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第1342回
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2019年12月27日(金)公表

日本放送協会第1342回経営委員会議事録
(2019年12月9日開催分)

第1342回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1342回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2019年12月9日(月)午後1時00分から午後2時15分まで

 

<出  席  者>

〔経 営 委 員〕

  石 原  進 森 下 俊 三 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   槍 田 松 瑩 佐 藤 友美子
    堰 八 義 博   高 橋 正 美 中 島 尚 正
    長谷川 三千子   村 田 晃 嗣 渡 邊 博 美
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 木 田 専務理事
  児 野 専務理事・技師長 荒 木 専務理事 松 原 理 事
  黄 木 理 事 中 田 理 事 鈴 木 理 事
  松 坂 理 事 正 籬 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

○ 放送法第52条第1項にもとづく次期NHK会長任命に関する議決

 

1 委員長報告

 

 

<議事経過>

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

○ 放送法第52条第1項にもとづく次期NHK会長任命に関する議決
 冒頭に、指名部会において、次期NHK会長の最終候補者を前田晃伸氏としたことについて報告がなされた。

 (石原委員長)
 指名部会で最終候補者となった前田晃伸氏について、所信を伺い、皆さんとの質疑および任命の議決がされた場合の就任の意向確認を行います。
 その後、前田晃伸氏にはいったん退室していただき、質疑として皆さんのご意見を伺った後に、次期会長の任命についての議決を行いたいと思います。経営委員9名以上の多数を得た場合、前田晃伸氏は、放送法第52条により会長に任命されます。
 それでは、前田晃伸氏に入室していただきます。

 

< 前田晃伸氏 入室 >

 

 (石原委員長)
 それでは、指名部会で最終候補者となった前田晃伸氏について所信を伺い、皆さんとの質疑および任命の議決された場合の就任の意向確認を行います。

 (前田晃伸氏)
 突然ですので、正直に言うと何でこういうことになったのか、驚いています。
 私は民間の銀行にいましたので、NHKにはいつも追いかけられて、印象はよくないのですが、公平・公正、この辺りに関しては、明らかにほかとは違うと感じていました。私は昔、実はマスコミ担当をしていたことがありまして、そこは高く評価していました。
 ただ、最近のNHKの放送は、よくわかりません。再放送が多いというのはわかりますが、放送の質については、番組をつくっている現場の方がどのように考えてつくっているかわかりませんので、そういうことをよく聞かなくてはわからないということだろうと思います。
 私ももう少しで75歳になりますので、どうぞお手柔らかにお願いします。

 (長谷川委員)

 今おっしゃった、どうも再放送が多いようだというのは、ついこの間、「視聴者のみなさまと語る会」という会がございまして、そこでも一般視聴者の方から同じご意見が出ました。会長になられる方が、同時に視聴者の目線もお持ちで会長になられるというのは、ある意味非常に大事なことではないかと思っています。ただ一方では、再放送せざるを得ない、やむを得ない事情というようなものもいろいろあるようで、これからはそういう板挟みでお苦しみになるのではないかとご同情申し上げます。何か記者の質問みたいなことを伺いますが、ふだんはNHKでお気に入りの番組とかおありでしょうか。

 (前田晃伸氏)

 「ラジオ深夜便」という番組をいつも午前3時ぐらいから聞いています。テレビはじっと見ていなくてはいけないのですが、ラジオはつけっ放しで聞けますので。あの番組は歌だけではなく、よい時間帯で、よい番組を放送していると思います。テレビでは、やはり科学番組やドキュメント番組は、確かにすごく時間をかけてよいものをつくっているなと感心しています。

 (村田委員)

 急なことで驚かれていると思います。今、NHKで一番議論になっていることの一つとして、インターネットを通じて番組を常時同時配信しようということで、総務大臣の認可を得ようとしているところなのですが、今まで視聴者として、あるいは経済人としてご覧になって、これからのインターネット活用について、何かもしお考えがございましたら、教えていただければと思います。

 (前田晃伸氏)

