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2023年度 第1回
視聴者のみなさまと語る会(佐賀)開催報告書
(2023年5月27日(土)開催)

 

<名称>

視聴者のみなさまと語る会(佐賀)

 

<日時>

2023年5月27日(土)午後1時〜2時50分

 

<実施方法>

参集開催

 

<出席者>

〔参 加 者〕

佐賀県にお住まいのみなさまを対象に36人が参加

〔経営委員〕

明石 伸子 委員(NPO法人日本マナー・プロトコール協会理事長)

 

礒山 誠二 委員(葛繽Bリースサービス代表取締役社長)

〔執 行 部〕

山名 啓雄 専務理事

 

山内 昌彦 理事

 

楠井 章代 佐賀放送局局長

〔 司 会 〕

井原 陽介 アナウンサー

 

<実施概要>

 冒頭、経営委員から協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について説明し、「NHKの放送・インターネット・イベント等のサービス、経営全般などについて」「地域放送・サービスについて」をテーマに意見や提言を募った。

 

 ミーティング終了後、「連続テレビ小説『らんまん』制作の舞台裏」と題して、「らんまん」演出の深川 貴志 ディレクターによる講演会を開催した。

 

<内容詳細>

(司会)
 経営委員から、NHKや経営委員会の役割などについて簡単にご説明します。

 

 

◆協会の基本方針・重要事項の説明

(明石委員)
 はじめに、NHKの経営委員会についてご説明します。
 NHKの経営委員は国会の同意を得て、内閣総理大臣から任命されています。経営委員会は、さまざまな分野や地域から選ばれた12人の委員で構成されています。
 経営委員会では、中期経営計画や予算・事業計画など経営の重要な事項について議決するほか、会長や副会長、理事らが決められた方針に沿ってNHKの運営ができているかどうかを監督しています。また、NHK会長を任命するのも、経営委員会の重要な役割です。
 私たち経営委員は、NHKの経営にあたって、視聴者のご意見を踏まえ適切な判断や検討を行うことが求められています。そこで今回のような「視聴者のみなさまと語る会」を毎年6回以上開催しています。
 NHKの役割の一つは、災害や新型コロナウイルスなどから命や暮らしを守る「安全・安心」に関する情報をお届けすることです。また、“NHKだからできる放送”に力を注ぎ、多様で質の高い番組や情報をお届けしています。
 NHKが受信料で運営されていることはご存じの方が多いと思います。NHKは税金で成り立つ国営放送ではありません。受信料で成り立っている公共放送です。特定の利益や意向に左右されない、公正で質の高い番組をつくり、視聴率にとらわれずに社会に必要な教育・福祉番組などをお届けできるのは、受信料によって財政面での自主性が保障されているからです。
 続いて、NHKの「インターネットを活用した取り組み」についてご紹介します。放送を中心としながらインターネットも活用して、公共性の高いコンテンツや情報を「いつでも、どこでも」受け取れる環境を整え、視聴の機会を増やすことは重要な取り組みと考えています。
 その取り組みの一つが、スマホやタブレットなどで番組をご覧いただくNHKプラスです。NHKプラスには、総合テレビとEテレの番組をインターネットで放送と同時に配信する「常時同時配信」と、それらの番組を1週間程度いつでも見ることができる「見逃し番組配信」のサービスがあります。
 NHKと受信契約をしている方と、その方と生計を同一にする方は、追加のご負担なくご利用いただけます。また、昨年からテレビ向けのアプリサービスが始まり、テレビの大きな画面で見逃し番組配信をお楽しみいただけるようになっています。
 続いて、「NHK経営計画」についてご説明します。この計画は2021年度から3か年のNHKの具体的な経営目標や重点方針を掲げています。経営委員会で視聴者の皆さまから広くご意見を募集して、議論し議決しました。
 NHKは、公共メディアとして皆さまの信頼に応え、合理的なコストでの運営に努めます。経営資源を多様で質の高いコンテンツに集中させ、正確、公平公正で豊かな放送・サービスを、いつでもどこでも最適な媒体を通じてお届けし続ける「新しいNHKらしさの追求」を進めます。そのために、経費を削減する一方、「安全・安心を支える」、「新時代へのチャレンジ」、「あまねく伝える」、「社会への貢献」、「人事制度改革」の5つの項目に重点的に取り組み、スリムで強靭な「新しいNHK」を目指します。
 ことし1月に経営計画の修正を行い、「5つの重点項目」については、「安全・安心を支える」、「あまねく伝える」の内容を強化することにしました。
 また、衛星波は2Kのうち1波を削減します。ことし12月から、BS1、BSプレミアムは「NHK BS」に、BS4Kは「NHK BSプレミアム 4K」として、新しく生まれ変わります。視聴者の皆さまがBS1とBSプレミアムでお楽しみいただいている番組の多くは、引き続きご覧いただけるようにします。4Kは、見応えたっぷりな特集番組や超高精細映像ドラマなど、プレミアムなラインナップでお届けします。
 受信料は、ことし10月から、地上契約、衛星契約ともに1割値下げします。また、10月から学生を対象とする免除を拡大し、親元等から離れて暮らす学生は原則免除とするよう、今月、経営委員会で意見募集を行いました。
 本日、皆さまからいただく貴重なご意見は、今後の経営委員会の活動の参考にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

(司会)
 きょうは、大きく2つのテーマについて、皆さまからご意見を伺います。
 1つ目のテーマは、「NHKの放送・インターネット・イベント等のサービス、経営全般などについて」です。NHKのニュースや番組、新年度番組改定、NHKプラスなどのインターネットサービス、受信料制度、そのほかNHKへのご意見やご要望などについて伺います。2つ目のテーマ「地域放送・サービスについて」は後半で伺います。
 まず1つ目のテーマです。「NHKの番組やインターネット・イベント等のサービス、経営全般」について、ご意見がある方はお願いします。

【参加者】
 いつもNHKのラジオとテレビを視聴しております。特に「さわやか自然百景」や「ワイルドライフ」は、NHKならではだと感心して楽しみにしています。
 お尋ねですが、ニュースの放送優先順位はどうやって決めていますか。私は、特に7時、19時、21時のニュースの第一報は政治経済だと思っていますが、WBCが開催されているころは、連日、第一報は野球でした。WBC終了後もお祭り騒ぎが続きましたので、あとのスポーツの時間でよいのではないかとへきえきしていました。

