No.032
2014.11.14
音楽
幻の第1回を探せ!
其の二「歌のグランドショー」「ヤング歌の祭典」!
視聴者の皆さんの期待、制作者のドキドキ…
新番組の第1回には様々な思いが交錯します。
“幻の第1回を探せ!”先週の「ひるのプレゼント」に続いて、2つの歌番組の第1回が発掘されました!
まずは「歌のグランドショー」、こちらです!
1976(昭和51)年から2年間にわたって放送された歌番組(※)で、
4月6日夜8時に第1回はスタートしました。
特徴はというと…
番組の最初の方にこんな字幕が!
そう、視聴者の皆さんのリクエストをもとに作っていこうという番組なのです。
しかも生放送!
司会は…
今回のビデオテープを提供してくれた山川静夫アナウンサー、そして作曲家の森ミドリさん。第1回のスペシャルゲストは坂東玉三郎さんです!
この日は春の選抜高校野球決勝戦の日で、こんな企画も!
今も春の選抜では入場行進曲が毎年選ばれますが、このころから話題の一つだったんですね!歴史を感じさせるのが歴代の行進曲です。
いかがですか?昭和の薫りが漂う曲の数々ですね!
もちろん、出演歌手の皆さんが歌います。
アグネス・チャンさんは昭和49年の行進曲「草原の輝き」。
森昌子さんは昭和50年の行進曲「おかあさん」。
生放送ゆえのハプニングも!飛行機が遅れて自分の出番に間に合わなかった天地真理さんと岩崎宏美さんが、おわびのミカンを持って登場。
本来ならば、この日が決勝だった昭和51年大会の行進曲「センチメンタル」を岩崎宏美さんが歌うはずでしたが、結局、ピンチヒッターとして他の出演者が歌を披露するというハラハラドキドキの第1回でした!
さて、もう一つの“第1回”は「ヤング歌の祭典」です!
1975(昭和50)年5月5日「こどもの日」に放送されました!
現在のNHKホールが出来てまだ2年目でした。
“ヤング”に囲まれる山川静夫アナ!
このころは“ヤング”という言葉がいたるところで使われていました。
山川アナのコメントの中にも…「全国のヤングファンが待ちに待った、第1回ヤング歌の祭典がやってまいりました!ステージの上はヤングでいっぱい!客席もヤングがいっぱい、お母さんヤングもいらっしゃるようです。」
出演者の紹介も「まず先輩ヤング!」
≪先輩ヤング≫
西城 秀樹、郷 ひろみ、フィンガー5、山口 百恵、桜田 淳子、森 昌子、アグネス・チャン、小坂 明子
「続いて後輩ヤング!」
≪後輩ヤング≫
あいざき進也、三浜 鉄平、渡辺 秀吉、城 みちる、伊藤 咲子、西川 峰子、林 寛子、太田 裕美、あきいずみ、ずうとるび、三田 悠子、古谷野とも子 他
「そしてフレッシュヤング!」ヤングにも色々あります…!
≪フレッシュヤング≫
黒木真由美、片平なぎさ、山本 明、岩崎 宏美、豊川 誕、細川たかし、野川 明美、ジャニーズ・ジュニア・スペシャル、ザ・リリーズ、ちゃんちゃこ 他
そのほか、ゴダイゴの前身ともいえる『タケカワユキヒデとミッキー吉野グループ』や『甲斐バンド』も出演していました。
こうして出演者の皆さんの名前を見ているだけでタイムスリップしている気がするのは私だけでしょうか?!
ゲストには朝の連続テレビ小説「水色の時」でヒロインを演じていた大竹しのぶさん! 当時、高校3年生だった大竹さんはドラマの収録の事を聞かれて「毎日ぱーっと過ぎてしまって夢中で、何も考えないで頑張ってます!」本当に可愛らしく一生懸命な初々しさが伝わってきました。
今は“座布団運び”で皆さんご存知の山田隆夫さんは番組の盛り上げ役として、笑いを振りまいていました!
“ヤング”の皆さんが力を合わせ、大きな折り紙でカブトと鯉のぼりを作るコーナーもあったりで盛りだくさん!
エンディングでは山川さんが「ヤングよ歌え、ヤングよ羽ばたけ、そしていつも夢と情熱を持って!ヤング!ヤング!ヤング!」
このとき山川さんは42歳。「ディレクターから『山川さん、浮いてるよ』と言われて、合わないかな…と思いながら司会をしていたんです(笑)」と振り返ってくれました。
「ヤング歌の祭典」はこのあと毎年5月に放送され、第4回まで続きました。
いかがでしたか?“幻の第1回を探せ!”新たに貴重な第1回が発掘されましたら、またご報告いたします!
(※)「歌のグランドショー」は1964年~68年にも同じタイトルの番組が放送されています。