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【取材記】国際福祉機器展レポート(前編)

2014年10月14日(火)

はじめまして。大野と申します。

前職では、最新の家電製品や携帯電話などを扱う「ギズモード・ジャパン」にて編集者として務めていました。どうぞよろしくお願いします。今回、10月上旬に開催された国際福祉機器展を取材してきました。メインで見てきたのは最新のテクノロジーを活用した福祉機器です。

率直に申し上げて、普段の生活で福祉機器に触れることは少ないため、国際福祉機器展へ参加して、最新の介護現場に関わる機器を見ることができたのは大変有意義な経験となりました。僕は開催二日目に取材へ行ってきたのですが、初日は4万人以上の来場があったことも、福祉機器への注目の高さがうかがえます。展示されていた機器を間近で見て、これから超高齢社会へ突入する日本人の一人として現実をまざまざと実感したところです。

それではレポートをどうぞ。
 


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病院・施設向けのリハビリ機器です。人間大の大きさで、製品の前に立って床に設置されたバランス計に乗り、画面で指示されるトレーニングをこなしていくことでリハビリ運動ができます。

トレーニングでは、バランス感覚や重心の維持を中心としたメニューが多いのですが、実際にそれらの運動を体験してみるとまだまだ若いと思っている30歳の男でもトレーニングが難しいと感じるほどの内容でした。



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上半身にジャケットベルトを身につけて、歩行を支援するロボットです。起立、着座、静止動作をロボットが検知し、ロボットのモーターが力をアシスト。トイレへの移動、排泄時などの自立動作を支援してくれることで、介護者の負担が軽減されます。



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一見ソファーに見えるこちらの製品ですが、座面を取り外すことができるポータブルトイレとなっています。生活空間の中に設置していても、違和感を感じさせません。



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座面を取り外すとこのようになります。トイレの機能としては、部屋の中でのにおいが気にならないようワンタッチパックを採用しており、衛生面での不快感を抑えているのが特徴です。



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こちらはレーダーで被介護者を検知する在宅支援製品です。

このデスクライト内には小さなチップが内蔵されており、内蔵レーダーによって人体からの反射波を解析。被介護者の起き上がり、転倒などの状態をパソコンで確認することや、被介助者等へ知らせることができます。

こちらの写真ではデスクライトへレーダー機器が内蔵されていますが、天井照明などにも応用が可能となっており、家全体を対象とすることで、被介護者をそっと見守ることができます。




福祉機器展は今回が初参加でしたので、どういった物が展示されているのか、来場者はどういった方が多いのか、楽しみ半分、不安半分といったところでした。

実際にブースを歩き回っていて分かったのは、障害がある方(被介護者)と障害がない方が同じ場所にいることで初めて分かることもあるということです。

なぜなら、最新の入浴機器や、福祉車両を見ていると、被介助者の「これはいいね。欲しいね」といった声がリアルに聞こえてくるからです。自分だけの視点ではこの機器のどこがいいのか分からないことも多かったのですが、周りの声も聞くことでどう役立つのかが補完され、頭の中でイメージしやすくなります。

そういった意味では、一般の方がもっと来場してもらえるようなイベント施策は必要でしょうし、関心を持ってもらえるよう製品のキャッチーなポイントは用意されるといいんだろうなと感じました。

福祉機器と聞くだけで、自分には関係ないな…と、自分事にならない日本人の方は多いはずなので。



これまで最新のテクノロジーと接する機会が多かった分、最初に足を運んだブースでは、それほどネットワークやテクノロジーを活用しているようには見えませんでしたが、取材後半記事ではテクノロジーを中心にレポートをお送りしたいと思います。それではまた!


※【取材記】2014年10月2日 国際福祉機器展(後編)、はこちらから。