【参加者】
 ニュースや情報番組で、右上のほうにQRコードが表示されて「詳しくはこちらから」というのをよく目にします。スマートフォンやインターネットを使い慣れている方はよく活用されると思うのですが、高齢者はなかなか使いづらかったりもします。QRコードも参考にはしますが、やはり放送で見たいと思います。時間の関係などで番組が短くされ、その分はQRコードやアプリを使うといった方向になっていくのではないかと、少し心配しています。

(司会)
 ご自身ではQRコードスマホをかざして見てみるということはされていますか。

【参加者】
 はい。私は見ます。

(司会)
 ありがとうございます。

【参加者】
 子どもがいるので常にEテレを視聴しています。最初に受信料で運営していると説明がありました。おそらく質が高いもの、教育的なもの、報道、政治をメインに放送していると思うのですが、若者の意見としては、せっかく受信料を支払っているので、だらだらと見られるバラエティーや固くない番組ももう少しほしいです。子どもがいなかったらEテレも見なかったので、視聴率を上げるのであればそうした放送があるとよいと思います。

(司会)
 NHKでも民放でも結構ですが、このような感じのこのようなテイストの番組がほしいといった番組はありますか。

【参加者】
 お笑い系は「わらたまドッカ〜ン」など、子ども向けのものはあると思うのですが、かしこまらずに気兼ねなく見られるバラエティー番組や、リラックスして楽しめる分野も補充していただいたほうが、若者離れなどにも響くのではないかという意見です。

(司会)
 ありがとうございます。3人の方にお伺いしました。ニュースの放送順位についての質問もありましたが、いかがでしょうか。

(山内理事)
 ご質問、ご意見をありがとうございます。私はかつて「ニュースウオッチ9」というNHKの看板ニュース番組の編集責任者をしていました。その日、その週の放送で何を放送するのか、あるいはその順番をどうするのかを決める担当をしていました。
 お三方のお話を総合しても、視聴者の方々にはさまざまなご意見があります。まず政治経済からやってくれという方もいらっしゃれば、教育からという方も、スポーツからという方もいらっしゃいます。
 日々のニュースは、何かオーダーを決める基準があって、それに当てはめて自動的にやっているというものでは決してなく、その日に起きたニュースの中で何が一番なのかということを常にぎりぎりまで探りながらオーダーを決めているとお考えください。きのうのように「NHKニュース7」が始まった瞬間に長周期地震動が起きることもありますし、長野で起きたような悲惨な発砲事件が急に入ってくることもありますし、皆さんがよく知っていらっしゃる有名な方が亡くなられたという一報が急に入ってくることもあります。本当にぎりぎりまでいろいろな状況を判断しながら放送しています。その時々の社会情勢もありますし、視聴者の皆さんから寄せられている意見は毎日毎日全部見ていますが、その中で、いま皆さんがどの分野に関心を持たれているかを編集責任者として考えながらその日のオーダーを決めていくということもあります。
 また、テレビですので映像や情報がきちんと入っていなければ、こういうニュースを出したいと思ってもできません。あまり新しい映像が入っていなかったり、よい情報が詰め切れていなかったりすると、後回しにせざるを得ないということになります。
 先ほどの、WBCのお祭りをかなりへきえきしながらご覧になっていたということはよく分かるのですが、一方で、同じ時代を今一緒に生きているという時代の共有感を感じながらテレビに向かい合っていただけるという意味では、スポーツは非常に大事なコンテンツだと考えております。
 それが1番か2番かということでオーダーが決まっているわけではなく、まず、いまこうしたことを一緒に共有しませんかということでスポーツニュースから入り、落ち着いたところで皆さんの足元でいま起きている政治や経済、あるいは事件、事故についてじっくりと考えませんかとする、といったことを考えながらオーダーを組んでいます。
 これは本当に正解がないので、毎回毎回、翌日出る視聴率のグラフを見て反省することばかりですが、そうしたことを考えながら放送を出しています。
 特にオリンピック期間中などは、オリンピックの番組をやってほしいという視聴者のご意見もものすごく多いのですが、特にスポーツ系は通常ニュースとの仕分けが非常に難しいところがありますので、これからまだまだ終わりのない検討だと考えております。
 先ほどのQRコードについては、ご指摘のとおりです。テレビは時間が限られていますので、その時間の中にお伝えしたい内容を入れますが、すべてはお伝えできません。取材内容はこれだけあるけれどもその一部しかお伝えできないということで、QRコードを使っていただくともう少し長い全体像が見られます、というご紹介をしています。
 ただ、QRコードを出しているからニュースの部分を薄めているということではなく、ニュースの部分は、昔と変わらないだけのボリュームでお伝えしているつもりです。もっと知りたい、もっと深めたいという方には、QRコードを使ってもっとその先に行っていただくことができますというのが、今のテレビとデジタルの融合だとお考えいただければと思っています。

(山名専務理事)
 私は、バラエティー番組を大変多く作ってきており、「爆笑オンエアバトル」なども担当していました。だらだらと見られるバラエティーもぜひほしいというご意見も、本当に貴重な意見だと思っています。
 例えば、「LIFE!」というコント番組なども放送していますが、いつやっているのかよく分からないということなのかもしれませんので、しっかりと周知広報をしていかなければいけないと思います。また、NHKプラスというサービスもありますので、リアルタイムで見られなくても、話題になったおもしろそうなバラエティー番組なども、ぜひ見ていただけるとありがたいと思います。
 ちなみに、7月の夜11時台から、お笑いとドラマを融合した新しい番組を3か月間放送します。「ラフな生活のススメ」という番組で、お茶の間で家族が見ているテレビの中のコントや、漫才を見ながら親子がいろいろ話し合うもので、皆さんに気楽に見ていただけるような仕上がりになっていると思います。もしお時間があれば見ていただきたいと思います。NHKプラスでも配信すると思いますので、ぜひそちらでもご覧ください。ご意見ありがとうございました。

【参加者】
 NHK総合で正時のニュースの後、午後1時過ぎに全国の放送局のニュースが放送されています。例えば高松や北海道など、どの地区のニュースも見ることができます。そうした地域のニュースを見ていると、きょう全国でどのようなことがあったというのがとてもよく分かります。よい放送枠で見て楽しんでいるので、今後もこうした取り組みを続けていただきたいと思います。

【参加者】
 私も1時から1時45分までは、外出せずに佐賀が出るのを楽しみにしております。本当に楽しみでNHKが大好きで、NHKばかり見ていますけれども、うちで少し困ったことがあります。
 長男夫婦と生活していて、今は私が受信料を支払っています。私はもう少しで90歳になるのでいつ死ぬかは分かりませんが、その後、子どもが受信料を払うだろうかと少し心配しています。命がある間に子どもを説得してきちんと支払うように書いておこうかと思ったりもしています。NHKの受信料の支払いをお願いしますという案内を見るたびに、心が痛んでいます。

