中村青森放送局局長)
 NHK青森放送局、青森県でのNHKについて簡単に歴史をご説明します。最初に1938年に弘前放送局としてラジオ局が開局したのが始まりで、その3年後に青森市で青森放送局、ラジオ局が開設しています。その後、次の年に八戸に放送所が開局しています。
 テレビ放送は、1959年にこの青森放送局がスタートしまして、1981年にこちらの建物で運用開始になります。従いまして、この建物は今年で42年目ということになります。
 その後、2011年3月の東日本大震災では八戸支局を前線基地としまして、八戸の状況をお伝えしてまいりました。そして、2021年4月には青森放送局開局80周年を迎えています。
 NHK青森放送局、今、キャラクターはこちらのシャモリという森の妖精のキャラクターで皆さまにお伝えしています。
 今、NHKの青森放送局が力を入れていることは、こちら3点になります。
 先ほど安心・安全というお話がありましたが、幅広い世代の信頼と知りたいに応えていきます。
 そして、2つ目が、青森の人々と双方向でつながって、青森の魅力を県内、全国、世界に発信します。
 3つ目は、地域に出て親しみのある放送局を深めていきます。
 こちらの3つに力を入れています。
 青森放送局が制作している主な番組は、平日の夕方6時10分からは「あっぷるワイド」、金曜日の午後7時30分からは月1回程度放送の「発見!あおもり深世界」、そして、土曜日朝9時から放送の「あおもりもりもり」という生放送の番組。ラジオでは、「ナノコエ、きがへで」というコーナーを天気予報、お知らせの中のコーナーとしてお送りしております。
 「あっぷるワイド」は、一日の動きを詳しく、分かりやすくということで、その日のニュース、気象情報を丁寧にお伝えするほか、今年からは曜日ごとに少しテーマを設けまして、そのテーマに合ったコーナーを配置してお送りしています。
 「発見!あおもり深世界」ですが、王林さんやジョナゴールドさんに出ていただきまして、青森のことをさらに深掘りする番組になっています。こちらも王林さんと考える青森のりんごの未来であったり、佐井村に戻ってきたご家族を取り上げるといったドキュメンタリーもお送りしています。
 そして、「あおもりもりもり」は、青森愛にあふれるゲスト、青森の方を中心に出ていただいてトーク番組をお伝えする、青森の各地の魅力を紹介する番組になっています。
 皆さまの疑問に答える「ナノコエ」は3年目に入りました。こちらの「大きい耳」を持って、取材をしています。
 先ほど、もっと若い人の声を取り上げてほしいというお話もありました。さらに地域に出て親しみのある放送局ということで、小学校に出かけていって、5年生向けに特別授業をしたり、大学生、青森大学とのコラボ、若者と、大学生と一緒に今の青森県を考えるといった取り組みも進めています。また、文化というところで、今年は棟方志功の生誕120年のプロジェクトも進めています。

【参加者】
 シャモリのキャラクターが、初めはイラストだけだったのですが、気づいたら動くようになり、声もつくようになり、すごいと思っています。どーもくんみたいなキャラクターが青森にもあって、やれるようになったのだと思い、かわいくて、動きや、小物などもつけてかわいがってもらっているなと伝わってきています。「あおもりもりもり」、今朝も見てきました。とても大好きなのです。いろいろライバルの番組もあると思いますが、時間とかとてもよいと思います。「チコちゃんに叱られる!」の次でシャモリが見られるというのはとてもよいと思います。それこそ若者や子どもにもっとシャモリが愛されて、触れたり、会えたりしたらよいなと思いながら見ています。
 先ほどアオモーレさんとかいろいろ探してるいるのだろうと思いながら、ここにも1人アオモーレさんがいるような気もします。いろいろな人を探すのはとても大変だと思います。見たことのあるゲストの方もいますが、それは私が知っているだけで、ほかの人は知らないならそれがきっかけになるはずなので、それも大事なことだと思います。何回も同じ人が来ても話す内容は同じではないと思うので、同じ人が来ることも大事だと思いますし、そこからまたつながっていくこともあると思います。私は「あおもりもりもり」を、楽しい時間だと思っています、本当にあっという間ですよねとアナウンサーの方が言うのですが、視聴者からしてもあっという間なので、スペシャルバージョンが出たらよいなと思いながら見ています。

