第41回日本賞 受賞作品発表!
第41回「日本賞」には、62の国と地域の、206機関から320件の作品と企画がエントリー。
10月21日にグランプリ「日本賞」はじめ各賞が発表されました。

*一次審査通過作品リスト(コンテンツ部門)についてはこちらをご覧ください。

*一次審査通過作品リスト(企画部門)についてはこちらをご覧ください。

コンテンツ部門の各カテゴリー最優秀作品の中から、最も教育的効果が高く、的確に時代の要請に応え、教育メディアの発展に寄与するコンテンツ
Finalists タイトル “自然と遊ぼう!”大作戦 メディア 映画
機関名 グリーン・ライオンズ
イギリスドキュメンタリー財団 (BRITDOC)
国・地域名 イギリス
主人公は5歳の娘と3歳の息子の父親。自分が幼い頃は戸外で遊ぶことが何よりの楽しみだったのに、子どもたちは家でテレビやタブレットの画面にくぎづけの毎日。こうした傾向は、イギリス社会全体で子どもの肥満や心の病の増加といった問題を生んでいる。そこで父親は立ち上がった。「自然」というブランドを子どもたちに浸透させる広告マンに自らを任命。マーケティングの専門家や心理学者、ナチュラリストなどの助けを借りながら、ポスターを作り、ホームページを立ち上げ、集会での演説を繰り返し、ついにプロジェクト“自然と遊ぼう!”をスタートさせる。一人の父親の思いが、社会を動かし始めた。

