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2019年度 第4回
NHKホゴシャーズ・トークin横浜
〜視聴者のみなさまと語る会〜
(2019年10月5日(土)開催)

 

<会 合 の 概 要>

 「経営委員会による受信者意見聴取」の2019年度第4回は、小・中学生の保護者とそのお子さまを対象に、「NHKホゴシャーズ・トーク in 横浜〜視聴者のみなさまと語る会〜」と題して、横浜放送局で開催した。
 「さまざまな年代の視聴者からの意見聴取」を実現することを目指し、今回は、「子育て世代」から意見を伺う会を新たな形式として企画した。
 当日は、参加した保護者の皆さまとお子さまを2つのグループに分け、各グループに経営委員、理事がそれぞれ加わり、大人27人、子ども7人、合計34人から意見を聴取した。

 

<会 合 の 名 称>

「NHKホゴシャーズ・トークin横浜〜視聴者のみなさまと語る会〜」
 ※「ホゴシャーズ」=Eテレ「ウワサの保護者会」で、保護者の皆さまの意味で使われていることば。

 

<会 合 日 時>

2019年10月5日(土) 午後1時30分〜2時50分

 

<出  席  者>

〔視 聴 者〕

小・中学生の保護者の皆さま 27人とお子さま7人

〔経営委員〕

佐藤 友美子 (委員)

 

渡邊 博美  (委員)

〔執 行 部〕

荒木 裕志  (専務理事)

 

鈴木 郁子  (理事)

〔 司 会 〕

高山 哲哉   アナウンサー

 

< 会    場 >

 NHK横浜放送局(横浜市中区)

 

< 開 催 項 目>

 以下のとおり進行した。

 

1 開会あいさつ

2 経営委員による説明

  「経営委員会について」

  「常時同時配信の時代へ〜公共メディアへの進化」

  「小・中学生向けのさまざまなNHKの放送やサービス、事業」

3 意見の聴取(グループトーク)

4 閉会あいさつ

 

  「視聴者のみなさまと語る会」終了後、「どうなる?これからの教育・子育て」と題して、「ウワサの保護者会」の岡本朋子チーフ・プロデューサーと高山哲哉アナウンサーによる講演会を開催した。

 

<概要・反響・評価>

  • 参加者の募集にあたっては、テレビ・ラジオでの周知に加え、「ウワサの保護者会」のホームページでの案内、および横浜市内のPTAへのチラシの配布などを行い、38人の応募をいただき、全員に参加案内を送付した。
    当日は、大人27人、子ども7人、合計34人が参加した。

  • 経営委員による説明では、Eテレを中心とした小・中学生向けのさまざまなNHKの放送やサービス、事業について説明を行った。

  • 当日は、2つに分かれ、グループトークを行った。事前のアンケートでいただいたご意見をキーワードにして箱に入れ、出席者が次のキーワードを引く形でトークが進行した。

  • 大人だけでなく、小・中学生の子どもたちもグループトークに参加し、率直で多岐にわたる意見や提言が寄せられた。「受信料制度とは何か」「インターネット時代におけるテレビ」「公平・公正な報道」「多様性を尊重した番組制作」「番組と連動したイベントの実施」などについて発言があった。

  • 語る会終了後に行ったアンケートには、34人から回答があった。主なアンケートの結果は次のとおり。

    <参加者の満足度>
     「大変満足」11人、「満足」16人、「普通」3人、「不満」0人、「大変不満」1人、未記入3人

    <経営委員会について>
     「今回のイベントに参加して、経営委員会の活動について理解が深まりましたか」との質問に対し、「理解が深まった」との回答が26人からあった。


《協会の基本方針・重要事項の説明》

(佐藤委員)