(司会)
 家庭内でそうしたお話をしていただいているということで、ありがたく存じます。

【参加者】
 明石委員からの最初の説明の中で、「質の高い」ということばが幾度か出てきました。考え方は十人十色だと思いますが、NHKではどういう部分について「質の高い」と言っていらっしゃるのか気になりましたので、ぜひ教えてください。

(山名専務理事)
 「質の高い」という考え方ですが、「質」というのは本当に人それぞれだと思います。同じものを見ても「これは質がよい」と言われたり「悪い」と言われたりといったことがありますが、われわれも「質」をどのように測っていくのかということを考えております。
 例えばアンケートで「きちんと深い取材をしている」とか「誰もが一緒に楽しめる」といった質問をします。番組によってどのようなことを皆さんに感じていただきたいか、どのような気持ちになっていただきたいか、ねらいがさまざまですので、アンケートの質問のどれもがすべて高い数字になればよいというものではありませんが、それぞれの番組が目指しているものについて、なるべく皆さんに高く評価できるように感じていただけるものにしたいと思っています。
 当然、質の高さは、取材の深さだったり、表現の豊かさだったり、演出のうまさだったり、本当にそれぞれです。そうしたものを指標として調査をして、なるべくそれぞれの番組が狙っている部分の数字が高くなるようにと考えて進めています。
 「新しいNHKらしさ」ということばをご説明しましたが、NHKで放送する以上は、NHKでしかできない、あるいはNHKだからできる番組を皆さんにお届けしなくてはいけないと思っていますし、その一つの要素として「質の高さ」もしっかり求めていかなければいけないと考えております。

(礒山委員)
 前半のご質問に対して、少し私の考え方をお話しさせていただきたいと思います。特に、午後に地方局発の全国のニュースを発信していることについては、皆さんからも大変好評を得ており、各地のそうした情報を発信していきたいと考えております。
 また、一方で、先ほど受信料を長男のご夫婦が払うようになるかと心配とのお話がありました。佐賀県は、全国でも高いシェアで約84.1%の方に受信料を支払っていただいています。私も年配で、1976年にここで行われた若楠国体を見に来たことがあるような年代ですが、われわれの年代の方にはほとんど受信料を支払っていただいています。しかし、若い方はNHKとの接触がなかなかありません。Eテレは子どもさんに非常に人気がありますので、学生の間はしっかり見ていただけるのですが、その後40代ぐらいまではなかなか見ていただけません。対策として、番組編成でそうした方向けの番組をいろいろと作るなど、喜んで受信料を支払っていただけるよう、経営委員として執行部とよく連携しながら取り組みたいと思っております。

(山名専務理事)
 先ほど「質の高い」ということへのご指摘もございましたが、NHKと受信契約を結んでいただくためには、とにかく皆さんに番組に触れていただき、NHKがあってよかった、NHKは必要だと思っていただくことが大切です。これは番組やニュースにいかに触れていただけるようにするかということにかかっておりますので、しっかりと努力していかなければいけないと思っています。
 コンテンツに触れることで受信料制度を理解していただき、納得して受信契約を結んでいただければと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

【参加者】
 私は1人暮らしでテレビがないためNHKの番組はたまにしか見られませんが、教育系の番組の「日曜美術館」や「ザ・プロファイラー」はよく見ています。
 NHKの番組でとても印象的なのは、音楽、BGMの演出がかなり大きいということです。特に「映像の世紀バタフライエフェクト」といった政治的かつ歴史的な番組は、心情や思想にかなり影響すると思いますが、そうした番組に壮大な音楽を、悲しい歴史を紹介するときに悲しい音楽を、文化が発展していくところを紹介するときには少し明るめの音楽をなど、かなり音楽という人の心に強く影響するもので演出がなされています。
 もちろん、冷静な見方をして番組の内容をあくまで参考として考えることができる人もいると思いますが、中にはその番組を見たことで音楽に影響されて、その内容が正しいと思うといった人がいるのではないかと少し危惧しています。そこに関してどうお考えでしょうか。

(司会)
 ご自身のことでも結構ですし、同級生などについてでも、影響を受けているのかなと思うようなことはありますか。

【参加者】
 例えば、ナチスドイツの話ではドイツ側が非常に悪いとよく言われますが、歴史全体の流れを見るとドイツも経済的に非常に苦しかったといった背景があります。でも、過去の自分は、小学生など幼いときに番組を見て影響を受けてしまったということがあります。

(司会)
 ご意見をありがとうございます。

【参加者】
 わが家はみなNHKの大ファンです。私はあまりテレビを見ませんが、NHKはとても信頼しています。家族みな、夕方になったらNHKのニュース、朝起きたらNHKのニュースという感じで、NHKが大好きな家族です。
 最近は昼間家にいないことが多いので、いろいろな番組を録画して見ています。NHKの特集などに関心がありますが、中座したくないので録画しておいてゆっくりした時間帯に楽しみたいと思っています。民放でも時々とてもよいものがありますし、ドラマも見逃すといけないので継続して録画していますし、家族がそれぞれテレビを持ち、好きな番組を録画しています。そういう家庭は今とても多いと思うのですが、録画して見る番組は視聴率に反映しているのでしょうか。
 昔と今では違うかもしれないし、録画したものも必ずしも見るとは限らず、少し見てたいしたことがないと思ったら消してしまうこともありますので、今の視聴率の捉え方をぜひ教えてほしいと思います。

(山名専務理事)
 BGMの与える影響というお話については、本当にご指摘のとおりです。コンテンツをつくっていくうえで、悲しいときに悲しい音楽が流れ、楽しいときに楽しい音楽が流れというように、予定調和でイージーに音楽を選んでしまうということがあるかもしれません。「映像の世紀バタフライエフェクト」で、そうした演出意図のもとで何かを無理やり感じさせてしまってはいないかというご指摘だと思います。もちろんそうしたつもりでつくってはいないと思いますが、そのように感じてしまわれたということは、とても大事なご意見だと思います。
 バタフライエフェクトには、いわゆるメディアのプロバガンダの問題点として、メディアは見ている人に影響を与えてきたということを描いていた回もあると思うのですが、一方で自分たちの番組がBGMによってそのようなことをしているのだとすれば、それは大変残念なことだと思いますので、しっかりと共有したいと思います。
 番組自体はテーマ曲が決まっていて、おそらくテーマに沿って幾つか音楽のパターンがあり、その中でセレクトしていると思うので、そうしたことも十分配慮しなければいけない点だと思います。
 報道するにあたって、多角的にものを描くということはとても大事なことです。先ほどのナチスに関しても、なぜそのようになってしまったのかということも番組でしっかりと多角的に描くということがとても大事だと思います。そこはNHKが本来やっていかなければいけないことですので、しっかりと取り組んでいきます。
 視聴率の測定については、例えばドラマなどをリアルタイムではなく録画で見るという方もとても増えています。視聴率の中には、リアルタイムの視聴率と、1週間以内に録画されたものを見る総合視聴率があります。
 リアルタイムの視聴率は次の日に出ますが、録画も含めた総合視聴率は、約2週間後に出て、把握することができるようになっています。
 録画で見ていただくのも本当にありがたいのですが、NHKプラスはスマートフォンを持っていれば気軽に、時間に関係なくご覧いただけますので、ぜひご利用いただければと思います。放送してから約1週間の間であればいつでも番組の録画と同じような感覚で見られますので、ぜひこうしたサービスもご利用いただければと思います。よろしくお願いいたします。