(司会)
 「あおもりもりもり」を愛してくださって本当にありがとうございます。シャモリに会ってみたいというお気持ちありますか。

【参加者】
 あります。

(司会)
 そういったイベントも参考にさせていただきたいと思います。

【参加者】
 私は、NHKをほとんど見ていません。学校の教員をやっていましたので、教育テレビはさまざまな番組を子どもに紹介しながらやってきました。退職してから、時間があるのになぜ見ないのだろうと考えて、このイベントに参加することが分かったときから1週間、少しNHKだけを見てみました。
 今はさまざまなメディアがあるので、気象やドラマはどこの放送とみんな決めていると思います。NHKに全部求めているわけではないのでしょう。
 私がNHKに求めているのは、災害放送です。震度4以上になると、ほかの放送はやっていなくても、NHKは必ずやっています。夜中に30分ごとにやっている、台風の画面が動いているだけの放送は大好きです。NHKでなければできないと思います。NHKは、きちんとアナウンサーが話しているので親しみも感じるので、とてもよく見ていました。
 若者向けの内容にすれば見る人が多くなるという意見もありました。私はNHKは十分さまざまなものつくっていると思いますが、知らない人が多いと思います。歴史好きな人にはこういうコースで、この番組を見るのがお薦めというガイドをたくさんつくっていただければ、試しに見てみようかと思うはずです。私のように今まで全然見ていなかったのに1週間も見ると、「あおもりもりもり」の大ファンになりました。興味のある内容が放送されて、来週から絶対に見ようと思いました。そういうきっかけづくりをたくさんするとよいと思います。
 青森県出身のアナウンサーは数人いますが、NHKは1人だけですので、青森県からアナウンサー育てようというような講座をやってもらえればと思います。

(司会)
 それぞれに、人に合ったテレビのガイドが出てくればよいのではないかというお話も貴重だと思います。

【参加者】
 平成3年の「りんご台風」のときの放送から青森放送局が大好きになって、それ以来ずっと欠かさず、NHKはつけています。
 NHKの方は夜勤をしている方もいると思いますが、頑張って放送を続けてください。

【参加者】
 夕方のNHKのニュースを毎日見ています。日常の生活の中に組み込まれているといってもよいぐらいですが、祝日になると番組が短くなってしまいます。お盆も番組がなくなってしまうのですが、私たちの生活の中に日常としていつもあるということが安心感であったり、親しみであったりと思います。
 一方、民放は、祝日でもお盆でもふだんの放送をやっています。どうしてNHKはできないのでしょうか。これは期待を込めての意見です。よろしくお願いします。

(中村青森放送局局長)
 「あおもりもりもり」ですが、大変ご意見をいただきまして、私も胸が熱くなる感じがします。このシャモリは、本当におっしゃいますように、チコちゃんとの相性がよいのではないかということでこの時間帯になっています。その私たちの思いが伝わっているのがとてもうれしいなと思っています。
 また、「アオモーレ」さんですが、地域で有名だったり、その分野で有名な方や、活躍されている方、例えば、テレビではなくて、インターネットで発信されている方だったりなど、いろいろな方がいらっしゃいまして、そのような方にもスポットをあてて、いろいろと青森の魅力などを語っていただくといった番組になっています。大変好評もいただいていまして、引き続き、続けていきたいと思っています。
 また、この会場に、アオモーレさんがもういらっしゃるのではないかという話もありました。ぜひ、よろしければご出演いただけないかと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 2つ目はお薦めガイドですかね。お薦めガイドについては、地域だけではなく全体のこともあるかもしれないのですが、確かに青森放送局の中でこのようなことができないか、考えてみたいと思います。やはり、きっかけづくりが大変大事だと、今、伺って考えているところです。
 3つ目の災害報道について、先ほどの質問でも昨年の大雨についてのコメントをいただきました。この8月9日から長きにわたって大雨が降り続き被害が出たというところで、私どももかなり重点的に取材をしました。例えば、L字の放送などで放送させていただいたり、ニュースでもお出ししましたが、やはり、高校野球は、正直申し上げて、どのようにお送りするか悩みながら進めていました。高校野球もありますが、災害をなるべくしっかりと青森県内に届けるように、間にニュースを挟んでみたり、L字の情報を深くしてみたり、深夜も放送したりといったところをやってきましたが、いろいろと本日ご意見をいただいたので、また考えていきたいと思っています。
 「あっぷるワイド」の6時台について、祝日についてはNHK全体での編成ということで進めており、そちらに従って放送させていただいています。また、お盆期間中ですが、少し放送時間が短くなる時期がありますが、こちらも、やはりお盆は、帰省で青森県外から帰ってこられる方などもいらっしゃるということで、帰ってきた方やお休みで在宅の方など、ふだん「あっぷるワイド」を見る機会が限られている方にも青森で制作した、取り上げた番組をぜひ見ていただきたいという思いでいろいろな番組編成をしているところもあります。15分というところではありますが、しっかりとその中でニュースや天気予報をお伝えできればと思っていますので、よろしくお願いします。