 経営委員の佐藤友美子です。
 小学生・中学生のお子さんを持つ保護者の皆さん、きょうは「NHKホゴシャーズ・トークin横浜」にお忙しい中ご来場いただき、ありがとうございます。経営委員として、子育て世代の皆さんからNHKについてのご意見を聞きたいと思っておりましたので、きょうはこの貴重な機会をありがたく思っています。
 私は経営委員として、NHKに関わっていますので、NHKの運営がどのような体制で行われているのか、ご説明させていただきたいと思います。
 NHKの経営委員は放送法という法律に基づき、国会の同意を得て、内閣総理大臣から任命されています。さまざまな分野や地域から12人の委員がいます。
 経営委員会では、経営の基本方針や予算、事業計画などを決めています。また、NHK会長の任命も行います。
 会長や副会長、理事らが、決められた方針に沿って、NHKを運営できているかどうかをチェックすることも、私たちの仕事です。
 また、経営委員の中から、監査委員が任命され、経営委員と会長以下の役員の職務の状況を確認しています。きょう参加している私と渡邊委員は、監査委員でもあります。
 私たち委員は、NHKの経営にあたり、視聴者のご意見もふまえ、適切な判断や検討を行うことが求められています。そのため、放送法に基づき、きょうのように、皆さまから直接お話を伺う会合を各地で開いています。
 テレビ、そして、インターネットの時代へとメディアをめぐる環境は大きく変化しています。NHKは、現在、スマートフォンのアプリなどでニュースや国際放送、ラジオなどのインターネットサービスを提供していますが、総合テレビとEテレの放送をパソコンやスマートフォンで、いつでもどこでもご覧いただけることを目指しています。
 また、受信料の値下げも実施します。今月、消費税率引き上げが行われましたが、受信料はそのままで、地上契約と衛星契約が実質2%値下げになりました。そして、来年10月から、それぞれ2.5%値下げします。トータルで、4.5%程度の値下げとなります。
 受信料のご負担を減らすため、経済的に厳しい状況にある学生への免除などを実施しています。また、今月から、新たにテレビなどを設置された方については、設置した月についても、受信料のお支払いが無料になりました。
 皆さまに公平に負担していただく受信料だからこそ、特定の利益や意向に左右されることなく、公共放送NHKとしての役割を果たすことができます。こうした考えから、テレビなどをお持ちの方は、NHKと受信契約いただくことが法律で定められています。ぜひNHKの活動についてより深く知っていただき、ご理解をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
 さて、NHKがどのような放送の未来を描き、皆さまにとってどんな存在でありたいと思っているのか、それが書かれているのが「NHK経営計画」です。現在の「経営計画」については、きょう皆さまにお渡しした資料の中に要約版がありますので、ご覧いただければと思います。この資料の右上に、NHKが追求する6つの「公共的価値」が示されています。その大切な価値の一つが、「教育と福祉への貢献」です。
 ところで、今、渋谷のNHKスタジオパークの入り口には、NHKの幼児・子ども向け番組に登場してきたキャラクターたちの年表のパネルがあります。この中に、皆さんが小さなころ、ご覧になったキャラクターはいますでしょうか。そして、お子さんが小さいころに一緒に見たり、踊ったりした番組のキャラクターはいますか。
 世界初の教育専門テレビチャンネルとして、NHK教育テレビジョンが開局したのは1959年のことです。その後「Eテレ」に名前が変わり、ことしで開局60年。キャラクターたちはテレビの中で生き続け、子どもたちに愛されています。
 皆さんのお子さんはもう幼児向け番組を卒業していると思いますが、Eテレは「学びのつながり」を意識し、小学生や中学生に向けても、さまざまな取り組みをしています。
 放送後も、番組を見ていただけるようにインターネットサービスでも番組を配信しています。ことし新しくスタートした「NHKキッズ」アプリは幼児から小学校低学年向けです。小・中学生向けの教育番組は「NHK for School」、高校生向けには「NHK高校講座」のサイトと、ホームページやスマートフォンのアプリで視聴することができます。
 また、NHKの番組を使った授業に取り組む全国の先生たちと連携し、子どもたちの学びのために放送教育の研究を深め、番組への評価を制作者にもフィードバックをしています。
 放送と連動した事業の取り組みとして、学校向けイベントの充実も図っています。「NHK全国学校音楽コンクール」、通称“Nコン”はことしで86回を重ねました。また、中学生や高校生が日頃の放送活動の成果を競う「全国放送コンテスト」やN響のメンバーによる「NHKこども音楽クラブ」など、年間を通じてさまざまなイベントを実施しています。
 こうした子ども向けのコンテンツやサービスのご紹介については、きょうお配りした「NHK for School」の冊子に詳細が掲載されていますので、ぜひお子さんと一緒にご覧ください。
 これからもNHKは公共メディアとして皆さまのお役に立ちたいと考えています。皆さまがNHKに期待してくださっていることはどんなことでしょうか。ぜひ、グループトークでお聞かせください。きょうご参加のお子さんたちからもぜひお話を伺いたいです。いただいたご意見をNHKの経営に生かしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

≪グループトーク≫

 

 グループトークでは、「今、公共メディアに期待していること」をテーマに意見聴取を行った。活発に意見を出していただくため、参加者から事前にいただいたご意見をもとに、意見のキーワードを書いた紙を箱に入れ、その中から次のテーマを参加者に引いていただく形で進行した。テーマは文中、< >で示している。

 

 

○どーもグループ  佐藤友美子委員、荒木裕志専務理事
            (司会)高山 哲哉 アナウンサー

 

<保護者世代にぴったりの番組を>

【会場参加者】
 今、引きこもりの人が増えていると思います。過去に引きこもりだった人たちが、何がきっかけで社会に出ていくことができたのかを知りたいです。20代、30代の引きこもりの人が知り合いにもいるので、そのような番組をつくってほしいと思います。

(司会)
 「ウワサの保護者会」は10代の子育てを考える番組ですが、「不登校」をテーマにしたことがあります。

【会場参加者】
 私には男の子が二人いる母子家庭の友達がいます。離婚してしまうと、今後の生活に不安を抱えてしまうなどの悩みがあるようです。また、その友達は乳がんになってしまい、仕事と両立できるのか、子どもが二人いるけどどうしようか、という悩みも抱えています。同じような悩みを抱えている人はたくさんいると思いますので、NHKで取り上げてくれたら、見る方がいると思います。

【会場参加者】
 今、15歳と0歳の子どもがいます。子どもの年齢が離れ過ぎて、15年前の子育ての常識が通用せず、道具や行政のサポートも、三年一昔で全然違います。今は、いろいろな子育ての道具が増えており、例えば哺乳瓶もミルクもたくさんの情報があり、これでよいかと思って買ってきても、うまく使えないことがありました。

(司会)
 番組と一緒に、すぐに役立つ情報も詳しく知りたいという点も、公共メディアの果たす役割の一つとして期待されているようです。

(荒木専務理事)
 放送だけでは届けきることができないことも、インターネットを活用して届けていきたいと考えています。それが今、公共放送から公共メディアへ進化したい理由の一つです。

(佐藤委員)
 私も孫がおりますが、おばあちゃん世代は、皆さんのような世代とギャップがあると思いますが、そういった点で苦労したことはありませんか。

【会場参加者】
 あります。子どもの教育に関して、私と妻は話し合っていますが、母親や義理の母からは、それは違うのではないかと言われることがあります。それは、私たちが育ったころの常識と今の常識が違うからだと思います。今、周りでもおばあちゃんが子育ての代行をしている人が多いので、親子のギャップを埋めるような番組があったらよいと思います。

【会場参加者】
 二つあります。ひとつは日本の子どもは自己肯定感が低いと言われているので、自己肯定感の高い子どもの親を取材していただいて、どういう子育てをしたら自己肯定感の高い子どもに育つのかを知りたいです。もうひとつは、男性の育児参加を促すような番組をつくっていただきたいと思います。

【会場参加者】
 私が子育てしていて不便だと思っていることがあります。子ども達の遊び場が公園や公民館のような場所しかないことです。今の時代の子どもたちは、どこへ行けば安心して遊ぶことができるのだろうと思います。親が連れて行きやすいところや、どんなところで遊べるかなどの情報を提供してほしいと思います。

【会場参加者】
 NHKが伝えるのであれば、確かな情報ということがあるので、やはり遊べる場所というのも、きちんと取材してほしいと思います。ネットでは場所だけ載っていますが、その場所がどういう場所なのかという情報まではわかりません。NHKがきちんと確かめて伝えられると、安心できると思います。

