発掘ニュース

No.107

2016.05.27

ドラマ

杉 良太郎さん、時代劇と発掘を語る!

今回はあの大スター、杉 良太郎さんが登場です!

芸能活動52年を迎えた杉さん、なんとNHKに1本も残っていなかった2つの番組のビデオテープを提供!!ドラマのエピソードや時代劇への思い、さらにはアーカイブスについても語っていただきました。

杉さんにご出演いただいたのは、もうお馴染み「ひるまえほっと」(関東地域のみの放送)の『発掘!お宝番組』です。

4月からキャスターが代わり、島津有理子アナウンサーに!今回のリポーターは竹澤知位子さん。

幻の番組1つ目は、1973(昭和48)年放送“幻の”大河ドラマ「国盗り物語」。

戦国時代、織田信長を中心に下剋上の乱世を生きた人々をダイナミックに描いた作品です。

近江の武将、浅井長政を演じたのが杉 良太郎さん。全54回の本編が1つも残っていなかったこのドラマ、2回分を提供して下さいました!

島津アナ「スゴイ迫力でしたね!」
杉さん「今のシーン、全然覚えていないんです。」
島津アナ&竹澤リポ「(笑)」
島津アナ「あらためてご覧になって?」

杉さん「若いっていいなぁ。…たぶん“浅井長政をどう演じるか”みたいなことは、少しくらい考えて撮影に入ったんでしょうね。自分の浅井長政をやろうというのは当時から思っていましたし、この映像を見ると思い出しますね。」

竹澤リポ「提供していただいた『国盗り物語』のビデオテープがこちらです!」

杉さん「自分の家で“自前”で録っていましたね。」
島津アナ「このテープは当時の価格で1本1万円したということなんですが…」
杉さん「やっぱり当時の1万円というのは結構考えますよね、本数が多いですから。郵便局に貯金しているみたいな感じですよね。自分の出ているところだけ録って…。」

島津アナ「見直していらしたんですか?」
杉さん「たまにチェックしましたけど、初めから最後まで見直して勉強しようということは忙しくてできなかったんです。ようするに保存しておこうという気持ちで録ったんだと思います。」

続いてご覧いただいたのは1967(昭和42)年放送の金曜ドラマ『文五捕物絵図』

NHKにあった古いテープを整理していたところ発掘されたものです。

長屋に暮らす町人が些細なことで武士に殺されます。その事件を担当するのが杉さん演じる岡っ引きの文五。武士が優遇された時代、自らも町人である文五は、身分の違いに悩みながら事件を解決しようとします。身分のはざまで事件に向き合う文五を熱演!何が正義か考えさせられる名作です。

杉さん「当時、セリフ何言ってるか分からないって言われたんですけど、今見ると何言ってるか分からないですね(笑)…自分の中に文五の性格が本当にあったんだと思うんです。芝居を上手くやろうとか、芝居をしようとかいう次元までいっていない。性格が文五と重なり合う部分があって、役に引きずられていった…それでやれたんじゃないでしょうか。」

島津アナ「いま、時代劇のドラマ自体が少なくなってしまって、若手が育つ場というのも少なくなっているのかなあと…。」
杉さん「日頃お稽古をしても、やっぱり本番をやっていかないと実際身に付いていかない、緊張感がね。ですから(若い人たちにも)本番をやってほしいので時代劇は増えてほしいですね。時代劇は、今日いって今日覚えられないので…。カツラをつけて衣装着ていると時代劇をやっていると、本人たちも周りもその気になっているんでしょうけど、本当にその時代に戻ってその時代の人を演じるとなると、血の中から体の中から“その時代に生きる”という精神が必要なんでしょうね。」

「歩き方も“自分が”歩いている人が多い。お百姓さんはお百姓さんの歩き方とか、武士は武士の歩き方、歩き方一つでも個性のぶつかり合いになってきますから。“自分が”靴を履いて歩いているみたいじゃダメなんです。

若い時は上手くないですから、芝居は。経験してないですからね。自分が持っているものは若さ、技術は無い。相手の先輩方には技術がある、芝居を心得ていてよく知っている、でも若さは無い。そうすると五分五分じゃないかと…。そういう気持ちの切り替えで先輩に当たって、ぶつかっていく。そうすると、どんなに上手な大きな役者さんでも、やっぱり“ビクッ”とするんです。その時、自分は成長したなという感じがするんでしょうね。」

杉さんからは、もう一つ幻のドラマを提供していただきました!

朝の連続テレビ小説「繭子ひとり」。ヒロインは山口果林さんです。両親と離れて育った娘・繭子が様々な人と出会い成長する物語です。

27歳の杉良太郎さん!繭子が初めて心を寄せる長沢先生を演じました。

竹澤リポ「実はこの『繭子ひとり』は、歴代の連続テレビ小説の中で『おしん』の次に高視聴率をたたき出した大変人気のドラマなんですが、総集編も含めてNHKに映像が一本も残っていなかったんです。杉さんから提供いただいた8分間が唯一、幻の貴重な映像なんです。」

杉さん「一本も残ってなかった??あるんですかねぇ、そんな不思議なことが。そんなに高視聴率の番組だったのに…なんで?」
竹澤リポ「そのころ放送用のテープというのが、当時の値段で100万円したということなんです。それを大切に使い回しをして上書きをして使っていたんです。」
杉さん「当時の100万円は大きいですよねぇ…。」

放送用のテープだけでなく家庭用のビデオテープも高価だった時代、杉さんの“保存しておこう”という気持ちのおかげで貴重な発掘へとつながりました!ただ、すでに捨ててしまったビデオテープもあったそうで…

杉さん「もうちょっと早く言っていただいたら、ダンボール箱2~3個持って来られたんですけどね。そんなに貴重だとは思わなかったです。」

杉さん、本当にありがとうございました!益々のご活躍を祈っております。そして、もし古いビデオがまた見つかったら是非ご連絡くださいね!

思い出・コメントはこちら

ページTOP