 インターネット社会になりましたので、インターネットを利用するのは不可避だと思います。しかし、教育的な観点から見ますと、ものすごく問題があると私は思っています。今たまたま飛騨の山で、少年の更生とか、そういうことを10年ぐらいボランティアでやっているのですが、こういうインターネット社会になったり、夜中に寝ないでオールナイトで活動したりすることは、やはり動物としての人間のよいところを相当なくしているなと感じています。利便性はすごくよくなったということはわかるのですが、私みたいな古い人間から見ると、ちょっとあまり行き過ぎてはいけないという気がしています。これはうまく制御しなくてはいけないと思っています。ただ、必要なものはあると思いますので、それはそれでやればよいと、私は思います。

 (森下代行)

 急にこういう話になったので、いろいろとまだお考えがまとまっていないかもしれませんが、一般的な立場からで結構なのですが、NHKが世の中からちょっと遅れているようなところ、このあたりはNHKとしてもう少し変えなければいけないのではないかというようなところについて、何か感じるところはございますか。

 (前田晃伸氏)

 NHKが遅れているかどうかはちょっとわからないのですが、普通にやったらよいではないかというのが、私の素朴な感情です。

 (堰八委員)

 NHKはご承知のとおり、受信料の上に成り立っている組織で、今、7,000億円を超える受信料が入り、また支払率も営業の努力もあって、今、82%を超えています。ちょっと大まかな質問になりますが、この受信料制度の上に成り立つNHKについて、今後の受信料制度のあり方について、今の率直な感想がもしおありになればお聞かせいただきたいと思います。

 (前田晃伸氏)

 難しいですね。ただ、公共放送ですからね。これはやはり受信料で成り立っている。民放との違いはそこですからね。片方で、常に大きな組織は肥大化します。ある意味、安定的な受信料収入が保障されていますので、肥大化して、組織の効率化も誰も考えないでいると、ここはやはり別の意味で必ず問題が発生しますので、そこはよく見ないといけないと思います。本来は受信料というのは受信している人に還元しなくてはいけませんので、放送の中身で返すか、お金でもっと合理的にして返すということで、それはやらなくてはいけないのではないかと思いますが、まだちょっと全体像がわかりません。8割の方が払っているということは、逆に言うと2割は払っていないということになるのでしょう。受信料制度は、法律で決めた制度ですから、それはそれで私は悪いことではないと思うのですが、その受信料の額がそれでよいかというのは、ちょっと経営の中身を見てみないと本当に適正なのかはわからないと思います。

 (井伊委員)

 システムの問題についてお伺いします。NHKには基幹のシステムがありまして、働き方改革でも、不祥事の対応に関しても、そのシステムがうまくいかないとか、改修にお金がかかってなかなか改革ができないとか、改修に時間がかかるとか言って、絶えずシステムのせいにされることがあります。一般の方々にとって前田さんのイメージというのは、申しわけないのですが、合併してみずほ銀行が発足したときにシステムがうまくいかなくて、記者会見などで頭を下げられていたイメージがあると思います。大分古い記憶になると思いますが、過去の反省を兼ねて、そのあたりどのように対応したらよいか、お考えはありますか。

 (前田晃伸氏)

 私も銀行にいたのですが、銀行のシステムは、実は完璧なシステムをつくらざるを得ない宿命があります。そうすると、今みたいにいろいろなIT革命が起こってきますと、安くてやわらかいシステムが山ほど出てきます。片方で、がちがちの、絶対に壊されないとりでのようなシステムは必要です。これは中のサービスはいろいろなことがあって、ガードを下げてできる部分もあるのですが、こっちのがちがちの絶対に壊されないシステムのほうはガードを下げられないのです。ですから、ここはちょっと矛盾しているのですが、難しい問題があります。ただ、NHKがやっている放送は、またちょっと別の意味のシステムです。だからこれは先端技術を含めて、いろいろとやることはあると思います。民放でできないこともたぶんあると思います。そういうことは私はやったほうがよいと思います。それは最終的には視聴者に返せるわけですから。カメラの精度のよいものなど、ずっと開発していますよね。こうしたものに関しては、誰も異存がないのではないのかと思います。要するに還元してもらうと、やはりすごいというものはあると思います。でも技術に関して言うと、技術とシステムというのは別です。みんな、システムのせいにしたがりますが、それは違うと思います。システムに乗せるもとはプロセスです。プロセスを合理化しないでシステムに乗せるというのは、ほとんど邪道です。もとを合理化しなくてはいけないのです。もとを合理化しないで、システムに乗せるだけをやっても、合理化の効果は出ないです。