(井上副会長)
 補足させていただきます。私は43年間のNHK生活のうち30年ぐらい報道にいたのですが、以前は祝日だろうが休日だろうが、記者やカメラマンはどんどん取材していました。しかし、今は基準が厳しくなって、私は、それは世の流れとして当然だと思います。むしろ、短い時間でもきちんとしたニュースを取材して放送するというようにならなければいけません。
 そのような中で、祝日のニュース枠は確かに平日に比べれば少ないのですが、何よりもNHKの場合は、大前提に公共放送として命と暮らしを守らなければいけないということがあります。平日だろうが、祝日だろうが、お正月だろうが、ここぞというときは全力で取材して放送していきます。それは東日本大震災のときにもすべての職員が肝に銘じたことです。そのように受け止めていただければと思っています。
 また、テレビの機能もネットと融合する今、これから新しいテレビ報道、放送をやっていこうとしている中で、一つのテーマを一望できる仕組みを開発できないかと考えています。たとえば、皆さんの興味があるテーマに関連して、歴史や背景、あるいは世界ではこうなっているといった番組が、アーカイブスや見逃し配信の中から出てきて、さらに理解や知識が深められる。そういったこともできるのではないかと考えています。特に若い人など、NHKにまだなじみがない人もいるのですが、いろいろな形で公共メディアとして取り組み、試みをやっていきたいと思っています。

【参加者】
 私はイベントの件で要望です。きょう、あすとRAB青森放送がイベントをやられていまして、先々週は、ABA青森朝日放送のイベントもやられているのですが、もちろんスポンサーがついて、予算もいただいて、協賛いただいてということでのイベントだと思いますが、もし、よろしければ、青森放送局のほうでも、こちらの放送局内の施設の見学や、例えばアナウンサーと触れあう機会があればと思います。
 私も「あっぷるワイド」が大好きですが、長谷川さん、佐々木さん、阿見気象予報士の皆さんと生で会える機会がないので、きょう司会していただいている杉嶋さんもニュースで見るので生で見られて光栄ですが、そうした機会があればと思います。
 青森の民放では、ずっといらっしゃる方が多いと思うのですが、NHKはアナウンサーの方たちはいろいろまた転勤で異動になられるので、3年に1回でもこちらで視聴者と触れ合える、また、NHKの番組の内容について、このようないろいろな意見を屈託なく言えるような機会があればと思います。予算をかけていただかなくてもよいですし、芸人などを呼んでいただかなくてもよいので、アナウンサーや気象予報士と触れ合える機会があれば、テレビを通しての印象だけでなく、実際はこういう方なのだと分かり、ニュース番組、県内の内容などにももっと興味を持ってもらえると思います。

