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防災士・今泉マユ子さん監修 在宅避難で役立つ湯煎調理レシピ

#防災やってみた
  • 2022年9月21日

大きな災害が発生したとき、身の安全や周囲の人たちの安全を確保できたあとに大きな問題になってくるのが「食」です。
乾パンやおにぎりも大事ですが、炭水化物に偏ると、体調不良や復旧への意欲低下にもつながりかねないと指摘されています。
アナウンサーが防災に体当たりで挑む「#防災やってみた」。今回は、近藤泰郎アナウンサーと浅野里香アナウンサーが、防災士で管理栄養士の今泉マユ子さんの監修で、在宅避難にいきる調理方法を教えていただきました。

湯煎調理については、杉並区で実施した防災を考えるイベント「シュトボーミーティング」(1月29日)でもお伝えしました。
そのときの様子はこちらの記事から

卓上カセットコンロとボンベは用意!

まず卓上カセットコンロとカセットボンベは用意しておきましょう。災害時には必須といえるくらい、役に立ちます。
カセットボンベについて国は、一人あたり、1週間で6本くらい用意しておく必要があるとしています。

お米を炊いてみた

災害時、電気・ガス・水道などライフラインがストップしても、おいしいご飯が炊ける方法です。

<材料>
米1合に、水1カップ強(200~220ccほど)

<調理器具>
「鍋」「土鍋」「フライパン」なんでも大丈夫
(土鍋のように「気分が上がる」ものを選ぶことも、災害時には大事)

<作り方>
・非常時には水が貴重なので、洗米はしなくてもOK。十分おいしく炊き上がります。
・鍋に米と水を入れたら、夏は30分、冬は1時間ほど吸水させましょう。ガスが節約できます。
・鍋にふたをして、沸騰するまで強火で7~8分。
・沸騰したら、7~8分ほど弱めの中火で炊きます。
・蒸らしは5~10分。これで出来上がりです。

湯煎を活用しておかずを作ろう

食材を入れ、空気を抜いて15分ほど湯煎する調理法です。
※「高密度ポリエチレン製」と表示がある袋を使ってください。そうでないと溶けてしまう場合があります。

○湯煎で“すき焼き”

<材料>(1人分の目安)
牛肉薄切り…80g
白菜…1枚(100g)
長ネギ…1/4本(25g)
顆粒だし…小さじ1/2
砂糖…小さじ2
しょうゆ…小さじ2

<調理器具>
鍋(ふた付き)、皿、調理用はさみ、耐熱性ポリエチレン袋、トング

<作り方>
・調理用はさみで食材をカット。

・カットしたはさみは、ウエットティッシュで拭けば、洗うための水を使うこともありません。

・白菜は手でちぎってもOK。野菜については、切り干し大根を利用したり、冷蔵庫に残ってい
る野菜を活用したりもできます。

・耐熱性ポリエチレン袋に牛肉、白菜、長ネギ、調味料を入れて、袋の外からよくもんで、食材をなじませます。
このとき、一つの袋は一人前にしましょう。複数人の分をまとめて作ると火の通りがよくないばかりか、食べたあとの洗い物が増えてしまいます。

・袋の中に空気が残らないよう、空気を追い出しながら袋をねじり上げます。
そして、袋の上の方を結びます。火が通りやすいように袋を平らにするとよいでしょう。

・鍋に皿を敷きます。袋が鍋の底に触れて、高熱で破れないようにするためです。鍋の高さの半分くらいまで水を入れ、袋を入れます(袋が水で隠れていればOK)。

・鍋のふたをして、カセットコンロの火は沸騰したら中火にしましょう。沸騰してから約15分加熱し、火を止めてふたをしたまま5分ほど蒸らすとできあがり。

○湯煎で“ハンバーグ”

<材料>(1人分の目安)
牛と豚の合いびき肉…100~150g
タマネギ…1/4個
卵…1個
塩、こしょう…少々
お好みでケチャップ、マヨネーズなど…適宜

<調理器具> 
鍋、鍋のふた、皿、包丁、紙皿、耐熱性ポリエチレン袋、トング

<作り方>
・タマネギをみじん切りにしましょう。紙皿をまな板代わりに使うこともできます。
使ったあとの包丁は、ウエットティッシュで拭けば大丈夫です。

・耐熱性ポリエチレン袋に合いびき肉と卵、みじん切りしたタマネギ、塩、こしょうを入れて、よくなじませます(卵はなくても大丈夫です)。
 ハンバーグを作る際も、一つの袋で一人前です。鶏ひき肉でも豚ひき肉でも、冷蔵庫に残っている食材でOK。

・袋の中に空気が残らないよう、空気を追い出しながら袋をねじり上げます。そして、袋の上の方を結びます。ポリ袋の外からハンバーグの形にして、火が通りやすいようにやや平らにするとよいでしょう。

・鍋に皿を敷きます。袋が鍋の底に触れて、高熱で破れないようにするためです。鍋の高さの半分くらいまで水を入れ、袋を入れます(袋が水で隠れていればOK)。

・鍋にふたをして、カセットコンロの火は沸騰したら中火にしましょう。約15分加熱し、火を止めてふたをしたまま5分ほど蒸らしてください。

・食べるときは袋のまま皿の上に置いて直接食べるようにすると、洗い物をしなくてすみます。災害時に貴重な水を節約することができます。

近藤アナの感想は「まさにハンバーグの味!」だそうです。
フライパンでじっくり焼かなくても、湯煎でここまで本格的な味が再現できることに、一同ビックリでした。調味料もケチャップとマヨネーズを混ぜたオーロラソースにするなど、よりおいしく食べることもできます。

この調理法の優れた点は、複数の料理を一度に作ることができる点です。鍋の水が汚れることがないので、何度も使うことができます。ふだんの食事の際に、一度試してみてはいかがでしょうか。

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