(司会)
 先ほど頂戴したご意見の中には、番組のQRコードが出るのが多いのではないかとのご指摘もありましたけども、見ていただきたいということの表れでもあるということですね。

(山名専務理事)
 そうですね。先ほどのご質問は、本来テレビの中で伝えていたプラスアルファの情報をQRコードでご覧くださいということに対してのご指摘だったと思いますが、QRコードでの誘導にもいろいろありまして、例えば番組の中で出すものには、途中からご覧になった方に、最初からNHKプラスで見ていただけますという案内をするものもあります。最近画面にいろいろなものがたくさん出て大変申し訳ないのですが、皆さんにNHKの番組やニュースをぜひ見ていただきたいという思いで行っていますので、ご理解いただければと思います。

【参加者】
 うちではテレビの8割、9割はNHKを見ています。若いころから見ていて、「YOU」などの視聴者参加型の番組もありましたし、限られた時間帯にピンポイントでユーザー層を集めて、この番組は誰向けという形にせざるを得ないというのは分かります。NHKはいろいろと若い人向けの番組などにもチャレンジしていますが、そのあたりのずれについてはNHKとしても聞きたいところでしょうか。
 「視聴者のみなさまと語る会」も、ユーザー層を決めずに募集してもどうしても年齢層が偏っています。オンラインで参加してもらうなど、全年齢層で双方向での意見の酌み交わしをすれば、若い人向けについても少し見えてくるのではないでしょうか。
 NHK推しやNHKオタという若い人たちは、果たしているのでしょうか。こうしたやり取りの中でも、NHKはすごいと思う若い人が自発的に出てくるかもしれません。息子は東京の大学に行っていますが、NHKを見たいと言いますので、ぜひそうした人の声を拾い上げながらNHK推しの人たちを見つけて、ユーチューブなどで擁護してもらったり応援してもらったりすることが増えていくとよいと思います。

(明石委員)
 「視聴者のみなさまと語る会」は年に6回以上行っています。新型コロナウイルス感染拡大の前は、すべてこのような対面型で実施していたのですが、拡大している間はしばらくできなかったため、オンラインで開催していました。
 本当に久しぶりにこうしたリアルな開催が復活してきています。皆さまに直接お会いしてお話を伺うというのは、熱量も含めて受け取れるので大変ありがたく思っています。
 若い方はオンラインの会のほうが参加しやすいので、次回は学生を対象にオンラインで開催いたします。いろいろな方法で皆さまから幅広いご意見をいただけるよう工夫しています。
 また、推しやオタクと言っていただけるようなNHKの在り方や、NHKのファン層を増やしていくことについて、随時取り組んでいきたいと思います。

(山名専務理事)
 NHK推し、NHKオタという人が堂々と名のりを上げられるように、NHKについて理解、共感していただけるような放送をしていかなければいけないと思いました。ありがとうございます。

【参加者】
 NHKのドラマは秀逸な作風が多く、本当におもしろいです。ニュースで朝ドラの次回作が発表されるときはドキドキします。ドラマは常に何作かの候補の中から選ばれているのでしょうか。

(山名専務理事)
 ドラマへのご支持をありがとうございます。朝ドラや大河はNHKの大きな看板ドラマですが、幾つかの中から選ぶということではなく、今の時代にどのようなメッセージを届けるべきかということを考えます。また、朝ドラであれば半年間ドラマを展開できるのかといったことや、朝ドラも大河もある地域を中心に描くことが多いので、なるべく全国いろいろな地域をとりあげるように、といったことも考えながら題材を選んでいます。
 大河も朝ドラも基本はオリジナルで作っていますので、複数の中から選ぶというより、そうしたことを考えながら企画を温め、その中で脚本を書く人が選ばれ、その脚本家といろいろ内容を構築していくということだと思います。

【参加者】
 ラジオをよく聴いており、特に毎朝「すっぴん!」から「らじるラボ」、「ふんわり」までをずっと聴いています。
 ことばの使い方について、今はディスる、バズる、エモい、マウントを取るといったことばが頻繁に使われます。報道でも、法令順守をコンプライアンスと言うなど、いかにも皆さんが承知しているかのように外国語がそのまま使われています。また、中継などでは、以前は「何々です」と言っていたものを、「この商品は何々になります」「こちらが何々になります」という言い方がされています。こうしたことばの使い方については、事前に協議したりするのでしょうか。

(山内理事)
 用語については、NHKは放送文化研究所という研究機関を持っており、そこで用語を常に研究しているグループがあります。そのグループを中心に用語委員会を定期的に開き、NHKだけではなく外部の有識者、日本を代表するような国語学者などにも入っていただき、定期的に審議しながら、このことばづかいをNHKの放送に乗せてよいのかなど、使えることばと使えないことばをきちんと決めています。
 例えばコンプライアンスということばは、かつては法令遵守と言い換えていましたが、片仮名語がそのまま使われる流れもある程度認めていくべきではないかとなってくるなど、時代や社会情勢に応じて変化しています。
 ただ、ご指摘のように、耳慣れない、意味が分からない、またニュースが伝わらないといったご意見もたくさんいただきますので、そうした意見をきちんと用語委員会に反映させて議論を行い、常にブラッシュアップしています。
 司会の井原アナウンサーのほうが得意かもしれませんが、アナウンサーやキャスター、記者は、常日頃、研修でブラッシュアップしています。
 時代に応じて使い方はある程度変えていきますが、そのときに一番大事なのは、視聴者の皆さまからのご意見をきちんと反映させていくということに尽きると思います。何か補足はありますか。