(司会)
 ありがとうございます。リアルに皆さまと一緒に触れ合える機会をつくってほしいというご希望ですね。

【参加者】
 NHKは昔から大好きで、NHKで育ったと言えます。家では朝の7時、夜の7時は必ずNHKのニュースをつけています。番組も「いないいないばあっ!」が始まったときは衝撃でしたし、NHKのEテレが結構好きなので、最近は鳥居みゆきさんを使うなど、いろいろと番組的に攻めているところがあると思っています。「あまちゃん」もとてもおもしろかったですし、心がざわつかなくてわくわくするというところのバランスをうまく取りながら、公共放送としてやってくださっているのがとても私が好きな理由なのかなと思っています。
 ちなみに、今大学でこちらにいないのですが、娘もNHKを結構見ているみたいで、「魔改造の夜」など、きょう、おもしろいから一緒に見ようみたいな形でよくメールが来たりということで、私がそうだったからか、結構NHKの番組をよく見ているなと思います。
 NHKの地域放送は4つありましたが、どれも私は好きで、きょうも「あおもりもりもり」を見てから、こちらに参りました。私自身は、割と若いときから都会に行きたい、何か楽しいことが青森は少ないと思うことがとてもあり、都会への憧れが強かったのですが、最近、青森放送局でとても青森愛にあふれている、青森を好きになることを取り上げる番組をたくさんやってくださっていると思っていたのです。私のほうもそれで再発見と言いますか、青森にこんなこともあったのか、生まれ育ったはずなのに全然知らないということで、とても、自分自身が変わっていく、もともと持っていたはずなのに、いろいろなものにあふれている時代の中でいろいろと忘れてしまったことを思い出させてくださったと、とても青森放送局の番組がありがたいなと思っています。
 先ほどイベントの話もあったのですが、青森放送局も含めてNHKの番組は、とてもよい番組をやっているかと思います。視聴者の皆さんになかなか伝わらないことで見る機会が少ないという形になっている部分もあるのかと思いますので、何かイベントごとなど、いろいろと盛り上げることをやってくださったらとてもありがたいなと思っています。

(司会)
 ありがとうございます。見るきっかけになるイベントや仕掛けが必要だというようなご意見ですね。

【参加者】
 私も、「あおもりもりもり」や「あっぷるワイド」が大好きで見させていただいています。その中でも、シャモリが大好きで、いろいろなイラストや、最近ではハンカチなどを作ったりしているのですが、この間、職場にそのハンカチを持っていったら、「このキャラクター知ってる」、「実は、私も好きなんだよね」と言われたり、話題のきっかけにもなりました。
 しかし、知らないという声もあったので、シャモリのグッズを作っていただきたいと思います。利益になったりなど、いろいろ問題があるのかなとは思っていますが、やはり、きっかけにもなりますし、NHKの番組の紹介にも、アピールにもなるのではないかと思ったので、ぜひ、ご検討をお願いします。

(司会)
 ありがとうございます。シャモリファンがこんなにたくさんいらっしゃるということがとてもうれしく思いました。

(中村青森放送局局長)
 ご要望、ご意見いただきましてありがとうございます。
 今週はRAB青森放送がお祭りをしている、先々週はABA青森朝日放送がお祭りをしているということで、もしよろしければ青森放送局でもということでした。青森放送局でもイベントはいろいろと検討していきたいと思うのですが、触れ合う機会という意味で申し上げますと、小学校に長谷川アナウンサーがお伺いして授業をしたりと、実際に触れ合う機会を少しずつ今、増やしているところです。
 なるべくいろいろな市町村にもまんべんなく回れればよいなと思っていますので、そういったイベントも今後考えていきたいなと思っています。
 そして、シャモリのファンの方にきょう来ていただいて本当にありがとうございます。実は、SNSなどでもかなりシャモリのファンがいらっしゃって、シャモリの活動、「シャモ活」という言葉もでき上がっていると伺っており、本当にありがたく思います。シャモリもいろいろと皆さんと触れ合えるように、なるべく、そのような機会もつくっていきたいと思っておりますので、ぜひ、今後ご期待いただければと思います。ご意見ありがとうございました。

【参加者】
 青森県のニュースの番組で要望です。実は、青森のみならずおそらく全国でも同じことが言えると思うのですが、土日、祝日はローカルニュースや気象情報がなく、例えば、青森県の場合は仙台放送局から伝えられています。何年か前は、たしか青森県も含めてほとんどの県で伝えていたのですが、さきほど番組表を見たら、盛岡放送局と秋田放送局では、土日の夜6時にローカル番組をやっていると書いてありました。
 例えば、大相撲の期間になると、大相撲の県出身力士の結果を「あっぷるワイド」、「ニュース845」、翌日の「おはよう日本」のローカルニュースの中で伝えられていたり、気象情報、特に冬場では青森だと水道管の凍結情報や、積雪量の情報などが伝えられているのですが、土日、祝日になるとそのような情報が全く出ないのが少しつらいなと思っています。それこそ大相撲の結果などはデータ放送でも見られることが可能なのでよいのですが、どうしても使えない人も出てきている感じがしました。土日もローカルニュースや気象情報は必要ではないかと思います。これは青森のみならず、全国でもそうだと思いますので、要望として出したいです。よろしくお願いします。

