視聴者のみなさまと語る会一覧へ
2023年度 第2回
視聴者のみなさまと語る会(関西・学生)開催報告書
(2023年6月22日(木)開催)

 

<名称>

視聴者のみなさまと語る会(関西・学生)

 

<日時>

2023年6月22日(木)午後6時〜7時45分

 

<実施方法>

オンライン開催

 

<出席者>

〔参 加 者〕

関西(大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県)にお住まいの18歳以上の学生(大学、大学院、短期大学、高等専門学校等)のみなさまを対象に30人が参加

〔経営委員〕

井伊 雅子 委員(一橋大学国際・公共政策大学院教授)

 

大草  透 委員(NHK経営委員会委員(常勤)/元 三菱地所(株)取締役常勤監査委員)

 

前田 香織 委員(広島市立大学最高デジタル責任者・特任教授)

〔執 行 部〕

林  理恵 専務理事・大阪放送局長

 

中嶋 太一 理事

〔 司 会 〕

村上 由利子 アナウンサー

 

<実施概要>

 冒頭、経営委員から協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について説明し、「NHKの放送や経営全般、NHKプラスなどのインターネットサービスについて」「地域放送・サービスについて」をテーマに意見や提言を募った。

 

 ミーティング終了後、「ドラマ制作の舞台裏〜連続テレビ小説『舞いあがれ!』の現場から〜」と題して、「舞いあがれ!」制作統括の熊野 律時 チーフプロデューサーによる講演会を開催した。

 

<内容詳細>

(司会)
 経営委員から、NHKや経営委員会の役割などについて簡単にご説明します。

 

 

◆協会の基本方針・重要事項の説明

(前田委員)
 はじめに、NHKの経営委員会についてご説明します。
 NHKの経営委員は国会の同意を得て、内閣総理大臣から任命されています。経営委員会は、さまざまな分野や地域から選ばれた12人の委員で構成されています。
 経営委員会では、中期経営計画や予算・事業計画など経営の重要な事項について議決するほか、会長や副会長、理事らが決められた方針に沿ってNHKの運営ができているかどうかを監督しています。また、NHK会長を任命するのも、経営委員会の重要な役割です。
 私たち経営委員は、NHKの経営にあたって、視聴者のご意見を踏まえ適切な判断や検討を行うことが求められています。そこで今回のような「視聴者のみなさまと語る会」を毎年6回以上開催しています。
 NHKの役割の一つは、災害や新型コロナウイルスなどから命や暮らしを守る「安全・安心」に関する情報をお届けすることです。また、“NHKだからできる放送”に力を注ぎ、多様で質の高い番組や情報をお届けしています。
 NHKが受信料で運営されていることはご存じの方が多いと思います。NHKは税金で成り立つ国営放送ではありません。受信料で成り立っている公共放送です。特定の利益や意向に左右されない、公正で質の高い番組をつくり、視聴率にとらわれずに社会に必要な教育・福祉番組などをお届けできるのは、受信料によって財政面での自主性が保障されているからです。
 続いて、NHKの「インターネットを活用した取り組み」についてご紹介します。放送を中心としながらインターネットも活用して、公共性の高いコンテンツや情報を「いつでも、どこでも」受け取れる環境を整え、視聴の機会を増やすことは重要な取り組みと考えています。
 その取り組みの一つが、スマホやタブレットなどで番組をご覧いただくNHKプラスです。NHKプラスには、総合テレビとEテレの番組をインターネットで放送と同時に配信する「常時同時配信」と、それらの番組を1週間程度いつでも見ることができる「見逃し番組配信」のサービスがあります。
 NHKと受信契約をしている方と、その方と生計を同一にする方は、追加のご負担なくご利用いただけます。また、去年からテレビ向けのアプリサービスが始まり、テレビの大きな画面で見逃し番組配信をお楽しみいただけるようになっています。
 続いて、「NHK経営計画」についてご説明します。この計画は2021年度から3か年のNHKの具体的な経営目標や重点方針を掲げています。経営委員会で視聴者の皆さまから広くご意見を募集して、議論し議決しました。
 NHKは、公共メディアとして皆さまの信頼に応え、合理的なコストでの運営に努めます。経営資源を多様で質の高いコンテンツに集中させ、正確、公平公正で豊かな放送・サービスを、いつでもどこでも最適な媒体を通じてお届けし続ける「新しいNHKらしさの追求」を進めます。そのために、経費を削減する一方、「安全・安心を支える」、「新時代へのチャレンジ」、「あまねく伝える」、「社会への貢献」、「人事制度改革」の5つの項目に重点的に取り組み、スリムで強靭な「新しいNHK」を目指します。
 ことし1月に経営計画の修正を行い、「5つの重点項目」については、「安全・安心を支える」、「あまねく伝える」の内容を強化することにしました。
 また、衛星波は2Kのうち1波を削減します。ことし12月から、BS1、BSプレミアムは「NHK BS」に、BS4Kは「NHK BSプレミアム 4K」として、新しく生まれ変わります。視聴者のみなさまがBS1とBSプレミアムでお楽しみいただいている番組の多くは、引き続きご覧いただけるようにします。4Kは、見応えたっぷりな特集番組や超高精細映像ドラマなど、プレミアムなラインナップでお届けします。
 受信料は、ことし10月から、地上契約、衛星契約ともに1割値下げします。また、10月から学生を対象とする免除を拡大し、親元等から離れて暮らす学生は原則免除とするよう、今月、経営委員会で意見募集を行いました。
 本日、皆さまからいただく貴重なご意見は、今後の経営委員会の活動の参考にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

(司会)
 きょうは、大きく2つのテーマについて皆さまから意見を伺ってまいります。まず、1つ目のテーマは、「NHKの放送や経営全般、NHKプラスなどのインターネットサービスについて」です。NHKのニュースや番組について、NHK経営計画や受信料制度について、またNHKプラスなどのインターネットサービスについて、NHKへのご意見、ご要望などについて伺います。2つ目のテーマ「地域放送・サービスについて」は、後半で伺います。
 それでは、まず1つ目のテーマについて伺っていきます。

【参加者】
 NHKによるBS番組のインターネット配信をめぐる稟議の問題や、「ニュースウオッチ9」の不適切なVTR、「映像の世紀バタフライエフェクト」での間違いなど、短期間で複数の問題が発生しています。NHKは日本で唯一の公共放送で、信用度でも一線を画していると考えています。今後、局内のコンプライアンスを徹底するために、どのような施策を考えられているのでしょうか。

【参加者】
 大河ドラマが好きです。「青天を衝け」は出身の埼玉県が舞台となった大河ドラマで、非常に面白く見させていただきました。また、現在放送されている「どうする家康」や、来年放送される「光る君へ」は、京都の平安神宮で現在撮影が行われていると、最近新聞で見たこともありますが、そこで一つ質問があります。NHKでつくられている大河ドラマと、その舞台となっている地域との関わりや交流があれば教えてください。

【参加者】
 NHKの経営について、検討が始まりました民間放送との中継局共同利用、受信料の値下げ、NHKプラスをはじめとしたインターネット事業など、これから将来性の高い事業に経営資源を回して、視聴者の幅広いニーズに応えていくことが非常に重要であると考えています。特に受信料の値下げに関しては、昨今のウクライナの情勢や、日々の人々の生活が苦しくなっている状況で、やはり負担は大きいと思います。これをできるだけ少なくして、人々から満足を得られる放送体系、システムとしていくべきと考えています。経営の効率化に関しては、具体的にこれから検討に入っていきたい、こういったことをやっていることがありましたら、ぜひとも話を聞きたいと思っています。

