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【インタビュー】サヘル・ローズさん「施設にいる子たちも普通に愛されたいし、愛してあげてほしい」

2014年07月03日(木)

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シリーズ 「施設」で育った私
第3回 “最後の砦” 自立援助ホーム

出演されたサヘル・ローズさんにメッセージをいただきました。


《プロフィール》
女優、タレント

イラン生まれ。4歳のときに両親を亡くし、孤児院で育つ。その後、養母に引き取られ、8歳の時に2人で来日。




――収録の感想を教えて下さい。

改めて、私も今まで自分ひとりでは生きてこられなかったなと感じました。そして、生きる上で難しいこともたくさんあるけど、それをさらけ出せる相手と出会ってほしいと強く思います。収録の最後に山田さんから「サヘルさんの存在があって、こういう話をしてくださることで、多くの子どもたちに希望を与えますよ」と言われて、私もすごく勇気をもらえましたし、この番組を通してひとりでも多くの人に「頑張って前を向こう」と思ってもらえたらうれしいですね。


――サヘルさんは給食のおばさんに生活のサポートをしてもらい、支えてもらったそうですね。

はい。温かい食事や着るものをもらい、日本語も教えてもらいました。そうして自分も多くの人に助けられてきたからこそ、今度は周りに助けを求めている人がいるんじゃないかと思って生活しています。見て見ぬふりをしようと思ったら簡単に通り過ぎることはできるけど、みなさんももし何かに気づいたら一度手を差し伸べてあげてほしい。そのことで救われる人は必ずいますから。まずは社会の「無関心」を「関心」に変えていけたらいいなと思いますね。


――「シリーズ 『施設』で育った私」と題して3回に渡りお送りしましたが、改めて視聴者の方にはどのようなことを考えてほしいと思いますか。

児童養護施設と聞くと、他人の問題で、別次元のことのように思えてしまう人もたくさんいると思うし、例えば問題を起こしてしまう人や、ちょっと野蛮な人がいるとか、怖いイメージを持たれている人もいるかもしれませんが、実はそうじゃなくて、その子たちも根本的には「ただいま」と言うと「おかえり」と返ってくるみなさんのような家を探しているんです。ですから、番組を見て、自分がもしそういう人たちの立ち位置になったとしたらどうだろうと考えてほしいですね。
先日私が施設に行って子どもたちと遊んで帰ろうとした時に、ある子どもに「また来てくれる?」と聞かれて、「もちろん」と言ったら、「嘘だね。みんな来るって言っても来ないんだよ」と言われたんです。若干7、8歳の子どもたちにそんな思いをさせてしまっているわけじゃないですか。かわいそう、というか、もう悲しかったです。施設にいる子たちも普通に愛されたいし、愛してあげてほしい。人は血のつながりがすべてじゃないということに気づいてもらえたらすごくうれしいです。

  


◆7月特集<「施設」で育った私>
本放送:夜8時00分~8時29分
再放送:午後1時5分~1時34分

第1回 漂流する施設出身の若者たち
2014年7月 1日(火) 再放送7月   8日(火)

第2回 “巣立ち”に寄り添う児童養護施設の試み
2014年7月 2日(水) 再放送7月   9日(水)

第3回 “最後の砦” 自立援助ホーム 
2014年7月 3日(木) 再放送7月 10日(木)

第4回 反響編 
2014年7月 30日(水) 再放送8月   6日(水)