【参加者】
 経営の話なのですが、受信料以外に増収策を図れないものかという質問にご回答がなかったように思われたので、もし、答えることがありましたらお願いしたいと思います。
 もう一つ、けさはもうなくなってしまったのですが、台風が来ていて、首都圏、東京が大騒ぎしていて、きのうはどんどんニュースに入っていたと思います。けさ5時50分から気象情報を見ようと思ったら、ラグビーがやっていました。災害放送は東京を過ぎれば、この辺りは全然ニュースにならなくなりますよね。その辺りのところを考えてほしいと思います。東日本大震災のときもあんなにひどい被害、避難情報が出ているのに、「東京では帰宅困難者が出ています」、「こんなにいっぱいいます」ということで、何か視点が少しずれているのではないかなとつくづく思って見ていました。もっと原子力のことなど、もっともっと報道すべきことがあったように思えました。
 それから、さきほどの質問と同じように、私も冬の降雪情報はとても期待しています。ネットで確認して、地方気象台からの情報を直接見ていますが、やはり土日、休日に関係なく気象のことについては毎日放送していただけないかなと思っていました。よろしくお願いします。

(司会)
 先ほどの受信料のご質問の中でというところについて、もう一度お伺いしてもよろしいですか。

【参加者】
 例えば、以前、「紅白歌合戦」で入場料を取っていないという話を聞いたことがあるので、その辺りも受益者負担という意味からも相応の負担をお願いしてもよろしいのではないかと思います。増収策として、出るのはもちろん節約はすべきですが、入る部分は、国会の承認が必要でしょうが、放送の自由度というか、NHKとしての自由度がもっと高まるのでないかなと思っていました。

【参加者】
 コロナ禍前の話ですが、弘前支局にギャラリーがあったと思います。それが最近公開されている日がないなと思っています。趣味でいろいろと弘前市内のギャラリーや博物館などを見て回るのが好きなのですが、どうしてNHKのギャラリーがコロナ禍に入ってからはなくなってしまったのか、疑問に思っていたので伺いたいです。

(井上副会長)
 順番が前後しますが、「紅白歌合戦」の話で、NHK主催の、視聴者の方を観客席に招いた形での公開番組では入場料をいただいていません。あくまでも受信料で制作する番組ですので、そこは一線を引いてる、ということでご理解いただければと思います。
 災害報道については、実は私は、東日本大震災の当日、報道局の編集主幹といって、交代でその一日の報道すべてを統括する役割でした。あのときはご存じのようにいわゆる多重災害で、津波と原発事故と、それから東京においては帰宅困難者、世界で例を見ない災害の形態が同時多発的に起きてしまいました。国際放送も含めて全波で報道したのですが、どこに重点を置いて報道するか大変苦労しました。福島第一原発の事故によって、世界的な規模の危機になりましたので、どうしてもそういった多角的な報道も限界がありましたが、今はいろいろな形の報道のツールがありますので、ネットも駆使してもっとやれるのではないかと思っています。
 土日のローカルニュースについては、確かに、時間的、要員的にも絞り込まなければいけなくなっています。しかし、何かあればすぐに緊急報道をやる体制は整えていますし、NHKの強みは、ネットワークがとにかく全国にあることで、たとえ青森で何かあったとしても、すぐに仙台や東京から駆けつけるという体制を取っています。ここぞというときには、NHKは命を守るためにやっていくという体制は常に取っていることをご理解いただければと思います。

(中村青森放送局局長)
 弘前支局については、弘前を取材する記者とカメラマンが常駐して活動しています。コロナ禍の少し前のときにはギャラリーといった形での利用もしていたのですが、コロナ禍で一旦閉めさせていただいたあとは、取材に力を入れるという運用をさせていただいています。しばらくはこういった形で運用をしていく方向で考えておりますので、ご理解いただけますと幸いです。