(中嶋理事)
 最初の質問について、回答させていただきます。昨今、いろいろなところで言われている、NHKのさまざまな問題について、ご質問をいただきました。
 公共メディアあるいは公共放送にとっては、信頼が一番大切なことだと思います。今、経営面とサービス面の2つの面でご質問いただいたと思いますが、経営面においては、執行部のガバナンスの面で課題があったということで、今、NHKの会長の下に第三者の弁護士が入る委員会を設けて、二度と同じようなことが起きないようにガバナンスの強化を進めています。
 もう一つのサービス面も非常に重要なことで、NHKはこれから放送サービスだけではなく、デジタルも含めて視聴者に必要とされるものを出していくわけですが、そのときに、やはり正しい情報を出すことが、われわれにとっては最も大切なことです。
 「ニュースウオッチ9」と「映像の世紀バタフライエフェクト」の話がありましたが、このようなことは決してあってはいけないと思います。こうしたことに対する施策としては、2つあると思います。一つは、これから皆さんのような方の中で新しくNHKに入ってこられる方も、今、NHKにいる者も含めて、持っている専門性や能力を高めていくような人材育成が非常に大切だと思っています。もう一つは、NHKはいろいろなテーマを扱っているので、その中には非常に難しい問題もあります。そのようなものについて、制作した当事者だけではなく、いろいろな周りの目でチェックして、放送やデジタルに出るまでの間にきちんと正しいものになるような仕組みをつくっていかなくてはいけないと思っています。もともと、そのような仕組みをもっているわけですが、先ほどおっしゃったようなことが、今、起きていますので、経営面、サービス面の両方で皆さんからの信頼を得られるような形にしていきたいと思っています。

(林専務理事・大阪放送局長)
 地域の局長をしていますので、私から大河ドラマのお話をさせていただきます。大河ドラマは1年続くドラマですので、地域の皆さまに喜んでいただけるのは非常にありがたいです。去年、皆さんに見ていただいた「鎌倉殿の13人」もそうですし、今、放送している「どうする家康」、そして「光る君へ」も、いずれも場所は違いますが、それぞれの地域で盛り上がっていただいています。
 地域との交流、地域の盛り上がりということでは、2つあります。一つは、私たちが地域の皆さまと実際に交流する場を設けることです。出演者の方々、脚本家さん、演出する監督、ディレクターなど、担当者が実際に視聴者の皆さまと交流をするファンミーティングや、今回の「視聴者のみなさまと語る会」のような場です。
 もう一つは、私たちが直接、関わらなくても、地域の皆さまが大河ドラマにより盛り上がっていただくことです。経済的に波及効果もあると聞きますし、地域を盛り上げる大きな要因として、皆さまに使っていただいています。いろいろな場で地域のPRや活性化、地域を盛り上げる大きな材料に使っていただけるということは、実際にドラマを制作して放送する立場からも、とてもうれしく思います。私たちが一生懸命制作している大河ドラマを、地域を盛り上げる一助としてこのように活用していただけるのは、とてもうれしいです。

(大草委員)
 私からは、1番目のご質問に対してお答えします。コンプライアンスをしっかりしなくてはいけないのは、おっしゃるとおりです。経営委員や監査委員は、直接、執行に携わることはできません。ただ、執行が行うことに対して、執行から独立した立場で監督あるいは監査をしていくことによって、執行との両輪となりながら、ガバナンスの質の向上に努めていきたいと思っています。それぞれ頑張っていきたいと思いますので、何とぞ、ご理解いただければと思います。

(中嶋理事)
 私からは3番目のご質問に対するお答えをします。効率化を進めていくべきだということで、どのようにやっているのかという質問だったと思いますが、今のNHKの3年間の中期経営計画はことしが最終年度ですが、この中で「スリムで強靱なNHK」を打ち出しています。ただ、効率化を進めるといっても、われわれがしてはいけないことがあると思っています。それは、やはりサービスの質を落とすことです。放送もデジタルも、それをやっては本末転倒になってしまいますので、質を落とさないようにしながら、どうやって効率化をしていくのかということが一番大切だと思っています。
 何を効率化しているかというと、まず、それ以外の部分です。NHKの仕事は、放送サービスを提供することが基幹ですが、それ以外にもさまざまな仕事があります。例えば、営業では、訪問だけに頼らない営業という形に転換して、効率的に行おうと考えています。
 また、今、世の中であらゆることが技術的に進化しています。われわれの業界でも、いろいろな放送サービスもデジタルも、それを届けるための仕組みなどが日進月歩で進化しています。そのような最新の技術を導入することによって、効率化している部分もあります。
 もう一つは、普通の会社も一緒だと思いますが、管理間接部門です。いろいろな新しい仕組みも含めて、いろいろなものを導入すれば効率化できることはたくさんあるので、効率化していきます。
 また、番組自体の質を落としてはいけませんが、コロナ禍に、皆さんもテレビなどでご覧になったと思いますが、例えば、今まで海外の誰かに話を聞こうと思うと、そこまで出張して、話をひざ詰めで聞かないとテレビ番組に出せなかったものが、今の皆さんとのコミュニケーションもそうですが、世界中のどこにいる人でも、オンラインですぐに結ぶことができるので、機動的でもあり効率的でもあります。新型コロナウイルスの時代に生まれた新しい取材のしかたや、放送のしかたも存在しますので、いろいろな意味で効率化しながら、サービスの質等を落とさない形での効率化を今、進めているところで、これからも進めようと思っています。

【参加者】
 僕はスポーツに興味があって、NHKのスポーツドキュメンタリーなどを多く視聴しますが、印象に残っているのは、2021年12月に放送された「侍たちの栄光〜野球日本代表 金メダルへの8か月〜」という番組と、2022年に放送された「メジャーリーガー大谷翔平 2022 アメリカの新たな伝説へ」というスポーツドキュメンタリーです。スポーツ分野において、NHKが新たな取り組みや、チャレンジしたいことなどを教えてください。また、何を視聴者に伝えることを念頭において、放送番組をつくっているのかを教えていただきたいです。

【参加者】
 NHKのインターネットサービスについて、お伺いしたいことがあります。NHKの番組の強みは、やはり視聴率に捉われないことによる多様性にあると私は考えていますが、例えば、教育番組やニュース番組など、そのようなサービスも行っている傍らで、私の個人的に好きな番組にコント番組の「LIFE!」がありますが、そのような若者にも受ける番組は結構あると感じています。NHKオンデマンドのサービスで無料トライアル期間がなかったり、学割がなかったりといった面があると思いますが、若者たちに、もう少しインターネットサービスを通して見てもらうために、学割などは、今は検討されているでしょうか。

【参加者】
 私は、NHKの朝ドラが大好きで、今、俳優コースでお芝居を学んでいますが、いつか朝ドラに出たいという夢を持って、日々、大学でお芝居に励んでいます。
 この場で、このような質問をしてよいのかと思いながら、聞いてみたいことがあるので、お伺いします。朝ドラのキャストを決める流れや、仕組み、また、どのようなポイントで、俳優さんをキャスティングされていくのかというところを少しお伺いできたらと思っています。
 また、次の朝ドラの、大阪放送局が制作されている「ブギウギ」が、本当に楽しみで、ものすごくわくわくしています。主人公のモデルになられた方のこともとても好きですし、主演の趣里さんも好きなので楽しみにしていますが、撮影中に文化財破損の事故があったとお伺いして、謝罪されたようなニュースを目にして、そのあと、撮影はどうなっているのかと、少し気になっています。その2点についてお伺いできたらうれしいです。

