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女子サッカーWEリーグ 躍進!ちふれASエルフェン埼玉 その秘密は?

  • 2024年04月25日

2022-2023シーズンは最下位だったちふれASエルフェン埼玉は、池谷孝監督を迎えた今シーズンは成績を大きく伸ばしています。皇后杯ではベスト4。リーグ戦でも4月21日の試合では広島戦に勝って5位に浮上。粘り強く守り、ボールを奪うとシンプルに速攻で攻めあがるサッカーが熟成してきました。広島戦の終了後に監督とディフェンスリーダーの岸みのり選手に躍進の裏側を聞きました。(4月21日に取材)

(さいたま局アナウンサー/吉田一之)

池谷孝監督 800枚のファイルで戦術を植え込む

吉田アナ

2023-2024シーズンは、WEリーグの各チームの監督が各チームの力が均衡してきたと話をしています。その象徴とも言えるのがちふれASエルフェン埼玉です。今シーズンから指揮を執っている池谷監督に4月21日の広島戦の後の記者会見で話を聞きました。

池谷孝監督

エルフェンは練習が全てなんで、今日みたいな辛抱強いゲームができるような練習をずっとやっております。 

対戦相手のプレーモデルからゲームのコンセプトを決めてそれに見合った試合の戦術や組織作りをしています。ディフェンシブで面白みがないと感じる方もいるかもしれませんが、これがうちのサッカーです。今日は勝ち切り非常にいいと思っています。 

日々の指導の中で、選手には毎週授業もやっています。そこで使用するパソコンのプレゼンテーションの画面は、800枚くらいになりました。毎回15枚とかの授業をやって、毎週毎週やっています。

それだけの量を示して、こちらの考え方とか、論理を選手に植え付けて、だんだん頭の中が変わってきました。そうして失点が少なくなった。また負ける場合も、最少失点の差で負けるって言う試合がたくさんできるようになってきました。 

大負けしない。リーグ戦とか、カップ戦の初期は3点とか4点取られたゲームもありました。けれども、同じ相手とやってだんだん点差が詰まっていって負けるにしても、最少失点で負けるようになった。その状態で今のチームの戦力としては100点満点だと思っています。

池谷監督のサッカーとは

池谷監督のサッカーっていうのは、岸さんはどういう風に理解されていますか?

岸みのり選手

一貫してディフェンスの部分では、ドーベルマンディフェンス(厳しくくらい付くディフェンスの比喩)っていったところだったり、攻撃のところではクイック・シンプル・トゥ・ザ・ゴール(素早く、簡単に、ゴールに向かう)だったりというのを最初からずっとリーグが始まっても言い続けてくれていて、選手たちにとってもはっきりしているし、わかりやすいのかなと思います。

今日もすごくスリーライン(ディフェンス・ミッドフィールド・フォワード)がディフェンスの時に綺麗にできていて、3本のラインの間隔みたいなのは、おそらく岸さんが後ろから声を出していらっしゃると思います。  
ただ守るだけではなくてカウンターの備えと言う意味も含めて非常にバランスの取れた陣形だったように私には見えました。

そうですね。監督にフォーメーションの指示はされるんですけれども、やっぱり細かい場面場面での守り方については、選手がプレーをしながらやらないといけないことなので、周りの選手とよくコミュニケーションをとっています。

うちの選手はすごく周りと話す選手が多いんです。今のはどうだったとか、もっとこうしたほうがいいっていう改善点も、試合中に声としてやり取りしています。

そしてそうした部分を、選手たちの中で次の試合前に改善して話し合ってやっています。だからこそ今日は、ディフェンスラインが綺麗と言っていただけるような守備ができたのかなと思います。

去年と比べて失点が少なくなりましたよね。

去年と比べるとやっぱり失点の部分は少なくなっているので良かったなとは思うんですけれど。でもやっぱりディフェンスの選手としてはもっともっと減らせると思います。

エルフェンは、ここまで引き分けが少ないので、1点差ゲームで負けていたゲームをせめて引き分けに持ち込むっていうところが、もっと上の順位を目指す上ではもっと必要なことなのかなとすごく痛感しています。

今年は得失点減っているとは言えど、もっともっと無失点にこだわった試合をしたいなというのが率直な気持ちです。

サッカーが楽しい!

どうですか?昨シーズンもプレーをされましたが、去年と比べて今年サッカーしていて楽しいですか?

監督に言われることもそうですけれど、試合に勝てているので楽しいです。    
また、選手同士でコミュニケーションをとって、こういう相手にはどう守ろうかって言う話ができているので、そういうのを考えるところだったり、話し合っていくのはすごく楽しいと思っています。

前の2022-2023シーズンでは1試合平均で2点以上も失点をしていましたが、今シーズンは1点ほどです。シンプルに自分たちの出来る技術の中でサッカー戦術を落としこんでいく池谷監督の手腕。

そしてその結果として、選手たちは楽しいと感じてリーグを戦っている。ここにエルフェンの強さを感じました。

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