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思ったほどには伝わらない

2014年03月21日(金)

2014年3月4日(火)のシリーズ【被災地の福祉はいま】「頑張るよりしょうがねえ~南相馬市・瀬戸際の介護現場で~」の担当ディレクターです。
番組をご覧いただいた皆さま、ありがとうございました。

さて先日、南相馬での追加取材を終えて東京・渋谷にある放送センターへ戻ってきた私は、町の真ん中に出現したあるオブジェを前に、文字通り目が点になりました。


◆オブジェ/2014年3月 東京・渋谷 
20140319_101037.jpgのサムネイル画像


 

◆手付かずの被災地/2014年2月 福島・南相馬(小高区)
20140321_hisaichi001.jpg


被災地と東京とのギャップが…などと被災者ではない私が偉そうなことを言うつもりはありませんし、
いろいろな「表現」の形がそれぞれに尊重されるべきだと思いますし、
もしかしたら過剰反応かな、という気もしましたが、
しかしどうしても、理屈を超えたところで、おさえがたい強烈な違和感を覚えました。


私たちは、3年前のあの日以来、被災地の現状を、そこに暮らす人々の思いに寄り添いながらお伝えしてきた…つもりでした。
が、思った以上には届いていないんだなあと、あらためて現実を突きつけられました。


最近の新聞記事で、
陸前高田で被災した後に県外の学校に進学した方のお話が紹介されていました。
津波に飲まれ亡くなった水泳部だった友人のことを学校で話題にすると、
「水泳部だったら泳いで逃げればよかったのに」と言われたとか。


渋谷のど真ん中で、
(人為的に?)破壊された自動車が、公然とひっくり返っているという現実。
これから先は、相当に知恵を絞らないと、被災地の思いを番組に乗せて全国に届けるのは難しいなと痛感しました。
とにかく、頑張るよりしょうがねえ…か。