(中嶋理事)
 私からは、1問目のスポーツの話と2問目のインターネットの話について、話したいと思います。ドラマの話は、林専務理事に託したいと思います。
 NHKのスポーツをよく見てくださってありがとうございます。やはりNHKのスポーツは、民放などのスポーツと少し違う部分もあると思います。もちろん、大リーグや野球や大相撲などの大衆から非常に人気のあるスポーツ、サッカーのワールドカップなどを視聴者のニーズに届くようにきちんと出しておくことは、取り組んでいます。それを、地上放送、衛星放送、デジタルでも提供しています。ただ、それだけに限らず、先ほど、NHKの多様性のことを評価してくださった方がいらっしゃいましたが、やはりスポーツといってもいろいろなスポーツがあるわけです。しかも、運営費用が潤沢にないようなスポーツや、障害者スポーツなど、アマチュアも含めて非常に幅広いスポーツがあります。やはり、NHKは、そのような多様性のあるスポーツの分野においても、いろいろな方のニーズに応えられるような、あるいは、このようなスポーツも存在することを知ってもらうような、裾野の広い形でスポーツの取り上げ方をしているということがあると思います。
 また、例えば、今度のパリ五輪で、「ブレイキン」という若者にも人気があるスポーツなどが新しく出てきて、NHKは積極的に伝えていきます。
 もう一つは地域です。今、いろいろな日本のスポーツで、地域に根づいて行っているスポーツが多いと思います。バスケットボールなど、地域のチームを持っていて、そのようなものをNHKの地域放送局などのネットワークの中でも伝えています。
 もう一つ、お伝えしたいのは、私は記者出身なのですが、スポーツにも担当の記者やディレクターがいて、さっきおっしゃったような相手のインサイドに入り込んでいくような番組は、やはり記者やディレクターが、相手や周りにいる人たちと日ごろからきちんと人間関係をつくって、彼らなら信頼できる、彼女なら信頼できる、だから本当のことを話そう、独占インタビューにも応じよう、といった形で深まっていって、あのような番組がつくられているということです。やはりNHKの持っているスポーツの取材力がそのようなことに反映していると思います。
 もう一点のNHKオンデマンドは、これから非常に力を入れていかなくてはいけないと思っている分野です。今、皆さんも動画配信サービスや、ストックコンテンツをそのような形で見られる方が多いと思います。NHKにも、知られているもの、知られていないものを含めて、非常に多くのストックコンテンツが存在します。まだ、権利処理などができていなくて、皆さんにお見せできていない過去のものも含めて、たくさんのものがあります。それをやはり皆さんに知っていただくということが非常に大事なので、NHKオンデマンドは、ぜひ多くの方に利用していただきたいですし、そこにいろいろなラインナップを広げていきたいと思っています。今、幾つかの大学がアライアンスを組んで、NHKのドキュメンタリーなどをサーバーに入れて、大学が費用を出す形で学生の方が無料で見られるような仕組みをつくっています。その感想を見ると、「NHKのドキュメンタリーなどを見たことがなかったですが、NHKってこのような番組をやっているのですね」というような評価の意見などが寄せられています。
 ぜひ、このNHKオンデマンドを広げたいと思っていますが、先ほどの話で私は大きなヒントをいただきました。今は、学生の割引サービスなどはありませんが、確かにいろいろとそのようなことをやっていくことによって、より見ていただくことができると思いました。もし、皆さんに利用していただけるようなヒントがほかにもあったら、ぜひ教えていただきたいと思います。

【参加者】
 無料のお試し期間があるだけで、このコンテンツがよいなと思ったら、例えば、1か月の無料トライアルでしたら、2か月目以降も結構そのまま継続していく形もあると思います。もう一つの案は、学割制度です。NHKオンデマンドは、受信料を払っていてもプラスで月額を払う形だと思いますが、学生、特に1人暮らしをされている方だと例えば、過去の大河ドラマなど見たい番組があっても、少し高いからやめておこうか、となることもあると思います。オンデマンド機能をよく利用するのは、たぶん学生の方が多いと思うので、学割を少しご検討いただけたらと個人的には思います。

(中嶋理事)
 無料トライアルや学割があったら、もっと利用していただけるでしょうか。

【参加者】
 そうですね。無料トライアルだったら、結構そのまま行ってしまうタイプなので、あったらうれしいです。

(中嶋理事)
 ご意見、ありがとうございます。

(林専務理事・大阪放送局長)
 まず、俳優を目指して頑張っていらっしゃるということで、ぜひ、目指すところに向けて頑張っていただきたいと思います。
 朝ドラのキャストのご質問でしたが、キャスティングは、例えば、演出の目的でこの人、というようにピンポイントでキャスティングする場合もあれば、オーディションを経由してキャスティングをすることもあります。私の知っている範囲では、大体大きく分けてその2つがあると思います。オーディションも「この役を演じたい」と思って受ける方をキャスティングするだけではなく、「この人はもしかしたらこっちの役がよいかもしれない」という演出側の意向でそちらのほうをお願いするケースもあると思います。この役でということではなくて、いろいろなオーディション、そして、NHKもいろいろなドラマをつくっていますので、必ずしも朝ドラだけではなく、いろいろな役にチャレンジされるとよいかと思います。
 キャスティングのポイントも、就職活動と違うので、このような人だったら採用します、といったことではなく、いろいろな配役があって、それぞれにキャラクターが設定されています。だから、そのキャラクターをきちんと演じてくださる方や、そのキャラクターに向いている方を、キャスティングするのではないかと思います。ポイントは、そのキャストに見合った方ですので、いろいろな形でチャレンジしていただけるのではないでしょうか。きょう、参加していらっしゃる方の中にも、ほかにも、もしかしたら俳優を目指して頑張っていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、皆さん、このような役、このようなこと、ということに絞らず、いろいろな役にチャレンジされたらよいかと思います。
 「ブギウギ」の撮影の過程で、滋賀県のお寺で撮影をしていた際に、本堂の濡れ縁を破損してしまうという事故を起こしてしまいました。非常に貴重な文化財で撮影させていただいている中で、その文化財の一部を破損してしまったということで、本当に、改めて深くおわびします。
 実は、この事故が起きたのは、私が大阪放送局長に就任した初日で、私自身もとてもショックを受けました。せっかく撮影に協力してくださったのに、本当に申し訳ないと思っています。NHKとしては、改めて、文化財の保護を徹底していきたいと思います。先ほど、撮影はどうなりましたか、というご質問をいただきました。予定していたロケは、お寺側からも「ぜひうちで続けてください」というご希望をいただいたので、改めて、そこでロケをさせていただきました。もちろん撮影は本堂とは別の安全な場所で行われ、ロケは無事に終わっています。
 先ほど、中嶋理事から「ブレイキン」の話がありました。簡単にPRさせていただきますと、ブレイキンは、NHKが新しいスポーツを育てていきたいということで、全日本選手権の主催団体と連携することを決めました。ことしの2月には、東京で行われた全日本選手権を初めて共催し、放送しました。今度の日曜日、6月25日には大阪放送局1階のアトリウムで、関西ブロックの選手権を行います。入場無料ですので、皆さんご都合が合えば、ぜひ見に来ていただきたいです。
 関西地区は、ブレイキンの世界トップレベルの選手をたくさん輩出しています。ことしの全日本選手権で優勝されたSigekixさんはとても有名な方で大阪出身です。AYUMIさんは京都出身です。本当に世界レベルの選手を輩出しているのは、この関西地区です。そのようなトップレベルを目指している選手が、今度の25日に大阪放送局のアトリウムに集まりますので、皆さん、お時間が合えばぜひ、足をお運びいただきたいです。また、この模様は、7月1日に関西ブロックで午前9時から、総合テレビで放送しますので、もしお時間がありましたらご覧いただきたいと思います。NHKがこのようなスポーツも一生懸命サポートしているということがお分かりいただけたらうれしいです。

