WBCで活躍！ヌートバー選手 埼玉県東松山市はゆかりの地

初の代表入りで活躍 ヌートバー選手

ラーズ・ヌートバー選手はアメリカ出身の25歳。大リーグ、カーディナルスに所属する強肩と長打力、そして選球眼が持ち味の外野手です。
アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれ、今回、日系選手として憧れの日本代表入りを果たし、攻守にわたって活躍しました。

ヌートバー選手といえば、この大会で一気に注目を集めた、あのパフォーマンス。
ベンチに向かって握った両手を上下に重ねてねじるようなしぐさ「ペッパーミル・パフォーマンス」が話題になりました。
こしょう引きを回す動きを模して、「打席を次から次に回す」「身を粉にして働く」という意味があるんだそうです。

ヌートバー選手と東松山

ヌートバー選手の母親、久美子さんは埼玉県東松山市出身で、ヌートバー選手も子どもの頃には母親の実家を訪れたことがあるそうです。

東松山には今も、祖父の榎田達治さんが住んでいます。
ヌートバー選手のミドルネームは「テイラー・タツジ」。達治さんの名前が由来となっています。
チームメイトから「たっちゃん」と呼ばれるようになっていますが、達治さんが「元祖たっちゃん」ということになります。

市をあげてヌートバー選手応援

その東松山市では、ヌートバー選手を応援しようと市役所や駅に「東松山市ゆかりのヌートバー選手を応援しよう」などと書かれた応援メッセージを掲出。

さらに市役所には、市民に応援メッセージを書いてもらって掲示するメッセージボードを設置しました。似顔絵も描かれたこのメッセージボード、決勝が行われた22日までに、およそ800枚のメッセージが集まりました。

その隣には榎田達治さんが「めざせ世界一 全力でガンバレ」と書いた絵馬も。このホームベース型の絵馬は、市内の箭弓稲荷（やきゅういなり）神社のものです。
箭弓稲荷神社は、その名前にあやかって野球の上達を祈願する人たちが参拝に訪れていて、ホームベースの形をした絵馬やバットやグルーブの形をしたお守りが頒布されています。神社にもヌートバー選手の活躍や日本代表の優勝を願うホームベース型の絵馬が奉納されていました。

WBC優勝 歓喜に沸く東松山市民

WBCの決勝が行われた22日。東松山市総合会館にはテレビが設置され、集まった市民が声援を送りました。
その中には、祖父の榎田達治さんと祖母の和子さんの姿も。さらに母親の久美子さんの高校時代の知人なども集まりました。

ヌートバー選手の内野ゴロで勝ち越し点が入ると、拍手が起こり歓声が上がっていました。

そして、アメリカの最後のバッターを大谷投手が三振に取り、日本の優勝が決まると、達治さんは立ち上がってバンザイ。

周りの人たちと「ペッパーミル・パフォーマンス」で、喜びを分かち合っていました。

市役所の連絡通路に掲げられていたメッセージは、さっそく「めざせ世界一」から「優勝おめでとう」へと付け替えられました。

市役所近くの商店街では、店の前にヌートバー選手の写真を飾ったり応援メッセージやのぼり旗を掲げたりして、商店街をあげて応援ムードを盛り上げてきました。優勝記念セールも行われることになりました。

生花店では白と赤の花で日の丸をイメージしたブーケを「ヌートバーブーケ」と名付けて販売していました。

ヌートバー選手“みんなありがとう”

ヌートバー選手は表彰式のあとのインタビューで「言葉にできないし、チームに入れて光栄だ。本当に感謝している。人生で一番最高の決断をしたと思う。ダルビッシュ有選手にも感謝しているし、すべてに対して感謝している。本当に最高です」と思いを話していました。
応援してくれたファンに向けては日本語で「日本大好き。みんなありがとう」と感謝の気持ちを口にしました。

現地で応援した母親の久美子さんは「感動でことばにならないです。こんなうれしいことはないです。日本のみなさんに応援してもらって本当にありがとうございます。感謝しています」と話していました。