第31回「日本賞」<2004年>最優秀番組

優秀番組紹介 エントリーリスト
番組部門 子ども番組の部
総務大臣賞
番組名:こどもスーパーショー むかしはよかった?
機関名:ノルウェー放送協会(NRK)
国名:ノルウェー
 
番組内容
 4歳から9歳の子どもを対象にしたバラエティー番組のシリーズで、この回は「今」と「昔」の比較がテーマ。昔は何もかもがよかったの? テレビは白黒だったの? 空気は本当にキレイだったの? お菓子は今よりおいしかったの? ―― 疑問を解くため、子どもたちは、“昔を探そう”と老人ホームに行って写真を撮ったり、昔のレシピ通りにお菓子を作ったりする。
 自信を持って人々と接していける能力を身につけてもらうことがシリーズの狙いで、それに添った試みの1つが、“大人と子どもが役割を交代してみる”こと。子どもたちが、居並ぶ先生たちに、「体によいから」と説得しながらスプーンで苦い肝油を飲ませるシーンもある。子どもがヘッドホンを通じて大人を遠隔操作し、「あなたの使命を果たしなさい!」といたずらを命じるシーンも。
  子どもバンドの演奏・歌、そしてダンス。子どもたちは、カメラの前とは思えないくらい自然に、のびのび、いきいき、屈託なく動く。
審査講評
 元気いっぱいの幼児教育番組。ホスト役である子どもたちが果たす役割が、全体的にバランス良く、そのことが斬新であり、画期的である。実際、この番組をあらゆる意味でリードしているのは子どもたちだ。この回では、おじいさん、おばあさんが懐かしみつつ“古きよき時代”とよぶ時代と、「今」との違いを、子どもとおじいさん・おばあさんが一緒になって実際に探求していく。子どもと大人が役割を交代し、子どもが大人にあれこれ指図するという場面も、この番組の重要な一部だ。制作、演出、台本、編集とすべてが素晴らしく、視聴者の子どもたちを最後まで番組に釘付けにするにちがいない。
  この番組はまた、対象とする視聴者の年齢によく適合している。昔のお菓子を作ってみる場面や、子どもの目を通じてみたおじいさんとおばあさんの恋物語など、1つ1つのセグメントが、中心テーマである「今とむかしの比較」にうまく織り込まれている。この番組を家庭で見る子供たちは、番組が醸し出すリラックスした雰囲気の中で、「今」と比較しながら、「昔」のことを楽しく学べるだろう。子どもたちは遊びを通じて学ぶもの。この番組は“おもしろく学ぶ”要素にあふれている。
制作者コメント
イングリッド・ハフスタッド
プロデューサー

 総務大臣賞を受賞し、大変光栄に思います。
 子どもと大人の間には、一定の力関係があります。子ども番組の制作者はこの点をよく理解しておかなくてはなりません。私たちは、プレゼンターとしての子どもたちに対し、大人の考えや観点を押し付けることをしません。それどころか大人の定めた限界やルールに、もっと挑戦してもらいたいと思っています。子どもたちはほとんどのことを大人の手を借りずに解決できるからです。番組内でのジョークやユーモラスな表現は、「大人の定めたルールの中にはくだらないものがあるが大切なものも確かに存在する。」ということを子どもたちに理解してもらうための工夫です。私たちはまた世界のきれいなものばかりを描こうとは思っていません。いつでも思ったとおりに事が運ぶものではないと子どもたちが知ることが必要だからです。良いこともあれば悪いこともあるという現実の中で、いかに適応しチャレンジするのか、ユーモラスな形で教えていきたいと考えています。子どもスーパーショーは2005年にも放送されます。今後も質が高く、楽しい教育番組を作っていきます。日本賞で賞をいただき、大きな励みになったことはいうまでもありません。ありがとうございました。
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