【参加者】
 昨今、若者のテレビ離れが加速していると思いますが、そうなっていきますと、世代交代したときに受信料が当然ながらどんどん入らなくなってくると思います。おそらく、NHKも同様なことを考えられていると思いますが、そうなったときにはインターネットに転換していくしかなくなってくると思います。そのときに、どのように受信料を取っていくかが問題になると思っており、現状、考えられているのは、サブスクライブ方式や、スマートフォンやパソコンなどの端末を所有している人たちから受信料を徴収する形になってくると思いますが、どちらにせよ、受信料がかなり、どんどん減っていってしまうという状況になると思っています。そうすると、サブスクライブ方式では、やはり集まりにくいので、端末を持っている人たちから、全員徴収していかないといけないという状況になってくると思います。
 スイスでNHKのような公共放送を行っている団体があり、コンピューターやスマートフォンなどを持っている人から全員一律に徴収すると発表すると、かなり大きな批判を浴びてしまったので、やはり日本でも、かなり実施が難しいのではないかと私は思っています。
 そうなってくると、インターネットに転換したあとに受信料のめどが立たなくなり、財源が減ってしまい、その状態では公共放送や質の高い放送を維持することが困難になっていくのではないかと考えています。そのあたりをNHKはどのように考えているのかを聞きたいです。

【参加者】
 私は、ふだん、主にNHKプラスでドキュメンタリーや歴史番組を視聴しています。以前、「歴史探偵」という歴史の番組で、その大半が、ほとんど大河ドラマの宣伝みたいになっている印象を受けたことがあります。公共放送が、番宣ゼロはどうかと思いますが、番宣をどれぐらいのラインで行うのか、また、番宣が本来のコンテンツの侵害になっていないかなど、非常に疑問に思うことが多かったです。NHKの番宣や、大河ドラマがNHK内においてどのような立ち位置で、それが番組内で上下関係などができてしまっていないかなどが心配で、そこを質問したいです。

【参加者】
 今回は、意見を聞いていただける場ということで、少し個人的な意見にはなりますが、質問という枠ではなく、意見をお伝えできればと思います。
 まず、自分がNHKをどのように見るかというのと、周りの学生がNHKに対してどのようなイメージを持っているか、というのをお伝えできればと思います。
 もともと僕は大学に入るまでは、全然NHKを見る機会がなかったのですが、大学に入って、先生にご指導いただいたり、映像作品を見て、どのような企画、意図があったのか、どのような構成の意図があったなどを読み取る課題を出されるようになったりして、NHKの映像を見るようになりました。ほかにも自分で映像をつくってみると、NHKの番組のクオリティーの高さや、つくりこまれている度合いが分かるので、自分としてはとても価値を感じて受信料を払うべき、払う価値があると感じています。
 しかし、自分の周りの大学生や働いている人は、どうしても受信料に対して悪いイメージがあったり、ドキュメンタリーの番組を見ても、その重厚さを理解できなかったり、それをおもしろいと思わないということが、どうしてもあるのではないかと感じています。どうしていくべきかという、自分の意見なのですが、先ほどおっしゃられたように、無料のお試し期間をつくるのは、とてもよい案だと感じました。無料のお試し期間で、学生が見やすいもの、そんなに重厚さがないものを見られるようにして、制作の裏側を伝えるのも、とてもおもしろいのではないかと思います。NHKが、30分の動画をつくるのに、どれぐらいの期間と手間をかけているのかを無料期間の中で見せるというのは、おもしろいのではないかと考えました。

(司会)
 受信料制度についてのご質問、また、大河ドラマなどの番組についてのご質問、受信料制度についてのご意見を頂戴しました。これについていかがでしょうか。

(中嶋理事)
 ありがとうございました。受信料の財源のこともありますが、やはりテレビ離れというのは、先ほど、スイスのメディアの話もありましたが、日本だけで起きていることではなく、世界各地で起きています。私もアメリカとヨーロッパのメディアなどを、いろいろと見に行ってきましたが、各国で同じような悩みにぶつかっているところです。公共メディアの財源をどうするかについては、欧州の国でも、まちまちな判断が行われています。
 おっしゃるとおり、今、総務省のワーキンググループで、専門家の先生たちがNHKのネット業務を本来業務化すべきかどうかという議論を進めています。本来業務化というのは、テレビと同じように、インターネット活用業務をNHKがやらなくてはいけない仕事と位置づけるかどうかという意味です。つまり、受信料の枠の中でデジタルを実施していくということですが、そのときにどのような方法で受信料をいただくかということに関しては、まだ、本来業務化も認められていませんので、NHKの中ではこうすべきだという方向性は打ち出してはいません。ワーキングの先生たちの話の流れを見ていると、端末を持っていれば受信料をいただくという意見の方はいらっしゃいません。
 私は公共メディア、公共放送は、これからどのような状況になったとしても、やはり確かな情報、どこにも寄らない情報を出していくことが社会の中で非常に重要だと思っていますが、質問の中でそのようなことを心配していただくということは、そのように思っていらっしゃるということでしょうか。

【参加者】
 民放では、一視聴者として見ても、あまり報道されていないような事件があるので、僕でもそう思うということは、たぶん細かなところではそのようなことがたくさんあるので、ぜひ、NHKには、このまま、そのような部分にも突っ込んでいってほしいと考えています。

(中嶋理事)
 ありがとうございます。勇気をいただきました。頑張りたいと思います。
 番宣の話について、NHKのドラマは、やはり、民放のドラマと少し違うところがあります。それは何かというと、社会の課題や歴史など、ドラマそのものをエンターテインメントとして楽しんでいただくということもありますが、あわせて、学びにつながっていく要素を持っているものが多くあります。
 「歴史探偵」と大河ドラマを結びつけているのは、大河ドラマをきっかけに徳川家康の時代に興味を持っていただいた方に、より深めた知識を持っていただきたいということで、物事を連携させているということだと思います。これから先も、おそらく、デジタルコンテンツなどとも連携させながら、ただ、ドラマを見るだけではなく、その先の興味も生かしていただくようなことを、NHKがやっていかなくてはいけないと思います。ただ、番宣と映るのはよいことではないと思いますので、演出面でこれからきちんと考えていかなくてはいけないと思います。
 無料お試しについては、2人の方からよいヒントをいただいたと思います。制作の裏側についての話がありましたが、確かにそのとおりだと思います。無機質につくったものだけを見せるのではなく、どのようなプロセスでつくられたのか、誰がつくっているのかということは、これから物事を出していくときの質の担保、透明性、信頼を勝ち得るためには、非常に重要な要素だと思います。よい意見をいただいたと思います。

【参加者】
 ありがとうございます。

【参加者】
 ここまで貴重なお話を聞かせていただいてありがとうございます。私は、ここにいる学生の皆さんと同じように、日々、NHKの番組を見させていただいています。例えば、「鶴瓶の家族に乾杯」、「100カメ」、大河ドラマ「どうする家康」などを日々見ていて、ほかの民放に比べて、より地域と密接につながって、質の高いコンテンツづくりをしているというのがNHKの強みであって、NHKらしさだと思います。先ほど聞いたお話や、ホームページにあるNHKが目指す姿の中に、新しいNHKらしさを追求していくと書いてありましたが、具体的に、どのような工夫、どのような政策を基にそのような新しいNHKらしさを追求していくのかをお伺いしたいです。