 (佐藤委員)

 横から見ていて、NHKの会長は、すごく大変なお仕事だと思います。企業の部分もあるし、公共的な部分もあるし、従業員の方と視聴者の方と、いろいろなところに板挟みになられるのではないかと思います。私がお聞きしたいのは、今回、NHK会長の話があって、引き受けてくださった動機とはどのようなものでしょうか。たぶん仕事とか生きることとかについて、モットーのようなものがあって、今回引き受けてくださることにつながっているのではないかと思います。前田さんの中にNHKと共鳴するお気持ちや意思があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 (前田晃伸氏)

 難しい質問です。世の中がもう少しなんとかならないのかなとは思い続けてきました。私の持論は、やはりマスコミというのは隠れ権力者なのです。よほどよくわかって自制しないと、よい番組はできませんし、よい報道もできないと、私はそう思います。

 (槍田委員)

 私も民放にもかかわったことがあるのですが、民放とNHKの役割分担について、どのように思われますか。あるのかないのかも含めてお願いします。

 (前田晃伸氏)

 あった方がよいと思いますね。ただ、私は、NHKは民放のまねをしてはいけないと思います。民放がやるのはある程度自由なので、それはもうよいと思います。NHKは、みなさんから受信料を払ってもらって経営していますので、そういうことをやってはいけないと思います。やはりNHKは公共放送ですし、きちんとした基本スタンスで経営して、それはぶれてはいけないと思います。NHKにしかできないものは、たぶんかなりあるはずです。ただそればかりをやっていると、ちょっとまた別の問題が起こりますので、普通の放送もやってよいのですが、民放のほうを向くことはやめたほうがよいと思います。視聴率は意識しないほうがよいと思います。もちろん、それはめちゃくちゃな、誰も見ないような番組をつくってもらいたいわけではないのですが、それはあくまでも結果です。それを意識して番組をつくるのはやめたほうがよいと思います。それは違うのではないかと思います。

 (槍田委員)

 私も時々、ジャンルの広さについての話をすると、「視聴者の人はありとあらゆる種類の人がいて、皆さんの受信料で成り立っているのだから、皆さんのニーズ・要求にこたえるためには何でもかんでもやらないといけない」という一つの議論が起こります。ただ、おっしゃるように、やはりどこかで役目をしっかりして、やらないものはやらない、やるものはやるという線引きが必要なのだろうと思います。

 (明石委員)

 漠然とした質問なので、漠然とお答えいただければ結構ですが、いま、民間企業は市場や時代の変化によって、大きく改革が迫られていて、その改革の旗頭として銀行の再編をされたのだと思います。NHKは民間企業以上に、いま、スピード感を持った改革が求められていると思うのですが、改革をするときに、大切にしていらっしゃること、信条のようなものがあれば、お聞かせいただきたいと思います。

 (前田晃伸氏)

 組織は常に陳腐化します。いつも新しいことを考えるということではないわけで、守りに入っていたら、これをずっと守るというのが目的化してしまいます。これはよくないと思います。やはり本当にこれは必要なのかということは、時々考えないといけないと思います。極端なことを言いますと、一回やめたらどうだと。それをやめられない理由は何なのか、ということです。経営とは、やめるほうが決断なのですね。何かをやるというよりも、むしろやめることを決断するほうが、それは難しいのです。だから放っておくとどんどんこうなってしまうのです。

 

 (石原委員長)
 それでは、最後に意向確認をさせていただきます。経営委員会が前田さんをNHK会長に任命する議決を行った場合、会長に就任していただけるということでよろしいでしょうか。

 (前田晃伸氏)

 もうそのときはやります。やむを得ずですが。

 (石原委員長)

 イエスということです。それでは、前田さんには一旦席を外していただきますよう、お願いします。経営委員会で議決をとった後で、その結果を報告します。ありがとうございました。

 

< 前田晃伸氏 退室 >

 

 (石原委員長)
 それでは、ただいまから審議を行います。次期会長任命の議決に先立ち、資格要件に基づいて、各委員からそれぞれ意見を表明していただきたいと思います。会長が決まる、決まらないにかかわらず、ここでの意見は、経営委員会の決定の理由として、参考にさせていただきたいと思います。

