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「地球の歩き方」多摩版が人気 多摩の魅力を探ってきました

  • 2022年8月8日

海外旅行などでおなじみのガイドブック「地球の歩き方」。ハワイやインドといった海外版ではなく、いま実は「多摩地域」版が大人気となっています。
そこで、地球の歩き方とコラボ。今回は、すでに出版されている多摩地域版を頼りに、地域の魅力を探ってきました。
(首都圏局/ディレクター 井出州)

ハワイ超え?多摩版が人気

「地球の歩き方」の多摩地域版。自治体ごとの細かな情報が満載で、シリーズで最も売れているハワイやパリ版よりも多い、5万部以上を売り上げています。

編集部では、コロナ禍で海外旅行需要が落ち込む中、国内版に力を入れ始めました。地域の旅を見直す新たなムーブメントを巻き起こしています。

地球の歩き方 宮田編集長

地元の人が、地元再発見という形で買ってくれている。旅人に求められる物を作る。

多摩で活躍する人を紹介

わたしたちが、最初に向かったのは多摩地域の一大観光スポット八王子市・高尾エリア。

年間およそ300万人が登山に訪れる高尾山に、ガイドブックの表紙にもなっている薬王院。
ハイキングが楽しめる森林など、穴場スポットも紹介されています。

編集者のこだわりは、地域で活躍する人たちを紹介することです。

編集者
斉藤麻理さん

何となく親近感を感じ、人間性が伝えられ、交流にもつながる。

高尾のページには「山が好きで移住した」という男性。高尾でクラフトビールを製造販売している池田周平さんです。

池田周平さん

八王子産のホップなど、地元の原料を使ったものというのが特徴になるかと思います。うめ、ブルーベリー、ホップも栽培しています。

池田さんはもともと赤坂のデザイン会社でサラリーマンをしていましたが、登山好きがこうじて、8年前に高尾へ移住しました。

登山客や地元の人が交流するきっかけにしたいと海外での修行を経て、ビール造りを始めました。

店を訪れた客

知らないうちに、地域の地元の人たちが来て、一緒に久しぶりとか、地域の人がつながっていく、そういう場になっている。われわれにとってすごく大事なのです。

池田周平さん

それまでは知らない方だったのがこの場所でつながって、新しいものごとが生まれるということに喜びを感じています。

地元の人が語る街の魅力と情報

地域の魅力をもっと知りたい時はページの下に注目。「TAMAの声」
地元の人が語る街の魅力や情報が満載なんです。

府中在住の人から寄せられた情報
「生っ粋の府中市民は、府中かるたの内容を「あ」から「ん」まで言うことができる」

府中のカルタとは一体、どういったものなのか?
昭和48年に府中市が市民の郷土愛を高めるために作った「武蔵府中郷土かるた」。

府中といえば、京王線、そして競馬場も紹介されています。今でも、小学校3年生の児童に無料で配布されています。

府中市 ふるさと文化財課 課長 江口桂さん
「市民にとって非常に大事なことと思って書いてあることが非常にうれしい。私は自信をもって必ず府中市民の中に覚えている人はたくさんいると思います」

さっそく街の人に聞いてみました。

井出
ディレクター


これはなに?

 

(カルタは)場所とか伝統について書いてあります。『虎の朱印は免税状』

 

『野村瓜州(かしゅう)の四人部屋』
『六所明神(ろくしょみょうじん) 武蔵の総社』
学校で配られた時にクラスで大会やるみたいな感じになって、その時は全部覚えた。

 

体にしみついているというか、市民なので、府中好きだなって思いますよね。

郷土愛をしっかり育んでいる府中のカルタ。市の歴史館では、ゲーム形式で誰もが楽しめます。他の街にも自慢したい大切な「宝物」です。

宿場町の面影残る街で

続いては、宿場町の面影が残る青梅市。江戸時代から続く傘店では粋なサービスが。

傘の販売・修理を行う店主、荒井亮太郎さん(86)。
かつて店では、丈夫で有名な青梅傘を製造販売していました。

荒井さんの母親は、お客さんに言われた名前を紙の傘に墨で書いていたといいます。
母親の「名入れ」は、形を変えて、今も続いています。
この日は子どもが幼稚園で使う傘の修理を行っていました。

荒井亮太郎さん

直すのは嫌いではない。大事にしようって思うのではなく、直せるものは直す、それが必要だと思います。

多摩を旅したら、大切な宝物を未来へつなぐ心意気に出会えました。

ガイドブックの編集部が初の国内版として出版したのが東京。そこには、多摩地域が数10ページしか扱われておらず、たくさんの要望が相次いだことから編集部では多摩版の出版を決めたそうです。

  • 井出 州

    首都圏局 ディレクター

    井出 州

    2019年から首都圏ネットワークを担当。ちかさとコレクションやシュトボーなど地域の話題などを取材。

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