コンテンツ部門 最優秀作品賞
幼児向けカテゴリー最優秀賞(総務大臣賞)
0歳〜6歳までの未就学児の教育に役立つ最も優秀なコンテンツ
Finalists タイトル ミミクリーズ きいろとくろのヒミツ メディア テレビ
機関名 日本放送協会(NHK)
NHKエデュケーショナル
国・地域名 日本
自然の中のそっくりさん=「ミミクリー」を探せ!ミツバチの、黄色と黒のしま模様に注目。かみきり虫も蛾(が)の仲間も黄色と黒。踏切や工事中のサインなど、わたしたちの身の回りにもいっぱいある。番組は、次から次に生き物の中に潜む似たもの同士を探し、似ている理由や意味を考えさせる。枯れ葉にそっくりに見えるカマキリ。子どもたちも緑や茶色の布やリボンなどを身にまとい、草や木になって自然の中に出てみる。なぜ、そっくりなんだろう?丸くなるダンゴムシ。猫もアルマジロも、そして地震の時に机の下に隠れる自分たちも丸くなる。アニメーションや実写、絵描き歌などを組み合わせ、子どもたちを自然の中の不思議な世界へ誘い込む。
児童向けカテゴリー最優秀賞(文部科学大臣賞)
6歳〜12歳までの初等教育課程の子どもの教育に役立つ最も優秀なコンテンツ
Finalists タイトル わたしの友だちは “トカゲ” メディア テレビ
機関名 フィールグッド・フィクション 国・地域名 イギリス
10歳になるアスペルガー症候群の女の子が主人公のドラマ。人とのつきあいが難しい彼女は、飼っているペットのトカゲが唯一の友だちだった。ある時、男の子たちがスケートボードで遊んでいるのを見かけ、やってみたい気持ちをどうしても抑えきれなくなる。自分で作ってみたがすぐに壊れてしまった。激しく落ち込む彼女の姿に、その場にいた一人の男の子が、使い古したスケートボードをそっと家の前に置く。スケートボードを手にした彼女は、一人で練習を重ね、みんなの前で見事にすべりきった。男の子が彼女の家を訪ねると、彼女は初めて部屋に招き入れ、自分が大切にしているトカゲを見せる。
青少年向けカテゴリー最優秀賞(外務大臣賞)
12歳〜17歳までの青少年の教育に役立つ最も優秀なコンテンツ
Finalists タイトル 障害を抱きしめて メディア テレビ
機関名 大愛衛星テレビ 国・地域名 台湾
台湾に住む脳性まひの少年、林彦良。父親は、小さいころから、来る日も来る日も足のマッサージを続け、大切に育てていた。しかし、学校では好奇の目にさらされ、辛い日々が続いた。そんな環境が大きく変わったのは、高校に入り、たくさんの素晴らしい仲間と出会ったことがきっかけだった。昼食後に横たわるためのベッドをふき、トイレ介助で排せつ物の処理までしてくれた。彦良自身のユーモアのセンスと家族の深い愛情、そして友だちとの交流が、彼の人生を笑顔あふれるものに変えた。彦良が、少年から大学生になるまでの10年にわたる成長の記録。
生涯教育カテゴリー最優秀賞(東京都知事賞)
社会に出てからも学び続ける人を支援する最も優秀なコンテンツ(18歳以上が対象)
Finalists タイトル “自然と遊ぼう!”大作戦 メディア 映画
機関名 グリーン・ライオンズ
イギリスドキュメンタリー財団 (BRITDOC)
国・地域名 イギリス
主人公は5歳の娘と3歳の息子の父親。自分が幼い頃は戸外で遊ぶことが何よりの楽しみだったのに、子どもたちは家でテレビやタブレットの画面にくぎづけの毎日。こうした傾向は、イギリス社会全体で子どもの肥満や心の病の増加といった問題を生んでいる。そこで父親は立ち上がった。「自然」というブランドを子どもたちに浸透させる広告マンに自らを任命。マーケティングの専門家や心理学者、ナチュラリストなどの助けを借りながら、ポスターを作り、ホームページを立ち上げ、集会での演説を繰り返し、ついにプロジェクト“自然と遊ぼう!”をスタートさせる。一人の父親の思いが、社会を動かし始めた。
クリエイティブ・フロンティアカテゴリー最優秀賞 (経済産業大臣賞)
メディアの特性を生かし、斬新な発想や手法で制作された、教育の将来を切り開く可能性に富んだコンテンツ(対象年齢不問)
Finalists タイトル ネットウォーズ メディア クロスメディア
機関名 フィルムタンク
MIIQOスタジオ
アルテ(ARTE)/第2ドイツテレビ(ZDF)
バスタイ・リュッベ
国・地域名 ドイツ
ドキュメンタリーの手法だけでなく、双方向性のあるウェブサイトを活用し、ネットに接続したコンピューターが、サイバー戦争に利用される危険性を伝える作品。コンピューターウィルスの感染による、発電所の機能停止、交通システムのまひ、金融システムの崩壊など、世界にもたらされる混乱を示唆している。また、モバイル端末向けのグラフィックノベルとゲームを組み合わせたアプリでは、現実に起こりうるサイバー戦争を疑似体験できる。複数のメディアを組み合わせるクロスメディアという表現手法を用いて、「ネットウォーズ」の危険性をリアルに伝えている。
コンテンツ部門 特別賞
前田賞
自らの国や地域の課題に向き合い、その解決に向けて人々を啓蒙し行動する勇気を与える優れた作品
Finalists タイトル 娘と私は同級生 メディア テレビ
機関名 GMAネットワーク 国・地域名 フィリピン