(司会)
 あとはアナウンサー各個人の意識、自覚、そして最後は視聴者の皆さまに対する愛と思いやりかなと思っております。

(明石委員)
 私たちの世代からすると、敬語はずいぶん乱れてきたように思いますが、山内理事が申し上げたように、やはりことばは生きているもので、時代とともにどんどん変わっていきます。敬語については、平成19年に国語審議会の文化審議会の国語答申に指針が出ています。インターネットで敬語の指針と検索すると、昔は誤用と言われていたけれども、今は大半の人が使っているので認められる、といったように書かれています。時代とともに、皆さんがそのように使うほうが分かりやすい、使いやすいとなると、誤用ではなくなるという傾向があるようです。
 ただ、正しく美しい日本語を後世に伝えていきたいなとも思いますので、そうした感覚は大切だなと思いました。

【参加者】
 要望ですが、先ほど話が出ていたNHKプラスで、オフラインで再生ができるようにしていただけたら、外でもギガの関係もなく見ることができます。今は電気代も上がっていて、携帯代なども少しでも安くしたいと思っている中で、家のWi-Fiでダウンロードしてオフラインで見られたらよいと思います。

(山内理事)
 ご要望はごもっともです。一方でこれをシステム的にどうかなえていくかということは、なかなか簡単ではないと思います。NHKプラスも決して今の形が百点満点だとは思っていませんので、これをどう進化させるか考えていく中で、今いただいたご意見をどこまで反映できるか、現場と相談していきたいと思います。

(司会)
 それでは、2つ目のテーマに移ります。地域放送・サービスについてご意見を伺いたいと思います。
 まず、佐賀放送局で行っている地域放送やサービスについて、楠井局長からご紹介させていただきます。

(楠井局長)
 まず、佐賀放送局の今までの歩みを簡単にご紹介します。
 佐賀放送局は1941年(昭和16年)に佐賀出張所として開設し、その年の12月にラジオ放送が始まりました。
 1968年(昭和43年)に佐賀市城内に放送会館ができ、去年まで50年以上にわたって放送を出し続けてまいりました。昨年5月にこちらの松原の放送会館に移転し、放送しています。
 新しい放送会館では、3つのことを意識しています。
 1つ目は、地域に開かれた放送局です。番組やイベントをさまざま開催して、たくさんのお客様にお越しいただきました。年間の来場者は新型コロナウイルス感染拡大の前に比べて3倍以上となっています。
 2つ目は、周辺環境と調和する環境に優しい建物となっている点です。焼き物どころの佐賀を意識して、外壁は陶片をイメージしたデザインになっています。また、陶片の廃材を建設にも活用するなど工夫して建てられています。
 3点目は、災害に強い放送局ということです。災害時でも正しい情報をきちんと皆さまにお届けし、放送に支障が出ることがないように設備を整え、訓練にも繰り返し取り組んでいます。
 次に、佐賀放送局で制作している番組についてご紹介します。
 佐賀放送局では地域の話題や課題、災害報道など毎日の暮らしに役立つ情報をお届けしたいと考えています。その代表が平日午後6時10分から放送している「ニュースただいま佐賀」です。地域の課題に向き合って地域を応援する情報番組としてお届けしています。気象予報士の佐賀に即した気象解説も非常に信頼を得ています。
 また、ことし4月から新コーナー「いまサガ」がスタートしました。「いまサガ」という名前のとおり、今、佐賀で起きていること、関心の高いことなどを日々お伝えしているコーナーです。記者、キャスター、ディレクターなどさまざまな職種がチームを組んで取材、制作にあたっています。
 次は、毎月第2金曜の午後7時30分から放送している「月刊 発見佐賀!食べごろギュッとくん」です。佐賀の知られざる魅力をお届けする番組で、公開番組のスタイルで生放送にてお届けしています。テーマもさまざまで、4月は10年ぶりに発掘作業が行われている吉野ヶ里遺跡を取り上げました。5月は梅雨の季節を前に水害に備える、「防災」をテーマにお届けしました。こうしたものが佐賀局を代表する番組です。
 また、2023年度も皆さまにご参加いただけるイベントがあります。NHK佐賀放送局の1階のロビーを使って開催するものもあります。開催が近づくと申込方法などの詳細をご案内しますので、ぜひご注目ください。
 さらに、ことし10月から、来年開催予定の「国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」の動きなどを切り口に、佐賀県すべての市と町を「ニュースただいま佐賀」で特集を行っていこうと計画しております。皆さまのお近くにもお邪魔するときがあると思いますので、ぜひご注目ください。
 NHK佐賀放送局の放送・サービスを、これからも日々活用、ご愛用いただければと思います。

(司会)
 5月にサガン鳥栖の中継、佐賀バルーナーズの中継で、いずれもこの場所でパブリックビューイングを行いました。7月には「ぼくの絵わたしの絵展」を、8月には最初の土日に行われる「栄の国まつり」の花火の生中継を行い、この場所を公開します。大河ドラマ「どうする家康」展も、この場所で開催いたします。
 それでは、2つ目のテーマです。地域放送・サービスについて皆さまからお話を伺ってまいりたいと思います。

【参加者】
 地域のニュースで夕方6時と夜8時45分の番組は必ず見るようにしていて、天気予報はとても信頼をしています。民放の天気予報よりもNHKの天気予報をとても信頼しており、出かけるときは、いつからどうなるのかを必ず確認して出かけるようにしています。
 「ニュースただいま佐賀」の中に「とっておきフォト」のコーナーがあり、ほとんど毎日やっていますが、金曜日に必ずやらなければいけないということではなく、金曜日は各地区のイベント情報を流していただくなど、臨機応変に対応していってほしいと思います。
 先日、佐賀市で火事があったのですが、冒頭に「火事です」と言っただけでした。具体的にどこなのかと視聴者は思うのですが、それで終わってしまったので、これではだめだと思いました。ほかの局ではきちんと実況も行っていて、ここで起こったということが分かり、さすがだと思いました。そのような現場の力というものが、NHK佐賀放送局には少し足りないと思いますので頑張ってほしいと思っています。

(司会)
 大変耳の痛い話です。

【参加者】
 城内にある旧NHK会館について、今もおそらく空きビルになっていると思うのですが、城内地区なので景観等もあると思います。今後どのようにされるのかお伺いしたいと思います。

