生きるスキル

"孤立"からのサバイバル⑩地震が起きたすぐあとは、
水洗トイレの水は流さないようにしましょう。

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ところで、自宅ならば“断水しても浴槽に溜めた水を使えば、トイレで水を流せる”って思っていませんか? この方法、かつては、防災豆知識としてすすめられていたこともありましたが、加藤さんによれば、その前に “自己点検が必要”だそうです。

「大地震が起きたすぐあとに水洗トイレで用を足し、水を流すことはやめてください。
排水管が曲がったり、割れたりしている可能性があるからです。

そのことに気がつかず、たとえば集合住宅でみんながトイレを使い続けると地面の下の損傷個所から徐々に詰まりはじめ、1階のトイレからあふれ出すなどということも起こりうるのです。

こうした悲劇は一軒家でも起こりえます。下水管と違って排水管は地面の浅いところを通っているので、地盤沈下や液状化で壊れやすいのです。
排水管の状態を自己点検するまで水洗トイレに汚水を流すことは控え、携帯トイレを使うことをおすすめします」(加藤さん)

公共のエリアにある下水道管などは行政が点検して修理していきます。
自治体によっては、ホームページで下水道管の埋設状況を確認できます。

しかし、戸建てや集合住宅の敷地内の排水管の専門的な点検や修理は、業者に依頼しなければなりません。
大地震のときは業者がなかなか来られないことも考えられるので、トイレで使う水が確認できたら排水管の自己点検を行って、壊れているかどうか確認することが必要です。
自己点検の方法はまず、自分の便器から下水道まで流れていくルートを図面で確認し、ルート上を目視で異常がないか点検します。マンホールが飛び出ていたり、地盤沈下や液状化が起きている場合、排水管がはずれている場合は排水できません。
また“汚水ます”のふたを開けて土砂が流入していないかなどを確認し、異常がなければトイレの水を徐々に流しながら、きちんと流れていくか検証していきます。

マンションの場合は管理会社や管理組合に相談しながら自己点検方法を作成しましょう。

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