(サラ・グラフマン)
「サッカーは幸せへのパスポート」は、一人の少年がサッカーを続け、サッカーへの愛を保ち続けることで「家族」と希望を見出す過程を見事に伝えています。その点が評価され、青少年向けカテゴリーの最優秀賞に選ばれました。ウガンダの少年たちにとってサッカーは貧困から脱け出すための手段です。この作品は、そのチームが直面する問題を追う、きわめて地域色の強いドキュメンタリーですが、同時に、普遍的な面も持ち合わせています。自己の能力を伸ばす道を模索し、支えになってくれる温かいチームに所属するということは世界共通のテーマだからです。卓越した撮影技術により、私たちは少年たちの世界――その多くが難しい境遇なのですが――に浸ります。試合のシーンは迫力満点です。子どもたちのプレーと、彼らがあこがれるスター選手たちのプレーを交互にカットインし、熱狂を伝えます。ウガンダの日常の一部と、市民の希望と未来を知ることができる作品です。審査委員たちは、この映画の情熱と、サッカーが単なるゲームではないことを示す手法に感銘を受けました。