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【取材記】国際福祉機器展レポート(後編)

2014年10月20日(月)

国際福祉機器展レポート(前編)はこちら。


こんにちは大野です。

国際福祉機器展のレポート後編になります。

今回は福祉車両やコミュニケーション機器が展示してあったホールのレポートです。前編では大型の機器が目立ちましたが、後編で紹介するホールでは小型から中型の機器が目立ちます。


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こちらは女性のために腰をサポートをしてくれる製品です。服の下に着るだけで前屈や中腰姿勢での作業の負担が軽くなるというもので、立ったままの状態では日常動作を邪魔されることはありません。実際に身につけてみましたが、男性でも効果は感じられたので、腰周りの負担を軽くしたい時にはいいかもしれません。

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こちらは日常生活をアシストしてくれるスマートフォン。
 

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主に知的障害のある方の連絡・行動を支援してくれる機能を持っています。特徴の一つであるアシストメール機能では、利用シーンから定型文をタッチするだけで連絡を取ることができます。写真は、勤怠連絡で帰宅があと何分遅れるかを選択する画面です。

 

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もう一つ大きな特徴として、アシストナビ機能が付いています。AR(拡張現実)技術を使い、カメラを通して目的地までの方向を矢印で教えてくれるというものです。
このようにタッチするだけで連絡が取れ、移動をサポートしてくれるというのは、保護者や支援者の方には嬉しい機能ではないでしょうか。

 


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こちらは介護見守りに特化しているセンシングマット


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ベッドのマットレス下にこのセンシングマットを敷くだけで、生体信号による様々な状況を知ることができます。マットレス下に敷くことで、直接体に触れることがないため、違和感を感じることなく使用できるのが特徴です。

センシングされた情報は、有線・無線LANによってモニターに表示。医療システムではないそうですが、手軽に導入でき、被介護者の状況を知ることができる点は魅力的です。

 

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今回の福祉機器展で一番目を引いたのがこちらのロボットです。

介護予防のために開発されたというコミュニケーションロボットで、人の声を聞き取って会話をすることができたり、人の顔、名前、過去の会話内容や行ったことのある場所まで記憶が可能です。

介護支援という域において、分かりやすい特徴を兼ね備え、なおかつ利用者を笑顔にさせてくれるような期待を感じさせる製品です。

介護という言葉が持つイメージは暗いものを想像してしまいがちですが、こういった製品があることで、少しでも癒やしや楽しみを感じられるのは素晴らしいことだと思います。
 


こちらの後編で国際福祉機器展のレポートは終わりになります。

普段スマートフォンやタブレットなどの最新テクノロジーに触れる機会が多い分、国際福祉機器展で展示されている製品や説明を見ていると、どこか分かりづらいものが多かったように思います。というのも、専門用語が多くなりがちで、その製品を手にした後に何が出来るのかを具体的に示してくれるものは少なかったからでしょう。

特に、最新技術を使うものであれば、子供でも分かるような説明を用意することで誰にでも扱いやすくする必要があるのでは、と感じ取りました。
なぜなら、最新技術はそれ自体が世に広まるまでに時間がかかることもあり、最初に知る機会がある今回のようなイベントでは、キャッチーなコピーが一つあるだけで存在感を示せると思いました。例えば「布団の下にいれるだけで生体管理」「レーダーで被介護者を見守り」などなど、一言添えてあるだけで分かりやすさが増します。


そして、福祉に関わる介助者の方たちは、最新のIT技術をキャッチアップしていく人たちではなく、一般的なリテラシーを持った方たちだと思います。今後日本全体で福祉に関わる人たちが増えていく中で、製品を選ぶ・使う時には、誰にでもすぐ理解できる分かりやすさは不可欠なのではないでしょうか。たとえ便利な機器でも最初のツカミがなければ興味を持ってくれません。

前編の記事で紹介したレーダーの在宅支援製品は、とても素晴らしい技術を持ち合わせている一方で、ブース内ではコンセプトが書かれておらず、理解するまでに時間がかかってしまいました。ウェブページでは分かりやすい一言があったので、イベント会場にも同様の一言があったらよかったなぁと取材して分かったことです。


まだまだ日本福祉の現状について未熟な知識しかないのですが、これからの福祉業界の変化を見ていきたいと思います。


それでは!

※【取材記】国際福祉機器展レポート(前編)、はこちらから。