第43回日本賞 優秀作品

グランプリ日本賞
消えたブロガー “アミナ”
機関名 エスペラモス
カナダ国立映画制作庁
国/地域名 カナダ
メディア 映画
(林 樂群 [レーチュン・リン])
「消えたブロガー“アミナ”」は、私たちの現代社会の見方に真っ向から挑む映画です。私たちが抱いているメディアやジャーナリズムへの信頼をかき乱し、デジタル時代の人間関係がもたらすものに疑問を投げかけ、複雑な政治状況や社会状況に再び目を向けさせます。制作者たちはこの複雑さを豊かに重ね上げ、見事に描出しました。作品を観終わったあと、審査委員たちの議論は尽きませんでした。まさに今年のグランプリ日本賞にふさわしい作品です。
(ナタリー・クローティア)
人々はメディアが伝えるニュースや出来事をどのように消費し、どのように事実の情報入手をしているのか。「消えたブロガー“アミナ”」はこの両者を検証するために制作されました。ソフィー・ドゥラスプ監督が綴るこのドキュメンタリーは、サンドラの旅の軌跡を追い、観る者を彼女の私的な体験に引き込みます。その個人の物語はやがて普遍的な重要性をもつ経験譚へと変わってゆきます。私たちは常に、今を生きる人々の現実世界の見方や考え方に影響を与え、問題を提起し、ときにはそれらをがらりと変える意図をもって創作活動をしています。「日本賞」は物語を提示することの教育的目的に着目し、私たちがこの映画に込めた大胆な狙いを評価してくれました。このことは私たちにとっては最高の栄誉です。一般向けカテゴリーの最優秀賞に選ばれたことだけでも光栄の至りでしたが、グランプリを頂けるなんて夢にも思いませんでした。特に、すべてのカテゴリーに優秀な作品が寄せられていたことを思うと夢のようです。制作会社のエスペラモス、カナダ国立映画製作庁、そして監督のソフィー・ドゥラスプはグランプリに選んでいただいたことを謙虚に受けとめています。

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