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第1314回
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平成30年10月12日(金)公表

日本放送協会第1314回経営委員会議事録
(平成30年9月25日開催分)

第1314回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1314回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成30年9月25日(火)午後1時30分から午後4時50分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  石 原  進 森 下 俊 三 井 伊 雅 子
    槍 田 松 瑩   小 林 いずみ 佐 藤 友美子
    堰 八 義 博   高 橋 正 美 中 島 尚 正
    長谷川 三千子   村 田 晃 嗣 渡 邊 博 美
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 木 田 専務理事
  坂 本 専務理事 児 野 技師長 松 原 理 事
  荒 木 理 事 黄 木 理 事 菅   理 事
  中 田 理 事 鈴 木 理 事 松 坂 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(技研)登壇者報告

 

付議事項

 

1 会長報告(資料)

 

2 監査委員会報告(資料)

 

3 議決事項

 (1) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

4 報告事項

 (1) 予算の執行状況(平成30年8月末)(資料)

 (2) 契約・収納活動の状況(平成30年8月末)(資料)

 (3) テレビ放送の同時配信の試験的な提供(試験的提供A)の試験結果について
(資料1)(資料2)

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

○ 説明会「多数支払いにおける割引の考え方」

 

 

議事経過

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(技研)登壇者報告

 9月19日水曜日に放送技術研究所で開催された「視聴者のみなさまと語る会(技研)」に登壇した森下代行、井伊委員、村田委員から感想の報告を受けた。

 

 

<会長、副会長、専務理事、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1313回(平成30年9月11日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成30年9月28日に公表することを決定した。

 

 

付議事項

 

1 会長報告(資料)

 (上田会長)
 大阪放送局・北大阪営業センターで、受信契約者の個人情報が含まれる「支払期間指定書」という帳票を紛失・廃棄する事案が発生し、9月18日に公表しました。
 今後、再発防止策をしっかりと実行に移し、二度とこのようなことが生じないよう努めてまいります。詳細は松原理事から報告します。
 (松原理事)
 大阪放送局・北大阪営業センターの個人情報を含む帳票の紛失・廃棄について報告させていただきます。
 大阪府内の受信契約者の個人情報が含まれている「支払期間指定書」という帳票の4束、1,822枚の所在が不明になっていることが8月30日に判明しました。「支払期間指定書」には、住所、氏名、電話番号、お支払いをいただいた期間と金額、未収の期間が記載されています。30日以降に捜索、調査した結果、このうち3束は職員が廃棄、シュレッダーにかけたことが判明しました。残り1束、426枚については所在不明のままであり、現在、継続して調査しています。
 この件については、SARC(一般財団法人放送セキュリティセンター)に報告し、あわせて9月18日に公表しました。SARCとは、個人情報保護法に基づく放送業界の認定個人情報保護団体として活動する一般財団法人であり、NHKのほか、民放、有料放送事業者、ケーブルテレビ局も対象事業者になっています。
 帳票が廃棄または紛失処分された受信契約者には、9月19日に文書を発送し、経緯を説明するとともにおわびをしました。また、故意に廃棄した職員については、今後、適正に対処をしていきます。
 まず、発生の経緯です。8月30日木曜日に受信契約者からの問い合わせを受け、職員が帳票を確認しようと倉庫に行ったところ、保管してあるはずの帳票の束がないということに気づきました。
 次に調査結果についてご説明いたします。8月30日以降、該当営業センターの職員はもちろんのこと、大阪放送局営業推進部の営業職員も加わって、居室や倉庫内等あらゆる場所で3巡、4巡して捜索しました。また、平成28年度以降、営業センターに在籍をした職員35名全員に聞き取り調査も実施しました。その結果、3束については職員が廃棄処分したことが判明しました。残り1束が所在不明となっています。
 この「支払期間指定書」は、情報入力をした後、訪問員が提出した帳票を10日分ごとに1束にして各職員に回覧し、職員が支払期間等の内容を審査しています。廃棄した職員はその回覧の途中で処理を滞留したということで、ほかの職員に回覧することをせず、最終的には廃棄をしてしまったということです。また、管理者による最終的な確認も不足していました。所在不明の1束については、現在も継続して調査していますが、営業センターの入退出というのはセキュリティで厳重に管理をされており、この帳票が外部に流出した可能性は極めて低いと思われます。
 今回の案件を受け、再発防止に向けて、個人情報を含む書類の適切な取り扱いを改めて徹底していきます。
 1つ目は、倉庫への格納状況などが一目で把握できるように、入庫管理簿を作成して倉庫管理の徹底および定期的な保管状況の確認を行うように考えています。
 2つ目は、鍵の管理を徹底するために、鍵の取り扱い者が分かるように履歴が残るキーボックスを導入します。
 3つ目は、居室内に新たに個人情報を取り扱うスペースを限定して設置をします。取り扱い場所を限定することで個人情報の管理を徹底していきます。
 4つ目は、職員に対して個人情報取り扱いに関する勉強会を改めて開催して、職員の個人情報に関する意識を再度、徹底していきます。
 先ほど会長からもありましたが、今後の再発防止策を徹底して行い、二度とこのようなことが発生しないように努めてまいりたいと思います。