(司会)
 公共メディアだからこそ届けられる情報を大切に、その伝え方も工夫していきたいと思います。

 

<イベントを充実させてほしい>

(司会)
 NHKではさまざまなイベントを行っています。ぜひ、「こんなイベントがあったらいいな」というご意見もお聞かせください。

【会場参加者】(子ども)
 駅弁をいっぱい買えるイベントをしてほしいです。

(荒木専務理事)
 NHKでは海外向けの放送もしていますが、その人気番組のひとつに「BENTO EXPO」という番組があります。これは、日本のお弁当を世界に紹介する番組で、外国の人によくご覧いただいています。

(佐藤委員)
 横浜放送局では、たくさんのイベントを積極的に行っています。参加されたことはありますか。

【会場参加者】
 ラグビーのワールドカップの時に、横浜局で4K放送のパブリックビューイングがあり、応募したら当たったので見に来ました。全然ルールとか知らなかったのですが、一体感が生まれて、楽しく試合を見ることができました。

【会場参加者】
 今、子どもたちの個性を伸ばそうと言われています。個性にもいろいろ種類があるので、どうやってその個性を伸ばしていくのか、どんなものを個性と呼ぶのか、そのようなことを見つけることができるイベントがあるとよいと思います。

(司会)
 親だけでなく、例えば専門家やほかの人から見たらどうなのか。それを知ることによって、子どもも自分の個性に自信が持てるということでしょうか。

【会場参加者】
 その個性を伸ばしていけると楽しいと思います。今の小中学校は、平均点が中心の教育になっていますが、私はそこから飛び出ている子のほうが将来楽しみだと思っています。しかし、AIを活用する時代になって、平均点の子どもたちは不安なところもあると思いますので、個性を見つけることができて、生き生きとできる場所を発見できるきっかけとなるイベントがあるとよいと思います。

(荒木専務理事)
 先ほどお話があったように、日本の子どもたちは、自己肯定感が低いというところにも関係があるのではないかと思います。

(司会)
 「これからの時代に必要だ」と言われているものが、よりわかるイベントがあるとよいということですね。ありがとうございます。

【会場参加者】
 中学生の息子は時間があればスマホばかり見ていて、テレビを全然見ません。私は、ニュースを通じて世の中に関心を持ってほしいと思います。そして、そういう社会課題をテーマにした中高生向けのイベントをしてほしいと思います。テーマは憲法の話やプラスチックの問題、少子化や税金の話など、いろいろあると思いますが、堅苦しくなく、やわらかい形で参加しやすいイベントにしてほしいです。そういうことを通じて、中高生の視野を広げていけたらよいと思います。

【会場参加者】
 そのようなことに関心を持っている中高生も、中にはいると思います。また、同世代が、そのようなことに関心を持っていることを知るだけでも、違うと思います。

(佐藤委員)
 大学で、余った食べ物をみんなで持ち寄って料理するサルベージパーティーというのをやったことがありますが、さまざまな会話が生まれて盛り上がりました。学習という漢字ではないですが、結果的には食べ物を残してはいけないということを感じたのではないかと思います。勉強する、というスタンスでなくてもいろいろ学べるとよいですね。

【会場参加者】(子ども)
 ふだんは同じような年代でしか話すことがないと思うので、もっといろいろな世代の人が一緒に楽しめるイベントがあってもよいのではないかと思います。

(荒木専務理事)
 例えば、どの世代の人と一緒に話をしてみたいですか。

【会場参加者】(子ども)
 先ほど個性が育たないとの話もありましたが、中学校や小学校とかの校内だけではその中だけの世界になってしまい、孤立してしまうこともあると思います。おじいさんやおばあさんの世代はもちろんですが、親世代やいろいろな世代の方と、一緒に楽しめたらよいと思います。

(司会)
 インターネットの進化で、個々の好奇心は満たされ、よく知らない人とも簡単に出会える時代になりましたが、NHKが間に入ることで、安心して確かな情報をやりとりできることを期待されているということでしょうか。

(佐藤委員)
 多くのことが年代で区切られてしまっているところもあると思います。もっと共通の話題で区切ってみたら、違う世界が見えてくるかもしれません。

 

<受信料について>

【会場参加者】
 消費税が上がっても受信料額が上がらないことを聞いて、とてもうれしかったです。

(荒木専務理事)
 来年10月に、受信料はまた2.5%下げる予定です。

【会場参加者】
 私は、無料のメディアにはあまり信頼できる情報がないので、NHKや有料のメディアにお金を払って、信頼できる情報を得るようにしています。また、NHKには民間ではできないことをやっていただきたいと思います。受信料はきちんと支払うので、よい放送を長く続けてほしいと思います。

【会場参加者】
 私も同じことを思っています。今とてもよい番組をつくっていると思うので、これを維持してほしいと思います。また、全国各地で災害が多いことから、災害に関する情報を一番正確に伝えているのはNHKだと思っているので、続けてほしいと思います。

【会場参加者】
 受信料を支払っている人といない人がいて、支払っている人だけが見ることができるスクランブル放送が話題になっていますが、実際はどうなのでしょうか。

(荒木専務理事)
 スクランブル放送とは、見たい人だけがお金を支払って見ればよい、と言うことです。このご意見は昔からありますが、多くの方に番組や情報をあまねく伝えるという公共放送の役割が果たせなくなってしまいますので、現行の受信料制度についてご理解いただき、多くの皆さまに受信料を支払っていただいています。世界にもいろいろ公共放送はありますが、スクランブル方式を採用している公共放送はほとんどありません。災害情報を的確・迅速に発信すること、暮らしを豊かにする番組を発信すること、視聴率に左右されずにいろいろな番組・情報を提供できることなどを保証するためには、受信料制度は必要だと考えています。

【会場参加者】
 誰もが支払えばよいけど、中には支払っていない人もいるので、支払っている側から見れば、とても不公平に感じます。

(荒木専務理事)
 ごもっともなことです。NHKでは、お支払いいただけていないお宅を一軒一軒回り、毎年1ポイントずつですが支払率を上げています。なかなか行き届いていないというご指摘もありますが、公平負担のためにそのような努力をしていますので、ご理解いただきたいと思います。

