発掘ニュース

No.233

2019.05.24

情報番組

ラジオの発掘新番組、ついにスタート!明日第2回

「こんにちは。新番組『発掘!ラジオアーカイブス』、管理人の神門光太朗です。
アナタは今、どこで、このラジオをお聞きでしょうか?ラジオの放送が始まって、今年で94年。ラジオはいつの時代も、アナタの心にそっと寄り添ってきました。そして、新たな文化を作ってきました。

この番組は、NHKでかつて放送してきたラジオ番組を今、改めてご紹介してまいります。
ラジオという放送文化の一翼を担った往年の番組を聴くことで、今につながる“何か”を発見できるかもしれません!」

皆さんはお聞きになりましたか?毎月、最終土曜日の午後1時5分から放送する、ラジオの発掘番組を楽しんでいただく新番組『発掘!ラジオアーカイブス』、その第1回!(4月27日放送)

案内役は管理人こと神門光太朗アナウンサー、ゲストに放送作家で立教大学兼任講師の石井彰さん。石井さんは現在63歳、NHKや民放各局のテレビ、ラジオ番組の構成・演出を長く手掛けてきました。特に、TBSラジオ『永六輔の誰かとどこかで』は16年にもわたってディレクターを担当されました。

石井さん「ワクワクしています。ものすごいお宝が見つかる可能性がいっぱいあるし、確実にあるんです。…過去の番組をただ聞いて懐かしむだけでなく、その番組の中に込められた語り口、時代の空気って言ったらいいかな、人々の気持ちと言ったらいいでしょうか、それが実はラジオの番組の中にギッシリ詰まってるんです。だからこそ番組を発掘して聞くことで、当時の気持ちや考え、思い出をもう一度取り戻してほしいんです。」

第1回で取り上げた番組は…
『若いこだま』
1970年から78年(昭和45年~53年)まで、NHKラジオ第一で放送されたヤング向けディスクジョッキー番組。毎週月曜日から土曜日まで、午後10時台に40分ほど放送していました。

今回は特に、番組後期の1976年と78年の放送から、珠玉の3本をお聞きいただきました。そのすべてが一人の方から提供いただいた発掘番組なんです!

その方は群馬県桐生市にお住いの安部直広さん。現在87歳!元・桐生商業高校の先生で、さまざまな番組の音声・映像を10年ほど前に2万点以上提供してくださいました。

こちらがその音源!整理して一部をアーカイブスに登録、現在も大切に保管してあります。

番組でご紹介した1本目は…

ご覧のような「6ミリテープ」と呼ばれるオープンリールの音声テープに録音されていました。安部さん提供のテープには、すべて収録したラジオ番組の情報をメモした紙が入っています。

このメモには新聞のラジオ欄が貼ってありました!昭和51年12月7日、午後10時20分放送の『若いこだま』。出演はDJ担当がユーミン、荒井由実さん。ゲストが1973年のNHK朝の連続テレビ小説『北の家族』でヒロインを務めた、女優の高橋洋子さんです。

荒井由実さんは1976(昭和51)年4月から1年間、火曜日のDJを担当。今回の発掘音源の放送時、荒井由実さんは22歳。前の年には「あの日にかえりたい」が初のレコード売上ランキング1位を獲得。さらに、松任谷正隆さんと結婚した直後でもあります。

2本目は…

こちらの6ミリテープ。昭和53年5月22日放送の『若いこだま』、40分間丸々録音されていました!

DJは女優の桃井かおりさん『若いこだま』最後の年、1978年4月から11月まで、月曜日のDJとして登場。この頃、桃井さんは27歳。発掘された回は、桃井さんと親しいミュージシャンの泉谷しげるさんをお迎えしての放送でした。

そして最後の3本目…

この6ミリテープ、メモにはビッシリと録音情報が書かれています。安部さんは元高校の先生だったこともあり、録音された素材の多くは教育関係の番組でした。その中に混じって…

1978年(昭和53年)1月5日放送分。『若いこだま』最終年の正月に、12夜連続で組まれた特集の中の1本です。題して、「僕たちのナツメロ」!大学生1000人にアンケートを実施し、テーマを設けて大学生にとってのナツメロをご紹介したそうです。今回お聞きいただいたのは「第2夜 君と僕をつなぐもの」

安部さんのメモには“よい歌多し”と書かれています!

たとえばこんな曲でした…
「真夏の出来事」(平山三紀)
「ひと夏の経験」(山口百恵)
「恋の季節」(ピンキーとキラーズ)
「ラヴ」(ジョン・レノン)
「あの素晴らしい愛をもう一度」(加藤和彦と北山修)
「神田川」(かぐや姫)
「やさしく歌って」(ロバータ・フラック)
などなど

DJを担当したのは2人。のちにアニメ「うる星やつら」でラムちゃんを担当することになる声優の平野文さん!そして、早稲田大学学生の仲谷直哉さんという方です。

提供してくださった安部直弘さんは87歳の現在もお元気で、放送されることをお伝えしたところ「それはありがとうございます。こうした録音を持っている人たちにとってもいい話になります。」と何度もお礼の言葉を下さいました。

また70年代から並行して録っていたカセットテープ数百本が手元にあるという新情報も!お宝をまだお持ちのようです…

ゲストの石井彰さんの言葉です。
「ラジオもテレビも本当に貴重な文化遺産だと思っているんです。でも残念ながら私たちは保存することに熱心では無かった。だからこそ発掘したいし、それを聞くことであの時自分が何をしていたか?どんなことに悩んでいたか?どんな夢を見ていたのか?もう一度新鮮な気持ちを取り戻していただきたい。そういうきっかけに、この番組がなったら良いなと思います。」

かつて番組を聞いていた方は“懐かしさ”を、この番組で初めて聞く方は“新たな発見”を味わえる、それが『発掘!ラジオアーカイブス』です。

さあ、そして先日!第2回の収録が行われました!

取り上げる発掘番組は『夜のサスペンス』というラジオドラマ枠の一本です。
「通り過ぎた奴」(1976年7月22日放送)原作・眉村卓、出演・坂本長利、下条アトム他。
超高層ビルの中にある近未来の都市が舞台。この都市を登りつめようという「旅人」が現れ、最頂部26030階を目指します。さて「旅人」の運命は?
スタジオゲストはロックミュージシャンの大槻ケンヂさんです。

第2回放送は明日!
5月25日(土)午後1時5分~ お楽しみに!

思い出・コメントはこちら

ページTOP