バーチャル訪問学習 ~手話通訳で広がる学びの場

バーチャル訪問学習 ~手話通訳で広がる学びの場

NHKハートプラザに、ことし5月、愛知県のろう学校からの問い合わせが寄せられました。

【学校の担当者から寄せられた声】

  • 総合学習の一環として、複数の放送局へリアル訪問を打診したが実現しなかった。バーチャル訪問学習で対応は可能だろうか。

「バーチャル訪問学習」は、東京のハートプラザと全国の中学校や高校をオンラインでつなぎ、放送の仕事や公共メディアの役割をより身近に感じていただくリモート授業です。コロナ禍で実際の訪問が難しい中、授業を開始した2021年度は、23校、1,650名の生徒に参加していただき、学習後のアンケート調査では満足度が91%と好評でした。

●手話通訳士が授業をサポート

ハートプラザでは、「バーチャル訪問学習」をろう学校で実施したことはありませんでしたが、問い合わせを受けて、手話通訳士の確保や、授業で使う映像に字幕を付け直すなど、準備を整えました。

202206_01_002.jpgのサムネイル画像講師の説明を手話(右)で伝えます

7月7日、愛知県立一宮聾学校の中学2年生3人とハートプラザがオンラインでつながりました。
「全国に放送局はどれくらいあるの?」、「テレビに映らない仕事はどんな仕事?」など、事前に募集した「NHKに関する質問」に、ハートプラザの講師が、手話通訳士を介して答えます。
この日は、2人の手話通訳士が、15分交代で、講師と生徒たちのやり取りを手話通訳しました。

●字幕の工夫で映像を分りやすく

「大河ドラマ制作の舞台裏」や「防災など公共放送の役割」、「ARなど放送技術開発の最前線」といったNHKの取り組みは、映像で紹介しました。
映像には、「NHK手話ニュース」制作のノウハウをいかし、新たに字幕をつけました。読みやすく、内容を理解しやすいよう、文字数や漢字に付けるルビの大きさ、色合いなどを工夫したものです。

202206_01_003.jpg映像すべてに字幕をつけなおした

202206_01_004.jpg漢字につけるルビの大きさ、色合いも工夫

【参加者の声】

  • NHKの仕事の内容を初めて見て、番組制作の苦労がよくわかった。
  • 番組作りにいろいろ人が関わっていることを知り驚いた。
  • 手話ニュースは普段よく見ている番組ですが、準備も含め制作はとても大変だということがよくわかった。
  • 手話通訳の方の説明がうまくて、内容がよく理解できた。

「バーチャル訪問学習」に手話通訳を取り入れることで、子どもたちの学びの場がさらに広がりました。NHKは今後も、視聴者の声に応えて放送やサービスの充実を図っていきます。

お申し込みはこちらから → ハートプラザ「バーチャル訪問学習

※内容は、掲載当時のものです。