【会場参加者】
 私は海外ドラマがとても好きで、10年くらい前までは最後のシーズンまで総合テレビで放送していましたが、最近はシーズン1だけ総合テレビで放送して、あとは衛星放送で放送するようになってしまいました。衛星放送は受信料が高くて支払うことができないので、ぜひシーズン2以降も総合テレビで放送してほしいです。

(荒木専務理事)
 われわれは視聴者から寄せられているご意見やご要望は、本当によく読んでいますので、ご要望がありましたら、ぜひお寄せください。

【会場参加者】(子ども)
 私は受信料をなぜ支払う必要があるのか、根本的にわかっていません。

(佐藤委員)
 受信料制度がなぜできたかについてご説明します。太平洋戦争の時に、放送が国民の戦う気持ちを高めるために使われました。戦争をとめさせるのではなく、後押しをしてしまったという苦い経験があります。このことを反省し、二度とこのようなことがないように、昭和25年に成立した放送法に基づいてNHKが設立され、公共放送として、中立な立場で正確な情報を皆さんに公平にお届けする、ということになりました。税金にしてしまうと、NHKの運営資金が国家権力に依存することになりますので、NHKの事業運営の自主性が損なわれてしまうおそれがあります。そのため、皆さまから負担金という形で受信料をお支払いいただき、それを公共のために使って放送しているという仕組みになっています。

【会場参加者】(子ども)
 その仕組みそのものを、みんな知らないと思います。

(佐藤委員)
 確かに、今の話は皆さん知らないことかもしれません。このような歴史がある中で、戦争にならないようにと強く心に誓って、この放送法ができています。

(荒木専務理事)
 とても重要で、とてもよい問いだと思います。そういう視点でNHKはどうしてできたのか、なぜ受信料制度があるのかを考えてみると、そこからいろいろなことを知ることができると思います。

(佐藤委員)
 NHKも、これからも今の受信料制度を維持するためには、若い人向けにそういう番組をつくっていくことも必要ですね。ご意見ありがとうございます。

(司会)
 民放は、企業などのスポンサーからお金をもらって番組をつくっています。NHKは、視聴者の皆さんおひとりおひとりがスポンサーです。お金だけでなく、ご意見もいただき、番組づくりに生かしています。「視聴者のみなさまと語る会」も、その大切な機会です。本日いただいたご意見も、これからの番組づくりやイベントづくりにつなげていきます。

 

<良質な番組とは>

【会場参加者】
 わたしはドキュメンタリーがとても好きなので、いろいろな意見に傾くことなく、事実をありのままに放送してくれる番組が、よい番組だと思います。

【会場参加者】
 どこにも忖度しない番組をつくってほしいと思います。
 また、「ダーウィンが来た!」のように迫力がある自然番組など、映像で人に感動を与えることができる番組は、NHKでしか見ることができないと思います。

(荒木専務理事)
 受信料制度の存在意義は、どこにも影響されず、忖度しない、どこからも規制されない、強制されない番組をつくるために、皆さまから公平に負担していただくということであり、まさにその部分がわれわれの生命線です。いろいろな指摘はありますが、現場では本当に一生懸命よい番組をつくろうとしています。ですから、その点は信じていただきたいと思いますし、引き続き目指していきたいと考えています。

【会場参加者】
 ドキュメンタリーの「ノーナレ」という番組は、ナレーションがまったくなく、ただ淡々と事実を見ることができる番組ですばらしいです。また、Eテレの「u&i」という子ども向けの多様性をテーマにした番組は、ユウ君とアイちゃんという二人が、私と向こう側から見た私であったり、そこに博士がいて客観的に専門的なアドバイスがあったりと、自分で考えることに限度があるお子さんには、こんな見方、あんな見方と、多角的な見方や捉え方を感じ取れるような番組で、とても良質だと思います。
 また、NHKのドラマは最近すばらしく、見逃せない番組がたくさんあります。深夜に放送されて、ゾンビが登場するドラマは、「NHKはこんな冒険をするんだ」と思いました。あのような若い新しい視点のドラマを、たくさんつくってほしいと思います。

(佐藤委員)
 最近のEテレは、結構とがった番組が多いですが、皆さんはどのような評価をされていますか。

【会場参加者】
 ツイッターではとても評判が高いと思います。「だから私が推しました」や「トクサツガガガ」などは、アイドルや戦隊オタクのようなところに焦点を当てていて、自分たちとその人たちはまったく切り離されたグループではなく、同じところを見い出せるような番組になっていると思います。

【会場参加者】
 Eテレの「デザインあ」や「オドモTV」にように、とても有名なCMディレクターなどが出演して、子どもから聞いた話を基にCMなどをつくる番組がありますが、私が昔デザイン会社に勤めていたこともあり、今のCMが思いつきではなく、どのようにつくられているかがわかって、とてもおもしろかったです。また、「デザインあ」のイベントに行ったときには、将来を担う若手のデザイナーがたくさん集まっていて、この番組が多くの人に注目されていることが分かりました。

【会場参加者】
 NHKの良質な番組で、若い人たちのなりたい夢に、少しでも協力できるようになるとよいと思います。

(司会)
 人生をより豊かにするお手伝いができるコンテンツ、それが良質な番組ということですね。ありがとうございました。

 

<子どもと一緒に安心して見られる>

【会場参加者】
 NHKの番組は、ほとんど子どもと一緒に安心して見ることができると思います。

【会場参加者】
 私の子どもたちは香川照之さんのカマキリ先生の番組が大好きで、再放送やスピンオフの番組も見ています。ある意味マニアックではありますが、あれくらい突き抜けたマニアでもよいんだ、この分野に関しては誰にも負けないというものを持っててよいんだ、ということが子どもたちに伝わる番組だと思います。Eテレはどうしてもお母さんと子どもが見る番組で、お父さんは蚊帳の外のようなイメージがありますが、昆虫の番組だったりするとお父さんも子どもと一緒に見て楽しむことができると思いますし、そこで新たな会話も生まれると思います。

