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【出演者インタビュー】大野更紗さん「難病当事者にもっと情報や制度を教えてあげて」

2014年12月18日(木)

20141127_oo.jpg11月27日放送(12月4日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”
―今日は「難病」を中心に―
ご出演の大野更紗さんにメッセージをいただきました。

 

《大野更紗さんプロフィール》

自己免疫疾患系の難病を発病。自身の体験を著書『困ってるひと』にまとめた。いまも闘病を続けながら、本の執筆や、難病のある人や障害のある人の取材を続けている。

 

 

――11月のチエノバは「難病」を中心にみていきましたが、収録はいかがでしたか。

難病というのは当事者やその家族、友人と、そうではない方とで、持っている知識の量にすごく差が出る分野だと思います。そして、当事者は社会でどんなことに苦しんでいて、どういうサポートが必要なのかという議論もまだまだこれからの状態なので、具体的な議論を始めるきっかけのためにも今回のような場がいろんなところで広がってほしいなと思いました。

 

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――番組では、難病についてどんなイメージを持っているかという街の人たちの声も紹介しましたが、どのように感じましたか。

難病の人は、ひとつ一つの病気ごとでは数が多くないですし、当事者なのかどうかも一見してわかりにくいということもあるので、やっぱり映画やテレビのイメージがすごく大きいんだなというのは改めて思いましたね。これまでも当事者や患者団体、行政などが、啓発事業として世の中に伝える活動をいろいろとしてきたはずなんですけども、なかなか伝わっていない現実に直面した気がします。もっと、さまざまな方法で努力しないといけないんだなと感じました。

 

――見た目ではわかりにくい症状もあるので、それが伝わらないことの“もどかしさ”みたいなものも感じることはありますか。

そうですね。なかなか自分から「こういうことで大変です」と発信しづらい場面が多いのではないでしょうか。困難なことは、その人の個別の多様な症状に左右されるのですが、病気の症状をひとつひとつ理解してもらうことはすごく難しいんです。だからこそこういう番組を通して、「自分たちはこんな問題に直面している」とか、「普段こういうことで苦しんでいて、困っている」ということが少しでも共有されたらいいですよね。

 

――ツイッターでは当事者の方からのつぶやきも多く、「希少難病だから自分と同じ病気の人に会ったことがない」というような意見もありました。

患者数が少ない難病の方は、自分の抱えている苦しみを共感してもらえる場面が日常生活の中ですごく少ないんですよね。だからこそツイッターなどのSNSやインターネットは、孤立している患者さんをつなげるためのいいツールだと思います。

 

――当事者の方たちも情報が足りていないのでしょうか。

個人差が大きいですね。ただでさえ闘病で体が大変な状況で、孤軍奮闘して適切な情報を探すのは難しいことだと思います。私自身も発病したときは、これから具体的にどうしたらいいのかとか、どういう社会制度があるのか、そもそも難病を抱えながら生きていけるのかということがまったくわからない状態で数年間を過ごした覚えがあります。「悩んでいるのは自分ひとりじゃないんだ」という感覚が持てるような仕組みすら今はなかなかない状況なので……。ですから、情報や制度を伝えるということも患者さんをサポートする方法のひとつだと思いますね。

 

――番組では、周囲にわかるような「見えない障害バッジ」や「ヘルプマーク」なども紹介しました。それらがもっと世の中に広まると、理解も進みますね。

みんなが共通して一緒に持てるものの力ってすごく大きいと思うので、広がっていくといいですね。ひとり一人の患者さんが個別に伝えることも大切ですし、行政でヘルプマークのようなわかりやすい取り組みをすることには大きな力があります。両方に期待したいです。

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