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駆除した鹿を犬用ジャーキーに活用 飯能市

  • 2023年03月13日

飯能市では、中山間地域を中心に鹿や猪などによる農作物被害が年間3000万円以上に上るそうです。飯能ジビエール代表の遠藤拓耶さんは、これまで焼却処分するしかなかった駆除した鹿の肉を犬用おやつのジャーキーにして販売しています。「鹿の命を次に繋げたい」という遠藤さんの思いについて、猪﨑那紗キャスターが伺いました。

どうして鹿や猪などの駆除に関わるようになったんでしょうか。

飯能市には、家族と一緒に6年ほど前に「農のある暮らし 飯能住まい」という制度を使って移住しました。移住後に地域の人たちによくしていただいたこともあって、地域の行事や活動によく参加するようになったんです。

活動の一つに有害鳥獣捕獲がありました。もともとアウトドアが好きで狩猟にも興味があったので、罠猟をするための免許も取得して、市の鳥獣被害対策室の普及員として活動するようになりました。

犬用のジャーキーを作ろうと思ったきっかけはなんだったんですか。

飯能市は自然との距離も近いので、年間400頭近くの猪や鹿といった大型の野生動物が駆除されています。ただ、そのほとんどが焼却処分されているんです。

400頭のなかには、もちろん私が手をかけた動物もいます。中山間地域の人たちの生活を守るためとはいえ、どうにかして活用できる方法はないだろうかと思って、調べたところ、鹿の肉は実は犬と相性がよいということがわかったんです。

駆除した鹿の肉をペットの犬に食べてもらうことで、次の命に繋げていく活動をしようということで、2021年5月に販売を始めました。

周囲の反応はいかがでしたか。

地元には、自分の身近な地域で動物が駆除されることに複雑な感情をもつ方もいます。そうした方に積極的に声をかけて、「駆除した鹿は、ワンちゃんたちに食べてもらうことで、命を次に繋げていくんです」と話をするようにしています。話を聞くと、「よかったね」と安心してくれますね。

ジャーキーの評判はいかがですか。

特別な作り方をしているわけではないんですが、「食いつきがいい」とか「ほかのジャーキーは食べなくなった」といった声をいただいています。これまで作ったジャーキーはほぼソールドアウトになって、廃棄がない状態が続いています。命が無駄にすることがなくなったので、やってよかったなと思っています。

今後はどんなことに取り組みたいですか。

駆除した鹿などの有害獣を食用のジビエとして活用したいと考えています。実は飯能市には、ジビエに加工して流通させる施設がいんです。地元産のジビエを届けるために、ことしの夏から秋を目標に、処理場をつくる計画を進めています。

キャスターからひと言

遠藤さんは、市内の入間川の近くに犬と一緒にバーベキューを楽しめるレストランも始めることにしています。犬好きの人たちだけでなく、地域の人たちが交流できる場所にしたいとも話していました。

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