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制服を3年間レンタル 県立高校で新たな制度 埼玉県北本市

  • 2022年04月22日

「制服の購入費が大きな負担だ」。そうした保護者の声を受けて、埼玉県北本市にある県立北本高校では、負担を減らすため、今年度から制服のレンタルという新たな制度を導入しました。

制服の購入費 大きな負担に

女子…希望制のポロシャツ等除く。スラックスも選択可能で金額は変わる
男子…希望制のニットベスト、ワイシャツ等除く

この表は県立北本高校で、昨年度まで、学校側が標準とする制服の購入にかかった費用です。
女子の場合では少なくとも約6万9000円、男子の場合では約6万円で、保護者から制服の購入費が大きな負担だという声が多く寄せられていました。

価格を抑えた上でレンタル制度を新たに導入

埼玉県立北本高校


こうした声を受けて、学校側は制服の素材を見直し、今年度からこれまでよりも1割ほど価格を抑えた制服に刷新するとともに、レンタルで利用できる制度を新たに導入しました。対象となるのは今年度の新入生からで、卒業するまでの3年間、上着のブレザーとスラックスまたはスカートを借りることができます。

今年度、購入した場合とレンタルした場合を比較した表です。
レンタルの値段は、いずれの場合も購入するよりも2割ほど安くなっています。
今年度の新入生の1割あまりにあたる20人がレンタルを利用しているということです。

追加料金でサイズの変更や修繕も

レンタルの契約をする際に、追加で1100円を支払うと、スラックスやスカート、ブレザーのうち、1点のサイズの変更または修繕が可能となっています。
制服のメーカーによりますと、レンタルで制服を利用できる取り組みは埼玉県内では珍しいということです。

北本高校の上田毅一校長はレンタルの制度を導入した意義を次のように説明しています。

北本高校 上田毅一校長 
「制服にかかわる費用を抑えることで、少しでも保護者の負担を減らすことを一番に考えた。今後も利用者の意見をきくなどしてこの制度を検証していきたい」

埼玉県内では「ユニクロ」の制服も

さいたま市立大宮北高校

埼玉県内では、制服に関する経済的な負担を減らそうと、別の方法を導入した高校もあります。
さいたま市立大宮北高校では、今年度の新入生から従来の制服に加えて全国で初めて大手衣料品会社の「ユニクロ」の服を制服として採用しました。高校によりますと、去年5月から制服について検討を進め、生徒や保護者からは価格を安く抑えることや制服を自分で選べることなどを求める声があったことから導入を決めたということです。

大宮北高校の「ユニクロ」の制服(ジャケット)

新たな制服は、ジャケットやシャツ、それにボトムスの組み合わせで、1万3000円ほど。
従来の制服に比べておよそ4分の1になるほか、いずれも数種類のなかから自由に選べるということです。
これまでに新入生のおよそ330人のうち8割を超える270人あまりが利用しているということです。

大宮北高校 新川健二教頭
「制服を検討する上で安価でシンプル、機能的なところを考えてきた。制服を選べることで学校生活での生徒の決断力や自主性を伸ばしたい」

こうした制服をめぐる県内での新たな動きについて公教育の費用の問題にくわしい埼玉大学教育学部の高橋哲准教授は、次のように話しています。

埼玉大学教育学部 高橋哲准教授
「日本では子どもの教育に非常にお金がかかり、保護者の大きな負担になっているなかで、とても評価できる。一方で、制服の製造や販売は地元の中小企業も行っていて、中小企業への支援となっていた面もある。義務ではない標準服の採用や3年後の再利用など、さまざまな面から費用を抑える仕組みを考えるとともに、中小企業への支援方法も考えるべきだ」

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