「日本賞」は、ドキュメンタリー映画製作者にとって本当にすばらしい発表の場です。「日本賞」の全過程が、他に類をみない優れた人道的ミッションであり、私たちに学びの機会、自分たちのドキュメンタリー作品を世に出す機会を与えてくれるのです。 私は、すべての子どもたちは、平等に教育を受ける機会を与えられ、教師は教室の枠組みを超えて、貧しく社会的に疎外された子どもたちの置かれた現実に目を向けるべきであると考えています。「5年生のシンデレラ」は私をすばらしいドキュメンタリー制作へと駆り立てた実話に基づいています。この物語は、教育現場における教師の役割をどう設計していくのか、教育に携わる人々に考えさせ、動かすようなメッセージを発していると思います。作品に登場する教師が、同じ教育方法を使って、国内の恵まれない子どもたちの力を引き出し、伸ばしていこうと決意していると聞きました。大変うれしいことです。このドキュメンタリーの放送後、私は視聴者の方から多くの心強い反響を頂戴しました。それは映像メディアのもつ力の大きさを示していました。この生徒の力になろうと、家族のために家を建てる支援をしたり、彼女が引き続き高等教育を受けることができるよう資金援助を申し出たりする人々が現れてきたのです。