小学生の娘3人の母親、マリベリ。家が貧しく、小学校は1年生で辞めてしまった。読み書きもままならず、娘たちの宿題も見てあげることができない。25歳の時、意を決し長女と同じ1年生として小学校で学び始めた。周囲の冷たい視線に耐え、暮らしを支えるための仕事とも格闘する日々。しかし、苦労はそれだけでは終わらない。マリベリと長女は長くぜんそくを患っていた。吸入器をもらうための難しい書類が書けず、役所に出せないでいた。娘の症状が悪化し、マリベリは勇気を出して書き始める。番組は、識字教育がいかに人々の暮らしを変えうるのかを訴えかけている。
国際交流基金理事長賞
国家・民族間の相互理解を促す、または文化の交流に貢献する優れた作品
Finalists タイトル さかなはどこへ? メディア 映画
機関名 カナダ国立映画制作庁(NFB) 国・地域名 カナダ
自分とは異なる人たちをどう受け入れるのか、差別とは何なのか、静かに問いかけるアニメーション作品。“赤い靴をはいた一族”と、それと対立する一族が住んでいる小さな村。緊張が高まる中でも、別々の一族に属する二人の少女は固い絆で結ばれていた。ある朝、“赤い靴をはいた一族”が、「2分以内に出て行け」とひとりの少女の家に侵入してきた。彼女は、金魚鉢だけを抱えて家を出た。中には、飼っている魚が一匹。まもなく父親は射殺され、赤ちゃんを抱えた母親と少女は、連行されていく。その途中、大事な魚だけは、友人の少女に手渡すことができた。その時、二人は、しっかりと互いの友情を確かめ合う。
ユニセフ賞
困難な状況下にある子どもの生活や境遇についての理解を促す優れた作品
Finalists タイトル 5年生のシンデレラ メディア テレビ
機関名 スリランカ放送協会 (SLRC) 国・地域名 スリランカ
10歳のマデュシカは、スリランカの田舎の村に住む女の子。文字の読めない父親には肉体労働の仕事しかなく、母と妹の一家4人は小さな小屋で貧しい暮らしにあえいでいる。小学校に通い始めても、劣等感にさいなまれるだけのマデュシカ。しかし、教師たちはそんな彼女を根気強く励まし、クラスで役割を与え、自信をつけさせていった。父親も、長く険しい学校までの道のりを、毎日自転車に乗せて送り迎えを続ける。貧困から抜け出して未来をつかむには、勉強しかないと考えるようになったマデュシカは、ついに奨学金をかけた試験に挑む。高得点を獲得し、自分と家族、そして村の人々にも希望と誇りを与えていく。
NHK会長賞
だれもが幸福に暮らせる社会の構築を考える糧となる,福祉教育分野における優れた作品
Finalists タイトル ウサギさんとシカさん メディア 映画
機関名 モホリ・ナジ芸術デザイン大学 国・地域名 ハンガリー
ウサギさんとシカさんは、とても楽しく一緒に暮らしていた。しかし、シカさんが3次元のしくみを発見したいという思いに取りつかれ、生活は一変する。ある時、思いがけない出来事をきっかけに、シカさんは自分自身が3次元の存在になったことに気づく。“別々の世界”にいることになったウサギさんとシカさんは、元の生活に戻る方法を探さなければならなくなった。シンプルな線画と立体の造形で、2次元と3次元、二つの世界を鮮やかに対比。全編、せりふはなく、笑い声や効果音のみで表現される。この物語は、楽しい時だけでなく困難な時でも友情を育み、互いの違いを認め受け入れることの大切さを伝えている。
企画部門部門 最優秀賞
放送文化基金賞
教育に役立つ優れたテレビ番組の企画
タイトル ミーアキャットのぼうけん
機関名 ナミビア放送協会(NBC)
国・地域名 ナミビア
ナミビアでは、文字や数字、色や形など、就学前に基礎的な事柄を学ぶ子どもは少ない。また、小学校の授業は英語で行われるが、国内には13の言語があり、農村部の幼児が英語に触れる機会はほとんどない。この企画は、知的好奇心が旺盛で冒険好きのアニメキャラクター、ミーアキャットが、砂漠、サバンナ、海岸地帯などアフリカ各地を旅し、さまざまな動物と出会う英語番組。子どもたちは動物や自然について楽しく学びながら、必要な基礎知識を身につける。就学前の子どもに、英語に触れる機会を与えるとともに、まだ見ぬ広い世界へと想像力をかきたてる作品としたい。

2014年12月更新

企画部門部門 特別賞
日本ユネスコ協会連盟賞
識字をはじめとした基礎教育の普及に貢献する優れたテレビ番組の企画
タイトル バイジャルプル村の少女
機関名 メディア・ヘルプ・ライン
国・地域名 ネパール
ネパールのバイジャルプル村では、いまだに大半の人々が「不可触民」(ダリット)と呼ばれ、社会的な差別や貧困に苦しんでいる。わずか10年前でさえ、村の65%の家庭にトイレがなく、排せつによる水質汚染のため毎年何百人という子どもが下痢性疾患で命を落としていた。2005年、そのような状況を変えようと13歳の少女が立ちあがり、公衆衛生キャンペーンを始める。仲間に呼びかけ、家にトイレを作るよう大人たちを根気よく説得した。その結果、全ての家にトイレが備えられ、衛生状態は著しく向上し、この運動は近隣の村々にも広まる。この番組を通して、衛生意識を高めることはもちろん、子どもたちが目覚め、行動を起こすことの重要性を伝える。それは、差別に苦しむダリットの人々の自信を呼び起こすことにもつながる。

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