 (井伊委員)

 今回の再発防止策を拝見して驚きました。初期コストも含めて費用がある程度かかるとは思いますが、倉庫管理の徹底や定期的な保管状況の確認、キーボックスの導入など、これ自体にもコストがかかることを考えると、電子化を進めるというのが一番根本的な解決策です。今までも何度か指摘してきましたが、どうしてそのことがここに書かれていないのか不思議です。

 (松原理事)

 もちろん紙で持っているということ自体にリスクがあるということは十分承知をしており、紙を移動させている間に紛失するというリスクは大きいと思っています。契約書も含めて、本来電子帳票にするというのが最終的な目標で、そこに向けて準備はしていますが、紙で手続き書類をいただいている今現在の段階では、例えば支払督促や民事業務の裁判書類の提出では、現物の手続き書類、例えば「支払期間指定書」も現物が必要になっているため、現物を保管することにしています。今回の「支払期間指定書」についても、EGGSという営業システムの画面の上では、この人にどれだけの未収期間があるかということは分かるのですが、お客さまから問い合わせがあり、確認したいので現物を見せてほしいという要望があった場合には、現物を示して対応しているということもあり、このような形になっています。井伊委員もおっしゃるように、できるだけ急いで紙から電子帳票に移していきたいと考えています。まったく考えていないわけではなく、今、準備を進めているとご理解いただきたい。

 (井伊委員)

 準備を進めているとは、どのようなタイムスケジュールですか。

 (松原理事)

 今、次の時期の訪問員用携帯端末の更新時期にあたっていますので、まず更新をしたら、その後についてはすべて電子帳票化に向けてやりたいと思っています。ただし、先ほど申し上げたように、紙で手続き書類をいただいている現段階においては、帳票類については裁判では現物が必要だと言われていますので、保管をしているということです。

 (上田会長)

 それが最大の理由です。

 (石原委員長)

 裁判で必要ということだと、電子化を進めてもだめだということですか。

 (松原理事)

 今の時代の流れで電子帳票もどんどん進んでいますから、たぶん時代が変わっていくとは思うのですが、今の業務の流れでは、現物がないと証拠としての証明力が弱いと判断される可能性があるということです。

 (上田会長)

 帳票を電子化することによって、紙の帳票をあっちに持っていったりこっちに持ってきたりという受け渡しをもっと少なくして、必要であれば、裁判のためだけに持っていくようにすると、紛失のリスクがかなり少なくて済むと思います。そういう対応はきちんとやっていきたいという趣旨です。

 (石原委員長)

 電子化は進めると同時に書類もとっておくということですか。

 (上田会長)

 これは裁判で求められる限りは捨てるわけにはいかないのです。

 (石原委員長)

 鍵をかけてしまっておき、いざというときにはそれを出すということですね。

 (槍田委員)

 マイクロフィルムか何かにデータをとっておけばよいのではないかと思います。

 (松原理事)

 PDFなどでとれるのですが、それでは現物ではないので、裁判上証拠力が弱いと、現時点では言われています。

 (森下委員)

 意識を変えてと言うのですが、やはり組織で動いている訳ですから、マネジメントをお願いしたい。担当者の人が回覧の途中で処理を滞留して捨ててしまったと言うが、その上司は何をチェックしていたのか。あるいはこれは10日なり、一定の期間ごとに処理するのでしょうから、タクシーチケットもそうですけれど、一定期間ごとに月末や月初めに締めると、処理をどうしようとか遅れているかどうかで分かるわけですね。そういった意味で管理者が仕事のマネジメントをしっかりしていれば、途中でもうちょっと防げるのではないか。もう少し言うと、受信料も支払う人が増えたきたことも含めて、たぶん業務が非常に増えてきて、そういった意味で仕事が回らなくなっているということもあるんだろうと思うんです。そのように業務量が増えてきたときに、どうやって仕事をうまく回すのかということが管理者の仕事だと思うので、そのためにやはり仕事のマネジメントのところをしっかりと見直ししていただく。意識の改革だけじゃなくて、マネジメント、仕組みですよね。ルール化というんですかね。それがあれば未然に防げるものがあると思います。ぜひそのあたりを検討していただきたいと思います。