【参加者】
 年末の「紅白歌合戦」は小さい頃から毎年ずっと楽しみに見ています。あれは日本のエンターテインメントの最高で、歌手も出場となればとても力を入れて準備しているものだと思っています。しかし、最近になって、確かに民放の裏番組もいっぱいあるのですが、見ている者がとても違和感を感じることの一つ、つまらなくしていることの要因の一つは、紅白で分けていることだと思っています。今、男と女と分けて、どちらに入ればよいか分からない人たちもいるし、それを歌合戦として歌を競わせて点数を入れて、勝つとか負けるとかやっていることがとても残念です。ただひたすらエンターテインメントショーになればよいなと思っています。これは本当に何年も思っていることですので、提案したいです。

(司会)
 ありがとうございます。「紅白歌合戦」について、歌合戦になっているというところと紅白に分けているところはどうかというご意見をいただきました。

【参加者】
 今、「紅白歌合戦」のお話も出ましたが、まず、歌番組が少ないなと感じます。私の周りは年配の方が多いのですが、火曜日に「うたコン」、その前に「NHK歌謡ホール」、「NHK歌謡ステージ」といったものはあるのですが、演歌を聴く機会が今少ないと思います。BS番組などで、もしかしたらあるのかもしれませんが、BSの環境がない方も周りにいらっしゃるので、歌番組のほうをもう少し充実させていただければと思います。演歌、歌謡曲は、若い方でも今結構好きな方もいらっしゃいますのでお願いします。
 また、今の「紅白歌合戦」の内容ですが、最新の新曲なのか、今年のメインの曲なのか、選曲と歌手の選出の仕方に疑問に思うところもあります。今の新しい曲を聴く番組がないので、そのような意味でも披露していただくのが年末の歌合戦の機会でもよいのではないかと思います。もっと新鮮な番組で、長時間にわたって、「ああ、この人、こういう歌も歌うんだ」というような番組であってもよいのかなと思います。

【参加者】
 以前、「ステラ」というNHKの雑誌があり、結構拝見させていただいていて参考になっていたのですが、今はなくなってしまったのがすごく残念です。周りからも結構残念だという声が多いですし、おそらくお年寄りの方なども結構見ている方がいたのではないかと思います。紙にこだわらなくても、インターネット上でデータなどの媒体であるとうれしいな、というのが個人的な意見です。よろしくお願いします。

【参加者】
 少し素朴な疑問が2点あり、お伺いしたいです。まず1点目が、私はいつも職場で平日のお昼1時5分から「列島ニュース」という番組を見ているのですが、NHKの各放送局で放送した昼のニュースを全国に向けて放送しています。たまに青森も入っているので見ているのですが、終わりの部分で、今、「NHKニュース」の文字が、全国ニュース、ローカルニュース問わずにニュースの部分は英語になっていると思います。しかし、青森放送局や仙台放送局など一部の局はまだ従来のニュースの部分が片仮名のままだと思います。全国統一にというの難しいかと思いますが、何か今年度からはローカルニュースのテロップもユニバーサルデザインになったみたいで、本当に見やすくなっているので、そういう意味では、青森放送局でもタイトルを全国ニュースと同じようにしたほうがよいのではと思います。
 もう1点、単純で申し訳ないのですが、全国のNHKの一覧を見ると、東北の場合は、仙台放送局の次が秋田放送局になっており、青森放送局が最後となっています。普通、日本だと青森、岩手、宮城、秋田、山形といくと思うのですが、なぜか、仙台放送局の次が秋田放送局になっているので、疑問に思っています。

(安保理事)
 歌番組が少し少ないのではないかというお言葉をいただきました。NHKは報道だけではなくて、教育、教養、娯楽、バラエティなど、さまざまな分野の番組をバランスよく編成するということでやっているわけですが、歌番組についてはNHKがやる必要があるのかというように言われる向きもあります。ご要望があったということで、これから生かしていきたいと思っています。ありがとうございます。
 もう一つ「紅白歌合戦」について、紅白で分けるということ、それから、わざわざ歌合戦にすることについてどうか、ということですが、この何年か、ジェンダーの視点や、男性と女性のユニットというのもたくさんありますし、どちらにも入らない特別枠というのを設けるなど、いろいろと模索をしているところです。これについても現場のスタッフに、このようなご意見をいただいたと伝えたいと思います。ありがとうございます。

