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避難生活中の高齢者 フレイルに注意 予防法は?効果的な運動とは

  • 2024年1月15日

避難所などでの生活が長引くと懸念されるのか体力の低下です。

特に高齢者を中心に注意が必要なのが…。体力や認知機能が衰えて介護が必要な手前の状態「フレイル」です。

避難生活の中で健康を保つヒントを東京大学高齢社会総合研究機構の機構長、飯島勝矢さんに聞きました。

避難生活で心配される症状は

フレイルは、いわゆる年齢を重ねるとともに体力や筋力が衰えた状態ということなんですが、ベースは筋肉の衰えなんです。

例えば、高齢で自立されてる方やお元気な方でも、2週間ぐらい寝たきりのような生活をしてしまうと、元気に活発にされてる方が5年から7年ぐらいかけてゆっくり失う筋肉を、いとも簡単にこの期間で失ってしまうと言われているんです。

なので、いかに不活発にしないか、十分な運動とまではいかないにしても、“ちょこちょこと動き回るか”ということがポイントになります。

どんな運動をすればいい?

まず、ちょっとした「ウォーキング」のようなものと「筋トレ」のようなもの、この2種類を意識していただきたいです。

筋トレは、いすとか座れるようなところがあれば大丈夫です。

<ゆっくりスクワット>
高齢の方は、手すりを持ちながらゆっくりスクワットをすることです。
“ゆっくり時間をかけてやる”ことが、とても重要です。

<立ち上がり運動>
スクワットができないという人は、いすに少し浅めに座り、立ち上がる際に5センチから10cmぐらいお尻が浮いた状態で、およそ10秒ほど止まった状態を保ってください。
少しつらいと思いますが、最後はリラックスして、落ち着いたらまた10秒。
これをできれば朝と夜に3、4回ずつ、日々の日課に組み込んでほしいということです。

<ひじとひざのクロス>
もう1つは、左のひざと右のひじ、これをそれぞれクロスして、トントントンとタッチする動き。
おなか周りから全体的に鍛えることができます。

車内での生活で気をつけることは

◆車内での生活では…エコノミークラス症候群に特に注意必要
車の中では活動しにくいため、足に出来た血栓が肺に到達して血管を詰まらせてしまうエコノミークラス症候群に特に注意が必要です。

◆予防するには?
予防するにはとにかく水分を取り、足先やふくらはぎをしっかり動かすことだということです。
しっかり足先を上に上げたり、曲げたり、伸ばしたりを何度もやってほしいとしています。

飯島さんによると、この運動は寝ながらでも大丈夫だということです。

長引く避難生活の中で予防を続けるためには

飯島さんは、被災された人たちは心もすべて疲れ切っているのではないかとしていて、そういう時に奮い立たせて頑張るためには、まず、みんなでワイワイやろうという雰囲気が必要だといいます。

避難所の責任者やボランティアなど、みんなで声をかけ合って、ちょっと腰の重たい人にも一緒にやろうよと声をかけてやっていくということが必要だと指摘しています。

飯島さんは筋肉を維持するためには、運動だけでなく十分な睡眠や水分、そして、栄養も必要になるとして「しっかりと安心して眠ることができる生活を送ってもらえるようになってほしい」と話しています。

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