【会場参加者】
 Eテレは幼児番組のイメージがとても強くありますが、もう少し上の世代でも楽しむことができると思います。

(佐藤委員)
 お母さんも楽しい、お父さんも楽しいからEテレの番組を一緒に見ているのでしょうか。子ども番組の場合、子どもがただ楽しんでるだけでは、親としてはつき合いきれないところもあると思いますが、皆さんいかがでしょうか。

【会場参加者】
 私は「ムジカ・ピッコリーノ」が好きで、それは自分の好きな青春時代のミュージシャンたちが、子ども番組をとても真剣にやっているところが大好きです。NHKは、親自身が楽しめる番組がたくさんあると思うので、それがよいところだと思います。逆に私たちが本気で楽しんでいないと、子どもたちもついてこないところもあります。また、幼児番組である「おかあさんといっしょ」も、親が毎日見ていて、歌のお兄さんやお姉さんのファンになる場合もありますし、それはお互いにそうだと思います。

【会場参加者】
 この間、「ハートネットTV」で、「おはなしのくに」に手話通訳がついた番組の特集をやっていましたが、これからも手話通訳が付いた番組が増えていくとよいと思います。子どもと高齢者は番組を一緒に見ることができますが、それは健常者同士が前提となっているのではないかと思います。障害のあるご家族と健常者が一緒に暮らしている環境では、どうしても見ている方にはハンデが生じるのではないかと思いますし、子どもの頃から手話通訳を見慣れることも大事なことではないかと思います。

(荒木専務理事)
 NHKの放送技術研究所では、手話CGを開発しています。アニメで手話をしているものがありますが、それだけではあまり通じません。実は、手話というのは顔の表情や身ぶり、手ぶりなどいろいろな表現があり、それで伝えることができます。そういうこともCGで再現できるような手話CGを開発しました。この間見てきましたが、本当によくできています。来年ぐらいから少しずつ画面にも出てくると思いますので、それもぜひご覧ください。

(司会)
 最後に、佐藤委員から、ぜひ皆さんに伺いたいことがあるそうです。

(佐藤委員)
 いろいろな話を聞かせていただいて、とても勉強になりました。
 今、皆さんがご覧になっている番組で、これから先も絶対に続けてほしい番組はありますか。個別の番組でなくても、こういう方針はずっと続けてほしい、というようなことがありましたら、お聞かせください。

【会場参加者】
 「おかあさんといっしょ」は続いてほしいです。孫や、ひ孫世代まで、世代を超えて放送していたので、これからも続けていただきたいと思います。

(司会)
 BSプレミアムで放送中の「おとうさんといっしょ」もじわじわと人気が高まっています。

(佐藤委員)
 これからは、「おとうさんといっしょ」も大事かもしれませんね。

【会場参加者】
 「おかあさんといっしょ」と「おとうさんといっしょ」を、地上波で順番に放送するとよいと思います。

(高山アナウンサー)
 現状は、地上波で「おかあさんといっしょ」、衛星波で「おとうさんといっしょ」という編成です。

(佐藤委員)
 そこが少し問題かもしれません。

【会場参加者】
 昔は「セサミストリート」が放送されていましたが、今は権利の問題で放送していないと聞きました。多様性が共存してお互いが認め合っていけるようなことをテーマにしたこのような番組は、ひとつ欲しいと思います。

【会場参加者】
 「クローズアップ現代+」は、昔から、とても良質な番組だと思っています。時間が短く、生放送で少し物足りないところもありますが、最新のニュースやテーマを知るきっかけになり、その後の自分のニュースを見る理由にもなります。あのスタイルは続けてほしいと思います。

【会場参加者】
 ニュースの裏側が視聴者にはわからないので、裏側を丁寧に取材していただいて、わかりやすく説明してほしいと思います。

【会場参加者】
 「にほんごであそぼ」という番組は、子どもには少し暗いので評判が良くありませんが、能などの日本の伝統芸能や各地の方言に触れており、そうしたものは大人になってもあまり目や耳にすることが少ないので、記憶に残す意味でも絶対に続けてほしいと思います。

(佐藤委員)
 子どもは嫌いでも親は見てほしいと思う番組もあると思いますが、楽しい演出であれば一緒に見ることができるものはあると思います。それが、Eテレの役割のひとつかもしれません。

(司会)
 お時間となりました。皆さん、ありがとうございました。

 

 

○ななみグループ  渡邊博美委員、鈴木郁子理事
            (司会 経営委員会事務局)

 

<保護者世代にぴったりの番組を>

【会場参加者】
 私は、子どもが中学受験で私立の学校へ行くのがよいのか、公立でよいのかなどがわからないので、学校の取り組みなどを紹介するような番組があったらよいなと思います。
 学校の情報については、有名校はいろいろなところで紹介されていますが、そうではない学校についてはあまり情報がありません。

【会場参加者】
 それこそ保護者世代にぴったりの番組は、「ウワサの保護者会」だと思います。

【会場参加者】
 保護者だから、子どもに関係していることも知りたい気持ちは確かにありますが、保護者が楽しむという観点からすると、楽しめるものがたくさんあると思います。「NHKスペシャル 人体」もはまりました。好きな人しか見ないかもしれない番組も、あえてやってくれるのがNHKだと感じます。アニメも、大人向けのNHKのアニメはなかなかよいです。保護者が楽しむという意味で、私はNHKの番組を楽しんでいます。

【会場参加者】
 「ねほりんぱほりん」のような番組がとてもよいです。Eテレにしては攻めているなと思いながら見ています。あれは匿名だからできることだと思いますが、あのように攻めている大人向けの番組はよいと思います。

【会場参加者】
 子どもに「きょうは学校で何を勉強してきたの」と聞いても、あまり説明がなく、よくわからない時があります。でも、Eテレでは、理科の番組などがあり、録画して見ると、今の時期はこんなことを勉強しているのかなとわかります。学校と連動していない時期もあったりしますが、とても魅力的です。一緒に見たりできて、勉強面で子どもとつながれる番組をもっと放送してほしいと思います。学年ごとに番組があるのは大変だとは思いますが、勉強の番組ももっと増やしてくれると、子どもの学習の助けになってよいと思います。

