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【出演者インタビュー】鹿嶋真弓さん「本人に寄り添いながら、自分で考えるきっかけを作ってあげることが大切」

2016年04月15日(金)

20160407_k.jpg4月7日放送(4月14日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”
シリーズ「不登校」 第2回“学校”って何だろう?
ご出演の鹿嶋真弓さんにメッセージをいただきました。

 

《鹿嶋真弓さん プロフィール》

高知大学 教育学部 准教授


――番組には前回の放送をご覧になった不登校の当事者や経験者からたくさんの声が寄せられました。それらの反響をご覧になりどのようなことを思いましたか。

 

みなさん何とかしなきゃという気持ちはあっても、どうしたらいいのかわからなくて、親も子も不安になっているというのがとてもよくわかりました。不登校の過去を振り返ったときに、プラスに考えられる人とそうでない人がいるわけですから、一概に「こうすれば大丈夫」とは言えないし、本当に難しいところです。でも、きっと答えは本人が持っていると思うんですよ。今は心が迷子になっていて自分ではわからなくなっているだけですから、この状況が良いのか悪いのかということではなく、「あなたはどうしたいの?」ということを本人に寄り添いながら聞いてあげることが大切だと思います。そのときはすぐに答えられないかもしれないけど、「自分で考えてもいいんだ」と思えば自信になるし、少し話ができるようになった段階で本人も考え始めると思うんですよ。親も子も右往左往するんじゃなくて、そういうきっかけを作ってあげることが大切だと思います。


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――確かに、そのように自分で考えて行動するほうが本人も納得できるかもしれません。

 

そうですね。やっぱり信頼できる人が話を聞いてくれて、気持ちを受け止めてくれると思えば、本音も言いやすくなります。始めは「べつに」とか「今は話せない」と言われるかもしれませんが、「じゃあ話せるようになったら言ってね」「(こっちは)待っているよ」ということを伝えるだけでもいいのではないでしょうか。これは実際にあった話なんですが、お休みの日には出歩けるのに、平日は家からでられないという子がいたんです。なぜかというと、平日だと近所で知り合いの人に会ったら「学校はどうしたの?」と聞かれてしまうから。そのくらい敏感なんです。本来行くべきところに行っていないというのは本人が一番つらいと思います。それもわかっているよと言って寄り添うのがいいと思いますね。

 

――学校側としては、どのようなことができるのでしょうか。

 

不登校の対極にあるのは、学校は楽しいと思ってもらえる環境を整えることだと思います。環境には物理的環境と人的環境がありますが、そのふたつを兼ね揃えて、子どもたちがわくわくするとか、来てよかったと思えるものを準備しておくことはすごく大事です。でも、そこに乗れる子もいれば、気持ちが向かない子もいますから、どれだけ多くのバリエーションがあるかだと思うんですよね。

 

――まさに今、不登校で悩んでいる方にはどのようなことを伝えたいですか。

 

私は、キーワードは「変化」だと思います。負のスパイラルを止めて、それを逆回転させるにはすごく大きなエネルギーが必要になりますが、何がそのエネルギーになるのかと言ったら、今までやっていないことを試してみるという変化だと思うんですね。外の世界に出るのは嫌だと思っているけど、ちょっと出てみるとか。右足から出たら失敗したけど、左足から出たらうまくいったなんてこともあります。人に話しかけることが苦手でも思い切って話しかけてみるとか。そういう変化が状況を変えるための鍵になるんじゃないかと思います。

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