今場所(名古屋場所)、神奈川県出身としては唯一の幕内力士・湘南乃海。
「年内に三役を目指す」と語った記者会見の内容を詳しくお伝えします。
(横浜局/カメラマン 鳥越佑馬)
6月26日、湘南乃海は、名古屋市内の高田川部屋の宿舎で記者会見に臨みました。
以下、1問1答です。
ー新入幕おめでとうございます。どんな気持ちで今日を迎えましたか
うれしいという気持ちです。
ー番付表で一番上の段に自分のしこ名があるというのは見てどんな気持ちですか
本当にいろいろなことが思い浮かんだりして、よかったなと思います。
ー十両の3場所をどう振り返りますか
十両昇進後、すごい自分でも本当にできが良いと思うくらいよくて、しっかりと稽古して、それが場所でできたことが一番よかったと思います。
ー十両で力が発揮できた理由は
気持ちを自分の中でしっかり強く持ち始めてから。
師匠の言うことをしっかり聞いて、相手の中に入る相撲を取るようになってからは1年で変わりました。
ー先場所の勝ち越しや11勝は自信になったのでは
9勝目で右上手取って寄り切れたので、自信になりました。
勝ち越し後も、あまり考えず、勝負していきました。
ー十両昇進後、まわしを取る相撲や突き切るような相撲が増えてきました
そうですね、中に入るだけじゃなくて、突いてから相手の中に入るっていうのを稽古でやっているので、それで突き押しをしたら結果がついてきました。
ー幕内力士にどんなイメージを持っていますか
みんな強いイメージなんですけど、それに負けないようにしっかり稽古して、勝負していきます。
ー来場所は幕内の強い相手との取組、実感は?
特に意識はせず、しっかり稽古してやります。
ー幕内の土俵にあがるのはどんなものですか
相撲を取る前はわくわくというか、そんな感情があるんですけど、場所でその日になったら 、やっぱりもうしっかり気持ちを作って、そんなに考えず、一日一番に集中してやりたいです。
ー新たに部屋に幕内力士が誕生したことについて
新入幕ですが、元々の部屋の力士がみんな負け越しをしているので、部屋頭(部屋で一番番付が高い力士)です。
後輩に抜かれ、先輩たちにもいい相乗効果が生まれるんじゃないかと思います。
ー十両を3場所で通過というのは、師匠の目から見て何が良かったのか
いいのか悪いのか、いい相撲もあれば悪い相撲もあるので、褒められたものじゃないんですけど、幕下がこの体からしてみたら長かったですからね。
(湘南乃海の)能力をしてみたらやっぱり長かったんで、一気に行くのは大体予想ついていました。
稽古相手に幕内力士もいますので、「ことし中に上がるんだ」っていうぐらいの気持ちでやってもらったんですね。
ー十両昇進後、湘南乃海の相撲内容でも変化というのが出てきましたか
例えば、稽古場からでも、幕下のときも一生懸命、稽古をしてたんでしょうけど。
やはり幕下の時の精神面とやっぱり関取になると応援してくださる方の人数も増えるし、背負い込む、背中に背負い込むもの変わってくるんですね。
だから腹づもりが変わってきてると思うんですね。そこらへんがぐっと変わったのかなと思います。
ー湘南乃海の心持ちの変化というのは、どんなところに表れていると思いますか
幕下のときは、まだ稽古場でも甘い部分がありましたが、関取に上がってからは、やっぱりやらなきゃいけないっていうのが見えて来ました。
これをもっともっとやってもらえばいいですね。
まだまだ稽古が少ないです。
ーさらに上を目指すにあたって、何を身に付けて番付をあげてほしいと思いますか
立ち合いをもっと鋭く、自分でどういう立ち合いをするかっていうことを考えながら、相手が湘南乃海の立ち合いを怖いなって言うような形を自分で見つけて、どんどん前に出て欲しいです。
たまに引き技をしますけど、引き技は封印してどんどん前に出ていけば、さらに魅力ある力士になると思います。
ー新入幕で伝えたいことは
本人にも言ってますけど、強い気持ちで前に出て戦うことだけですね。
あとは余計なことを考えない方がいいかなと思います。
ー幕内でも、通用する力はついてますか
恵まれた体もありますし、案外度胸がありますので、本場所で能力が発揮できるんじゃないかなと思います。
ーこれから名古屋場所に向けどういう準備をして初日に臨みたいですか
師匠に言われたとおり、立ち合いをもっと稽古でしっかり低く鋭い立ち会いができるようにまず、しっかりとこの2週間で仕上げて、しっかりと自信を持って、その立ち合いができるようにしっかりと準備していきたいです。
ー名古屋場所での目標は
10番勝ったら、『三賞』とやっぱり思うんですけど、それは結果なんで、本当に、一日しっかり自分のやってきたことをしていきたいという気持ちです。
ー新入幕をきっかけに注目する人も増えると思うが、どういう相撲を見てもらいたいか
体を生かして本当に気持ちを強く持って、前に前に出る相撲を取っていきたいです。
ー応援は幕内昇進に向けた気持ちの中で大きかったかですか
そこは本当に大きかったです。
(お祝いの)パーティーもやらせていただいたりして、いろいろ部屋に来る応援のメッセージを聞くと、やっぱりもう本当に、覚悟や背負い込むものは違うと思います。
ー特に地元・大磯の皆さんからのどういう言葉が一番心に残っていますか
頑張れよ、もっと上に行けよという言葉がいっぱいありました。
いい言葉をいただいて、励みになりました。
ー名古屋場所で初めての幕内力士としての決意は
新入幕、自分の体を生かして、しっかりと前に攻めて、皆さんに喜んでもらえるような相撲を届けたいと思います。
ーほかの新入幕力士の多くはアマチュア相撲で活躍し、昇進してきた中でライバル意識は
自分はたたき上げとしての誇りを持ってやっていきたいと思います。
ー湘南乃海関の活躍が相撲を知ってもらう機会になるのでは
そうですね、本当にしっかり自分が頑張らなければいけないっていう気持ちになります。
背負うものがまた変わってきたので、そういった部分が変な重圧にならず、余計に力を出すみたいにしたいですね。
幕下の時分は、やっぱり自分や家族とか、近場の人だけの応援なんです。
やっぱり幕内に上がると、(十両)昇進のパーティーを東京でやったんですけど、そのときやっぱり大勢の方に来ていただいて、「頑張れよ」って言われたら、その思いを全て取り込むわけですから。
また全国で応援してくださる方も増えるじゃないですか。
そうなってくると、やっぱり、幕下でとってる時の一生懸命さと関取の一生懸命さが違うんですね。
背負い込む一番の思い入れも違うんですね。
地元でパーティーをやってなかったんで、6月25日には、大磯町内のホテルでパーティーをやって、盛大に皆さんにまた応援していただいたので、それで負けられないでしょ。
その思いを取り込んで、頑張るわけですから。
また、この今場所、違った意味でキュッと、また引き締まったと思うんですね。
あとは本人がどう相撲で表現してくれるかですね。
ー師匠から年内三役という声がありましたが
(湘南乃海)それ(三役)を目標に頑張りたいです。
(高田川親方)年内にあがるん?じゃあそれなりの稽古をしてください。
(湘南乃海)声援があると気持ちが違うので、やっぱり覚悟も違うんで、そういう意味では、自分の中で成長もできたのかなと思います。