(事務局)
 今のご意見は、「学校放送」と言われる教科ごとの番組のことです。「NHK for School」というスマートフォンのアプリやホームページでもこれらの学校放送のコンテンツなどを見ることができます。「高校講座」はホームページで見ることができます。

(鈴木理事)
 学校の授業で「学校放送」の番組を活用する時には、授業時間の45分の中で使うので、使いやすい長さにしています。今はもうどんどん短くなって10分になっています。以前はもっと長かったと記憶しています。
 お子さんの勉強の半歩、一歩先ぐらいを先に番組で予習して、それが一緒に語り合える話題になるというのはよいですね。

【会場参加者】
 授業を親も一緒に聞ければよいのですが、どんな授業を受けてきたかがわからないところがあり、私も一緒に勉強する際に、学校放送は非常にためになっています。もっとたくさんやってほしいです。

【会場参加者】
 私もそう思います。やはり子どもから「この辺ちょっとわからないんだけど」と聞かれた時などに番組を見ていたら、答えて教えることができます。

【会場参加者】
 ニュースは見ますが、NHKで他に見たくなるコンテンツがほとんどありません。知識が豊かになる番組は、年代に関係なく見たいのではと思いますので、ドキュメンタリー番組などを増やしていただけたらと思います。

 

<子どもと一緒に安心して見られる番組を>

【会場参加者】
 テレビ番組で、芸人さんがコンプレックスを笑いのネタにするような風潮があり、こんなところを笑いにしてよいんだと子どもが思ってしまうとよくないと感じます。そのような番組は子どもと一緒には見たくないです。安心して見られるような番組をつくっていただきたいです。

【会場参加者】(子ども)
 ぼくは、親と一緒にテレビを見ることはあまりないです。ネット世代なので、ネットの動画を見ることがほとんどで、ゲームの動画ばかり見ています。ゲーマーなので、自分のゲームの様子を録画して配信もしています。

【会場参加者】
 NHKをよく見ていますが、「チコちゃんに叱られる!」の番組での「ボーっと生きてんじゃねえよ」ということばや、NHKスペシャル「香川照之の昆虫“やばいぜ!”」という、カマキリ先生の番組のタイトルなど、家庭教育の中で、あまり使うべきでないのではという言葉も、今はNHKが使っています。
 家庭ではそのような言葉はいけないと言いますが、テレビで出てしまうと、よいのかという気持ちになります。難しいところです。安心して見せられるかどうかというと、心配はあります。

【会場参加者】
 NHKでも民放でも、子どもと一緒に見て、少し気まずくなることはあります。でも、例えば「ボーっと生きてんじゃねえよ」という言葉も、子どもはチコちゃんの決めぜりふとして捉えています。学校でそれを使うにしても、はやり言葉の一つとして使っているだけです。日常的に会話で友達にそれを言ってしまうとか、そういう心配はあまりしていません。だからそんなに心配しなくても大丈夫じゃないかと思います。

 

<公平・公正な報道>

【会場参加者】
 NHKは自分の都合に合った報道をしていると感じます。だから、放送法第4条に掲げている公平性を保てていないと思います。ニュースで流れていることが、日々正しければ全然文句は言いません。また、NHKの立場で、中国の立場、北朝鮮の立場、韓国の立場、近隣諸国を重んじた報道をしているのが、日本の公共放送としてはあり得ないと思います。

【会場参加者】
 私は報道番組が好きで、NHKと民放、全局の報道番組を毎日録画して見ています。録画したものは、夜に全部を2倍速で見るのが日課です。
 その中で気づいたのは、民放の番組では「たられば」で話す傾向があることです。評論家やコメンテーターを呼んでも、「〜だと思います、〜でしょうね」と、仮定が多いです。NHKは、例えば私が一日の最後に見ている「ニュースきょう一日」では、事実を述べて伝えています。仮定で話さないところが、私はとても好きです。落ちついて聞いていられるのはやはりNHKの報道だと強く思います。仮定で話されてしまうと、どこが真実で、公正・公平で、本当のことを言っているのかがわからないことがあるので、そういう意味では、「ニュースきょう一日」で簡潔・明瞭にまとめられたニュースを見るのがとてもよいと思っています。

【会場参加者】
 「ウワサの保護者会」の収録に参加した時、収録では1時間半ぐらい皆で話をしたので、それを放送時間である25分にどうまとめるのかと思っていました。「先生とうまくいってる?」という回だったのですが、先生側の意見、保護者側の意見、さまざまありました。放送で25分に編集されたものを見たら、中立・公正なでき上がりになっていました。私は保護者側の意見なので、結構カットされていて不満もあったのですが、公平・公正という意味では、上手に編集していると思いました。どちら側にも偏らない番組のつくり方をしていると思いました。ただ、作っている側のことを知らずに視聴者は見るので、その辺はどうなんだろうとは思います。

【会場参加者】
 たぶん、公正・公平というのは見るほうが判断するわけで、100人いたら100人違う判断になってしまうのだと思います。作る側が信じるものをやるしかないのかなという気もします。どうしても人の判断が入ってしまう以上、本当の公平・公正というのはないと思うので、NHKだけでなく、いろいろな放送を見て、自分たちが取捨選択するのが大事なのではと思います。
 ただ、その中でも、スポンサーがついているわけではないNHKは、お金を持っている企業などからは独立して、公平な立場でやっているのだろうなと私たちも期待を持って見ますので、そのようなところは応えていただきたいと思います。

(事務局)
 お子さんたちはニュースを見たりしますか。

【会場参加者】
 全然見ないです。

【会場参加者】(子ども)
 結局、テレビを見ていなくても、ネットのニュースを読むので十分です。ネットも確かに情報が増えているのだけれども、一つのニュースに対していろいろな書き方があるので、それを自分でいろんなサイトを見て、自分で判断できます。テレビだと一つの「論」しか流れていないから、複数のテレビ局を見ないと自分で判断できないというところがある気がします。

(事務局)
 一つのニュースをいろいろなサイトを見て調べたりしますか。

【会場参加者】(子ども)
 はい。気になったら自分で調べて、いろいろな記事を見ます。いろいろな新聞のサイトが出てくるので、それで調べればすぐに自分で結論を出せます。だから結局、テレビは必要ないのではと僕は思います。だからこそもっと、確かに、公平・公正は必要だなと思います。