 (松原理事)

 森下代行から2つご指摘があって、そういうことを正直に言えないような職場の雰囲気というのも1つ問題だと認識をしていますし、最終的には管理者がきちんと確認をして作業をするということです。どちらかというと、北大阪営業センターではなくしてはいけないということがあって、全職員分を集めて大きな1束にして回覧をしていたということがあります。束としては大きいから、1枚なくなるということはないと思うのですが、経伺はそれぞれの職員のところで行っていたので、相当時間がかかるということもありました。今回を受けて最終的に回覧の仕方についても少し簡便にして、管理者が確認をした上で授受簿をつけて格納するという方法に変えたいと思っています。

 (石原委員長)

 いずれにしても、「放送を巡る諸課題に関する検討会」でもガバナンスの問題が指摘されているので、今、受信料に関わる個人情報に関するこうした事件は、経営的にも大きな影響が起きるおそれがあると思います。ぜひ、注意をしていただきたいと思います。

 (松原理事)

 分かりました。

 (高橋委員)

 この件につきまして、監査委員会の見解を申し上げます。受信料に関する不祥事再発防止に取り組んでいる中、個人情報を含む帳票の紛失・廃棄があったことは極めて残念でなりません。速やかに問題点を洗い出し、個人情報の厳格な取り扱いに対する職員の意識を再徹底すると同時に、業務フローの適正化、データ管理方法の見直しなどにより、再発防止につなげることが必要です。監査委員会は協会が二度と視聴者の信頼を損なわないよう適正かつ迅速な対応を行うことを期待します。

 (石原委員長)

 それでは、私のほうからも一言申し上げます。昨年に引き続き、個人情報を含む受信料に関する帳票の紛失、さらに廃棄が発生したことはまことに遺憾であり、大変深刻であると受け止めています。受信料で成り立っているNHKにとって、受信契約に関する個人情報はNHKが取り扱う個人情報の中でも最も厳重な管理が求められるものであり、適切な管理体制の構築は視聴者の皆さまの信頼の支えとなるものです。二度とこのようなことを起こさないという決意を持ち、再発防止策を講じることを強く求めます。

 

 

2 監査委員会報告(資料)

