旬の魚を存分に味わう方法を、“魚の伝道師”上田勝彦さんが伝授!
今回は“サバ”です。1年を通して日本各地で水揚げされるサバですが、特に冬は“寒サバ”と言って、産卵前で脂が乗るおいしい季節。今回は、うまみを凝縮し、いろいろな料理にアレンジもできる“塩サバ”の作り方をご紹介します。
そのまま焼いてもおいしい!お吸い物にしてもおいしい!万能食材。長期保存もできるので、ぜひ、お試しください!
僕が愛してやまない魚のひとつが、このサバ。
塩とキッチンペーパーさえあれば、失敗せずにおいしい塩サバができるよ!
【塩サバ】
<材料>※分量はお好みです
・サバ(マサバでもゴマサバでもOK)
・塩
・キッチンペーパー
<作り方>
(1)頭を落として三枚おろしにする
(ここまでは鮮魚店などでもやってくれます)
(2)流水で血や汚れをさっと洗い流し、水気をやさしく拭き取る
※サバは身が柔らかいので押しつぶさないように注意してください
(3)サバをさっと水で濡らし、キッチンペーパーに包む
(4)キッチンペーパーの上から塩をたっぷりふりかけ、余分な塩を落とす
じわ~っと水分を抜きつつ、塩を均等に入れてくれる日本料理の伝統の技『紙塩』を簡単にしたもの。
塩を付けたら優しく落としてね。これをしておくと、失敗なくおいしい塩サバができるよ!
(5)紙塩をしたサバを、1~3日冷蔵庫で寝かせてできあがり
【塩サバ焼き】
<材料>※分量はお好みです
・塩サバ
・青じそ
・貝割れ菜
<作り方>
(1)塩サバに切れ目を入れて、グリルで焼く
(2)切れ目から脂が出て、皮が香ばしく焼けたらできあがり
サバのいい味が出ていますね~。
皮はパリッ、中はふっくらジューシー。塩加減もちょうどよくておいしい~!
このパンチの効いた力強い味が、サバのおいしさですよ!僕は3日寝かせた塩サバが一番好きだね!
3日たったら、紙を外してラップに包み、冷凍庫で1か月ほど保存することができます。空気をしっかり抜いて密閉しておけば、冷凍庫で1年はおいしく食べられますよ!
船場汁は、昔、大阪で塩サバが流通していた頃に、問屋で働いていた人たちが、アラなどを使って作っていたといわれる郷土料理です。
【船場汁】
<材料>※分量はお好みです
・塩サバ
・サバのアラ
・昆布
・大根
・にんじん
・長ねぎ
・細ねぎ
<作り方>
(1)サバのアラは、水で洗って塩を当てておく
(2)塩サバは食べやすい大きさに切って、皮に切れ目を入れておく
(3)大根とにんじんをいちょう切りにし、長ねぎを斜めに切る
(4)大根・にんじん・昆布を鍋で煮て、野菜が煮立ったところでアクをすくい、昆布を取り出す
(5)サバのアラを入れてひと煮立ちさせ、だしを取る
(6)アクを取ったらアラを取り出し、塩サバを入れてさらに煮る
※塩サバを入れたら、煮立たせないように注意する
(7)アクを取ったら長ねぎを入れ、酒・しょうゆ・塩で味を調える
(8)最後に、白子や卵があれば入れて、ひと煮立ちさせたらできあがり
上品な味!後味があっさりしていて、魚の臭みも一切ないですね!
同じ塩サバなのに、焼いたのとは全く別物。塩サバってすごいですね!
塩サバは、焼けばサバらしい力強い味になるし、汁物にすれば品のある透き通った味にもなる。野菜炒めにしてもおいしいし、塩サバは最強の常備菜ともいえるね!ぜひ、いろいろな料理で楽しんでほしいです。