【会場参加者】
 Eテレの「昔話法廷」は好きではありません。
 題材が昔話だったので見てみようと思い、何回か見たのですが、そのストーリーを伝えた昔の人の本当に伝えたい部分が伝わらなくなると感じました。
 別の考え方もあるという勉強になることはあるかもしれないけれども、でも逆に、本当はこれがよいのだよと教えたいことが書かれているものが、反対から見たらこんな悪いことがある、と言われてしまうと、何が本当なのか、何を信じてよいかわからないって思いながら終わってしまうのが好きではないです。

(事務局)
 今お話があったのは、Eテレで不定期に放送している「昔話法廷」という番組で、イソップ物語などの昔話を、今の法律に照らして裁判をしてみるとどうなるかというのを、ドラマ仕立てにして放送しています。学校の教材にも使われています。「NHK for School」でネットからご覧いただけます。

 

<受信料について>

【会場参加者】
 独身の時は、受信料を支払う意味がないと思っていました。忙しい日々で、ろくにNHKを見ていないのに支払いたくないという気持ちがありました。
 子供を持ってから初めて、Eテレを見るようになりました。子どもには何となく安心という気持ちでEテレを見たのです。ところが、一緒に見始めましたらおもしろくて、はまってしまいました。子どもができてから、これは前向きにお支払いするべきと大いに納得して、もう10年以上支払い続けているところです。

【会場参加者】
 私も受信料を支払っていなかったのですが、「ウワサの保護者会」へ出たり、子どもがNHKの番組をいろいろ見るようになったりしてからは支払うようになりました。ただ、最初にNHKの受信契約に来た人に、ドアを押さえられて、「あなた携帯持っているでしょう。受信機があるということはNHKを見ているということになるので」と言われて、支払うことになりましたが、とても怖かったです。支払うのは当然です、義務ですと言われました。そのようなことをされる方はNHKの職員なのでしょうか。それとも委託している業者なのでしょうか。

(鈴木理事)
 その際にどうだったかはわかりかねますが、主に法人委託先のスタッフであることも多いと思います。職員も研修の一環で訪問営業を行います。訪問のしかたについて、指導が徹底されておらず申し訳ありませんでした。

【会場参加者】
 先ほど委員からの説明で、NHKはもうすぐパソコンやスマホからでも見られるようになるという話を聞きましたが、やはり受信料の料金設定が問題なのだと思います。NHKは確かに魅力的だと思いますが、あまりにも高過ぎる場合は、逆に人が離れていってしまうのではないかと思います。

【会場参加者】
 公平・公正な報道という話がありましたが、受信料というのは、たぶんそれをするための必要なコストなのだろうと思います。だから、放送を見る立場としては、公平・公正な報道をしてくれることに対する対価としてお支払いすると考えれば妥当なのだろうと思いますが、そんなのいらないよと言う人も当然いるはずで、そのような人たちに対して受信料を支払ってくれというのはちょっと違うかなという気がします。支払いたくない人には見られないようにスクランブルをかけたらどうかというような話は、ずっとあると思うのです。今度、インターネットでも同じように放送を流していくということなので、そちらの方向に変わっていってくれると、視聴者にとっても、NHKにとっても、よいのではないかという気がします。

【会場参加者】
 基本的に、NHKは年間7千億円ぐらいの予算があり、国民から徴収しているのです。それから、年収が高く、やっていることはニュースと子ども番組をつくっていることなので、基本的にサービスとして全然釣り合いがとれていません。価値がないです。

【会場参加者】
 「ウワサの保護者会」も含めて、各番組に視聴者の方が参加できるというのはとてもありがたいことだと思っています。実際に視聴者として番組に参加させていただくと、その番組の意味や深さを学ぶことができます。ここまで視聴者が番組づくりに参加できるよということを、もう少しPRするというのも一つの方法かなと思います。

(鈴木理事)
 視聴者の番組参加についてのご意見ありがとうございます。視聴者の皆さまの番組に対するご希望は多様化しているので、それぞれに応えていくためにも、どんどんそのような場を設けて、皆さまの声を聞いて番組に生かしたり、皆さまが参加して番組をつくったりしてくださいということを申していきたいと思っています。

(渡邊委員)
 私たちは日本国内で暮らしていて、いろいろな情報をとっていますが、海外から日本を見たときに、その立ち位置によって、私自身かなり認識を変えたということがあります。例えばドイツでは、とても優れたエネルギー政策や移民政策を実施しているわけですが、実際にその地域に行って直接話を聞くと、私たちが受けている情報とはまるで違うということも多いです。
 日本では、東日本大震災があり、今でも4万人も避難してる人がいて、原発問題などは本当に深刻ですが、実はその時の報道や情報の出し方で命が救われた人もたくさんいます。あるいは元気づけられた人たちもいます。
 日本全国あるいは世界の中で何か起こったときに、寄りどころがないといけないと思いますが、その意味では、NHKの存在はもっと進化しなくてはならず、使命感が非常に大切だと思っています。
 こうしたことは、私も3年間ぐらい経営委員を務める中でようやくわかってきたことなのですが、皆さんからきょういただいている意見もそのとおりだと感じています。

 

<家族それぞれのテレビの見かた>

【会場参加者】(子ども)
 学校から帰って、宿題を終わらせて、4時や5時くらいからごはんの時間の6時、7時くらいまでEテレを見ています。

【会場参加者】
 「天才てれびくんYOU」が好きなので、よく見ます。子どもも一緒に、生放送の時はデータ放送でゲームに参加して遊んだり、親の私も「順番ね」と言ったりして、割と親子の楽しい時間という感覚で見ています。

【会場参加者】(子ども)
 テレビは録画で見ています。

【会場参加者】(子ども)
 気に入ったものは全部ビデオ録画しています。同じ番組を最低3回以上見ています。

【会場参加者】
 私は、この「ウワサの保護者会」の番組を、テーマを見て選んで見たりはしますが、上の娘はもうテレビをあまり見ません。

【会場参加者】
 とりあえずテレビをつけて、子どもたちが「あさイチ」を見たり、データ放送に喜んで参加したりしています。

【会場参加者】(子ども)
 私は、いつも学校から帰ってきてから4時まで宿題をやりますが、その理由は、4時からの「トムとジェリー」が好きで、それが始まる前に宿題を終わらせます。それに遅れたらもう見ないというルールです。

