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埼玉パナソニックワイルドナイツ リーグワン初代王者に

  • 2022年05月31日

今シーズン新たに始まったラグビーのリーグワン。埼玉パナソニックワイルドナイツは、5月29日に国立競技場で行われたプレーオフトーナメントの決勝で、東京サントリーサンゴリアスを破り、初代チャンピオンに輝きました。地元・熊谷でもファンが喜び合いました。

接戦を制して初代チャンピオンに

去年、トップリーグの決勝でも対戦しているチーム同士の試合。リーグワンとして最多となる3万3604人の観客が訪れました。
ワイルドナイツは前半、ペナルティーゴールで先制されますが、山沢拓也選手のペナルティーゴールで追いつくとマリカ・コロインベテ選手のトライなどで逆転し10対3とリードしました。

後半は相手に立て続けにペナルティーゴールを決められ1点差に迫られる場面もありましたが、33分にディラン・ライリー選手のトライなどで突きはなして18対12で勝利。
今シーズンから始まったリーグワンの初代チャンピオンに輝きました。

「熊谷の誉れ」地元でもファンが歓喜

熊谷市では、ホームスタジアムの熊谷ラグビー場に併設された飲食店に地元のファンが集まり、テレビで試合を見守りました。トライが決まるとファンどうしでグータッチ。
ワイルドナイツが勝って、初代のリーグワンのチャンピオンに決まると、抱き合ったりバンザイをしたりして、喜び合っていました。

よかったです。見に来たかいがありました。

選手に「よく頑張ってくれた、ありがとう」と言いたい。熊谷の誉れです。来年も優勝を期待したい。

熊谷にすごい力を与えてくれたと思う。これからも強くあってほしいし、見応えのある、心に響くプレーを見せ続けてほしい。

ワイルドナイツの堅い守備 決勝ではトライ許さず

ワイルドナイツは持ち味の堅い守備で、リーグ戦で最多得点をマークした相手に1つのトライも許さず大一番を制しました。

序盤、スタンドオフの山沢拓也選手を中心にキックをうまく使いながら失点の危険があるエリアへの侵入を阻みました。
7点リードの前半終了間際にはリーグ戦の得点王、サントリーのダミアン・マッケンジー選手にわずかなスペースを突破されトライを奪われそうになりましたが、山沢選手がタックルを仕掛けるなど球際の強さも見せました。

さらに大きかったのが反則の数を抑えたことです。この試合での反則は「6」と相手の「8」よりも少なくとどめました。
キックの名手、マッケンジー選手がいる相手に対しては、反則によるペナルティーゴールで失点がかさむ危険などがありますが、このリスクも最小限に抑えました。日本代表経験もある稲垣啓太選手は「反則を少なくして80分を通してプレッシャーをかけられた」と話していました。

ワイルドナイツはリーグ戦で培ってきた守備力の高さで接戦をものにし、リーグワンの初代チャンピオンの座をつかみました。

選手の喜びの声

キャプテン 坂手淳史選手
「最後の1秒までどちらに転ぶかわからないような試合で、接点やセットプレーのすべてがタフだった。サントリーのプレッシャーがすごかったなかで勝つことができ、チームのみんなを誇りに思う。多くのファンが練習を見に来てくれてホームタウンの良さを毎日感じている。熊谷の人たちに優勝という結果を持ってかえれることはうれしい。たくさんの応援に対し少し恩返しができたと思う」

稲垣啓太選手
「シーズンを通して調整が難しかったが、最後にいい形で締めくくることができて最高だ。80分間を通して相手にプレッシャーをかけることをテーマに臨み、それが遂行できた。初めての国立競技場で最高の環境でプレーできたのはファンの皆さんのおかげだと思う」

堀江翔太選手
「相手が自分たちのディフェンスに対して嫌がっていたのは見えていた。それをペナルティーをせずにやり続けられたことが非常に大きかった。気持ちが出過ぎることなく、個々が自分たちの技術を発揮できた。試合に出られなかった選手たちが泣いてくれたのがうれしかった。試合に出られないなかでもモチベーション下げずにいっしょに練習してくれたメンバーがいたから、こういう結果につながった」

不戦敗からのリーグ戦14連勝 優勝への軌跡

今シーズン、ワイルドナイツは群馬県太田市から埼玉県熊谷市に本拠地を移転して新たなスタートを切りました。
しかし、リーグが開幕したことし1月、チームに新型コロナウイルスの感染者が出た影響で開幕戦から2試合続けての不戦敗スタートとなりました。

それでもその後、“笑わない男”稲垣啓太選手や堀江翔太選手などワールドカップを経験している選手たちが引っ張り、以降のリーグ戦で14連勝と圧倒的な強さを見せました。
選手層の厚さを生かした組織的な守備が持ち味で、リーグ戦の失点数はディビジョン1の12チームで2番目の少なさでした。(中止試合の結果も含む)

結局、開幕から2試合連続での不戦敗以降は一度も敗れることなくリーグワンの初代チャンピオンに輝きました。

MVPに堀江翔太選手 リーグワンアワード

決勝から一夜明けた30日には、今シーズン活躍した選手などを表彰する「リーグワンアワード」が都内で行われ、MVP=最優秀選手に堀江翔太選手が選ばれました。
堀江選手は36歳。今シーズンはチームの組織的なディフェンスの切り札として、後半から出場してスクラムやラインアウトなどで存在感を示しチームの優勝に貢献しました。

また、ベストフィフティーンにはトライ王に輝いたディラン・ライリー選手などワイルドナイツから最多の5人が選ばれました。

堀江翔太選手
「素晴らしい選手がいる中で選ばれてうれしい。36歳という年齢でMVPをとれたことは自分の中で価値がある。一緒にやっているトレーナーが選手寿命を伸ばすだけではなく、以前よりも体をいい状態にしてくれるおかげだ。ラグビーをやるのも残り数年だと思うが、先のことを考えずどこまで成長できるか頑張っていきたい。来シーズンも優勝を目指し、個人としても成長していきたい」

また、現在、日本代表候補に選ばれている堀江選手は来年のワールドカップに向けて「けがをしなければもちろん行きたい。いまは出来ることを精一杯やって選ばれれば、そこでいいパフォーマンスをしたい」と意欲を見せていました。

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