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NHK横浜 はま☆キラ 加藤登紀子さんに佐々木キャスターが聞く

  • 2023年11月20日

アナウンサーやキャスターが企画・制作しているラジオ番組「はま☆キラ」。今回のゲストはデビュー58年目の加藤登紀子さん。多くのヒット曲を世に送り出し続けている加藤さんに「百万本のバラ」にまつわるエピソードや、毎年恒例のほろ酔いコンサートなどについて伺いました。

NHK横浜キャスター 佐々木美佳

~プロフィール紹介~

・1943年、ハルビン生まれ。
・東京大学在学中に、日本アマチュアシャンソンコンクールで優勝し歌手デビュー。
・1966年、「赤い風船」でレコード大賞新人賞を受賞しその後も数々の賞を受賞。 

加藤登紀子さんご登場!「ミニーちゃんですか??」

加藤さんは黒い花柄の服の中に、赤い襟に白い水玉模様のブラウスを着て登場。“赤に白色の水玉” 有名キャラクターの「ミニーちゃんですか??」と聞かれることが多いそう。明るい気持ちになりたい時に着ているそうです。

「百万本のバラ」ゆかりの地“ジョージア”でコンサート開催

ジョージアはいかがでしたか?

本当に美しい街でした。
ご存じない方も多いかと思うのですが、百万本のバラの主人公になっているのは、ジョージアの代表的な画家ニコ・ピロスマニです。
いつか、この町でコンサートをしたいと思っていましたし、胸がいっぱいになるような出会いがたくさんありました。

お客さんの反応はどうでしたか?

私が、ハルビン生まれだと言ったら、ハルビンを知っているよと、皆さんに迎え入れてもらえました。というのも、ハルビンは、当時の満州の中心都市で、帝政ロシア時代に作られた町。ジョージアもハルビンも、同じ国の中にあったので、ジョージアの人たちにとっては、同じ国で生まれた人ということなんです。

加藤さんにとって、特別なコンサートになったのですね。

百万本のバラを歌いはじめて40年近くになるのですが、この歌と一緒に世界を見てきたという思いがあります。ジョージアでのコンサートは私の人生の中でなくてはならないジグソーパズルのワンピースだったということを感じます。

加藤さんの代名詞!?毎年恒例のほろ酔いコンサート

はじまったきっかけは?

1971年にさかのぼります。知床旅情で、レコード大賞歌唱賞をいただいて紅白に出演しましたが、私を応援してくれていた関係者の方から(紅白もいいが)アンダーグラウンドみたいな場所にもいてほしいとの要望がありました。当時あった「日劇ミュージックホール」で、“TOKIKO22時”として夜中にコンサートすることになったのがはじまりです。

夜中にコンサートですか?

夜中なのに、しらふってもったいないと思い、たる酒を開けて振る舞い酒をしながら、コンサートをしました。それがあまりにも楽しかったので、その後もずっと続けてきた結果、こういう歴史になり、加藤登紀子といえば”ほろ酔いコンサート”という私の代名詞にもなりました。

コンサート期間中、声を保つ秘けつは?

酔っ払った時にちょっと千鳥足になりますよね。そういう時に、どしっと、足で体を支えて歌うのが一番よい状態。つまり、お酒の一升瓶のような状態がいい歌を歌えるこつです。人間の形って一升瓶の形をしていますよね。お酒の代わりに、いろんな経験とか思い出とか、伝えたい気持ちとか、それがいっぱいたまっていて、そこから立ち上ってくるものをフワッと歌う。それが歌の理想だと、ほろ酔いコンサートをやることによって獲得した極意です。

すてきな表現♪

不思議なんですけど、50年以上ほろ酔いコンサートをしていて、期間中は、病気になりません。自分でもすごいと思う。やらなきゃいけない場所やすばらしい人たちと出会える、そういう毎日が、体を守ってくれているんだなと思います。

どうぞ、コンサートには安心してきてください。一生懸命、ちゃんと自分を保ちながら、1杯飲みながら、備えたいと思います。

横浜でのコンサートは43回目。

12月14日(木)に開催されます。横浜だけ2人のスペシャルゲストが登場します。1人目は、池畑慎之介さん(ピーターさん)。彼はずっと神奈川県に住んでいて、私も横浜で仕事をすることが多く、今度、横浜でコンサートするよと声をかけたら、ゲストとして出演することが決まりました。

2人目は、タブレット純さん。神奈川県生まれで、すばらしく歌が上手。お笑いとしても活動されています。去年、東京のほろ酔いコンサートに出て下さったら大好評で、是非、彼とデュエットをこれからもずっとしてほしいと言われたので、今年も、タブレット純さんに出演をお願いしています。

ことしのコンサートの特徴は?

ことしは“横浜物語”というサブタイトルをつけました。横浜で40回以上も行ってきたという歴史もありますし、歌ってきた歌の中にもいっぱい横浜とのつながりがあるので、そこをちょうど中身のおいしいあんこ(コンサートの内容)にしています。

ちょっと欲張りですが、20歳ぐらいから歌い始めて、ここまできましたよという、私自身の約60年間をできるだけ感じてもらえるようなコンサートにしたいと思います。※横浜でのコンサートのチケットは完売

ことしで80歳!元気で輝いていられる秘訣は?

私は80歳を二十歳と呼んでいます。人生100年時代なわけだから、100メートルプールを泳ぐイメージで生きています。50歳からターンして、若返りながら、人生を見つめ直して子供に向かっていく。50歳から30年(若返ったら)たったら20歳の人と交差します。そういう気持ちで生きたい。あと10年もたてば、10歳の人と交差。私が子どもにかえりますみたいな、そういう晩年を、過ごせたらいいなと。

加藤登紀子さんにとって歌ってどんな存在?

私は、たまたま、ユーラシア大陸で生まれ、シャンソンも歌い、オリジナルも作ってきました。国を越えて人がつながること。時を超えて人と人が出会えること。それが歌の力。これからもそれが、私のジャンルかなと思います。 

制作後記

加藤さんにお会いするまでは、すごく緊張していたのですが、お会いした瞬間から温かく優しい笑顔で包んでくださり、気が付けば、緊張を忘れて、リラックスして、お話を聞いている自分がいました。人生100年時代だから、まだまだこれから!と、前進され続けている姿に勇気をいただくとともに、私もこんな風に年を重ねていきたいと思いました。

NHK横浜キャスター  佐々木美佳

”百万本のバラ”は何度も聞いたことがありましたが、絵描きのモデルや、加藤さんの世界観を知った上でもう一度聴くと、より心に響いてくる歌であると感じました。みなさんも、是非、”沼にハマってきいてみてください”

池田 廣成

  • 池田 廣成

    NHK横浜局

    池田 廣成

    2008年入局。初任地は山口局。首都圏局を経て横浜局へ。デジタル発信やWEB記事などを担当。

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