第43回日本賞 優秀作品

企画部門 最優秀賞 <放送文化基金賞>
未来は私のもの
機関名 ドゥルーパッド・コミュニケーション―教育発達メディア
国/地域名 バングラデシュ
(シビライ・ボズデミール)
「未来は私のもの」はバングラデシュにおける児童婚の問題を取り上げます。適齢期になってから結婚できた少女たちの前向きなストーリーとそうではない不運な少女たちのストーリー、20分のドキュメンタリー番組ではその両方を紹介します。19歳の若手プロデューサー兼ディレクターによるこの企画は、私たちの心に訴えかけ、彼女の国における児童婚の主な原因である貧困、教育の欠如、社会保障や社会意識を直視しなければ、という気持ちを抱かせました。感銘を受けたのは、プロデューサーである彼女がドキュメンタリーによってこの難しい問題に一歩踏み込もうとする、その熱意です。ユニセフも「児童婚はバングラデシュに広く浸透しており、少女の64%が18歳未満で結婚している」と報告しています。年若い妊産婦の体にかかる過度な負担や障害児の出産など、問題も多く発生しています。このドキュメンタリーはすべての階級や年齢の人々を触発すると確信を持ちました。さらに、番組のテレビ放送と並行してさまざまなメディアのプラットフォームを活用すれば、この問題に世間の目を向けることができるかもしれません。プロデューサーの番組制作及び放送後のプランには期待が持てます。
(ノベラ・ニコン)
このたびは、私の企画「未来は私のもの」で名誉ある放送文化基金賞をいただけたことをとても嬉しく思います。ユニセフによると、18歳未満で結婚した人は現在7億人以上いて、いまでも毎年1千500万人の子どもたちが結婚させられているとのことです。これはもはやバングラデシュだけの問題ではありません。児童婚は子どもの権利を大きく侵害し、さらには人としての感性を養う教育を否定するものです。
私が制作する番組では、児童婚をまぬがれた少女たちの物語に重点を置きます。彼女たちは、児童婚という限界や壁を乗り越えて社会生活における成功を手にします。平等に扱われさえすれば、自らの価値を証明することができるのです。少年であろうと少女であろうと基本的な違いはありません。少女たちは決して家族の重荷ではないのです。

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