(司会)
 移転してから1年以上たっていますので、気になっていらっしゃるのは十分理解いたします。

【参加者】
 去年の8月に「戦争の絵」の募集をされていたと思いますが、ことしもされますか。掲載や掲示のしかたは何か変わるのでしょうか。せっかくの夏休みなので子どもたちが近寄りやすいようにしてもらいたいと思います。
 お年寄りにいろいろな絵を描いていただくというコーナーですが、おじいちゃんたちが子どもだったときに作った工作などがあれば、子どもたちの夏休みの宿題の参考にもなるのではないでしょうか。また、ここにおじいちゃんが作ったものが置いてあるとなれば、「うちのおじいちゃん、すごいだろう」と子どもたちも思うのではないか、NHKにも親しみを持ちやすいのではないかと思っています。

(楠井局長)
 いろいろなご意見をありがとうございました。
 まず、旧会館の件からお話しさせていただきます。旧会館跡は県が購入しまして、将来、公園のような形で整備・活用していく予定だと聞いています。
 最初にご質問いただいた方も、本当によく見ていただいているのだなと感じました。ありがとうございます。まず、天気予報を信頼していただいているということは私もうれしく思いました。これから雨や熱中症などが気になる季節になりますので、引き続き頑張っていきたいと思います。
 また、金曜日に週末情報をというお話があったのですが、夕方6時10分の「ニュースただいま佐賀」の中では、県内で今週末にこのような動きがありますという「週末情報」をほぼ毎週お届けしています。その週によってボリューム感は多少違うところがあるかもしれませんが、週末の参考にしていただけるのではないかと思いますので、ぜひご覧ください。
 「とっておきフォト」という視聴者の方からの写真をご紹介するコーナーは、毎日1点か2点ほどをご紹介しています。併せてご紹介したほうが楽しんでいただけたり、内容がよく分かっていただけたりするときは、数を決めずに複数ご紹介することもあります。
 火事の話は、耳が痛い話です。番組の冒頭では確かに少ししかお伝えできなかったと思いますが、番組後半や、夜8時45分のニュースでは詳しくお伝えできていたと思います。早く知りたいと思われる視聴者の方も多いと思いますので、これからも頑張っていきたいと思います。
 ご質問いただいた「戦争の絵」について、ことしも今まさに募集を行っています。放送は8月を予定しており、こちらの佐賀放送局の会場でいただいた作品を展示したいと思っています。また周知をしますので、ぜひお越しください。

【参加者】
 民放と同じで、料理教室が少し多過ぎると思います。それも似たり寄ったりの練り物のような料理ばかりです。

(司会)
 夕方6時台の地域の放送で料理を扱うこともありますし、お昼前の九州・沖縄ブロック向けの放送でも料理コーナーを放送しています。

【参加者】
 地域放送サービスについての質問です。NHKはdボタンの活用のしかたをどのように考えていますか。dボタンの項目を見ると、NHKは全国版のことしか書いていません。他局では地域との連携をしているところが結構ありますが、佐賀放送局としてはどのように考えているのでしょうか。

(楠井局長)
 dボタンの活用について、ご質問をありがとうございます。
 dボタンについての活用はまだ足りていないところがあるかと思います。ニュースについてはすぐにアップされていますので、例えば気象や選挙の情報など、ご覧いただけると思います。もう少し充実させたほうがよいというお考えだと思いますので、検討していきたいと思います。

(司会)
 よろしければ、民放他社のこのような使い方、このような出し方、これが参考になるのではないか、といったようなことはありますか。

【参加者】
 関西では、それぞれの県や市町村と連携して契約を結んで行っているところもありますし、東北も震災の関係で地域の各市町村と連携して行っています。経営方針もありますし、いろいろと連携をしないといけないので、佐賀放送局と地域、市町村との契約になるのかと思います。ほかの市町村の話を聞くと、大々的に連携されているところが増えてきているので、そのあたりも参考になるかと思い、ご紹介させていただきました。

(楠井局長)
 ありがとうございます。dボタンを押すと、自治体の情報が得られるということですか。

【参加者】
 はい。関西でもありますし、東北のほうでもあります。

(楠井局長)
 ありがとうございます。
 午後6時台の「ニュースただいま佐賀」の料理コーナーでは、2週にわたって、最初の週は、例えばタマネギの最近の栽培状況などいろいろなお話をお伺いして、その翌週に今度はそれを使ってどんな料理ができるかと、2週にわたってご紹介しています。内容に厚みをつけているつもりですが、先ほどのご意見では、似たようなものがたくさんあるというお話だったので、ほかの放送局の状況も見ながら研究してみたいと思います。

【参加者】
 率直な意見として、NHKは見ないです。私は30代ですが、これぐらいの年齢の人たちに見てもらえるような内容を研究したり、対策を打ったりされているのでしょうか。実際に私の周りでも30代の人たちは見ていない人がほとんどですが、どのような対策をしているのでしょうか。そもそもターゲットにしていないのであれば問題ないとは思いますが、ターゲットにしているのであれば、お聞きしたいと思っています。

(司会)
 参考までにお伺いします。地域放送を放送している時間帯は夕方6時台と金曜日の夜7時半、平日の夜9時前の時間ですが、これらの時間はふだん何をされていますか。

【参加者】
 子どもが見たいものを見ているだけです。Eテレで、「アニメ おしりたんてい」などのアニメなどを見ることはあるのですが、地域放送の対象がどこなのかについても、そもそもNHKをつけて見ないので知識もありません。そのあたりも詳しくお聞きできたらうれしいです。

(司会)
 ありがとうございます。

【参加者】
 料理番組について、佐賀放送局では時々しか見ていないのですが、西九州大学の先生がされている料理と、東京の先生の料理では、調味料や材料の使い方が違うのです。私は、東京の先生の料理はどうも口に合いません。佐賀の先生の料理は非常においしいので、佐賀放送局の料理番組は本当にありがたいです。

(司会)
 よく見ていただいているというご意見と、正直見ないというご意見を伺いました。そのほかに、私はこのような角度から意見をぜひ言ってみたいという方はいらっしゃいますか。

【参加者】
 佐賀放送局のニュース番組についてお尋ねします。先ほど佐賀の火災の話題がありましたが、民放では早かったのに、NHK佐賀放送局ではほかの番組をやっていて、なかなか放送が間に合わなかったということでした。その火事は私も夕方6時前後から見ていたのですが、消防車やパトカーもなかなか来ませんでした。10分遅れぐらいで来たのですが、NHKもそばにいるのですから、画像だけでなく記者が行って現場からの放送などをしないのでしょうか。
 NHKは全国ニュースでは、全国のあちこちから報道カメラマンや記者が「あそこでどのようなことが起こりました」、「立て籠もりがありました」と放送を中断しながらレポートする場合がありますが、佐賀のニュースを見ていると、民放もそうですが、佐賀と言いながらも佐賀市内や鳥栖近辺のことがほとんどです。佐賀県全体の、例えば太良町、鹿島、有田、伊万里、唐津や、東松浦などの長崎県との県境の辺りの話題はありません。「質のよい」と言いながらも、特定の地域が多いのです。町の大小にかかわらずコメントをしてほしい、選別せず真実を放送してほしいと思います。