 (明石委員)

 私の個人的なNHKのあるべき姿の考えと前田さんのお考えは、類似しているところが多いと感じました。やはりある程度の規模の縮小や番組配信の見直しなど、いろいろな点を抜本的に見直す時期であると思うので、そういう意味では適任な方ではないかという印象を受けました。

 (村田委員)

 先ほどお願いして、お越しいただいたばかりですから、いろいろとNHKのことについて所信を述べろと言ってもどだい無理なことはいろいろあると思いますけれども、ただ、今のお話を伺うと、素朴な視聴者の視点、あるいは経営者としてNHKという組織を外から見たときのお考えを示しておられて、NHKが今まで当たり前にやっていたことを、もう一度何かこう新たな視点でみるということは、今後の経営には重要なのではないかと私も感じたところです。

 (槍田委員)

 どちらかというと控え目な表現で、あのようにおっしゃっていますけれども、心の中にはすごくきちっとした、しっかりした判断基準を持っておられる方ですね。特に私は、民放とNHKの役割分担というのは結構大きなことだろうと思って尋ねましたが、それについても大変きちっとお考えを持っておられるようですから、ぜひやっていただきたいと思います。

 (堰八委員)

 私が知っている限りの前田さんは、決して格好つけるような人ではなくて、ざっくばらんなお人柄です。ご本人にもいろいろとお考えがあると思いますが、NHKの職員とも膝詰めでいろいろ議論をされることも非常に期待できると思いますし、キャリアはもちろん申し分ないですし、NHKの会長にふさわしい方だと思いました。

 (長谷川委員)

 私も、先ほどのご紹介の中では、何かものすごい豪腕の方だというような、ある種危惧の念も抱きつつだったのですが、今お話を伺ってみますと、何かご自身の身の丈に合ったというか、ご自身の常識人としての感性をベースにして、いろいろなことをそこから考えていらっしゃるという印象でした。豪腕で怖い方という印象がずいぶん変わりました。じっくりやっていただけるかと思います。

 (井伊委員)

 私も前田さんというと、逆境に負けない強いリーダーシップを発揮されるイメージだったのですが、もちろんそうした経営者としての一面もあると思いますが、非常に肩の力が抜けていて、私心のない公平な人物であると思いました。周りの評判であるとか、毀誉褒貶(きよほうへん)であるとか、そういうことに本当に揺れることのないリーダーシップを発揮されるだろうということで、NHKのこの大きな組織で会長職を遂行されるのに適した人物ではないかと判断いたします。

 (渡邊委員)

 やはり一人の力ではNHKは変えられないと思いますので、経営委員会もそうですが、理事の方の人選や役割をどのような形にしようかということも、経営委員会とも本音で話し合って決められる方ではないかと思い、私も賛成したいと思います。

 (佐藤委員)

 何か素朴な雰囲気もあって、本音をお話しなさる方だなと思いました。ちょっと厳しい発言もありましたが、そういう新鮮な視点で見ていただいたら、改革が進むのではないかという期待が持てましたので、よい方だと思いました。

 (高橋委員)

 「こういう場に引っ張り出されて、もう本当に困っちゃうんだよね」という姿勢。あれは自信がないとできないです。人物として相当高潔で、能力の高い方ではないかと思います。あの対応を見た瞬間に、とんでもない人だということはよく理解しました。皆さんもひとつひとつ、たぶんおわかりにならないだろうなと思いながらご質問されたとは思うのですが、それに対してもきちんとご自分のお考えを明確に持っておられるので、本当に今、われわれが求めるべき会長像にぴったり合うような方だと思いました。今後、私も勉強していきたいと思います。

 (中島委員)

 外柔内剛といいましょうか、やはりしっかりした信念をお持ちの方で、火中の栗を拾うことも潔くやっていただけそうな気がいたしました。ぜひお引き受けいただけることを望んでいます。

 (森下代行)

 中島さんがおっしゃったとおりで、当たりは非常にやわらかいのですが、芯はしっかりしていて、ずばっといく人ですので、非常に信頼できる方だと思います。気持ちは常に前向きで、改革していこうという考えの方で、私はもうずっと信頼できる方だと思っています。