(井上副会長)
 紅白歌合戦について、きょう伺った話を、青森でこのような話があったということで現場のスタッフに伝えたいと思っています。
 「紅白歌合戦」の「合戦」や「紅白」など、タイトルそのものからして時代が合わないのではないかということは、この時代の中で言われています。しかし一方で、こういうオーソドックスな、子どものときからおじいちゃん、おばあちゃん、家族みんなで見て、「白勝て」「紅勝て」と言っていたような年末の風物詩、一種の歳時記みたいな役割も「紅白歌合戦」には、その次の番組「ゆく年くる年」とあわせてあると思います。見てくれる人からするとずっとそのままでやってほしいという気持ちも伝わってくるのです。
 去年の「紅白歌合戦」をご覧になっているとお分かりだと思おうのですが、伝統的な紅白ファンからすると随分変わってきていて、少なくとも社会が多様化することに合わせて「紅白歌合戦」も多様化しています。そういった流れの中で、このような意見が青森であったということを現場に言ってみたいと思っています。

(中村青森放送局局長)
 なぜ、青森放送局が最後なのかというお問い合わせについて、こちらの順番は、原則、開局順に並んでいます。実際、NHKでは開局順に数字が割り当てられていまして、青森放送局の前に弘前支局があります。開局順に並べると仙台放送局の次が秋田放送局で、最後が青森放送局という形になっているということです。
 先ほど画面のスーパーのお話をいただきました。よく気づいていただいたなと実は思いました。今年の4月から「あっぷるワイド」のほうでは、東京で使っているユニバーサルデザインのスーパーを導入しました。気づいていただいて本当にありがとうございます。今、設備を順々に入れているところで、昼のニュースなどはまだ少し間に合っていないところもありますが、順次変えていって、ユニバーサルデザインも導入していきたいと思いますので、もう少しお待ちいただければと思います。

(井上副会長)
 「ステラ」について、NHKのみならず、テレビの週間番組表としても非常に読まれていたのですが、やはりネット時代において、だんだんと発行部数も減っていく中で休刊となりました。その分、ネットのサービスは充実させていますので、番組情報は、ぜひ、ホームページなどから入って情報を入手していただきたいと思っています。
 今はネット社会ではありますが、いまだに本はもちろん、雑誌や新聞も減ってはいるけれど紙の媒体がなくならないというのは、やはり理由があると思います。ネットは自分から取りに行く意思がないとできないのですが、何げなく手に取る、例えば、床屋や美容院でぱらぱらっとめくって、そこから思いがけない情報が入ってくる、そういった利点はあるのです。
 NHKもネット業務を拡充する場合は、どこかを減らしていかなければいけません。あれもこれもというわけにはいかないので、そのような中でできるだけ皆さんのご意向を踏まえて対処していきたいと思っています。

(司会)
 ありがとうございます。
 そろそろ時間となりました。本日は皆さまのご協力のおかげでさまざまなご意見を伺うことができました。本当にありがとうございました。
 では、経営委員会から全体を通してひと言申し上げます。森下委員長、お願いします。

(森下委員長)
 本日はどうもありがとうございました。皆さんのNHKに対する非常に熱い思い、番組に対する熱い思いをきょうは聞かせていただきました。私ども経営委員会では個別の番組は扱いませんが、毎年、番組編集の基本計画を議論して、議決するわけですので、そういったところでまた参考にしたいなと思います。
 私どもも、いかに世代を超えて、若い世代も年配の世代もNHKの番組を楽しんでいただくかということに関心を持っていますが、そのためにはやはり番組を充実させないといけません。いろいろと経営上は厳しい部分はあるわけですが、よい番組をつくっていかないといけないので、そこについては経営委員会も一生懸命支援をしたいと思っています。
 特に、30代、40代、20代も含めて、若い人たちにNHKをもっと見ていただきたいなというのがあるわけです。学生の受信料の免除も含めて、接触する機会もできるだけ増やしていくようにするということですが、これはもちろん内容とのセットで、内容がよくなければ見てくれないわけです。それと、そういったものに気づくようにするきっかけづくりも含めて工夫していかないといけないと思います。問題意識はそのように持っています。
 それから、SNSの話、スマホの話もありましたが、若い人、年配の人を含めて、今は移動が非常に増えてきているわけですが、移動・旅行中に地震などの災害が起こったときに、いかに早く情報が伝わるか。テレビだと家の中にいないと見られませんが、どこにいても情報が伝わる、連絡が取れるということからいくと、やはりスマホなのです。
 なかなかスマホでは見ないだろうという意見はあるかもしれませんが、これはこれでNHK側も努力して見てもらえるようにしていかないといけません。これも課題の一つだと、きょう皆さんのご意見を聞いてつくづく感じましたので、これから私も委員会の活動に生かしていきたいと思っています。どうも本日はありがとうございました。