【会場参加者】
 子どもは小学校4年生ですが、まだEテレの「おかあさんといっしょ」や「にほんごであそぼ」などが大好きで、釘づけで見ています。録画で見せるのはしない方針なので、そこに向けてすべてを終わらせるということを毎日しています。なおかつ、寝る時間が8時半なので、その時間内にやります。ごはんの間は音だけにしてEテレなどを聞いています。

【会場参加者】
 わが家も録画して見ません。ですから、大学2年生の上の息子がたぶん高校3年生ぐらいのときに録画機能について初めて理解したくらいです。下の息子は、画面を3つぐらいにしていろいろ見ています。ゲームの実況を見ながら自分もゲームをしていたりします。テレビで何か興味がありそうなものがあれば、親から「やっているけど」と声をかけるぐらいの感じです。

 

 

≪経営委員から感想≫

 

(司会)
 短い時間でしたが、グループトークでは大変貴重なご意見をたくさん伺うことができました。最後に、経営委員からのお礼と感想です。

(佐藤委員)
 きょうは本当に貴重なお話をありがとうございました。私のグループではいろいろなことが出ました。まず、これから人が増えてくるような母子家庭やお父さんの育児に関する番組が見たいという意見や、親子、あるいは障害のある方とない方のように違う感情を持つ人たちをつないでいくにはどうしたらよいのかを考えるような番組も見たいというご意見もありました。
 それから、個性を伸ばすというけれど、どのようにそれをみんなで評価していくのか。そのヒントになるのは、今、Eテレがさまざまな形で展開しているとがった番組で、そのイベントなどに参加することによって、いろいろな出会いがあるというお話もありました。
 また、きょう来てくださった中学生の方からは、受信料といっても何で受信料を支払うのかもわからないから、もう少し詳しく丁寧に教えてほしいというご意見もありました。
 ふだんなかなか気がつかないようなお話や、大変参考になるご意見をたくさんいただき、とても勉強になりました。きょういただいたご意見は、番組に出すという形だけでなく、経営委員の中でもきちんと伝えて、皆さんのような世代にも役に立つNHKであるように頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

(渡邊委員)
 きょうはありがとうございました。3年間経営委員の立場におりまして、きょうが5回目の「視聴者のみなさまと語る会」でしたが、佐藤委員からお話がありましたように、きょうはとても幅広くご意見をいただきました。また、お子さま方からもNHKに対する感想などをいただきました。テレビの必要性がどのぐらいあるのかというご意見や、未来に向けてのアイデアなどもたくさんいただきました。
 これからは放送と通信がまさに一体となっていろいろな形で情報を発信していきますが、その中で、NHKの役割はとても重要だと思います。きょうご意見いただいたことを、経営委員会で早速報告して、できるだけ皆さんの声が反映されるような形に頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

(司会)
 本日はご参加いただき、ありがとうございました。

 

 

<NHKホゴシャーズ・トークin横浜> 参加者当日アンケート

※全表の単位はすべて人数
参加者数 大人 27 名、子ども 7 名
回収数  34 枚

質問1:性別

男 性 女 性
7
(うち子ども3)
27
(うち子ども4)

質問2:年齢

10代以下 20代 30代 40代 50代以上 未記入
7 (こども) 0 2 17 7 1

質問3:今回のイベントを何でお知りになりましたか(複数回答)

ホームページ 放送(テレビ) 放送(ラジオ) メール・Twitter チラシ 友人・知人 その他
6 0 0 26 0 0 3

質問4:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 普通 不満 大変不満 未記入
11 16 3 0 1 3

質問5:印象に残ったコーナーはどこでしたか(複数回答)

経営委員の説明 グループトーク 講演会 特になし 未記入
1 22 13 2 2

質問6:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 知っていた 知らなかった その他
0 5 29 0

質問7:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

深まった 変わらない わからない その他 未記入
26 3 3 0 2

 

 

<実施後のアンケートに寄せられた主なご意見>

 

経営全般について

  • 受信料をなぜ支払うのかというシンプルな質問にも答えてくれてよかった。
  • NHK経営委員の方が、よい番組づくりのためにさまざまなことを考えてくれていることがわかった。
  • NHKについて、さまざまな意見があることが、グループトークでわかった。視聴者の要望が反映できるNHKであってほしい。

 

放送・インターネットサービスについて

  • 子育てしやすい社会になるように、親の精神面について深く掘り下げた番組を放送してほしい。
  • 親や子どもにとって、心の支えになるような番組を作ってほしい。
  • 一般の人の暮らしに目を向けた番組づくりを信頼している。
  • 周りにEテレを見る人がおらず「誰が私のようにEテレを見ているのか」と思っていたけれど、視聴者が多くいることが分かってうれしい。
  • 「ウワサの保護者会」を学校の先生方の教材として使ってほしい。

 

運営・その他について

  • 他の意見を聞いて、なるほどと思うことがたくさんあった。
  • 「この番組が好き!」などのテーマも話したかった。
  • 高山さんの司会進行がすばらしかった。
  • 時間が足りず、番組づくりに関する話があまりできなかった。
  • 番組を視聴するだけではわからない、率直な意見がお伺いできてよかった。
  • さまざまな意見が出せるように、教育だけをテーマにすべきでない。
  • グループトークでとても偏った意見の人がいて気になった。
  • 直接話を伺うことで、より理解が深まった。講演会では、プロデューサーの想いを聞けて楽しかった。
  • 視聴者参加型のイベントは、これからもぜひ増やしてほしい。
  • 前半のグループトークは時間が短かった。ぜひ都内でも開催してほしい。
  • グループトークは大いに盛り上がった。いつも一緒にいる「ママ友」とは違う人たちとの話は新鮮で、とても楽しかった。
  • 子どもばかり集めてグループトークをしてみたらおもしろいのではないか。
  • 講演会の話が分かりやすくためになった。内容にとても共感した。