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大雨シーズン直前 神奈川県警が水害想定の救助訓練

  • 2023年06月02日

梅雨や台風など本格的な大雨のシーズンを前に、水害が発生したという想定で警察が救助の手順を確認する訓練が神奈川県厚木市で行われました。

本格的な大雨のシーズンを前に

本格的な大雨のシーズンを目前にしたこの時期に、神奈川県警察本部が毎年、実施しています。
4日間の日程で、厚木市にある災害訓練ができる施設で行われました。
6月1日の訓練には、災害救助などを専門とする機動隊の隊員およそ30人が参加しました。

訓練その① “浸水した車に取り残された人を救助せよ”

大規模な水害が発生し、浸水した車に取り残された人がいるという想定です。訓練用の大型のプールに実際に車を沈め、車の屋根の上では、被災者役の警察官が救助を待っています。

救助は、ロープを使って行われ、プールの両岸にロープを張りました。
救助隊員は、助けを待つ被災者役に対し「もう大丈夫ですからね」などと声をかけながら、ロープをつたって近づきます。

そして、無事に車の屋根までたどり着くと、被災者役に救命胴衣を着せた上で、抱きかかえ、安全な場所まで慎重に避難させていました。

救命胴衣を装着

訓練その② “土砂崩れで車内に閉じ込められた人を救助せよ”

続いて行われた訓練は、土砂崩れによって大木が車に倒れ、車内に人が取り残されたというもの。車が大きく壊れてドアが開けられなくなったという想定で、車内には被災者に見立てた人形が置かれました。

電動ノコギリで屋根を切断

隊員たちは、電動ノコギリを使って車の屋根を切断するなど救助の手順を確認していました。

神奈川県警の直江利克本部長も訓練を視察し、隊員たちに訓示しました。

直江本部長も視察(右から2人目)

神奈川県警 直江利克本部長
「皆さんの今日の姿を見て技術力がしっかりアップデートされていると感じた。機動隊は県民の皆さんにとって本当に頼りになる存在であり、災害がいつ起きてもおかしくないという緊張感を持ってさらに力をつけていってほしい」

過去には、神奈川県内でも大雨による浸水被害や土砂災害でたびたび大きな被害が出ています。
2019年の台風19号では、県内各地で土砂災害が発生したほか、川崎市では市街地にあるマンションなどが浸水し、県内では9人が死亡しました。
警察は、市民1人1人も備えを進めてほしいと呼びかけています。

神奈川県警危機管理対策課 中薗光彦課長
「本格的な雨のシーズンを前に隊員のたちの災害対応能力を向上させるとともに、市民の皆さんにはハザードマップの確認や災害用の備蓄品の準備を進めて欲しい」

  • 田中常隆

    横浜放送局 記者

    田中常隆

    2011年入局。初任地は水戸放送局。 2016年から在籍した社会部では検察・裁判など司法分野を担当。 2022年から横浜放送局で警察、司法分野を中心に取材。

  • 鈴木ひとみ

    首都圏局 記者

    鈴木ひとみ

    2023年入局。福島県出身。東日本大震災を経験し、報道の道を志しました。

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