【参加者】
 メディアを通して、情報をどうやって伝えるか、見ている人にどうやって知ってもらうかというところに興味があり、中嶋さんもおっしゃっていた、NHKの番組を視聴者として見ていて、ドラマやドキュメンタリー、バラエティーでも、NHKならではの信憑性の高い情報や知識を、エンタメを絡めて視聴者の方に伝えるところが長けていると感じています。あまり内容が難しくなり過ぎてしまっては伝わりにくく、見てもらえなかったりするのが懸念点の1つだと思うのですが、教育番組も手掛けているNHKとして、エンタメと情報を組み合わせる際に気を使っているところはありますか。

【参加者】
 ことし、掲載された新聞記事で目にしたのですが、元NHKアナウンサーが、NHKは政治に対する忖度というものがあって、それが足かせになっていたという話をしていました。センシティブな報道において、政界に配慮することがあれば教えていただきたいです。
 最近では、大きな芸能事務所の問題を報道するにあたって忖度することがあるのかなと、少し感じている部分があります。こういった部分は、私たち視聴者の目に見えない部分でもあるので、実態はどうなっているのでしょうか。

【参加者】
 先週、渋谷の放送センターで開催された「Tech EXPO」に足を運ばせていただき、さまざまな放送技術の開発を見させていただきました。今までの私のイメージでは、放送技術研究所などで開発を行っているという印象があったのですが、実際には、山口放送局や徳島放送局といった地方の放送局からも多数出展がされていました。技術の開発はどのようにして行われているでしょうか。

(司会)
 新しいNHKらしさについて、エンタメと情報の組合せはどうなっているのか。また、主に政治など、情報ソースに対する忖度はあるのか。NHKの技術開発はどうなっているのかとご意見を伺いました。

(中嶋理事)
 さまざまな方面からご質問いただきましてありがとうございます。新しいNHKらしさの追求とは何かということですが、正しい情報、真実を出すということ、それからエンタメなどいろいろなものを含めて質の高いコンテンツを出すということ、この2つのことについては、どんな時代になろうと、どんな方法になろうと、決して変わることはないことだと思います。やはり、そこに公共メディア、公共放送としてのNHKらしさの本質が、私はあると思っています。
 ただし、時代とともに、世の中の環境は大きく変わります。今であれば、ウクライナとか新型コロナウイルスとか、社会の不安が強くはびこっているというような状態で、皆さん自身も不安の中にいらっしゃるかもしれません。メディア環境の変化もあり、人々の行動の変容などもあると思います。決まった時間に、決まったところに座って、定時の番組を見るような世界から、大きく変わっています。
 さっき言ったような基本的なNHKらしさというものを、新しい時代、新しいニーズに合わせて転換していく、そういったことが新しいNHKらしさの追求なのではないかと思います。テレビ離れの話もありましたし、受信料のこともご心配いただきました。そういったものをきちんと考えていくことも新しいNHKらしさの追求だと思います。
 この前、フジテレビのドラマがとてもヒットして、私の家の近所に、あの喫茶店があるのですが、いまだに人が多く並んでいます、やはりコンテンツの持っている力は、すごいです。その時代時代に合わせて、あの番組も、若いプロデューサーと若い脚本家がコンビを組んでつくっていました。NHKの中にも、皆さんのなかで入ってくる方もいらっしゃるかもしれません。新しい発想、新しい時代の発想を、もともと持っているNHKらしさに加えていくことで、新しいNHKらしさをつくっていくと思っています。
 エンタメと、情報を加えていくというのも、今の話と全く同じで、いくらエンタメをいろいろなものに展開するとしても、根幹にある事実が、きちんとしていないと、伝えることができないので、人々に対して分かりやすく表現をしたり、おもしろく表現をしたりするときは、なおさら、根本にある事実がきちんとしたものでなければいけないと、とても気を遣っているところです。
 政界や大きな事務所への配慮があるかどうかについては、これは絶対にあってはいけないことだと思います。政治の世界の話で言うと、以前と比べて大きく変わってきているのは、視聴者の中に多様な意見が存在するということです。一つの物事でも、見る側によって、全く違うような意見が多いです。安全保障の話にしても、国を二分するようなものがたくさんあるということです。そのようなときには、やはりどちらかに偏ったものをというのではなく、いろいろな意見があることを、きちんと出していくことがNHKという公共放送にとっては重要なことだと思っているので、見ている人に選択してもらうことをやっていかなければと思っています。
 芸能事務所のことについては、番組、ドラマでも、その番組に合う人を、ふさわしい人をキャスティングしていくというのが基本だと思います。私たちも、会見で、いろいろなジャニーズの質問も受けたのですが、同じようにお答えしました。今も、松本潤さんは「どうする家康」に出ていますし、必要な人をキャスティングしていくということで、配慮や忖度はしてはいけないし、する必要もないと思います。
 技術の話ですが、これは非常に重要な話で、放送技術研究所が、NHKのテレビの技術をこれまで長く引っ張ってきました。それは基礎的な研究で、ハイビジョンや4K、8Kを開発して、長い目で見て研究して開発していくことが役割でした。
 われわれがふだん使っているような身近な「Tech」については、現場から生まれているものがたくさんあるのです。使っている人が困っていることなどから、新しい技術というのは生まれてくるので、そこで生まれた技術が、あの展示会にはたくさんあったと思います。私も、驚いたのですが、技術を開発している人が入局してから2年目とか、3年目の若い技術者であるということです。そういう人たちが現場のニーズに応じて開発して、NHKの放送の配信を変化させているといった現状があるということです。

(司会)
 続いて2つ目のテーマ「地域放送・サービス」について、ご意見を伺ってまいります。関西で行っている地域放送やサービスについて、大阪放送局長の林専務理事から簡単にご紹介します。

(林専務理事・大阪放送局長)
 皆さんに、NHK大阪放送局の取り組みをご紹介します。大阪放送局では、連続テレビ小説以外にも、「歴史探偵」など全国向けの番組や、関西2府4県のブロック向けの番組をいろいろとつくっています。大阪以外の各府県では、それぞれの放送局が地域向け番組もお届けしています。メインは夕方6時半からのニュース情報番組で、これはNHKプラスでもご覧いただくことができます。
 番組制作では、リアル撮影のみならず、さまざまなデジタル技術が増えてきました。最近、大河ドラマのバーチャルが話題になりましたが、大阪放送局でも、「歴史探偵」では、スタジオセットをつくりこまなくても、緑色の背景で人物を撮影してお城のCGに合成する技術を使い、よりリアルに表現できるように工夫もしています。制作したコンテンツを、より多くの方々に知っていただけるように、ユーチューブやSNSなどのプラットフォームも使います。昨年度後期の朝ドラは東大阪が舞台となった「舞いあがれ!」でした。このトークショーをNHKのホームページ、ユーチューブ、ツイッターで生配信しました。そのほかにも「鉄オタ選手権」のファンミーティング、NHK交響楽団とピアニストのユーチューバーのコラボイベントも配信をしました。
 NHKには人々の命と暮らしを守るという大きな使命があります。大阪放送局は大規模災害が起きたときの拠点になる、本部に変わるという役割です。首都直下地震などで本部が機能停止したら、全国に向けて放送を出すのは大阪放送局になります。もう1つは、西日本で大災害が起きたときに各放送局の陣頭指揮を執ることです。これは南海トラフ巨大地震などを想定しています。ことし3月に放送したNHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」、ドラマとドキュメンタリーの二部構成でした。ドラマの舞台になったのが大阪で、大阪放送局が制作をしました。この放送に合わせて関連イベントやセミナーも企画しました。さまざまな放送サービスで、防災・減災のお役に立ちたいと考えています。
 そして、最後に大学や大学生の皆さんとの連携も力を入れています。NHKの職員が大学に伺って、放送やイベントを行ったり、皆さんにNHKに来ていただいたりすることもあります。若い皆さんには、ちょっと遠いと思われがちなNHKですけれども、もっと、私たちは知っていただきたいですし、よいお考えを聞かせていただきたいと思います。きょうも、その貴重な機会の一つと考えております。