 (高橋委員)
 監査委員会から、放送法第39条第5項に基づき、監査委員会の活動結果について報告します。
 報告の対象期間は、平成30年4月1日から昨日9月24日までです。この期間中に出されました四半期業務報告に記載された業務、および期間中に生じた事象で監査委員が必要と認めた業務を対象に監査を行いました。
 報告書は、監査実施計画に従いまして、「Ⅰ 業務監査」、「Ⅱ 会計監査」、そして「Ⅲ 監査委員会の活動」の3つのパートで構成しております。
 本日は、「Ⅰ 業務監査」のうち、重点監査項目における「監査委員会の認識」を中心に説明いたします。「業務執行状況」および「会長、副会長、理事の認識」につきましては、報告書をご覧ください。監査活動に関しまして、会長、副会長はじめ理事の皆さまにヒアリングなどへのご協力をいただきましたこと、この場を借りまして深くお礼を申し上げます。
 それでは説明に移ります。2ページをご覧ください。重点監査項目の1つ目は「内部統制の推進およびリスクマネジメントの取り組み」です。北大阪営業センターで、受信契約者の個人情報を含む帳票を紛失・廃棄した事案につきまして、営業統括理事は、「不祥事の再発防止を最優先に管理強化を進めていた中で、個人情報を含む帳票の紛失・廃棄があったことを重大なことと受け止めている。個人情報の適正な管理を営業の最重要課題としてきたが、改めて再徹底を図っていく」との認識を示されています。コンプライアンス統括理事は、「職員のリスク管理意識をさらに徹底させると同時に、ITやスマホ等を活用したリスク低減のシステム化を図りたい」との認識を示されております。
 また、サイバー攻撃のセキュリティ対策につきまして、情報システムセキュリティ統括理事は、「関連団体も含めたリスクの洗い出しを進めているが、課題を解決しながらさらにITセキュリティのレベルを上げていきたい」との認識を示されました。
 副会長は、「公共放送として強い姿勢と緊張感を持ってガバナンス強化に取り組みたい」との認識を示されております。
 会長は、「NHKは視聴者の信頼という基盤の上に成り立つという基本認識のもと、改めて内部統制システム全体を検証し、実効性のあるリスクマネジメントを進め、不祥事の再発防止に努める」との認識を示されております。
 監査委員会の認識は、先ほど会長報告の後でも述べましたので、全文の紹介は避けますが、3ページに記載しています。
 ITセキュリティ対策については、体制強化やリスクの洗い出しなどが急速に進んでいますが、今後この分野に精通した人材の育成と獲得が喫緊の課題であると考えます。またリスクマネジメントにおけるITの活用は、働き方改革と連動するよう、十分に検証しながら進化させていく必要があります。
 リスク管理・内部統制には、何よりも職員の意識改革が重要であり、協会が研修やコンプライアンス強化月間などを通じてどのように職員の意識を向上させていくか、監査委員会は関心を持って見てまいります。
 重点監査項目の2つ目は、「新たなメディア環境への対応状況」です。「業務執行状況」と「会長・理事の認識」は、3ページから4ページをご覧ください。
 監査委員会は、4K・8K本放送の準備が最終段階を迎える中、協会は、魅力的なコンテンツの蓄積と、安定送出に向けた運用体制の構築を進め、4K・8K放送の視聴方法を正しく知ってもらうため、関係する業界団体等とともに、周知に万全を期す必要があると考えています。監査委員会は、協会が関係各所と連携し、効果的な普及活動や視聴環境の整備を行い、円滑に本放送を開始するか、確認してまいります。
 また監査委員会は、総務省「放送を巡る諸課題に関する検討会」の「第二次取りまとめ(案)」に示された内容を協会がしっかりと受け止め、常時同時配信の実現に向けて視聴者・国民の理解を得ながら取り組みを着実に進めていくか、注視してまいります。
 3つ目は、「働き方改革の取り組み」です。6ページをご覧ください。
 監査委員会は、働き方改革について、各現場でさまざまな取り組みが始まっており、今後どう成果に結びついていくか、期待と関心を持って見ていきたいと考えています。また、見直しを行った36協定や勤務制度については、勤務データの分析とともに、現場の実態をフォローし、継続的に検証していくことが必要であると認識しております。監査委員会は、協会が職場のモチベーション維持や人材育成との両立を図りながら、グループ全体で働き方改革にどのように取り組んでいくか、引き続き注視してまいります。
 4つ目は、「NHKグループ経営改革の取り組み」です。7ページをご覧ください。
 監査委員会は、協会が公共メディアへの進化を目指し、グループ全体の改革を進めていく上で、新たに設置した業務改革推進会議の果たす役割は極めて大きいと認識しております。また、本体と関連団体の再編については、新しいメディア環境に対応できる組織づくり、ガバナンスの充実・強化、人材の育成・確保の視点が欠かせないと考えております。監査委員会は、協会が職員・社員のモチベーションを維持しながら、明確なビジョンや目的を持って、どのようにグループ経営改革を進めていくのか、注視してまいります。
 5つ目は、「地域改革の取り組み」です。8ページをご覧ください。
 監査委員会は、協会は経営計画の重点方針に「多様な地域社会への貢献」を掲げているように、地域改革は大きな経営課題の一つであると考えております。地域改革は順調にスタートしたと認識しておりますけれども、働き方改革、グループ経営改革と連動しながら、さらに地域の特性や視聴者のニーズに合った地域サービスをどのように展開していくのか、監査委員会は関心を持って注目していきます。パイロット局での検証や、本部・拠点局の支援の効果についても確認してまいります。
 6つ目は、国際発信力の強化に向けた取り組みです。9ページをご覧ください。
 監査委員会は、2020年に向けて日本への関心が高まる中、日本への理解を促すニュース・番組を充実させ、国際報道を強化すること、年々増加する訪日・在日外国人に安心・安全情報を届けることは、協会の果たすべき責務であると考えております。国際放送の認知度は上昇傾向にありますが、今後もこうした責務に協会がどのように取り組んでいくのか、監査委員会は関心を持って見てまいります。
 7つ目は、「放送センター建替に向けた取り組み」です。10ページをご覧ください。
 監査委員会は、基本設計の完成に向けて、協会が情報管理の徹底を図り、高い公平性や透明性、客観性を確保して手続きを進めているか、注視してまいります。また、各プロジェクトによる事業継続や放送機能等の検討の過程についても、適時報告を求めてまいります。
 10ページから11ページには、「その他の主な監査項目」として、編成・番組の取り組みと西日本豪雨の災害報道について記載しています。それぞれ、担当の理事から取り組み状況等について聞き取りを行っております。
 11ページから12ページにかけて、「災害時の緊急報道についての監査委員会の認識」を記載しております。
 本期間内では、大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道地震などの大規模災害が相次ぎました。一連の災害で協会は、これまでの経験を生かしながら、放送やインターネットのあらゆる手段を使って、命を守る減災報道、被災者に必要な生活情報の提供を行いました。これらの報道では、東日本大震災以来の機能強化の成果も見られましたが、道内のほぼ全域が停電した北海道地震では、取材や放送を継続するための電源や燃料の確保、大規模停電時の情報伝達方法などの課題も浮かび上がりました。災害時の緊急報道は公共メディアの根幹であり、監査委員会は、協会がBCPや浮き彫りになったさまざまな課題を検証し、より効果ある災害報道に地道に、かつ確実に取り組んでいくかを注視してまいります。さらに、災害発生時により多くの住民の命を救うために、避難の呼びかけに加え、住民の行動に直接結びつくような、一段高い災害報道のあり方の検討についても期待します。
 12ページ以降の、「Ⅱ 会計監査」、「Ⅲ 監査委員会の活動」については、報告書をご覧ください。

