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障害者が安心して利用できる美容室へ 川口市

  • 2021年11月26日

「きょうはどんなヘアスタイルにしようかな?」
自分の好みの髪型について気軽に相談できる美容室、楽しみにしている人も多いのではないのでしょうか。しかし、障害のある人にとっては、美容師と会話すること自体がストレスになるケースも多いそうです。
埼玉県川口市にある美容室では、会話をしなくても指を差すだけで意思を伝えることができる「指差しカウンセリングシート」をつくりました。株式会社レボルの代表取締役の平井伸幸さんに猪崎那紗キャスターが伺いました。

「指差しカウンセリングシート」をつくったきっかけはなんだったのでしょうか。

会社として以前から障害者のアート活動を支援する取り組みをしていて、ことし7月には埼玉県のSDGsパートナーにも登録しました。その流れで、地元、川口市の障害者の就労支援サービスを行っている団体に伺う機会がありまして、障害者の方と話す機会があったんですね。

このとき、“美容室ってどういう場所ですか”という質問をさせてもらったところ、“実は、美容室は非常に行きづらいところだ”と言われたんです。“なぜですか”という質問をすると、特に精神的な疾患のある方については、次の日に美容室に行って会話をしなきゃいけないと思うと、夜も眠れないということなんですね。

美容室を経営する立場としては、美容室が行きづらい場所ということが、すごくショックというか、びっくりしまして、そのあと社員と、障害のある方が気軽に美容室に来てもらうためにはどんなことができるのかということを話し合って、カウンセリングシートをつくってみようということになりました。

カウンセリングシートとは、どういったものなのでしょうか。

難聴の方や精神疾患などで人と話すことにストレスを感じる方が会話をしなくてもすむように、お客さまが指を指すだけでカウンセリングができて、希望のヘアスタイルを伝えることができるシートです。A4サイズの紙で何枚かのページにわけています。また、iPadでも使えるようにしています。

シートにはどんなことが書いてあるのでしょうか。 

もちろん、美容室ですので、例えば、カラーであるとか、カットだとか、パーマだとか、御希望のヘアスタイルを指で指しながらお聞きするというのがまず1つです。それ以外にも、例えば、飲み物は何がいいかとか、室内が寒くないかとか、 マッサージが強いほうがいいのか、弱いほうがいいのかといった、お客さまの希望もわかるようにしたシートになっています。

シートをつくるうえで、大変だったこととか、工夫をしたことはなんですか。

なるべく、簡潔にわかりやすくするように気をつけました。イラストを多くしたり、色をカラフルにしたりして、選びやすくする工夫もしました。 専門用語もなるべく使わないように、どなたが見ていただいてもわかりやすいようにもしています。また、お客さまが気になることをなるべく盛り込もうということで、例えば、料金体系ひとつとっても、わかりづらい部分もあるものですから、見てすぐにわかりやすくすることに一番、労力をかけました。 

今後の目標や取り組んでいきたいことはなんですか。 

コロナになって、ご来店いただけるお客さまに本当に心底、感謝した1年間だったんですね。 特に地元の皆さまにはすごく感謝を感じています。これからは、特にご高齢の方や体の不自由な方にも来てもらいやすい美容室にしていきたいと強く思っているんです。 

具体的にはバリアフリーだったり、スタッフに福祉美容師の資格を積極的にとってもらったり、あとは、お客さまの送迎を検討したりですとか、誰にとってもやさしい美容室になるように努力していきたいと考えています。

キャスターからひと言

「指差しカウンセリングシート」は、平井さんが経営する11の美容室に加え、要望があったほかの10店舗でも活用しているということです。会社のホームページから無料でダウンロードできるようになっていて、希望すれば、ほかの美容室も利用することができるそうです。

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