(司会)
 それでは、2つ目のテーマである、地域放送、サービスについてお話を伺いたいと思います。

【参加者】
 NHKの報道番組について、長く硬派な報道番組としてのイメージがあります。災害時は即時の報道だけではなくて、東日本大震災や、太平洋戦争で災害や戦争の記憶を風化させないための特番もとても多く、意義のあるものであると感じて、続けてほしいと感じています。
 ただ、NHKの軍艦島を取り上げた番組をめぐる問題については、非常に残念です。これは、一種の捏造であると考えているのですが、NHKの内部の人たちは、こういうことをどう見ているのかと、映像管理について、教えていただきたいです。

【参加者】
 地域の放送番組について、私は日本中を旅することがとても好きで、これまで各地で地域のいろいろな方と交流を重ねてきました。その中で、ホテルや民泊でテレビをつければ日本中、所構わずNHKが放送されているところにとても安心感があります。「おはよう関西」や南海トラフのドラマを見ましたが、関西のローカル情報などから地域の暖かさを、テレビから感じることができるのです。同時にNHKの規模にもとても感銘を受けています。各地で地域放送が流されていることから、全国放送とは別で、地域の情報も発信し続けられる、クオリティーの高い番組の中で、記者やリポーターの出身地であることなど、各地域での結びつきがそれぞれ深いものなのか、地域により地域番組の支持率の違いがあるものなのかお聞きしたいです。

【参加者】
 朝ドラの話ですが、後期に放送される「ブギウギ」を非常に楽しみにしております。私は、大阪放送局がつくる朝ドラが毎回大好きです。さきほど、インスタグラムが開設されて、そちらも拝見して、非常に楽しみにしています。朝ドラの現場などに、一般の人が参加したり、見学したりできるような場所を設けてほしいと思っています。トークイベントなどが予定されていると思うのですが、そのような機会を増やしていただきたいとリクエストします。「ブギウギ」に関して、何か触れ合いや見学ができるようなイベントは予定されていますか。一般からエキストラの募集を予定していますか。

(林専務理事・大阪放送局長)
 地域番組に関してお答えをしたいと思います。NHKの地域放送番組について大変高い評価をいただきありがとうございます。全国をくまなく旅をしながらNHKを見ていただいているということ、非常にありがたいです。どこでもNHKが見られるということもそうですが、それぞれの地域で、それぞれの地域らしいNHKも見ていただけるのではないかと思います。
 各地域の支持率、どれぐらいNHKに触れていただいているのかというご質問だと思いますが、もちろん地域によって違います。大変残念ながら、関西では、私たちは非常に苦戦をしています。きょう、こうして皆さんに参加していただいて、いつもNHK見ていますと言っていただいて、NHKに対して関心を持っていただいているということを伺うだけでも、非常に心強いです。NHKを見ていないというご友人もたくさんいらっしゃると思うのですが、そういう方々はどうして見ていないのか、難しいかもしれませんが、どうやったら少しでも触れてくれるのかを皆さんに教えていただけると、私たちもこれからの励みになりますので、お願いいたします。
 地域によって、放送以外にもさまざまなサービスを行っています。そういったイベントを通じて触れていただく部分も、それぞれの地域放送局で頑張っていますので、これからも応援をよろしくお願いいたします。
 朝ドラのご質問は、本当に関心持っていただいてありがとうございます。一般論として、朝ドラに限らずさまざまなドラマで、申し上げたとおりイベントもやりたいと思っています。「ブギウギ」は、まだ放送も始まっていないので、何も決まっていません。今、放送されている「らんまん」の舞台は東京もありますし、高知もありますので、さほど遠くないところが舞台になっています。ぜひ、「らんまん」をご覧いただき、応援いただいて、また「ブギウギ」が始まったら、「ブギウギ」も応援していただければと思います。

(中嶋理事)
 冒頭にお話しいただいた方のご質問にお答えしたいと思います。NHKは民放と違ってと言っていただきましたが、戦争や東日本大震災の報道にご理解、評価をしてくださってありがとうございます。この夏も、終戦の季節を迎えますが、若い人たちにそうしたことをきちんと伝えたいということで、伝わるようなラインナップを、夏に向けてNHKスペシャルやいろいろな番組で提供していきますので、ご覧になっていただければと思います。
 捏造ではないかというご指摘ですが、軍艦島を取り上げた「緑なき島」の話については、昭和30年にNHKが出した短編の放送で、これは韓国、朝鮮の方のことを伝えるものでは一切なくて、当時の軍艦島で暮らしていた方々の生活ぶりを放送した風土記的な放送でありました。NHKでは、映像を提供する場合は、きちんと契約を交わして、目的外に使用しないということを明確にしています。
 「緑なき島」の件については、随分以前の話なので、韓国では著作権がもうNHKにはなくて、対処法がとても難しいですが、KBSが、この放送をイベント等に使った際に、目的外使用ではないかと伝えています。ご指摘ありがとうございました。

(井伊委員)
 NHKの番組を、とても楽しんで聞いて見ているという若い人たちの話を、楽しくうれしく思いながら聞いていました。私は大学で教えていますので、自分の学生たちにも話をする、少し同世代に差をつけるNHKの使い方みたいなことをお伝えできればと思います。
 2つあります。まず1つですが、テレビはもちろんよい番組をやっているのですが、ラジオや、NHKのサイトの就活の応援サイトなどが、内容がとても豊富で、就活に非常に役に立ったと、私のゼミ生たちも言っていました。更新されるたびに見ているそうです。就活だけではなくて、知っておくとよいニュースが、分かりやすく解説されたりしていますので、ぜひ、見てみるとよいと思います。
 もう1つは、国際放送です。今は、地上波などと連動した番組もできていますが、非常にいろいろなよい番組をやっていますので、学生の皆さんたちには興味を持って見てもらいたいと思います。私の学生の一人にミャンマーからの留学生がいます。博士課程で、日本に来て4年目なのですが、留学して2年目にミャンマーでクーデターが起きて、その後、去年のウクライナのような事件が起きて、世界中のメディアの目がウクライナとかロシアに移っている中で、NHKがミャンマーに関して、とても良質な番組を続けて発信してくれていることを、留学生から聞いて知りました。その番組を日本人の学生たちとも見ているのですが、ミャンマーの留学生がNHKにとても感謝していて、これからの日本の外交にも大切な影響を与えるのではと思います。番組づくりとはそのような役割も担っているのです。大学生の皆さんには、ぜひ、国際放送にも関心を持って見てもらえたらと思います。