 


3 議決事項

 (1) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)
 (木田専務理事)
 中央放送番組審議会委員について、次のとおり委嘱を行いたいと思います。つきましては、定款第66号第2項の規定により、経営委員会の同意をいただきたいと思います。
 新規委嘱はお一人で、栗原友氏、料理家でいらっしゃいます。栗原氏の経歴については資料の2ページにありますが、日本各地で料理教室を開催するほか、雑誌やテレビでレシピを公開するなど、料理家として幅広い活動をするとともに、平成21年にはASEAN食の親善大使にも就任されていらっしゃいます。
 それから、再委嘱はお一人です。出口治明氏、ライフネット生命保険株式会社創業者、立命館アジア太平洋大学学長でいらっしゃいます。
 お二人とも平成30年10月1日付です。
 なお、永田紗戀氏は、任期満了により退任されました。

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

4 報告事項
 (1) 予算の執行状況(平成30年8月末)(資料)
 (石原委員長)
 報告事項(1)については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 (2) 契約・収納活動の状況(平成30年8月末)(資料)
 (石原委員長)
 報告事項(2)については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 (3) テレビ放送の同時配信の試験的な提供(試験的提供A)の試験結果について
(資料1)(資料2)
 (坂本専務理事)
 FIFAワールドカップサッカーのロシア大会で、「試験的提供A」を実施しています。6月14日から7月22日までで、配信実施時間は55時間35分です。1日1試合から2試合程度で、全部で24試合で同時配信を行いました。また見逃し配信も行っております。総合テレビを配信し、自由参加としまして、費用は0.5億円となっています。
 世界的なスポーツイベントにおける利用のされ方、大規模アクセスへのシステム負荷の把握などを狙いに行っています。
 2ページは、調査・検証の概要です。特設のホームページ、スマートフォンアプリ「NHKスポーツアプリ」で提供を実施しました。スマートフォンについては、アプリに加え、ホームページからも視聴できるようにしています。また、利用状況を把握するため、1,234人を対象に、インターネットによるアンケート調査も行いました。
 利用状況についてです。期間中の同時配信の視聴者数、ユニークユーザーは191万9,000でした。試合ごとの中身を見ますと、日本の初戦だった日本対コロンビア戦が最も多く、59万あまりになっています。
 別紙を見ていただきたいと思います。6月14日から7月15・16日の決勝までとなっています。最も多かったのが6月19日の日本対コロンビア戦で、59万です。
 別紙2になりますが、セネガル対コロンビア戦、それから、日本が決勝ラウンドに進んだベルギーとの試合で視聴が多くなっています。
 別紙3です。使用したデバイスとしては、78%がスマートフォンやタブレットのスマートデバイス、20%がパソコンです。
 別紙4です。利用満足度ですが、ほぼ9割の方が満足、どちらかというと満足、となっています。アンケートを見れば、「自宅でテレビを見なくてもどこでも見られたのはよかった」とか、「裏で行われた試合が見られたのは新しい体験だった」といった反応をいただいています。
 別紙5の同時配信の利用に関する主な意見は、「NHKの同時配信を利用することで、NHKのほかのワールドカップの試合中継を視聴したくなった」、一番下にあります「NHKの同時配信を利用しなければロシア大会の中継を視聴していない試合があった」ということです。視聴機会の拡大を目指していましたので、そこはこうした意見に表れていたと思っています。
 それから同時配信の利用場所です。これまでも同じような傾向が出ており、自宅でが77%、続いて、移動中、職場・学校などとなっております。
 別紙7、同時配信を利用した理由ですが、「外出先で、スマートフォンなどで視聴できたから」、「近くにテレビがなかったから」、「手元で番組を見たかったから」などの理由が挙がっております。
 別紙8の同時配信の認知のきっかけですが、一番多いのが「NHKワールドカップの中継」です。次いで、インターネットのポータルサイトでのニュースや記事などとなっていて、さまざまな手段を通して同時配信について知っていただいていることになります。
 最初の資料に戻っていただき、配信時間は55時間あまりでしたが、そのふたかぶせは4時間あまりということで、実提供時間は51時間29分となっています。
 4ページ、配信負荷についてです。今回初めて2つのCDNを使う「マルチCDN」の運用を実施しています。2つに振り分ける比率をあらかじめ設定し、期間中その比率変更が可能であるということなどを確認しています。
 それから、同時配信の際のいわゆる放送に比べての遅延です。これについては38秒から52秒ということでした。
 以上が「試験的提供A」の結果です。これは、NHKのホームページ上で公開する予定です。

