大型連休は三笠市立博物館でアンモナイト博士になろうぜ!
- 2024年5月2日
こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」道央担当リポーター、坂井里紗です。今回は、古代の海にタイムスリップしました!企画展が開催されていると聞いて伺ったのは、「日本一のアンモナイト博物館」と呼ばれる、三笠市立博物館。館内に入ると、たくさんのアンモナイトがお出迎え!圧巻です!!
そもそも「アンモナイト」は、およそ6600万年前に絶滅した海の生き物です。イカやタコ、オウムガイなどと同じ「頭足類」に分類されます。しかし、その生態は分かっていないことも多いんだとか…。
全国の中でも特に多くのアンモナイト化石が見つかっている三笠市。その理由は、三笠市を含めた北海道の真ん中に「蝦夷層群」というアンモナイトのいた白亜紀の地層が広がっていることにありました。その昔、現在の三笠市を含め、北海道は海の底。やがて陸地になり、北海道が開拓された明治時代に地下資源を調べた際、化石も見つかりました。道内外から研究者がやってきて、長く化石の研究が続けられているそうです。
企画展「北海道のアンモナイト~サントニアン編~ 」
「サントニアン」とは、白亜紀の中のひとつの時代のこと。およそ8630万年前から8360万年前までの期間を指します。会場には、サントニアン期のアンモナイトの化石、およそ200点が並んでいます。三笠市立博物館ボランティアの会のメンバーが道内各地で採取した個人のコレクションから出品されていて、今回の企画展以外では見ることができない貴重なものだそう。
企画展について、アンモナイトの研究をしている学芸員の唐沢與希さんに教えていただきました。
三笠市立博物館 学芸員 唐沢與希さん
サントニアン期は、アンモナイトのいろんな形の種類がたくさん増えた時代で、化石の数もたくさん見つかる時代です。
たしかによく見るとみなさんが想像しているアンモナイトとはちょっと違う形かも…!
① とげとげしたアンモナイト!
三笠市立博物館 学芸員 唐沢與希さん
サントニアン期によく見られる種類です。実は、とげの中は空洞で、あまり強度がないんです。具体的なことは分からないですが、おそらくハリセンボンみたいに威嚇をしたり、敵に対して体を大きく見せたりすることに使っていた可能性があります。
② まるで楽器のような形のアンモナイト!
三笠市立博物館 学芸員 唐沢與希さん
トロンボーンのような形、あるいはペーパークリップのようですね。海底に近いところで生きていくのに適した形ではないかなと思われています。海底にペタっと横倒しに寝ていたという説と、トロンボーンを演奏するように縦にまっすぐ伸びた形で海底からふわふわ漂っていたという2つの説があります。
会場には、そんな不思議な形をしたアンモナイトの化石が一か所から集まって発掘されたようすも見ることができます!ぜひ会場でじっくり見てみてください。
③ よーく見ると〇〇が見えるアンモナイト!
三笠市立博物館 学芸員 唐沢與希さん
基本的にはサントニアン期にしかいなかった、この時代を代表する『テキサニテス』という種類です。殻にたくさん突起があるのが特徴です。どちらかというと浅い海の地層で見つかります。また、突起を持っていると深い海では水圧で壊れてしまう可能性があるので、あまり深くまで潜らないタイプじゃないかという説があります。なかなか見つからないので、『レア物』と言えるかもしれないです。
さらに、この化石をよーく見てみてください。模様が見えませんか??
三笠市立博物館 学芸員 唐沢與希さん
おそらくアンモナイトが生きていたときに殻についていた模様が、そのまま化石に残っているものだと思います。生きていた時の色は分かりませんが、少なくともしま模様があったんだろうと。
どうしてサントニアン期には、こんなにたくさんのアンモナイトの種類がいたのでしょうか。唐沢さんに聞いてみました。
三笠市立博物館 学芸員 唐沢與希さん
アンモナイトが海の中のいろんな環境に生息していたからです。海面に近いところから、海底に近いところまで、それぞれの環境に適した形に進化したものだと思われます。サントニアン期の具体的な気温や環境はなかなか分かりませんが、アンモナイトにとって適した環境が続いた時代だったのだと思います。サントニアン期というひとつの時代で、形も数もたくさんあるんだなということを一目で分かる企画展になっていると思います。
大型連休の今だけ楽しめる貴重な体験も!
三笠市立博物館では、大型連休中、企画展だけでなく体験して楽しむことも。今回は、そのうちのひとつを体験させていただきました。それが「石の中から化石を取り出す体験」です!
今回、用意いただいたのは、三笠市で見つかったという、およそ9000万年前のアンモナイトの化石。見つかったときのほぼそのままで周りに石がついている状態から取り出すことができます。よく見ると、左右に2つアンモナイトが隠れていますよね!
取り出した化石は持って帰ることはできませんが、ハンマーとたがねを使って、研究者の方と同じ方法で取り出す体験ができちゃいます!およそ30分カチコチカチコチ…。傷つけないよう丁寧にカチコチカチコチ…。時間内に全部取り出すことは難しいのですが、化石の輪郭が分かってきました!楽しいぞ!!
三笠市立博物館 学芸員 唐沢與希さん
『アンモナイト』とひとくちに言っても形も大きさもさまざまだったということを実際に見ていただけると思う。どういう風に泳いでいたのか、どんな色をしていたのか、ぜひ想像を膨らませていただければなと思います。
取材後記
三笠市立博物館には、今回の企画展のほかにも、2センチほどの小さいものから、1メートルを超える日本最大級のものまで、およそ600点のアンモナイトの化石が常設展示されています。人生の中で、こんなにたくさんのアンモナイトを一度に見たことなんてありません!取材中はずっと大興奮でした!!
唐沢さんのお話もとても分かりやすく面白く、さらに大興奮!!記事内には書き切れませんでしたが、「とげとげの化石はお手入れや発掘が大変」だということや「自然界でアンモナイト化石を見つけるのは熟練の勘」などなど…興味深い話をたくさん教えていただきました!
そんな唐沢さんに、小さいころから気になっていたこんな質問をしてみました。
坂井「アンモナイトっておいしいんですか?」
唐沢さん「…絶滅した生き物なので食べることはできないので本当のところは分からないですけど…。イカやタコの仲間なのでおいしいかもしれません。」
幼少期の坂井、解決してよかったね!私の「なんで?」という質問に、全力で答えてくださった唐沢さん、ありがとうございました!
ぜひみなさんも「サントニアン期」にタイムスリップして、アンモナイトの形や模様をよーく見ながら遠い昔に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
企画展「北海道のアンモナイト~サントニアン編~」
開催中 ~5月12日(日)
化石クリーニング体験
5月3日(金)、4日(土) 人数制限あり(当日館内で受付)
詳しくは、三笠市立博物館のホームページをご覧ください。
道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2024年5月2日
私事ですが、最近ランを育て始めました。きっかけは、ランの名産地、赤平市で開かれた「あかびら春らんまんフェスタ」で赤平のランの魅力を知ったから!ぜひご覧ください。
「あかびら春らんまんフェスタ」もうすぐ開催!
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