(司会)
 続いて、不破委員お願いします。

(不破委員)
 本日は貴重なご意見をいただきましてどうもありがとうございます。
 ほかの地域でも年に6回、この「視聴者のみなさまと語る会」をやらせていただいているのですが、青森放送局は本当に希望者が多くて抽選をさせていただいたと聞いています。また、本日お集まりの皆さまも広い年代にわたってお越しいただいているということで、この青森放送局がいかに地元と密着しているか、それだけに多くの期待も寄せていただき、いろいろなご意見もきょうはいただけたと思っています。
 私は、その中でも特に、災害報道のあり方についていろいろと考えながらお話を伺っていました。東京の情報が中心になるのではないか、地元の報道が少しおろそかになっているのではないかなど、いろいろなご意見がありました。そのようなご意見を一つ一つ拾い上げながら、報道のしかた、災害報道のあり方も執行部のほうで常に見直しをされています。例えば、アナウンサーの話し方を、もっと強い口調で「逃げろ」というような言い方に少しずつ変えて緊迫感をあおるなどです。それから、地元のケーブルテレビと連携してさらに細かな情報を得る、インターネットなどと並行しながら情報を伝えるといったいろいろな工夫もさせていただいており、きのうよりもきょう、きょうよりもあしたのほうが、もっと災害報道が皆さんのお役に立つようなものになると思っていろいろと活動しています。
 それに限らず、本日は本当に貴重なご意見をありがとうございます。経営委員会では、どんなご発言があったのかを詳細なレポートにして、情報共有をさせていただきます。決して言いっ放し、聞きっ放しに終わらないようにもしておりますし、それを基に改良もしておりますので、どうかこれからも引き続きNHKをご覧いただきながらいろいろなご意見をいただければと思います。本日はどうもありがとうございました。

(司会)
 では、最後に青森放送局中村局長からごあいさつ申し上げます。

(中村青森放送局局長)
 本日はお忙しい中、青森放送局にお越しいただきまして、また、貴重なご意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
 青森放送局は、先ほどご紹介しました3つの柱で活動をしていますが、本日伺いまして、改めて、災害報道をはじめとした皆さまの「信頼」と「知りたい」に応えたいと思いました。そして、「きっかけ」という言葉もありました。本当に皆さまと双方向でつながって、市町村それぞれがいろいろな特徴を持っている県ですので、そういった魅力を県内だけではなく、全国、世界に伝えていくといった、NHKでしかできない番組、コンテンツ、イベントなどを改めてやっていきたいと感じたところです。
 皆さまからとても勇気もいただきましたし、いろいろいただいたご意見をしっかりと考えていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

(司会)
 皆さま、本日は本当に貴重なご意見ありがとうございました。視聴者のみなさまと語る会(青森)は、これで終了とさせていただきます。

 

 

 

<視聴者のみなさまと語る会(青森)> 参加者事後アンケート

※単位は回答人数

質問1:性別

男性 女性 その他 無回答
6 12 0 1

質問2:年代

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代〜
0 0 3 7 4 4 1 0

質問3:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 ふつう 不満 大変不満 無回答
11 8 0 0 0 0

質問4:NHKの放送・サービスについて理解や関心が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
13 6 0 0 0 0

質問5:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 少し知っていた あまり知らなかった ほとんど知らなかった 無回答
1 1 9 8 0

質問6:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
6 12 1 0 0 0