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「特別強化地域」茨城 千葉では? 千島・日本海溝の巨大地震や津波

  • 2022年10月4日

関東でも津波や揺れによる被害が想定されている「千島海溝」と「日本海溝」の巨大地震について、関東地方では、茨城県と千葉県の沿岸10市町村が津波による甚大な被害のおそれのある「特別強化地域」に指定され、対策が強化されます。関東で指定された具体的な特別強化地域のほか、求められる対策などについてまとめました。

「特別強化地域」に茨城・千葉の10市町村

政府の中央防災会議は9月30日、北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」で想定される巨大地震と大津波について、特別措置法に基づいて防災対策を特に進める地域を新たに指定しました。

このうち、「特別強化地域」には、関東地方では、茨城県と千葉県の沿岸の10市町村が指定されました。具体的には、茨城県は、日立市、高萩市、北茨城市、ひたちなか市、鹿嶋市、神栖市、鉾田市、大洗町、東海村の9市町村、千葉県では銚子市です。

〇「特別強化地域」茨城県(9市町村)
日立市 高萩市 北茨城市 ひたちなか市 鹿嶋市 神栖市 鉾田市 大洗町 東海村

〇「特別強化地域」千葉県(1市)
銚子市

「特別強化地域」30分以内に津波で浸水の想定

「特別強化地域」とは巨大地震で津波が発生した時に甚大な被害が生じるおそれがあるとして特に津波対策の強化が求められる地域です。

巨大地震の発生から30分以内に津波で浸水すると想定されている地域が指定され、津波避難タワーや避難のための道路などの整備にかかる費用のうち、国の補助率が2分の1から3分の2に引き上げられるほか、高台への集団移転を進めやすくする手続きの特例が適用され、津波対策が強化されます。

千島海溝・日本海溝地震の特別措置法に基づいて、北海道から千葉県にかけての7の道県の108の市町村が指定され、青森と岩手、宮城、福島、それに茨城の各県では沿岸地域のすべての市町村が指定されました。茨城と千葉では「南海トラフ」の基準と同じ、地震発生から30分以内に津波で30センチ以上浸水する地域としています。

「推進地域」茨城・栃木・千葉の83市町村も

防災対策を強化する「推進地域」は、国が想定する地震の規模がマグニチュード9クラスに引き上げられたことに伴い、新たに北海道と東北、それに関東地方の155市町村が追加されました。
「推進地域」は震度6弱以上の激しい揺れが想定される地域などを対象に、防災対策の目標や達成期間を定める推進計画の作成などが求められています。関東地方では、茨城県と栃木県、それに千葉県の83の市町村が今回はじめて指定されました。

〇「推進地域」茨城県(40市町村)
水戸市 日立市 土浦市 石岡市 結城市 龍ケ崎市 下妻市 常総市 常陸太田市 高萩市
北茨城市 笠間市 取手市 牛久市 つくば市 ひたちなか市 鹿嶋市 潮来市 常陸大宮市
那珂市 筑西市 坂東市 稲敷市 かすみがうら市 桜川市 神栖市 行方市 鉾田市
つくばみらい市 小美玉市 茨城町 大洗町 城里町 東海村 大子町 美浦村 阿見町 河内町
八千代町 利根町

〇「推進地域」栃木県(16市町)
宇都宮市 小山市 真岡市 大田原市 矢板市 那須塩原市 さくら市 那須烏山市 下野市
益子町 茂木町 市貝町 芳賀町 高根沢町 那須町 那珂川町

〇「推進地域」千葉県(27市町村)
千葉市 銚子市 館山市 成田市 佐倉市 旭市 勝浦市 八千代市 我孫子市 四街道市
印西市 匝瑳市 香取市 山武市 いすみ市 大網白里市 栄町 神崎町 多古町 東庄町
九十九里町 芝山町 横芝光町 一宮町 長生村 白子町 御宿町

国の基本計画が変更 対策の内容は

今回の中央防災会議では、「千島海溝」と「日本海溝」で想定されている巨大地震の防災対策の指針となる国の基本計画が変更されました。

基本計画のなかでは、達成すべき40の目標が具体的に示され、対象となるすべての沿岸市町村で津波避難タワーやビルの指定、毎年の避難訓練の実施を目指すほか、改修支援を進めて2030年までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することなどが掲げられています。

また、数値目標は設定されていませんが、防寒機能を備えた避難施設の整備、低体温症を防ぐために乾いた衣類や暖房器具などの備蓄、避難路の凍結や積雪対策などをあわせて進めるとしています。

「千島海溝」「日本海溝」の巨大地震 被害想定は

北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」で、巨大地震と津波が発生した場合について、国は去年12月に新たな被害想定を公表しています。

それによりますと、いずれの巨大地震でも巨大な津波が押し寄せ、死者は最悪の場合、日本海溝沿いの巨大地震であわせて19万9000人、千島海溝沿いの巨大地震であわせて10万人にのぼるとされ、茨城県や千葉県でも被害が想定されています。

今後10年間で対策を行い、国が想定している死者数をおおむね8割減らすという「減災目標」を定めています。

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