(楠井局長)
 まず、30代をターゲットにしていないということはありません。どの年代についても、ぜひ見ていただきたいと考えています。対策もいろいろ行っていて、例えばニュースの中で子育て中のご家族に注目されるようなテーマを取り上げてみたり、小学生のお子さまのいるご家族が、いま関心が高いのではないかということを取り上げてみたりと、意識していることもあります。
 この会館がオープンするときには、隣の「ARKS(アルクス)」も使い、多くの親子連れに喜んでいただくイベントとして、Eテレのキャラクターを呼んだショーなども行いました。さまざまな接点をつくりながら、「ニュースただいま佐賀」などのNHK佐賀放送局の放送も見ていただこうと、取り組みを続けているところです。
 ご意見いただいたことも十分受け止めて、これからも工夫しながら、さらに多方面から取り組んでいきたいと思います。
 お料理の話は興味深かったです。それぞれのよさや、メリット・デメリットがあるのかもしれないと思いながら伺いました。そのあたりの多様性も、NHKの放送の中で引き続き伝えていければと思っています。
 県内くまなくいろいろな地域のニュースや話題を伝えてほしいということは、本当におっしゃるとおりだと思います。私たちも同じ気持ちで放送しておりまして、県西部のニュースや、有明海方面のニュースなども取り上げているつもりなのですが、われわれもいま一度、意識していきたいと思います。
 しかし、大きな災害や注目すべき事件・事故などのニュースや大きい動きがあると、しばらくはどうしてもそのニュースが続くこともあったと思います。例えば、鳥栖で大きなことがあれば、何日かそのようなニュースが続いたことは否めないと思います。
 県全域のいろいろな町、市の情報をお伝えしていくことは、私たちにとっても重要なことだと認識しています。これからも局内で共有し、取り組んでいきたいと思います。

【参加者】
 好きなテレビ番組は「ドキュメント72時間」と「YUYAのオーレ!サガン鳥栖」です。
 質問ですが、佐賀放送局ではパブリックビューイングなどもやっていますが、それに比べて全国放送のBS1でのサガン鳥栖の試合が少ないように思います。気のせいでしょうか。
 もう一つ、先ほどのお話で国民スポーツ大会の特集があるということで、とても期待しています。佐賀バルーナーズ、レッドトルネードSAGA、久光スプリングスなどの情報なども併せて発信し続けていただけるとよいと思います。

【参加者】
 子育て中で仕事もしているので、テレビを見る機会が減っているのですが、ローカル放送だけはたくさん見るようにしています。その中でも、イベントなどはとても多彩な取り組みをされていて、行きたいと感じるものがたくさんあります。
 ローカル放送をここ10年ぐらい拝見していく中で、番組数がかなり減ってしまい、地元の人の顔が見える機会が少なくなって寂しいと思っています。
 先ほどお話もあったイベント情報については、以前は主催者の方が出てインタビューをされたり、「とっておきフォト」の前には視聴者がビデオを撮影して送ったりするコーナーが30年ぐらいあったかと思います。
 今後、もし地元の人の顔が見えるような番組を作られるご予定や、そのような機会を考えていらっしゃるようであれば、ぜひ、教えていただきたいです。

【参加者】
 地域放送、特に夕方6時10分からのニュースの中で、裁判の報道があったときには冒頭に大体裁判所の建物の映像が映されます。5秒、10秒の時間、建物の映像だけが流れるのがとてももったいないと何十年も感じていました。裁判の報道なので、当事者を映すのは権利などの関係で難しいのかと思いますが、佐賀県の裁判所の緑色の看板だけを5秒、10秒と映すのであれば、この時間に違う映像を盛り込んだり、裁判に関した静止画でもよいので私たちが事件に伴った想像ができるような、視聴者に与える情報が盛り込まれたりするとよいと思います。
 おそらくここに来られている視聴者の皆さんも同じように感じているのではないかと思いますが、その5秒、10秒の間に何か情報をいただけると、その次に報道される裁判へのアドバイス、頭のヒントになるのではないかと感じています。
 同じように、いま佐賀でオスプレイも大変問題になっていますが、ニュースで上空から映した佐賀平野の田んぼの映像ばかりが連日繰り返し流されます。その5秒ほどがとてももったいないと思います。最新の情報や、映像が盛り込まれることはないのでしょうか。裁判、オスプレイとも、同じような映像の使い回しがとてももったいないと思っています。

(司会)
 ニュースや番組のつくり方、本数についてのご指摘、ご意見がありました。また、サガン鳥栖の試合の中継についてのご指摘、ご意見もありました。

(楠井局長)
 「YUYAのオーレ!サガン鳥栖」を楽しみにしていただいているという声を聞いて、本当にうれしく思います。ありがとうございます。佐賀バルーナーズはB1昇格が決まりましたし、久光スプリングス、レッドトルネードSAGAもこれからの活躍が期待できるチームだと思いますので、これからの状況を見ながら活躍のシーンなどをお届けしたいと考えています。
 ローカル放送をご覧いただいているというご意見も非常にありがたく承りました。地元の方の顔が見えるコーナーがあったらよいのではというご意見もおっしゃるとおりです。顔が見えることが大事ということは、私たちもいま一度、目を向けなければいけないところではないかと思いますので、局内でも話をしたいと思います。
 地域の方たちの顔が見えることで、NHK佐賀放送局の仕事を身近に感じていただけるきっかけにもなりうるかと思いますし、大事なご意見をいただいたと受け止めました。

