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【出演者インタビュー】春名由一郎さん「全ての人がお互いに配慮し合える社会に」

2014年02月10日(月)

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2月11日放送(2月18日再放送)
シリーズ 難病と向き合う
第2回 難病でも働きたい
ご出演の春名由一郎さんにメッセージをいただきました。

 

《春名由一郎さんプロフィール》

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター 主任研究員。厚生労働省の難病対策委員会の委員として新しい難病対策の提言に携わった経験を持つ。

 

 

――収録の感想を教えてください。

多くの人に、「難病患者の就労支援は現実にできる」ということを
お伝えできたので、非常に良かったと思いますね。

 

――そもそも、「難病があっても働ける」ことを
知らない人が多いのではないかと思うのですが。

そうですね。「難病患者は働けない」というふうに思われがちですし、
逆に、一見何も問題なさそうに見えたりもするので、
「支援なんか必要ないのでは」と思う人もいる。
良くも悪くも固定された障害ではないので、
健常者と障害者の谷間になっていて、
必要な支援のあり方が理解されにくい。
今回どういう支援が必要なのかという具体的なイメージを紹介できたので、
番組を見て、「これならできそう」と、
就労支援機関の方、保健医療機関の方、企業の方など、
多くの人に思っていただけると嬉しいですね。

 

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――春名さんは現在どのような取り組みをされているのですか。

これから難病対策が形になっていくなかで、
医療関係者やハローワークの人なども関わって
就労支援をしていかなければならないので、
全国で就労支援に取り組めるように、
急ピッチで人材育成や制度運用の検討を進めています。
就労支援が必要な難病患者は
これからも急速に増加すると見込まれますので、
「佐賀だからできる、自分の地域ではできない」
ということでは済まないんです。
佐賀のモデルは、決して全国から孤立しているわけではなく、
全国の各地域で取り組まれている就労支援の新しい取組の代表選手です。

 

――具体的にはどのようなことを進めているのですか。

例えば、医療者や保健所が
難病患者の就労支援については意識していなかったり、
ソーシャルワーカーさんもいまひとつピンときていないような
状況もあるんです。
ですから、そのような難病の保健医療関係者向けの
就労支援についてのパンフレットを作ったり、
一方で、企業側への啓発、
あるいは就労支援側への啓発や人材育成のツールも準備しています。
難病患者さん自身の取組をサポートすることも重要です。
制度面でも全国で整備が進んでいますが、
実際に、治療と仕事の両立支援という新しい課題に取り組むには、
支援者側の課題も大きいのです。

 

――企業側へは、どのようなことを伝えたいですか。

難病があっても配慮があれば戦力になれますし、
仕事内容も「難病向き」など考えなくても、
デスクワークなど普通の仕事で大丈夫なことが多いので、
「難病」ということで必要以上に不安にならず、
「病人」としてではなく、「職業人」として
正しく評価していただけるとよいと思います。

「配慮」と聞くとなんだか大変そうなイメージがあるかもしれませんが、
実際は簡単なことの場合が多いですし、
例えば、ビデオであったような、1日5分の服薬時間の配慮だけで、
1日立派に働くことができる。難病患者さんだけではなく、
一人ひとりが能力を発揮してもらえるように考えていくことは、
他の人も働きやすい職場づくりになる。
高齢者であったり、お母さんであったり、介護をしている人もそう。
みんなお互い様ということで、配慮し合える社会になってほしいですね。

コメント

SLE患者で就職活動中です。

最近、難病患者の就労支援という言葉を、よく見聞きするようになりました。

就労支援というものがなかった頃は、自分なりにくじけそうになりながらも頑張ってきたので、頼り方がわからないですが、少しずつ利用しています。
ひとりじゃないという安心感があります。

相談できる場所があるだけで、現実はまだまだ厳しい面があるけれど、
なんとかなるような気がしました。

投稿:あこ 2014年02月13日(木曜日) 21時09分