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Road to Rio vol.75 2024年、世界一を目指して。~ブラインドサッカー アスリート合宿~

2016年03月17日(木)

「2024年に世界一であること」。

そのために、2020年東京パラリンピックでのメダルを獲得すること。

001_IMG_8612_R.JPG昨年9月、アジア選手権の敗退で日本はリオパラリンピックへの出場はなりませんでしたが、ブラインドサッカー協会は大きな目標を掲げ、新たな道を進んでいます。

その目標達成のため、次世代を担うアスリートの発掘・育成を行う「ブラインドサッカー アスリート合宿」が3月12・13日と行われました。

 

こちらの「合宿」はすでに4回実施されており、「ブラサカキッズキャンプ」「ブラサカ・キッズトレーニング」からステップアップして発掘された、アスリートの卵たち。次の条件を満たす14人が集まりました。

・10歳~23歳までの全盲または弱視の単一障害の方(性別は問わない)。

・近い将来、ブラインドサッカー(B1クラス)でパラリンピックをはじめ国際大会での活躍を目指す意思のある方。


002_IMG_8774_R.JPGりゅうのすけ君は小4。ブラインドサッカーを始めてもうすぐ1年。「相手にボールをとられないように、がんばりたい」と。


003_IMG_9086_R.JPG途中から日本代表の落合啓士選手も参加。みんな落合選手が大好きなのでしょうね!落合選手がコートに入ると一斉に集まりました。



004_DSCN7036.JPG準備体操もしっかり!



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実際のアイマスクをつけてコートの全体を移動して把握。ボランティアのかたが手拍子でゴールの位置を伝えます。



こちらの指導案は代表チーム部とも連携して考案されたもの。

3つのチームに分かれ、それぞれにコーチやボランティアの方が複数名つき、きめ細かく指導します。

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手前の男性は日本ブラインドサッカー協会の山本夏幹さん。一人ひとりの足をボールに当て、

「足の裏で前にころがしてみよう」

「ボールの“てっぺん”まで動かして」

ボールの音を聞かせて、「この音と同じように、動かしてみて」など、見えない状況を言葉で丁寧に補足しながら指導します。


200_IMG_9162_R.JPGもちろん、ドリブルやシュートも。こちらはシュートを、右・左・右・左・右!で蹴る練習。「ボールを足の横でこするように蹴りあげて」などという指導がありました。


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シュートの練習を見ていた落合選手。

「僕のところまでボールを蹴って、どちらにずれましたか?右だとおもう?左だとおもう?…はい、右に1mずれていました!」
と声を出し、蹴ったボールがどの位置にきたかを参加者たちにフィードバック。そうやって自分の身体の感覚を覚え込ませて行っているのですね。

最後には、攻撃と守備に分かれた2対1の練習を行いました。3時間で、かなり密度の濃い状況です!

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そらさんは中学1年生。力強いシュートですね!



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「あかね、すごくうまいから両足で蹴ることができたらいいと思うよ。だから左足で蹴るのやめてみて!」

「できない、ではなくて、どうしたらできるか?考えてみよう!」

どうしても癖に頼ってしまう状況を、落合選手は明朗に指摘します。そのようなやり取りを何度も何度も続けて行く…気づきへの積み重ねが“日本代表”へのステップなのだと感じました。



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練習を終えた参加者の皆さん。すがすがしい笑顔も見られますね。

このあとは代々木の宿舎に移動して夕食とミーティングが行われました。ミーティングでは「どういう選手になりたいか」など自分の考えを話し合い、落合選手から「アスリートとしての心構え」を学びます。これは、一人ひとりが普段、なかなか多くの仲間と練習することができないため、日々の生活や練習、個人のモチベーションを強く意識するために行っています。まさに本格的です。


308_IMG_9620_R.JPG参加者の一人、ゆずき君。今は12歳(小6)、4月から中学生になります。ブラインドサッカーは始めて2年。インステップのキックをもっと磨いて、将来はパラリンピックに出たいと言っていました。


309_IMG_9403_R.JPGゆうすけさんは高校1年生。今回初めて参加された、とのこと。ブラインドサッカー協会では、初めての参加者にも一人ひとりの状況に合わせた配慮をしています。それも大切な“指導”ですね。



普段、国際大会や全日本大会を取材することが多いのですが、日常で育てられている芽の大切さ、そして、選手やスタッフの皆さんの“日々の気持ち”が大きな未来を育んでいるのだと、改めて感じました。とてもいい経験になりました。

2020年、そして2024年が楽しみです!

 

 

◆ブラインドサッカー、今後のイベント予定

昨年のアジア選手権で3位の韓国代表チーム(世界ランク10位)が来日、以下の日程で試合があります。熱戦を“目撃”したい方は、是非。

 

●さいたま市ノーマライゼーションカップ2016

攻撃力強化に取り組んでいる“新生日本”が挑む日韓戦!

日程:2016年3月21日(月・祝)

会場:フットメッセ大宮(〒331-0825 さいたま市北区櫛引町2-574-1イオン大宮 立体駐車場棟屋上フロア)

 

●KPMGブラインドサッカークラブチャンピオンシップ2016

各地域リーグの認定試合を勝ち抜いてきたチームが、海外からの招聘チームを交えて日本の頂点を目指す大会!

日程:2016年3月26日(土)~27日(日)

会 場:富士通スタジアム川崎(〒210-0011 神奈川県川崎市川崎区富士見2-1-9)

出場クラブチーム:

・ナマーラ北海道(北日本リーグ1位)

・Avanzareつくば(東日本リーグ1位/昨年優勝)

・たまハッサーズ(東日本リーグ2位/昨年準優勝)

・兵庫サムライスターズ(西日本リーグ1位)

・韓国代表

・予選出場チーム(松戸・乃木坂ユナイテッド、buen cambio yokohama、GLAUBEN FREUND TOKYO、埼玉T.Wings、ラッキーストライカーズ福岡)


昨年11月、リオデジャネイロパラリンピック最終予選を兼ねたアジア選手権が行われました。熱戦の様子はこちらからご覧いただけます。
【ブラインドサッカーアジア選手権 2015】全試合結果 #burasaka

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