(山内理事)
 ご意見ありがとうございます。裁判などの映像のご指摘については、佐賀放送局のニュースのつくり方の問題というよりは、NHKだけでなくテレビニュースのつくり方の問題の、かなり本質的なところを突いていただいていると思います。
 電子紙芝居という形で始まったテレビがどんどん進化していって、いろいろな映像が撮れるようになってきている一方で、撮れない映像もあったりします。
 裁判に関わる映像というのは、その最たるものです。裁判長たちが来て被告人がまだ来ていないところで、頭撮りといって1分間だけ映像を撮ることができるので、それで裁判のニュースを伝えていきます。映像が足りないので、裁判所の看板を撮ったり、外観の建物を撮ったりしながら、裁判のニュースを伝えていくというのが、NHKに限らずテレビニュースでの裁判ニュースの典型的な形なのです。
 ご指摘は、その時間があるのであれば、そもそもこの事件は何だったのか、この裁判の問題は一体どこにあるのかということを伝えるような、映像込みで裁判のニュースを伝えてほしいという話だと思いますので、まさにどのような形の映像で構成していくのかだと思います。
 事件であれば、その事件当時の映像がある程度はありますが、映像がない問題や民事的な問題であったりする場合は、裁判と組み合わせて伝えるのが非常に難しいところがありますので、まだまだ解決しなければいけない課題だと思います。
 オスプレイのニュースも全く一緒です。まだ来ていないものをどうやって映像化するのかが問題であり、しようがないのでヘリコプターで撮った映像を流すということです。これは、よく東京の経済ニュースでスカイツリーから撮った東京の映像が出てきたり、丸の内を歩いているサラリーマンの足元だけを撮って、そこに映像を乗せたりすることと大体一緒なのです。無いものをどう伝えるかは、非常に苦し紛れの映像編集です。ここをどのような形で伝えていくのが一番よいのか、本当にテレビであるがゆえのジレンマだと思っています。いただいたご意見を現場と練りながらブラッシュアップして、もっとよいものにしていき、「NHKのニュースが変わったな」と思っていただけるように少しでも工夫していきたいと思っています。

(司会)
 先ほどのスポーツ中継の試合、対戦カードの決まり方などについても、お答えをお願いします。

(山内理事)
 スポーツについては、本当に多くのご要望があります。一方で、スポーツの権料というものがあり、スポーツを放送するためには受信料から一定の権料も払わなければいけませんので、すべてをかなえていくわけにもいかないというところです。
 しかし、ローカル放送のサービスと地域のスポーツは、本当に密接に絡み合っていて、地域の人たち、それこそ30代の人にもNHKの番組を見ていただく接点として最大の効果を発揮するものだと思っています。ここについては、ほかのものを絞ってでも何とか生み出していかなければいけない大きな課題ではないかと考えています。ありがとうございました。

【参加者】
 佐賀県にはサガテレビがありますが、協力して合同で番組を作るなどの考えはあるのでしょうか。それともライバル関係として、視聴者の取り合いのような形で考えているのでしょうか。サガテレビとの関係をお聞きしたいです。

(司会)
 ご質問いただいた方は、サガテレビの関係者の方でしょうか。

【参加者】
 違います。サガテレビのアナウンサーは地元の人ばかりなのですが、NHKのアナウンサーは全国から来られて、やっと名前を覚えたころには戻られてしまいます。アナウンサーどうしの会話や、協力関係を築いていけば、佐賀も盛り上がっていけるのではないかと思っているので、よろしくお願いします。

(司会)
 ありがとうございます。

(楠井局長)
 サガテレビの方とはいろいろな場所でよく会いますし、とても仲よくしていただいています。
 今、具体的ななにかを一緒にやるという予定は無いのですが、放送上のことで日常的に一緒に業務にあたったり、放送に出ないところでもやりとりがありますし、そのような意味で協力しあっています。
 今、ご指摘いただいたのは、それよりも目に見える形で一緒に番組を作るといったお話だと思いますので、これから考えていきたいと思います。

(司会)
 補足ですが、実績としてお伝えできることとして、2020年、コロナ禍が始まってすぐのときに、サガテレビのアナウンサーとNHK佐賀放送局のアナウンサーで、あちらはCM枠、こちらはスポットと呼んでいる枠に両局のアナウンサーが出演して、コロナ禍ですが頑張っていこうという内容のキャンペーンを何か月間か一緒に放送したこともありました。今後も機会があれば、ぜひ手を組んでやっていきたいと思います。

(礒山委員)
 ただいまのご意見について、経営委員の立場で少し補足させていただきます。
 佐賀県は民放が1局しかありませんが、福岡の放送が入りますので、全国の放送が見られます。ただ、これから民放の経営は、大変厳しくなるとも言われています。NHKと地域の民放との連携、ハード面でも電波塔などの施設をつくらなければならないといったことや、デジタル化もどんどん進んでいくなかで、民放とNHKが協力してやりましょうといった方向性があることを申し添えておきます。

(司会)
 本日はさまざまなご意見をありがとうございました。皆さまのご協力のおかげで、本当に多様なご意見をお伺いすることができました。
 会を締めくくるにあたり、経営委員から全体を通じてひと言申し上げます。

(明石委員)
 対面方式の「視聴者のみなさまと語る会」は久しぶりだったのですが、やはり直接お顔を拝見して、ご意見を伺うのはよいなと思いました。
 また、佐賀の皆さまが、地域を非常に愛していらっしゃるということがとてもよく分かりました。本日いただいた貴重なご意見は、東京に持ち帰り、経営委員会の中で反映させていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

(礒山委員)
 本日は本当にありがとうございました。これからのNHKの経営に参考になるご意見をたくさんいただきました。
 30代の子育て中の方からも質問がありましたが、やはり、30代、20代の方々との接触をどうするか、NHKを見ていただけるようなものをどう作っていくかということだと思います。
 例えば学生向けには、学生と一緒に作るような番組で、学校にあるいろいろなノウハウを紹介していくといったことや、大学の学識の中で行われていることについて伝えていくということも考えられます。また、子育て中のいろいろな方が参画できる番組を作るなど、今、空白になっている20代、30代、40代前半の方々に接触が増えるような工夫をこれからしていきたいと思っています。
 今後ともNHKに対するご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

(司会)
 最後に、佐賀放送局の楠井局長からごあいさつを申し上げます。

(楠井局長)
 本日はどうもありがとうございました。本当によく見ていただいていると思う場面がたくさんありましたし、見ていただいていることに応えられるように、これから何ができるかをしっかりと局内で相談・議論を行い、頑張っていきたいと思います。
 引き続きどうぞよろしくお願いします。

(司会)
 視聴者のみなさまと語る会(佐賀)はこれで終了とさせていただきます。きょうは貴重なご意見をありがとうございました。

 

 

 

<視聴者のみなさまと語る会(佐賀)> 参加者事後アンケート

※単位は回答人数

質問1:性別

男性 女性 その他 無回答
12 10 0 0

質問2:年代

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代〜
0 1 2 3 5 4 4 3

質問3:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 ふつう 不満 大変不満 無回答
10 9 2 0 0 1

質問4:NHKの放送・サービスについて理解や関心が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
11 8 2 0 0 1

質問5:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 少し知っていた あまり知らなかった ほとんど知らなかった 無回答
0 4 8 10 0

質問6:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

大変深まった 少し深まった 変わらない あまり
深まらなかった
ほとんど
深まらなかった
無回答
8 12 0 1 0 1