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鹿児島初 外資系ホテル「シェラトン鹿児島」オープン!

気になる内部は?経済効果は?
  • 2023年05月25日

今月16日、新たにオープンした高級ホテル「シェラトン鹿児島」。鹿児島初の本格的な外資系ホテルとなるだけに、地元の経済界などから注目が集まっています。気になる内部はどうなっているのか。また、中心市街地のまちづくりや、地域経済にどのような影響をもたらすのか、取材しました。

(鹿児島放送局 金子晃久)

コンセプトは「ラグジュアリー」

オープニングセレモニー

鹿児島市高麗町にオープンした「シェラトン鹿児島」。地上19階建て228の客室にくわえて、レストランやバー、カフェのほか、温泉やスパ施設なども完備。国内外の富裕層をおもなターゲットに、新たな顧客の獲得を狙っています。

広々とした1階ロビー

コンセプトは「洗練されたラグジュアリー空間」。エントランスから、そのことを感じさせます。ロビーの天井は吹き抜けになっていて、開放感のある心地よい空間に。広々としたソファーでチェックインを待っていると、ほんのりと香るフレグランスが心をリラックスさせてくれます。

気になる内部は

ディナーコースの一例 食材は鹿児島産にこだわる

一方で、鹿児島らしさが十分に満喫できるポイントも。最上階のレストラン「フライングフォググリル」では、桜島を眺めながら、薪で焼いたグリル料理を堪能できます。
ランチは6000円と8000円の2つのコース、ディナーは1万円・1万5000円・2万円の3つのコースから選ぶことができ、鹿児島の新鮮な魚介を用いた前菜や、特産の和牛や黒豚を使ったメインディッシュなど、5~8種類の料理を楽しむことができます。

最上階のバー「ビバリウム」

隣接するラウンジバー「ビバリウム」では、美しい夜景とともに、厳選されたさまざまなお酒が楽しめます。ウイスキーやブランデー、各種カクテルはもちろん、特産の焼酎ジンなど、100種類以上のメニューが取りそろえられています。アルコール類は、1ドリンク1000円~です。

最高級「桜島インペリアルスイート」

ホテルに2部屋しかない、最高級スイートも取材してきました。109㎡の広々としたリビングに、大きなサイズのベッド、ガラス張りのシャワールームを完備。

部屋からは桜島を一望

もちろん、部屋からは桜島を独り占め。最高級スイートは1泊およそ28万円(税・サ込)から宿泊できます。

一方で、よりカジュアルな利用方法も。1階のカフェテリア「アンドモア」では、お手ごろな値段でクレープやケーキなどの軽食と、コーヒーや紅茶が楽しめます。軽食は1000円~、コーヒーや紅茶は700円~です。

4階のダイニング「デイリーソーシャル」では、最上階のレストランよりも気軽な雰囲気で食事を楽しめます。ランチは5000円、ディナーは7000円の「ビュッフェ形式」で、県産の食材を使った、和洋中50種類あまりの料理が並ぶほか、目の前で寿司を握ったり、天ぷらを揚げたりするなど演出にもこだわりが。

「シェラトン鹿児島」の戸田猛樹総支配人は、国内外の観光客だけでなく、地元の人からも愛されるホテルを目指したいと話しています。

総支配人 戸田猛樹さん
自然や文化、歴史など、鹿児島のポテンシャルは非常に高いと思っています。世界の方々に鹿児島の魅力を発信したいですし、観光客だけでなく、地元のみなさまにも、コーヒー1杯から気軽に利用していただきたい

オープンの「舞台裏」は

一方で、オープンに向けてどのような準備が行われていたのか。今回。特別に舞台裏を取材しました。飲食部門の責任者、信田豊さん。都内の高級外資系ホテルを中心に、30年以上のキャリアを重ねてきたベテランホテルマンです。

オープンまで刻一刻と迫るなか、信田さんは厨房に向かい、スタッフの動きを確認。オープニングパーティーで提供される料理を、みずからの目で1皿ずつチェックします。

こだわりはこんなところにまで。一見きれいに見えるワイングラスの磨き直しをスタッフに指示。

信田副部長

拭き上げがちょっと弱かったので、やり直しを依頼をしました。おいしい状態で飲んでいただくには、グラスにも細心の注意を払います。

1階のカフェ「アンドモア」

そして午後3時、ついにオープン。

ホテルにはさっそく多くの人が訪れていました。

利用客

(シェラトンが)鹿児島に来たって、うれしいじゃない。

利用客

レストランとかも、子どものお祝いで行けたらいいなと。

宿泊客

めちゃくちゃ魅力ですね。
ごほうびのときや誰か大切な人が来たときに泊まることができたら。

信田副部長

鹿児島のいいところを海外の方々にも伝えて、よさを知ってほしいです。3年後5年後10年後に、本当にすごいホテルだと言われるように精進していきたい。

地域経済への影響は

一方で気になるのが、地域経済への影響。鹿児島市の中心市街地をめぐっては、近年商業施設のオープンが相次ぐなど、再開発が急速に進んでいます。

こうしたなか、今回新たにオープンしたのが「シェラトン鹿児島」です。中心市街地からやや離れた高麗町ににぎわいの拠点が生まれたことで、まちづくりのテーマとなっている「回遊性の向上」につながると期待されています。

こうした動きについて専門家は、外資系ホテルの参入が、鹿児島の観光業全体に良い影響をもたらす可能性があると指摘しています。

九州経済研究所 福留一郎さん 
観光業の課題は料金設定。世界的に見て日本の賃金は安い。思い切った価格設定をすることで全体の底上げになれば、スタッフのサラリーが上がっていくことになる。外資系ホテルの進出は、前向きに考えていいのではないか。

取材後記

県外からの観光客をおもなターゲットしている「シェラトン鹿児島」ですが、取材すると、地元の人たちからも「泊まってみたい」という声が多く聞かれました。外資系ホテルの参入に、地元からも期待が寄せられているようです。ホテルには宿泊客だけでなく、デイユース向けのサービスも幅広く備えられていて、地域の人たちも利用しやすいと感じました。観光客だけでなく、鹿児島の人からも親しまれる新たなランドマークとなるか、注目したいと思います。

  • 金子晃久

    NHK鹿児島 記者

    金子晃久

    初任地の奈良局を経て 鹿児島局に赴任  現在は鹿児島市政キャップ 鹿児島には魅力的なホテル・旅館が多く、いつも悩んでしまいます。

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