 (石原委員長)

 前田さんは、大きな改革の経験があります。NHKも改革が必要なときなので、そうした経験を踏まえて、リーダーシップを発揮してくれる人だと思います。大変に期待しています。

 (石原委員長)

 それでは、前田晃伸氏を日本放送協会会長に任命することについての議決を行います。賛成の方、挙手をお願いします。

 

 (賛成者挙手)

 

 (石原委員長)
 12名の賛成がありました。全員一致です。
 放送法第52条第1項の規定に基づき、現任会長の任期が2020年1月24日で満了となるところ、後任者を任命する議決を行いました。
 その結果、前田晃伸氏を次期会長に任命することについて、放送法第52条第2項に規定された「委員9名以上の賛成多数による議決」の要件を満たしておりますので、前田晃伸氏を2020年1月25日付けで、日本放送協会会長に任命することを決定しました。

 

<会長、副会長、専務理事、理事入室>

 

1 委員長報告

 (石原委員長)
 経営委員会は、本日、放送法第52条第1項および第2項にもとづき、前田晃伸氏を全員一致で次期会長に任命しました。任期は2020年1月25日から3年間です。
 経営委員会は、さる7月23日に会長任命の指名部会を立ち上げ、これまで8回にわたって議論をしてきました。その中で、会長任命にかかる内規の確認や、次期会長の資格要件の決定などを行い、複数の中から、きょう、前田氏ひとりを最終候補者とすることを決め、就任の内諾を得たうえで、次期会長に任命しました。
 本日、私と森下代行が出席する記者会見を開き、前田晃伸氏の次期会長への任命を議決したことを説明します。
 前田晃伸氏を会長に任命したことについて、経営委員会コメントを申し上げます。
 経営委員会は前田晃伸氏をNHKの次期会長にふさわしい方だと、以下の理由で判断しました。
 次期会長の資格要件を満たしていることを委員全員が認めたこと。メガバンクにおいて大きな改革をしてきた実績があり、人をまとめる力、改革を推進する力があること。リーダーシップを発揮し、上田会長の進めている改革を、スピード感をもってより一層推進されると期待できること。公平・公正を重んじる公共放送という観点を強く意識しており、NHKのガバナンス強化に期待が持てること。以上により、公共放送、公共メディアのNHKの会長としてリーダーシップを発揮していただける方だと判断しました。
 放送をとりまく環境が激しく変化する時代です。NHKは、来年に迫った東京オリンピック・パラリンピックの取り組み、業務・受信料・ガバナンスのいわゆる三位一体改革、次期経営計画の策定、常時同時配信の実現や新放送センター建替など、推し進めなければならない課題がいくつもあります。
 前田氏には、上田会長のもとで行っている、これらの諸課題への取り組みや改革を、役職員の皆さんと共に力強く進め、視聴者・国民の皆さまに信頼され、必要とされるNHKを作り上げていただきたいと思います。
 執行部の皆さまにも、ぜひよろしくお願いします。

 

 (石原委員長)

 上田会長から何かありましたら、お願いします。

 (上田会長)

 よい方を後任に選んでいただきました。いま後任の前田さんと雑談的に話していたのですが、しっかり引き継いで、NHKの改革について、さらに新しい目を持ちながら、推進していただけると思います。
 いま私のほうでは、大きな課題となっておりますインターネット活用業務実施基準と来年度予算について、来年1月24日までの私の任期中にしっかり取り組んで、足元の大きな問題を残さない形で、新会長に引き継ぐことができればと思っています。
 執行部の皆さんも若干びっくりしたところはあるかもしれませんが、しっかりと頭を切り換えて、1月24日までやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それから経営委員の皆さま方、石原委員長と中島委員はあすまでですが、本当に長い間お世話になりました。またほかの委員の方々におかれましては、1月24日まで引き続きご指導、ご鞭撻たまわりたいと思います。
 ありがとうございました。これからも引き続きよろしくお願いします。

 (石原委員長)

 ありがとうございました。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

<会長、副会長、専務理事、理事退室>

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 2019年12月24日    

森 下 俊 三 

 

 

高 橋 正 美