今、世界の人口増加に伴う食糧不足を解決する有望な食糧として「昆虫食」が注目されています。厚木市に、昆虫食の中ではまだ珍しい「トノサマバッタ」の養殖技術の研究を進めている人がいると聞き、横浜放送局・佐々木美佳キャスターが訪ねました。
厚木市の農業用ハウスの中にお邪魔すると、円筒形の洗濯ネットが吊るされていました。
その中を見せてもらうと・・・
いました!トノサマバッタです。
こちらでは年間5千匹ほど養殖しています。
飼育しているのは昆虫食の開発や製造、販売などを手がける会社で働く、三橋亮太さんです。
大学院などで昆虫食について学び、2年前からトノサマバッタの養殖技術についての研究に取り組んでいます。
世界的に見ても、トノサマバッタの養殖をしているところはすごく少ないです。昆虫食の中でも養殖するのが難しい、すごく手間がかかる昆虫なので、そこにチャンレンジするっていうことは意味があることなんじゃないかなという風に考えました。
養殖する上で難しいことのひとつは「エサ」だそうです。三橋さんは、エサとなるイネ科の牧草を育てています。
トノサマバッタは草だけを食べて育つ昆虫なんですが、草といっても何でも良いわけではななく、イネ科のフレッシュな草でないとダメなので、草の管理にすごく手間がかかります。ちょっとでも水分が抜けて枯れてきてしまうと一切食べなくなります。
一方で、草しか食べないことの良さもあると言います。
昆虫食として養殖が広がっている「コオロギ」は、魚粉や大豆などのたんぱく質が必要ですが、トノサマバッタは草だけで育てることができるため、より環境への負荷が少なくなることが期待されているのです。
三橋さんによると、トノサマバッタの最大の魅力は、おいしいこと!!おすすめは「かきあげ」とのことで、特別にご用意いただきました。
昆虫食は初めてだという佐々木美佳キャスター。
いただきます!!
佐々木美佳キャスター
さわやかな緑の味がします。
全然苦みとかそういう嫌な感じがないです。
本当にさわやかにサクッと食べられますね。
良い!!
桜えびみたいな香ばしい風味と、草を食べている昆虫なので、その草の風味がすると思います。粉末をお好み焼きみたいに混ぜ込んだりしても良い香りがしておいしくなります。
三橋さんは、トノサマバッタだけでなく、昆虫の養殖を誰でもできる身近なものにして、「昆虫食」を広げていこうと考えています。
昆虫食が普及していく可能性というのはすごくたくさんあると考えていて、たんぱく源として普及していくという可能性もありますし、楽しい食材のひとつとして普及していくという可能性もあると思います。
昆虫にしかない食感や香り、味というのが必ずあるので、そういうのを見つけて、日々の食事に彩りを添えてもらいたいなと思います。