【参加者】
 現在、若者のテレビ離れが進んでいて、家にテレビがないことが珍しくなくなっているという現状があると思います。周囲の学生に聞きましても、そもそもテレビ自体を見ないといった声も多くあります。そのような中で、今後、放送メディアに求められる要素としましては、緊急時の信用性の高い報道の存在や日頃からの防災情報の発信などがあると思います。
 私は、地域ごとの災害情報の発信、インターネットでの展開について、少しお願いしたいと考えています。ユーチューブなどでは、既にNHKの公式チャンネルで「明日をまもるナビ」というような、いざというときに生かせる情報が多く発信されていると感じるのですが、地域に絞ったコンテンツなどが少ないのではないかとも感じています。私の出身は佐賀県ですが、九州北部豪雨の被害を実際に自身も受けましたが、あれからどうなったのか、今はどうなのだろうかと探すことが難しいという現状ですので、狭いニーズにも目を向けていただけると、よりありがたいなと感じます。NHKプラスやNHKオンデマンドのような独自の発信媒体が既にあるとは思うのですが、多くのユーザーがいる各種SNSの舞台でも、今後の発展にもつながると思いますので、生かしていただければと思います。
 受信料を用いているので、そのような媒体を使うのは難しいこともあるとは思いますが、地域ごとの情報のインターネット発信の可能性についてお願いしたいと思います。

【参加者】
 地域放送に関して意見と質問です。地域のローカル放送、番組というのは、先ほど、申し上げました効率化の対象からは外して、削減することなく維持すべきであると考えています。特に総合テレビ、ラジオ第1放送の圏域放送、道府県域放送は、経営効率化を急務としている民間放送では非常に難しい状況となっています。各道府県政、事件、イベントについて市民の知る権利を確保するということは、先ほど理事の方々もおっしゃっていたとおり、公共放送であるNHKの外せない役割の1つであると考えています。ローカル放送と特に道府県域の放送に関して、NHKは削減の方向にあるのか、それとも維持の方向にあるのかを伺いたいと思います。

【参加者】
 今週末にブレイキンのイベントがあり、過去には南海トラフのイベントがありました。ことしの2月に、大阪放送局で開催された「関西とウクライナ知られざる100年ヒストリー」というイベントに参加して、非常に有意義な経験をさせていただきました。今後NHKが、どのようなイベントを企画しているのか、構想があれば教えていただきたいです。

(司会)
 防災情報や地域放送、また、イベントについて、質問、ご意見いただきました。いかがでしょうか。

(林専務理事・大阪放送局長)
 ご意見とご質問、本当にありがとうございました。地域に絞った防災・減災情報は、本当に大切で、私たちもそのように思っています。NHKとして、まず、放送できちんと皆さまにお届けすることがとても大事です。それぞれの地域放送局が、地元の個別の取り組みや課題等を、放送やイベントなどの企画を通じてお届けしています。一方、インターネットの活用業務は、NHKにとって、まだ補完という位置づけで、どうしても限界があります。ただ、地域に資する、特に防災・減災に資するものについては、できるだけきめ細かく出していきたいと思っています。その工夫の仕方をどうやっていくのか、皆さんにとっては、かゆいところに手が届かないと思われているかもしれませんが、いろいろな工夫をしています。
 例えば、ハザードマップをもとに制作した周知用の資材をホームページで公開していますが、何かあったときに「ここに逃げなさい」とか、「ここは避けたほうがよいです」という呼びかけを、それぞれの地元の言葉で表現しています。日頃から皆さんに見ていただけるよう、その地域の人ならわかる、例えば、橋とか、地元に住んでいる方でないと分からないような地名も使った、呼びかけ文になっています。そういうことを少しずつ積み重ねながら、放送だけではなくて、ご提案のインターネットも使って、防災・減災というNHKの大切な役割を果たしてけるように、工夫していきたいと思います。きょう、いただいたご提案は、必ず現場にも伝えます。
 効率化・削減についてですが、公共放送NHKとして、地域に資する放送サービスをするために力を注いでいくというのは、私も全く同じ考えです。効率化のために地域のサービスを削減するということは考えていません。そういうふうにはなりませんし、地域により密着した情報を出していくために、地域職員の採用の枠を増やしています。私たちは、ご存じのように全国転勤の放送局ですが、全国転勤だけではなくて、地域で育って、自分の育った地域に貢献したいという人もたくさんいて、そういう人たちにぜひ地域で活躍していただきたいということで地域職員の割合を増やす計画です。それも地域に対するサービスを充実させていくための1つの手だてです。地域のサービスを物量で増やしていくこととは、また少し違い、たくさん出せばよいということだけではなくて、より地域の人たちが見やすい形でコンテンツをお届けしていきたいと思います。
 放送だけではなくて、ほかのさまざまなプラットフォームを使って、地域の皆さんにサービスをお届けしていくことは、まだまだゴールが見えているわけではなく、私たちが毎日考えていることで、日々、そのニーズや視聴者の皆さんが求めるものが変わっているなかで、引き続き考えていきます。
 イベントの話ですが、イベントと一口に言っても、実はいろんなことを行っていまして、公開収録や展覧会、博覧会、ファンミーティングやトークショーなど、皆さんにNHKのサービスを知ってもらうため、あるいは社会に資する社会貢献のためでもありますが、そういった取り組みをしています。
 そのようなことを、一番簡単に知っていただくのは、大阪であれば、大阪放送局のホームページにイベントインフォメーションがあるので、そこを小まめにのぞいていただくと、こういうイベントで人を募集していますよなどと、分かります。ご関心のあるものがあったらぜひ、エントリーしていただいたらと思います。
 本当に、NHKのいろいろな取り組みに関心を持っていただきとてもありがたいです。6月25日の大阪放送局アトリウムでのブレイキンもお待ちしています。

(中嶋理事)
 先ほどのお話について、少しだけ補足をします。災害時の外部プラットフォーム利用の話ですが、受信料制度でNHKは成り立っていますので、外部プラットフォームを何でも使ってよいという話ではないのですが、東日本大震災のときに初めて、外部プラットフォームも通じてNHKの情報を出しました。人の命と安全を守るためにということで、災害時に行うケースがあります。
 もう1つはマスメディアという言葉から分かるとおり、広い情報を出すことはわれわれは得意なのですが、「隣の川がどうなるのか」、「近所がどうなのか」という情報を出すのは苦手です。しかし、人々のニーズというのは、自分の命を守るために、もっと近いところの情報がほしいというように、大分移り変わってきて、それを伝えるためにはデジタルが有用だということです。災害報道の中に、どのようにデジタルを使えば、皆さんの身近にある情報を出せるかということを、研究開発していて、これからはその領域に進んでいくことになるかと思います。
 地域の話に関して言いますと、先ほど林専務理事が言ったとおり、地域放送は、地域のサービスを維持するというのが基本的な考え方です。ただ、もう1つ考えなければいけないのは、アメリカや海外もそうですが、だんだん地域のメディアを維持することが難しくなっていくということです。そういうときに、NHKがどう役割を担っていくのか、新しい課題として出てきていると思いますので、自分のところのことだけをやっておけばよいという時代ではなくなってくるというところを、これからは考えなければいけないと思っています。

【参加者】
 「NHKのど自慢」について質問します。ことしの4月から「NHKのど自慢」が大幅にリニューアルしまして、今まで生バンドの演奏が、音源制になるという具体的な変更がされたと思います。地域の人々が生バンドで歌う機会がないなかで、晴れ舞台を経験してもらうということに大きな意義があったと思っています。今後、生バンドが復活する可能性はありますか。

【参加者】
 どうやったら若者がNHKの番組に触れてくれるのかという話に、少し付随する話ですが、私の周りでも、NHKの番組をあまり視聴しないという方が多くて、理由を聞いてみたら、少し硬派で、内容が堅いのではないかという意見があったという印象を受けました。芸能人がロケをして、コメントをする、少し親しみやすい民放のテレビを見ている人が多いのかなという印象を受けています。若者の視聴者をこれから増やしていく意味でも、芸能人のリポーターやコメンテーターなどを起用したらどうかと思うのですが、そのような構想があれば聞きたいです。