 (森下代行)

 年齢別の視聴状況というデータはないのですか。

 (坂本専務理事)

 「試験的提供B」とは違って、誰でも見ることができますのでちょっと分かりません。

 (森下代行)

 別紙8の「同時配信の認知」ですが、NHKでのワールドカップの試合中継からというより、インターネットから入ってくる人が結構多いです。先日も技研で「視聴者のみなさまと語る会」が行われ、そこで話を聞いてみますと、今の20代の人たちは、もともとの情報はスマホ、インターネットからで、そこからテレビに入ってくるとのことでした。テレビを見るとか見ないとかいうことではなくて、テレビを見る機会がないということです。インターネットで何か話題になればテレビを見るということなので、できるだけSNSやインターネットの中にNHKの番組の情報を出していくということが、視聴率を上げていく上で大事なことだと思います。特に20代の若い人たちは決してテレビを見ないというのではなく、テレビを見る機会、きっかけは、やはりインターネットだということです。ぜひ意識してインターネットへの情報提供をいろいろやっていただくと、20代の人の視聴率は上がってくるのではないかと思います。放送よりSNSを使いますので。よろしくお願いします。

 (佐藤委員)

 今、アンケートからは、男女や世代別のデータは出ないと言われましたが、1,234名のインターネットによるアンケート調査ですので、そのときに世代とか男女を聞くことは可能ではないかと思います。まず私もお伺いしたかったのは、そのように視聴しているのはどういう世代なのかということです。

 (坂本専務理事)

 ご指摘のように、アンケートについては年齢等を把握していますが、サンプルが小さくばらつきがあるということで、あえてそのようなまとめ方をしているようです。

 (佐藤委員)

 では、把握はしているのですね。

 (坂本専務理事)

 はい。

 (佐藤委員)

 それならば安心しました。

 (中島委員)

 視聴した場所は、自宅が77%と非常に多いのですね。そしてデバイス別では、パソコンが20%、スマートデバイスウェブサイトは78%です。自宅の場合でも、このスマートデバイスウェブサイトでの視聴が多いのですか。

 (坂本専務理事)

 はい。自宅で、自分の部屋で、自分のスマートフォンで視聴されているようです。

 (中島委員)

 小さな画面でですね。

 (坂本専務理事)

 はい。例えば、子どもが寝ていて、自分だけちょっと見たいと思ったときに、家族が静かなときには騒げないので、静かに見るとかですね。自宅で見る時には、それぞれ個人の視聴方法があると思います。

 (中島委員)

 これはサッカーの中継だったと思いますが、ほかの同時配信の番組でも同じような傾向があるのでしょうか。

 (坂本専務理事)

 はい。これまで「試験的提供B」なども含めて3回ほど実施しましたが、やはり自宅での視聴が一番多い。意外と移動中が少なかったということもあります。

 

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)
 (石原委員長)
 報告事項(4)については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 

○ 説明会「多数支払いにおける割引の考え方」

 多数支払いにおける割引の考え方について、担当理事より説明を受け、意見交換を行った。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成30年10月9日    

石 原  進

 

 

高 橋 正 美