●経営委員会委員長、委員長職務代行者の選出について |
07年6月26日(火)(1047回) 古森委員長、多賀谷代行
(経営委員会事務局長)
本日、新たに5人の委員が就任し、互選により古森委員が委員長に選出され、また多賀谷委員を委員長職務代行者として定めた。
(古森委員長)
企業活動を通して得た経験を基に社会に貢献していきたいと思い、委員長をお引き受けした。NHKが正確な情報を発信し、優れた番組を提供していくことが、日本人のモラル、社会の連帯感や価値観の形成に大きな影響を持つと思う。良い番組が社会の発展や文化の向上に寄与する。最高意思決定機関の委員長として、NHKがコンプライアンスを徹底し、かつ、また健全な経営を行うことにより、視聴者の皆さまの信頼を確かなものにするよう、微力ながら尽くしていきたい。
(多賀谷代行)
委員長代行を務めさせていただくこととなった。委員長選出の経過については、ある委員から、委員長の選考基準として、経営者としての実績、東京在住などの地理的条件(関係者との迅速・機敏な対応などの容易性)などの提案があった。それをもとに、複数の候補者について議論して、最終的には全会一致で古森委員長を選出した。古森さんは、経営委員としての実績はないが、これまで経営委員を務めてきた私が代行としてサポートしていく。
マスメディア各社との質疑応答
Q |
経営委員は内閣総理大臣の任命であり、政府の強い意向が働いていると思われる。政府は受信料値下げの意向を持っているが、経営委員長就任にあたって、このあたりが求められたのか。 |
||||||
A |
(古森委員長) |
||||||
Q |
この大変な時期に経営委員を引き受けたくないという気持ちはなかったのか。 |
||||||
A |
(古森委員長) 率直に言って、最初はネガティブな気持ちだった。それは「時間」についての問題で、社長と経営委員長の両方の職務に時間がとれるのかという危惧。 |
||||||
Q |
3点聞きたい。
|
||||||
A |
(多賀谷代行) ある委員から、選考基準について提案があった。経営者としての実績、東京在住などの地理的条件などである。それに基づいて、複数の候補の中から、最終的に全員の合意で、古森経営委員長を選出した。 |
||||||
A |
(古森委員長) 国会の同意に関して、いろいろな意見があるだろうが、結果として同意されたのだから、私としては恥じることはないと思っている。 |
||||||
Q |
NHKでは不祥事が起きているが、委員長はそうしたNHKの現状をどう見ているか。処方箋はどうか。 |
||||||
A |
(古森委員長) 不祥事については誠に遺憾。コンプライアンスの強化、役職員の自覚を促すことを通じて、一人一人に倫理観を高めてもらいたい。NHKは公共放送であり、視聴者の信頼が大事。その観点から、CSR、コンプライアンスを徹底していかないといけない。 |
||||||
Q |
総務大臣は、支払義務化と受信料値下げをセットにしていた。現段階では、セット論についてどう考えるか。 |
||||||
A |
(古森委員長) 現段階ではそれがベストだとは言い切れないが、1つの考え方だと思う。 |
||||||
Q |
2点聞きたい。
|
||||||
A |
(古森委員長) ビデオテープを確かに納入しているが、放送法上の欠格事由にはならない。NHKとの取引は、富士フイルムの売り上げの0.02%である。NHKのような規模の組織であれば、多くの会社と何らかの取引はあるのではないか。 |
||||||
Q |
2点聞きたい。
|
||||||
A |
(古森委員長) きょうの経営委員会の議論でも、どうして不祥事が起きるのかその原因究明と、実効ある対策を執行部に求める意見が出た。背景として1つには、「叩かれ過ぎ」ということがあるのではないか。出口のない、やるせなさみたいなものがあるのではないか。ポジティブな経営計画のようなものが出れば、多少違ってくるかもしれないと思う。 |
||||||
Q |
NHK改革に関する議論の中で、「ドラマ制作の切り離し」という意見もあったが、それについては反対か。 |
||||||
A |
(古森委員長) 別の会社にする、機能別に別会社にしたうえで、全体としてやっていくことは、よくある。それは、「切り離し」というよりも、「最適なオーガニゼーション」にするということ。NHKには、報道、技術、制作、国際放送など、いろいろな業務、部門がある。それを最適な業務形態、最適なオーガニゼーションにすることは、ある意味で当たり前。NHKにとって良いか悪いかは別として、そういう議論はありうる。 |
以上