【参加者】
 災害などの緊急を要する報道に関しては、NHKプラスのリアルタイム配信で、地上波とのタイムラグが約30秒から40秒ほどあると思うのですが、緊急性を要する災害などの情報を発信するうえではかなり致命的であり、質の高い報道がされているとは言いがたい状況だと、疑問に思っています。なぜ、タイムラグが発生してしまうのか、技術的な問題なのか、それ以外の要因があるのかを教えてください。

(司会)
 のど自慢や、番組のキャスティングについて、NHKプラスのタイムラグについてご意見を伺いました。これについていかがでしょうか。

(中嶋理事)
 「のど自慢」ですが、晴れ舞台を経験できなくなってしまうのではというご指摘かもしれませんが、今はそこまで不評があるとは聞いていません。もう1つ、あのような形でやることによって、ホールなど大きな場所だけではなく、地域の中に小まめに入って、いろいろな場所でできるという機動的な利点も存在するようです。これまで行けなかったところや、出ることのできなかった人のところまで手が届く形になっているということです。いろいろなご意見もあろうかと思いますが、まだ始まったばかりですので、これを続けて視聴者の方とか出演される方のご意見を聞きながらより良いものにしていきます。
 コメンテーターについては、芸能人を使うというか、難しい問題に関して視聴者に近いような、ある種専門家ではない、一般の人の立場で疑問をぶつけることによって、視聴者に対して分かりやすく伝わるということはあると思います。私がNHKに入ったころと比べると「NHKスペシャル」など難しい番組でも、芸能人が出ることは、結構増えていると思います。NHKでも堅い番組の中でそのようなことをやるケースは増えていると思います。新しく「NHKスペシャル」で「ヒューマンエイジ」という番組が始まりましたが、キャスターをしている、鈴木亮平さんのようなケースは増えていくと思います。
 タイムラグを含めてさまざまな課題については、これからも技術的な開発・研究をしていきます。例えば、クラウドサービスのようなものについても、遅延とか、安全に持続可能に絶え間なく伝え続けなければならないといった課題があり、常に技術的に追いかけっこしながら物事を進めていくということですので、改善を図りながら進めていきたいと思います。特に災害報道の領域に関しては、重要なご指摘だと思います。

(司会)
 ありがとうございました。では、経営委員から全体を通して、一言お願いします。

(井伊委員)
 きょうは皆さんのいろいろな意見を聞けて、とても参考になりました。ありがとうございました。日本に公共メディアがあるということは、とても幸運なことだと思います。日本の将来を担っていく皆さんが、公共メディアをどのように活用していくのか、一人ひとり、ぜひ考えてほしいと思います。これからも意見や要望など、きょう言い忘れたことや、あとで思い出したことがありましたら、ぜひNHKのウェブサイトなどを通して送ってください。経営委員になって、よく知ったのですが、NHKは皆さんの意見をとても尊重して、話を伺えることを楽しみに思っています。きょうの視聴者のみなさまと語る会を通じて、NHKに関心がある、社会のために働いてみたいなど、そのような気持ちを持っていれば、ぜひNHKで働くことも考えてほしいと思います。きょうは本当にどうもありがとうございました。

(大草委員)
 きょうは長時間にわたり、どうもありがとうございました。皆さん、学生さんではありますが、NHKのことを大変よく深く見ていただいていると改めて感心しました。中には辛口のご意見やご質問などがありましたが、それはNHKのことを真剣に考えていただいていることの表れではないかと思いました。きょういただいたご意見やご質問は、今後の私どもの活動の参考にさせていただきたいと思います。きょうはどうもありがとうございました。

(前田委員)
 きょうは本当にいろいろな意見を聞けて、大変おもしろかったです。私は去年の12月から経営委員になって、まだまだ新米です。視聴者のみなさまと語る会も、きょうが初めてで、初めてが学生さんたちの場でしたので、きょうの話の中でもテレビ離れや、NHKをあまり見ないという状況の中で、どのようになるのかと思っていました。でも、本当にいろいろな意見があり、真剣にNHKのことを考えてくださる方がいらっしゃるというのを見て、うれしく、心強く思いました。
 一番私にとって印象深かったのは、NHKの技術にも関心を持ってもらっていることです。受信料がどうなるのか、インターネットの活用など、いろいろなことが出てきました。民放、地域局などと一緒にインフラを共用するなど、そのようなところにも関心を持ってくださっている人がいらっしゃいましたが、今からNHKは新しい技術をますます身につけないといけません。最初は、放送技術だけだったと思いますが、インターネットを活用するようになれば、その技術を民間のインターネットの動画配信をしている技術、プロバイダーとも技術研鑽していく必要があると思っています。いろいろな分野の人たちがNHKで必要とされていると思っています。これからも技術開発を着実に進めていってくれると思っていますが、またそのときに、皆さんの力も貸してほしいと思います。きょうはありがとうございました。

(司会)
 最後に大阪放送局長からごあいさつ申し上げます。

(林専務理事・大阪放送局長)
 きょうは本当にありがとうございました。皆さん、お疲れになっているかもしれないこの時間帯に、これだけ大勢の方にご参加いただいて、本当にうれしく思っています。皆さん、本当によく勉強していらっしゃると感じました。社会のこと、世の中のこと、とても関心を持っていらっしゃると思いました。また、皆さんのご意見を聞いて、きょうのためにいろいろと準備もしてくださったということに、とても感謝しています。私たちは皆さんに接する機会がなかなかありませんが、こうして、皆さんがこの時間のために貴重な時間を使って、準備もして、こうして参加していただいて、それだけで本当にありがたいと思っています。
 皆さんの周りには、なかなかNHKを見てくださらない、テレビも持っていないという方も多いと思いますが、私たちの希望としては、やはりいざというときに、皆さんにきちんとした情報をお届けできる環境だけは整えていきたいと思っています。皆さんに24時間、テレビの前に座ってNHKを見てほしいとは思っていません。ただ、きちんとした情報を皆さんに正しくお伝えすることは、私たちの役割であり、公共メディア、NHKとしての責務ですので、そのような環境を整えるために、時々はNHKに触れる習慣をつけていただくと、とてもありがたいですし、いざとなったらNHKがある、ということを頭に入れていただくだけでも、私たちはとてもありがたいと思っています。ぜひ、皆さんからもご友人に伝えていただきたいし、NHKのよいところだけでなくて悪いところも含めて、周りの皆さんにもきちんとお伝えいただけると、私たちとしてはすごくありがたいです。
 きょうは本当に貴重なご意見をたくさんいただいて、ありがとうございました。耳の痛いご意見もたくさんありましたが、私たちはそのようなご意見も大歓迎です。貴重な時間をいただき、ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

(司会)
 皆さま、本当にきょうは貴重なご意見をありがとうございました。視聴者のみなさまと語る会は、これで終了とさせていただきます。

 

 

 

<視聴者のみなさまと語る会(関西・学生)> 参加者事後アンケート

※単位は回答人数

質問1:性別

男性 女性 その他 無回答
15 5 0 0

質問2:年代

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代〜
6 14 0 0 0 0 0 0

質問3:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 ふつう 不満 大変不満 無回答
9 9 2 0 0 0

質問4:NHKの放送・サービスについて理解や関心が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
12 6 1 1 0 0

質問5:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 少し知っていた あまり知らなかった ほとんど知らなかった 無回答
2 5 12 1 0

質問6:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
10 9 1 0 0 0